ボウリング・フォー・コロンバインのレビュー・感想・評価
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ドキュメンタリー映画
アメリカで何故銃による殺人が多いかという疑問をもとに作られたドキュメンタリー映画。
カナダも同様に銃社会なのに何故銃による殺人が少ないのか?
カナダから見たアメリカの客観的な印象は?
などにスポットを当ててマイケル・ムーア監督自らが人々にインタビューする。
色々な人の意見を聞けて面白かったが、
基本的にはアメリカ人によるアメリカ人のための映画だと思います。
自分が日常生活で余り銃への恐怖を持っていない分、実感はわかなかった。
アメリカの銃社会に切り込む社会派ドキュメンタリー
本作の内容については全く知らない状態での鑑賞。
しかしながら、タイトルからコロンバイン高校銃乱射事件についての映画ではないかと推測を立てて鑑賞しました。その予測は大当たりでしたね。
本作は、私にとって初めてのマイケル・ムーア監督の映画となります。
切り込んだ内容のインタビューや、鋭い切り口で事件の真相を究明していくのは非常に楽しめました。また、平和な日本に住む自分が知らなかったアメリカ銃社会の実情についても知ることができて非常に良かったですね。
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アメリカ合衆国コロラド州にあるジェファーソン郡コロンバイン高等学校。1999年4月20日、二人の生徒が校内で銃を乱射し、多くの死傷者を出すという大規模な事件が発生した。ドキュメンタリー監督であるマイケル・ムーアは、この事件はアメリカの銃社会の闇であるとし、事件の詳細やアメリカの異様な銃社会についての調査やインタビューを開始する。
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「コロンバイン高校銃乱射事件」という事件名は聞いたことがある方も多いかもしれません。私はアメリカで発生した大規模な銃撃事件について調べたことがあったので、本作の内容を知らなくても、タイトルに「コロンバイン」が含まれていることから本事件についての映画だろうと推測して鑑賞することができました。もちろん、劇中で事件に関する詳細な説明もありますので、全く知らない方が鑑賞しても面白さが減衰することは無いと思います。
20年前の本作を鑑賞する私たちは、当時本作を鑑賞した人よりも情報のアドバンテージがあると思います。つまり、本作はアメリカの銃社会に対する批判と警告を行いましたが、2007年のバージニア工科大学銃乱射事件や2016年のオーランド銃乱射事件、2017年ラスベガス・ストリップ銃乱射事件など、コロンバインを超える死傷者を出した事件が何度も発生しているということを知っています。
マイケル・ムーア監督はアメリカの銃社会に警鐘を鳴らす映画を2003年に公開したのに、結局アメリカは今でも銃社会だし、大規模な銃撃事件は起こっているし、銃による死者は全然減ってないし、いまだに全米ライフル協会が広く幅を利かせています。ここまで銃による殺人が横行しているのを観ると、アメリカは銃犯罪社会から脱するのは無理なのかもしれないとも感じてしまいます。
アメリカでは何故銃犯罪が他国と比べて異常に多いのかが不明のまま終わるのも良かったですね。解答を用意しないことで、観客自ら考えさせることができますからね。
色々考えさせられる映画でした。オススメです。
ドキュメンタリーの可能性
体当たりドキュメンタリーといえば、どうしても「ゆきゆきて神軍」と比較してしまいますし、ドキュメンタリーの方向性からも両極端の二つであるように思えます。
すなわち神軍は良くも悪くも素人的、裏返せば荒削りな分だけ作り物ではないリアリティ、迫力に勝ります。一方コロンバインは話の展開やカメラワークも極めて映画的で勘どころを押さえた映画作法が際立っています。もちろん神軍は奥崎謙三という稀代の変人が主役を張っているアドバンテージはありますがエキセントリック過ぎてメッセージが入って来づらい。コロンバインはその逆、ヘストン君も予想通りカメラから逃げてしまうので迫力には欠けますが、逃げられた代わりにムーア君のメッセージはひしひしと迫ってきます。個人的には題名のコロンバイン事件より6歳児の射殺事件の方が身につまされます。神軍を見たときは所詮ドキュメンタリーはドキュメンタリーの枠は超えられないと感じましたが、コロンバインを観てドキュメンタリーも作り方によってはドラマ映画に匹敵する可能性があることを理解しました。
独り善がりの正義
マイケル・ムーアのやっていることが
本当に“正義”と言えるのかな?
いきなり女の子の写真を持って来て
『この子は銃で打たれて亡くなったんだけど、どう思う?』
って聞かれてどう答えりゃ良いの?
それこそ
交通事故で亡くなった遺族が
自動車メーカーのお偉いさんの所に被害者の遺影を
携え押し掛けて
『この子は車に轢かれて死んだんだけど、どう思う?』
これとまったく同じことですよ
銃で失われた命がある一方で
銃のお陰で助かった命だってあっただろうし
こんな薄気味悪い
“独り善がりの正義”
に洗脳されちゃいかんよ
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