シビル・ウォー アメリカ最後の日のレビュー・感想・評価
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内戦
内戦のアメリカ国内、陥落目前の政府軍のトップである大統領のインタビューを行うべくニューヨークからワシントンDCまで移動する記者たちの視線で破綻した社会を描いた作品。
政府と対立するのがカリフォルニアを中心とする西部軍ということは、政府は共和党政権でトップはトランプがモデルなのか。
作品の狙いが現実世界でのアメリカ国内の対立を諌めることなのだとしたらあまり上手くいってない。特に唐突に流れるBGMが戦闘の情景を肯定している、煽っているような効果しか果たしていないと感じた。
戦場カメラマンの新旧世代交代も取ってつけたようでいまいち、男性記者の描き方も戦争映画を楽しむ子どものようだ。
おそらく時間をかけてもっと深掘りしないとリアリティを感じられず、一方でエンターテイメントとしても中途半端だったように感じた。
STORYはアメリカ内戦が始まっている様子。主人公のリーは戦場カメ...
STORYはアメリカ内戦が始まっている様子。主人公のリーは戦場カメラマン。相棒が記者のジョエル。TVでは、大統領が『我々は歴史的勝利に近づいている』と主張する。ニューヨークにいるリー達は、大統領のインタビューを狙います。
同行するのが、ベテラン記者のサミーとひょんなことから若手カメラマンのジェシーが参加しワシントンD・Cへ車で向かうが…
戦場カメラマンのリアルを映像を通して体験した感覚です。この作品は映画館で鑑賞するべき。
開始早々に爆発音で驚かされ、銃声の効果音が激しく何回ビクッとさせられたか。
そしてリー(キルステン・ダンスト)が素晴らしい。正気の無い表情に正義と悪なんて関係なく戦場のリアルを撮影することを新人のジェシーにとことん教える姿がリアルに感じ、ぶっ飛んだ仕事だと印象に残る。
本当に内戦なんかが起こってしまうと、誰が敵か味方なんて分からない。とにかく自分の身を守ることのみ。全ての人が人間に対して疑心暗鬼になり、武装兵(ジェシー・プレモンス)が生まれてもおかしくない。
若手カメラマンのジェシーはラストで彼女は興奮し暴走してしまいとんでもない事が起こるが、果たして成長したのか?なんて思ってしまう。
ラストまで冷静なリーが…こんな事がリアルに起こらない事を心の底から願うしか無い。
『分断』の恐怖を現場レポート
そこそこの評価なんですね
想像と違っていました
リアリティ?
タイトルなし(ネタバレ)
内戦が勃発した米国。
強権な大統領vs.市民部隊という構図だが、市民部隊側が優勢。
まもなくワシントンD.C.に迫ろうかという勢い。
ベテラン記者のジョエル(ワグネル・モウラ)は、ベテラン女性カメラマンのリー(キルステン・ダンスト)とともに大統領のインタビューを試みる旅に出ることとした。
大統領は14カ月もの間、ビデオメッセージのみで、報道陣の前に一度も姿を見せていない。
危険な取材行には、超ベテラン記者サミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)と、新人カメラマン・ジェシー(ケイリー・スピーニ―)が帯同することになった・・・
といったところからはじまるジャーナリスト活躍篇。
原題の「Civil War」、一般名詞では「内戦」なのだが、頭大文字で書くと米国では南北戦争を意味する(というか、南北戦争は対立構造をわかりやすくするための日本語なのだが)。
なので、今回の内戦は「Civil War II」、略してCWII、第二次米国内戦となりますね。
対立構造を表現するなら「東西戦争」か。
内戦の原因は大統領三選による独裁。
国内の多様化に基づく小集団の小競り合いが続き、結果、三選後に強権発動。
市民への爆撃、で、報道の自由も奪われた。
市民への爆撃を機に、イデオロギーを超えて2州が共闘、民兵を組織し、武装蜂起・・・
という設定を冒頭で簡潔に表現している。
ま、わからなくても、かつての南米のバナナ・リパブリックを想起すればよろしという作劇法。
つまり、イデオロギー的な映画ではなく、あくまでも「ジャーナリスト活躍篇」なのだ。
なので、一時期、頻繁に製作された、他国内戦を舞台にした同種映画を思い出しました(『アンダー・ファイア』『サルバドル 遥かなる日々』)。
道中は、ジャーナリストたちの冒険ロードムービーに舵を切り、プアホワイトたちのナショナリズム(というか不平不満の暴発というか)の挿話を挟んで、最終的には三選大統領を独裁者に仕立てた活劇篇と相成る。
赤サングラスの過激ナショナリストの場以降、序盤から通底していた若いジェシーの成長譚に一気に舵を切り、リーとジェシーの報道及び死への恐怖の心情が入れ替わる。
