神は銃弾

劇場公開日:

神は銃弾

解説・あらすじ

「ジョンQ 最後の決断」「きみに読む物語」の名匠ニック・カサベテスがメガホンをとり、カルト教団に元妻を殺され、娘を拉致された男の怒りの追走劇を描いたノワールアクション。「このミステリーがすごい!」2002年版海外編で第1位を獲得するなど、日本でも高く評価されたボストン・テランのベストセラー小説「神は銃弾」を映画化した。

クリスマスの夜、刑事ボブ・ハイタワーの元妻とその夫が惨殺され、娘のギャビもこつ然と姿を消してしまう。その背後には、悪魔のようなカルト教団「左手の小径」の影がうごめいていた。絶望と怒りにさいなまれたボブは、かつてそのカルト教団に誘拐されたものの生還を果たした経験を持つ女性、ケース・ハーディンと出会う。ケースは心に深い傷を負っていたが、ボブの苦悩と覚悟に動かされ、彼に手を貸すことを決める。法の力も及ばず、正義の限界を悟ったボブも、刑事の職を捨て、その忌まわしい世界へと足を踏み入れることを決意。2人は痛みと怒りを武器に進んでいく。

主人公ボブを「ゲーム・オブ・スローンズ」のニコライ・コスター=ワルドー、ボブとともにカルト教団の闇に挑むケースを「HOT SUMMER NIGHTS ホット・サマー・ナイツ」「グレタ GRETA」のマイカ・モンローが演じた。そのほか、「Ray レイ」「コラテラル」のオスカー俳優ジェイミー・フォックスが共演。

2023年製作/156分/R15+/アメリカ
原題または英題:God Is a Bullet
配給:クロックワークス
劇場公開日:2024年12月27日

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映画レビュー

4.0人物関係などのモヤモヤは原作を読むとほぼ解消される

2024年12月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

興奮

本作については当サイトの新作映画評論の枠に寄稿したので、ここではトリビア的なことをいくつか紹介したい。

評では「もともと大長編の小説を凝縮した映画化なので、人物らの過去の関わりといった背景が割愛され説明不足のきらいがある」と書いた。私は映画版を観たあとで原作を読んだのだが、人物Aと人物Bには過去にこんないきさつがあり、だから現在のあの言動につながったのか、と腑に落ちる点がいくつもあった。もし本作を観て、人物関係などがどうもすっきりしない、もやもやしたという方で、550ページの翻訳小説を読むのが苦でないなら、ぜひ原作にあたってみてほしい。読書する時間がない、長編小説が苦手という方のために、ネタバレにならない範囲でそうした要素を少しだけ挙げておく。

・不動産業者アーサー(刑事ボブの元妻サラの父親)は地元の有力者で、保安官事務所にも影響力を持つ。所長ジョン・リーがボブに「お前はデスクワークの事務方だ」と言って捜査を牽制する台詞がある。かつてはボブも現場に出る刑事だったが、アーサーが裏で手をまわして娘婿になったボブを楽で安全な事務方に異動させた過去があった。

・ジョン・リーの妻モーリーンはアーサーの共同経営者で、既婚者のアーサーとかつて不倫していた。そのことがジョン・リーとモーリーンの冷めた夫婦関係の一因でもある。

・ジョン・リーが妻から少年ポルノ鑑賞を嘲笑される場面がある。だが彼の少年性愛癖は見るだけに留まらず、作中のある人物とかつて実際の行為に及んでいた。そうした過去が一連の事件ともつながっている。

原作小説からの補足情報はこれくらいにとどめておく。また、評でゴア描写に関して「原作にはない殺傷シーンまで含まれる」とも書いたが、ニック・カサベテス監督がどんな描写を追加して映像的インパクトを強めたのかも、原作との比較でよくわかる。

なお、ボストン・テラン作品の映画化第2段として、2010年刊行の「暴力の教義」を原作とする映画の製作がトッド・フィールド監督(「リトル・チルドレン」「TAR ター」)、ダニエル・クレイグ主演で進められていたが、コロナ禍の影響もあってかこの5年ほど進捗が伝わってこない。完成するにしてもまだ当分先になりそうだが、気長に待つとしよう。

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高森 郁哉

4.0ボブもケイスもカッコよすぎる…

2025年5月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

興奮

前評判は決して高かった訳ではないが、私は面白く観た。確かに、人間関係がわかりにくかったり、残酷な描写が多かったりと欠点はあるのは認める。だが、それにも増して、物語に緊迫感があり、どんな結末が待っているのだろうかという先が読めない展開があった。このミスの海外編で1位となった当時、文庫本を買って読み始めたが、すぐに挫折した苦い経験があったので、どんなストーリーなのか知りたいのが、第一の鑑賞動機だった。封切で観に行こうと思ったが、公開2週目で、夕方の回しかなくてあきらめた。ボブは保安官とはいえ、事務方というのもみそ。バリバリの捜査力があるとは思えなかった。しかも相手は神出鬼没のカルト集団。ケイスの助けがなければ、どこから手をつけたらいいかわからなかったのではないだろうか。一方、初めケイスはなぜ協力を申し出たのか、わからなかった。そして、観客はボブと共に、よく訳がわからないまま振り回されて困惑してしまう。しかし、話が進んでいくうちに、二人の関係性が変わっていく。私はボブがケイスの命を大事にして粗末に扱わないところが好きだ。ケイスがちゃんと落とし前をつけたところがすてきだと思った。それから、ラストもとても納得がいく終わり方でよかった。最近観た「ブルータリスト」や「教皇選挙」などは、思いもよらない事実が終盤に出てきて戸惑ってしまったからだ。そうあってほしいと願った終わり方だった。「神は銃弾」というタイトルの意味がわからなかったが、少しわかった気がする。

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瑞

3.5マイカ・モンローのやさぐれ感が素晴らしい!

2025年5月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 4件)
ひでちゃぴん

2.0自分には不快感しかない作品。

2025年4月7日
Androidアプリから投稿

「2002年度このミステリーがすごい!」海外編1位に釣られ、
監督はあの名作『きみに読む物語』の
ニック・カサヴェテスだから期待。

ああ、『ドラゴン・タトゥーの女』みたいな感じでサスペンス。
ミステリーの醍醐味はない。
悪魔の信者で黒魔術なんて言葉を使うから、オカルト方向にいくのか楽しみだったが、
ヤクでラリっているなんてオコちゃまのカルト集団で、
茶化して観ていればいいのかもしれないが、
一向に面白くならない作品。
監督ニック・カサヴェテスだからといってお父さんのように緊張感漂わせる演出は、望めなかった。

神だの悪魔だの皆んながほざくが、
コチラから観たら
皆さんが悪魔、なのかもしれない、
そんな風にしか見えなかった。

主演ニコライ・コスター=ワルドー、見覚えがある。
どの作品だろうと調べたらスッカリ忘れていたデ・パルマの『ドミノ 復讐の咆哮』の主演俳優だった。
(今からでもディレクターズカットでもいいので『ドミノ 復讐の咆哮』を創り直してくださいデ・パルマ。ムリなら新作はバリバリのブライアン・デ・パルマ作品を撮ってください。
『ドミノ 復讐の咆哮』を遺作にはしないでください。)
この作品(神は銃弾)、覚えているのは、
思い出した『ドミノ 復讐の咆哮』だった。

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なかじwithみゆ