ブラックホーク・ダウンのレビュー・感想・評価
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●This is WAR
93年、内戦状態にあったソマリアを国連が調停。ソマリアは停戦合意も、これを一方的に破棄。国連に宣戦布告。クリントン政権はアイディード将軍を逮捕すべく軍事介入する。後に『モガディシュの戦闘』と名付られけた戦闘の一部始終だ。将軍の副官たちを拘束すべく、一気にカタをつけようとするのだが。
この短期決戦は、ベトナム戦争後、初めて死傷者を出した戦いだ。以降、アメリカは地上作戦をやめ、ミサイルや航空機によるハイテク化を進めたともいわれる。
徹底して戦闘シーンに時間を割いた作品。「ブラックホーク・ダウン!」戦闘ヘリ、ブラックホークが墜落する。虫けらのように民兵たちを撃ちまくり、次々と仲間がやられていく。そこには兵士の悲哀とか、何が正義とかはない。ただ、ただ、銃撃戦があるのみ。生か死か。それしかない。やらなきゃ殺される。目の前で仲間が死んでいく。死にそうな仲間を必死で救う。これが戦争なのだと思う。好奇心とか、ゲーム感覚で描いているわけではなく。
こんなに刺さりまくる数々の名台詞がある作品もない。
「考えるな。撃たれるヤツ、ヘリから落ちるヤツ。君のせいじゃない。これが戦争なんだ。戦場で’もし’は無意味だ。考える時間は後でイヤほどある。」
「ひとりも残すな。最善を尽くせ」
「英雄になろうなんて、誰も望んでいない。結果としてそうなる。帰ったら君の両親に話すよ。」
そして、それぞれの真実。
米兵が再び戦地に戻る。
「故郷に帰ると皆がオレに聞く。『なぜ戦う?どうして? 戦争中毒なのか?』 と。オレは何も答えない。連中にはわからないからさ。なぜオレたちが戦うか。オレたちは仲間のために戦うんだ。そうとも。それだけさ。」
ソマリアの兵士は言う。
「アイディード将軍がいなくなれば、我々が武器を捨て、アメリカの民主主義に従い、殺し合いが終わるとでも思っているのか?だが、勝利なくして平和はないのだ。殺し合いは終わらない。それがオレたちの流儀だ。」
ベトナム戦争を描いた「ハーツ&マインド」がリフレインする。結局、武力では本質的な解決はできないのだ。アメリカの正義の押し売りはツライ。
内戦の複雑さ
戦争の狂気
すぐに終わるはずだった強襲作戦は一機のブラックホークの墜落から大規模な市街戦へと変わっていった。
どれだけ困難な状況になっても戦い続ける兵士たちは決して英雄になりたいわけではない、ただ仲間のために銃をとり戦場に向かう。
恐怖に決して挫けない男たちの姿が印象に残りました。ですがそれよりも戦争に巻き込まれた民衆の姿が一番心に残りました。地元民が墜落したヘリに押し寄せ、パイロットの死体から服を剥ぎ取り、騒ぎながら天にかかげている場面は胸が痛くなると同時に吐き気がしました。また、1人の民兵が捕らえられたアメリカ兵に「将軍が死んだら俺たちが殺し合いを止めると思っているのか」と言ったことが、人間の狂気に終わりがないことを考えさせられました。
最後にまた戦場に向かう兵士がいましたが、その勇気より戦争が何時までも続くことを感じました。
国のため、いや仲間のため
微妙。
単細胞にもほどがある無策アメリカ
まあ これがノンフィクションの原作と言えどフィクションの作りだと思うけど この戦闘のやり方が本当なら アメリカは世界のどこでも戦闘する資格ないだろう?作戦も何もないじゃん!アメリカ兵は死ぬために戦闘に行くんだな
しかも 今この瞬間もテロの原因を作ってるんだろうな!
極上戦闘シーン
じわりじわりと本物の戦闘を感じさせる
リドリー・スコット監督は苦手でして、この作品でも苦手な気持ちを再確認したところがありました。好きでないのは、まず音楽。どうにも観ている側の気持ちを露骨に煽ろうとしている感じがあるんですよね。それと、ラストあたりにバシバシ出てくる教訓めいた台詞。これも、説明的な感じがして好きじゃないんです。あと、妙に芸術めいたショットが挟まれるところ。これも、観ていて興ざめしてしまうので、止めてほしいなぁと、いつも思うのです。
しかしっ! 今回はそれでもこちらを圧倒するものがありました! やぱりそれは戦闘シーン! いつ終わるともしれない中で、ものすごい弾薬が撃ちつづけられるうちに、なんだかこちらの感覚が麻痺してくるぐらいの本物感がありました。ソマリアの人たちが迫ってくる恐ろしさも、変に演出的でなく、迫られる側の恐怖感を軸に描かれているので、視点がぶれずに見続けることができました。
あまりリドリー・スコット監督は見ていないのですが、『エイリアン』を除けば、かなり好きな作品でしたね。
見応えある戦争映画
戦場の描き方
総合90点 ( ストーリー:85点|キャスト:80点|演出:100点|ビジュアル:90点|音楽:70点 )
戦場の現場をこれほどに肉薄して描いた作品も他にないのではないだろうか。映画の大半はこの戦闘現場の描写に費やされ、戦闘をかっこよく見せようとするのでもなく、ただ戦場で起きていることが善悪もなくありのままに描かれる。
これは実際に起きたことを基にしているので余計に現実感がある。映画の中でも再現されていた、アメリカ軍兵士が殺されその死体がひきずられている映像が当時大々的に世界中で放送されて大きな話題になっていたが、その背景がこれなわけだ。損害を覚悟で救出に行くか、撤退するか、司令官の決断も難しいところ。
美術といい市街戦の描き方といい、よくこれだけのものが撮影できたものだと感心させられる。この迫力のある映像の作り方は流石にリドリー・スコット監督である。
戦争映画の描写は大抵ノンフィクション
混沌の戦場を体感する
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