「無題、言葉にならない。」ビューティフル・マインド 新れいすけ(木村れい)さんの映画レビュー(感想・評価)
無題、言葉にならない。
私はこの映画を今から7年前くらいに初めて見たのではないかと記憶している。
その時私は、うつ病の酷い時期の前後だった。凄くこの映画にひきこまれた。怖いくらいに入っていった記憶だけのこっている。この映画は最初からルームメイトが幻覚という落ちだが、初めて鑑賞したときに自分もメンタルが病んでいたから、尚更、何が現実で何が幻覚かわからなく混乱する。つまりナッシュと同じ気持ちになれる映画なのだ。そこが秀逸なのではないか。そしてその時かなり泣いた記憶がある。
あれから7年がたった今。令和6年である。いま見て思ったこと。
ナッシュについて。
困難から決して逃げながった。そして自分の意思を曲げなかった。
すさまじい生き様を見る。
そして彼のその情熱がいつか周囲の人の心を引き寄せた。友達がいた。助けてくれる仲間が感動的だ。彼は奇跡を起こした。生徒が集まってきたくだりがピーククライマックスだろうか。
そして妻があまりに偉大。ちょっとおかしいくらいに偉大。なぜ、ここまで彼に献身的に愛せたのだろう。この妻がいたこと、たしかにナッシュはラッキーで幸せなのだ。これが現実と彼に教え、根気よく待った。よく励ました。時に厳しく、しかし、彼を尊重して、信じぬいた。これもまたすさまじい。
ここまで書いているが、実はこの感じる思いを上手く整理もできないし、言葉にできない。
ただ、わかる素晴らしい映画だ。
成功しているからこそ、良くも感じるかもしれないけれど、成功していなくても、幻覚と戦った、自分のやるべきことを見つけて意思を貫いた彼の魂に震える。
なんかわかんないけど、自分の小説にこんな命を吹き込みたいよ!
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