結果は、ジェシーの通過儀礼的成長譚となるのだが、「独裁者は退治されるべき」を画にしたラストショットは殊更にショッキング。
やや悪趣味で、架空の物語としても後味が悪い。
このラストショットから、映画全体を、実は「悪趣味なブラックジョーク」と捉えることも可能か。
とすれば、観比べるべきは『ウディ・アレンんのバナナ』だったりして・・・
その他、関連作品(文芸)としては、筒井康隆『東海道戦争』、井上ひさし『吉里吉里人』。
ひさびさに、米国映画鑑賞の昂奮を覚えた映画でした。
ケイリー・スピーニー目当てで鑑賞。
興奮しっぱなし
意義や意味は何か
14の州が合衆国連邦から離脱、そのうち西部連合軍による政府軍との戦いが国内で起こっている、という設定らしいが、作品中では多くの説明はない。大統領がFBIもCIAも解散させたと言っていたが、それが陰謀とか犯罪を増加させたか何かなのかは不明。
ただ激しい戦闘と殺戮の中、記録するためにと、写真を撮りまくるジャーナリスト。
しかし、善悪の基準も不明になっているような状況で、ひたすら写真を取っても何の意味があるのか。自分の写真が人々の気付きになってくれたらと思っていたが、それも無駄だと分かった、というようなセリフがあった。この作品を見る限り、その通りとしか言えない描き方。正直、この作品の意図がよくわからない。単なる風刺?自国の自虐を込めて、こうはならないようにしよう、ということか? 動画でもなくフィルムで撮るというところも、狙いがあるのだろうが、どうも現実離れしている。70年代の戦争を見ているようだ。今なら動画のはずだし、ドローンもない。激しい銃撃戦と殺戮だけがクローズアップされすぎていて、国内でなぜこれだけの殺戮が行われる心情に人々がなってしまったのか描かれていない。戦争の悲惨さを描く目的なら、敢えて合衆国の内戦舞台にする必要はない。悪い政治が人を変えると言うのも無理がある。キルスティン・ダンストが頑張ってはいたけど、ちょっと消化不良で残念。しかしここでも際立つジェシー・プレモンスの不気味さは、さすが。
内戦のきっかけは↓↓だと思うけど戦争自体を観る映画
解らないというレビュー多いですが、内戦のきっかけは↓↓↓のとおりではないですかね?
(でもこの映画のみるべきところはそこではないと思います)
まず、この映画は『大統領が独裁を貫くためにアメリカ大統領任期「2期8年」を「3期12年」にしてしまった身勝手な憲法改正、FBI(違法政治などの捜査をする司法機関)の解散を独裁的に決行した』とははっきり言っている。そんな事やってしまうくらいだからヤバいことゴロゴロやってるんだろうなと想像つく。報道も14ヶ月(要するに任期の終わる二ヶ月前)から強制的にシャットアウト。
大統領選挙当選後に相当な独裁者っぷりになった大統領に国民が怒り、それにより現実に左派カリフォルニアと右派テキサスの真逆の考えの州が手を結び同盟軍となる。というカオスな状況が発生した。そして西部勢力(同盟軍)と連邦政府軍との内戦が始まったと想像できる。
リアルな現実と重ねてみると、トランプが失職していちゃもんをつけた事がきっかけのデモで死人の出た4年前のアメリカの状況を想像した。
来月11月の大統領選は4年間訳分からないことを言い続けているトランプの選挙公約はなんと『復讐』、それを支持している国民。マジでアメリカ大丈夫か?トランプが当選しようが落選しようが、えらい事になりそうな気もする。
戦争は起きてしまうとそれ自体が生き物のように勝手に動きだすということも素人でもわかるように恐ろしいほど表現されている。
観客動員数、興行収入一位のわけ、
アメリカの今の状況はすでに静かに内戦はおきているという事も言われている。
それがリアルに戦争となった時、同盟を結んでいる世界各国はアメリカの崩壊によってパワーバランスが崩れる。経済の崩壊。多くの死者。それによって日本のリスクも大きい。ロシアと日本の戦争もあり得る。日本は安全と言っていられない時代になっているのはみなさん承知の通り。
戦争が起こると無事な人がいる事はあり得ないと、皆知っているはずなのに起きてしまう。又、人種差別は結局は暴力が発展して殺しにに繋がるといったような事も映画の中で訴えている。
アメリカが持っている圧倒的な力があるからこそ、それが世界戦争に波及することががあってはならないし、アメリカで内戦が起きたら日本も対岸の火事で済むなんてことはあり得ない。
今回、トランプが当選しようが落選しようがなにかしらおそろし事が起こりそうな想像は素人でも容易に理解はできるが絶対に戦争に発展するようなことはそあってはならない。。。
まとめ
ホラーを得意とするA24のホラー反戦争映画でこの映画のような、今後あってはならないことが想像ができてしまい恐怖を感じた。ロードムービー仕立てにして色々とぎゅっと詰まっているそんな映画。
