HAPPYEND

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HAPPYEND

解説・あらすじ

「Ryuichi Sakamoto | Opus」の空音央監督が長編劇映画初メガホンをとり、ありうるかもしれない未来を舞台に、友情の危うさを独特のサウンドとエモーショナルな映像美で描いた青春映画。

XX年後の日本。幼なじみで親友のユウタとコウは、仲間たちと音楽を聴いたり悪ふざけをしたりしながら毎日を過ごしていた。高校3年生のある夜、こっそり忍び込んだ学校で、ユウタはとんでもないイタズラを思いつく。翌日、そのイタズラを発見した校長は激怒し、生徒を監視するAIシステムを学校に導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、大学進学を控えるコウは自身の将来やアイデンティティーについて深く考えるようになり、今まで通り楽しいことだけをしたいユウタとの間に溝が生じ始める。

ともにオーディションで抜てきされ本作がスクリーンデビューとなる栗原颯人と日高由起刀が主人公ユウタとコウをそれぞれ演じ、「ロストサマー」の林裕太、「サマーフィルムにのって」の祷キララが共演。2024年・第81回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門出品作品。

2024年製作/113分/PG12/日本・アメリカ合作
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2024年10月4日

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映画レビュー

5.0青春は永遠に不滅

2025年2月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いいなぁ、この映画。新しいカタチの青春映画の傑作と断言できます。青春群像を描く映画だとやたら暴力やセックスとかが出てきて残念な事件の果てには人が死んだりするが、この映画にはそんなものは一切出てこない。校長の黄色スポーツカーに大胆なイタズラをしたり、学校の差別的な行いやAI監視に対する抗議の為校長を軟禁したが、破滅的な行動まではいかない。純粋に音楽を愛し、友情を温める。5人の仲間の心根が皆、優しく素敵である。
現代の延長線上の近未来はスマホの顔認証で国民を管理(マイナカードの先だろうか)、移民受け入れで外国人増加(経済の為には必要だが差別意識はなくならない)、政治の右傾化(かなり現実的)となっている。とても明るい未来ではない。
そんな中でも友情は永遠に不滅と伝えたいのだと思う。音楽で楽しく生きていたユウタが皆の為にイタズラの犯人を1人背負い退学になり卒業式に出れなかった。コウは奨学金を得れ親孝行もできた。アタちゃん、ミン、トムもそれぞれの道へ。コウはユウタに大きな借りを作ることになったが、いつかその借りも返し、友情は続くんだと思う。
歩道橋のラストシーンはとても良い。
HAPPYENDは明るい未来の始まりなのです。

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アベちゃん

3.0もう既に始まっている。

2024年12月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

うーん。なんか敢えて小難しく遠回りしてみましたみたいなストーリーで、正直何の話かよく分からなかった。日本人なら誰しもが大地震に対する恐怖心をどこかに持っていて、その不安をまさに揺さぶりながら、若者達の行く末を描いたんだろうけど、やっぱピンとこなかった。

政府の暴走、監視社会、クラスメイトの半数が日本の国籍ではないという、ちょっと未来の設定らしくて監督はきっと日本人のアイデンティティの話がしたかったんだろうけど、ここまで極端でないにしろこれってもはや現代の話よね。なんか言いたいことは分かるねんけど、なんだかなーって感じでした。

そして最大のモヤモヤは、そう、車どうやったんですか?!ってとこ。高校生数人であんなことできるん?せめてそこの答えは欲しかったわ、ってことで今からホームルーム!

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はるたろう

3.5近未来でも変わらないもの

2024年12月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

近未来の高校を舞台にした青春物語ということだが、結構近めの近未来だった。市民への管理が強まり、外国人への排他意識が強まる社会。でも、学校には日本人じゃないクラスメイトがたくさんいる。そんな未来を示唆する状況が現実にあるから絵空事とは思えない。
本作はこうした近未来を描くことで現代社会へ警鐘を鳴らすというわけではない。管理が進む社会での若者たちの姿を描くことを目的としている印象だ。社会のルールかちょっとはみ出しても自分たちが面白いと思える行動をとる。少しふざけた気持ちでとった行動が大人にどんな迷惑をかけようが関係ない。そんな若者たちの行動が世の中に溢れているのは昔から変わらない。いつの時代も若者は大人に嫌な顔されるものだよな、なんてことを考えながら観ていた。でも近未来だからいろんな技術がちょっと進化していて、そんな新しいツールでイタズラも様変わりしているのは楽しかった。
少年少女たちは大人に変わっていく過程で今までの関係のままではいられなくなる。その描き方も近未来であろうが大きな変わりはない。将来を見すえて進路を決める中、同じ学年でも変わる者・変わらない者が出てくる。そんな揺れ動く友人関係が青春だよな。その描写は近未来が舞台であることをすっかり忘れてしまった。
決してわかりやすい展開ではないし、大きく心を揺さぶられるような結末でもない。でも個人的にはそれなりに印象に残る映画となった。本作を観て、全くタイプが異なるが「時計じかけのオレンジ」を連想してしまう。共通点は、管理社会になった未来で若者たちが躍動する映画というくらいか。でもあの映画も間違いなく青春映画だった。若者たちの悪ふざけと大人たちのしかめっ面。どんな時代でも変わらないものが描かれている。今や顔をしかめる側にいるが、彼らが仕掛けた大がかりなイタズラにちょっと笑ってしまった。
いや、でも監督は現代社会に警鐘を鳴らすつもりだったとしたらと想像すると恐ろしい。とんだ的外れなレビューを書いているのかもしれない。だとしたら本当に申し訳ない。

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kenshuchu

踏み込まない!

2024年12月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 近未来の或る高校に通う二人の男子学生の関係を中心に、経済格差・在日外国人・監視社会・国の緊急事態宣言問題・自衛隊等様々な問題を差し込む物語です。ところがそれら全て、入り口に立つだけでそこからの一歩を一切踏み込ないままで、「卒業して皆それぞれの道を行くのね」の抒情性で終わらせてしまいました。まだ若い監督なのに、何なんだ腰の引けたこの生ぬるさ!

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La Strada