臨場感あふれる
リアルでした。爆撃の音、爆撃の後の無音、カメラシャッター時の無音…爆音と無音を巧みに使っててよかったです。そこが好きです。(銃の音でビクッとなります。)
あと、ピントを巧みに使ってるところも良かったです。カメラマンの話なのであえてしてるんでしょうね。すごくよかった。
内戦とのことで、もはや誰が敵で何が何かよくわかりませんでしたそこがリアルでした。
ただ、映画館じゃないとここまで臨場感でないと思う。
偏見かもしれませんが、女性や若くて小柄な女子が戦場カメラマンなんかするわけないよな。ってところが映画っぽいな。と思いました。でもそこが逆に良かったです。
(あとで調べたら女性の戦場カメラマンが実際にいらっしゃったので、勉強になりました)
それにしても、あんな感じで記者を後方につかせて戦うものなのか疑問です。自分達が倒した証拠の写真が必要だからでしょうか。銃じゃなくてカメラ持ってひょこひょこでてきて邪魔だろうなって…すごい記者に協力的なんだな。って思いましたw
最後は、なんともいえませんね…なんで行ったんかなって。新人だから調子乗っちゃったんですかね。
肝心なとこだけ撮れば先輩は死なずにすんだのに…
ちょっともやもやしたけど、それでもシャッター切る。そこを描きたかったんだな。というのはひしひしと伝わりました。
予告で心つかまれた(追記あり)
「お前はどの種類のアメリカ人だ?」この言葉が突き刺さって鑑賞
この役がキルステンダンストのパートナーだとは思わなかった
ずっとアメリカ人は人種差別の事ばかり思っていたので
「どの種類のアメリカ人」と言われて「やられた!」と思った
◎◎系××人の世界でネイディブアメリカン以外に何があるのか悩んだ
報道系が内戦のカメラマンを追う話なので
物騒なロードムービー系にもなる
個人的にはどうしても途中で拾った少女(カメラマンにあこがれている)が
苦手すぎて心の中では10発位殴っている
映画の最後はあっけなかったな
*追記*
内戦の発端はあまり支持率のないアメリカ大統領の再選を「良し」と思わなかった2州が
手を組んで反乱した(独裁の気配もあった)らしい
コロラドとテキサスという通常仲のあまりよろしくない2州が手を組んで反乱した
そうですね
内戦を見て見ぬふりをしている人々が日本人と重なって辛かった
ちょっと見上げると硝煙と血の匂いが漂っている世界
こちらも知らぬ振りができないな
前半と後半は戦争映画、中盤はホラー映画。
赤サングラスの男には気をつけろ。
この男が出てきた時は、一気にホラー映画になる。
そこからのワシントン大銃撃戦は戦争映画の大山場。
銃声があまりにも響くので、本当に戦場にいる錯覚に陥る。
主人公たちが銃を持って戦うわけではなく、カメラのシャッターをきるという彼らの戦いがある。
社会風刺とジャーナリズム、戦場にいる狂人の怖さを味わえる映画。
戦争に対してどう捉えるかは自分次第
🎙️あらすじ
アメリカの西部勢力と政府軍が内戦の中、最前線で取材を続けるカメラマンや記者、ジャーナリストを中心に描いた作品。ニューヨークで取材をしていたリーとジョエルは恩師サミーと再会、若きカメラマンのジェシーと出会います。内戦下に4人で一緒にワシントンDCを目指します。
🎙️良かったところ
・ニューヨークからワシントンDCの間に色んな街を通りますが、治安の悪い街、支援を受けられている街、内戦の終わりをただただ待つ街、内戦に紛れて銃で暴れる人々。州法の違いがあるから、それぞれの街を描いている。
・戦場カメラを一心に目指したいジェシーが羽を伸ばすことにより、起きたできこと。そして、カメラに夢中で判断を失った出来事。若きリーがどのように変わっていたかを描いている。
🎙️考察
・内戦や戦争を起きた際はどのように行動すべきかを描いた映画であり、決して戦争は悪いもの、いいもの、戦争をどう捉えるかは自分次第、行動も自分次第という伝え方はA24らしいと思いました。
「政治への信頼を取り戻す!キリッ!」なんて戯言でしかない
もし合衆国連邦政府が個人の自由を抑圧する悪い政治を行った場合、個人が武器を取って政府と戦う権利を合衆国憲法は保証しており、憲法修正第2条には「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であり、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない」と記されています。
建国の当初から連邦政府と州政府、あるいは国家と個人の間にはそういう緊張関係が続いているのが米国です。個人が国と対峙しています。米国の政治家は日本のように「政治への信頼を取り戻す」とか「地方創生」とか、子供だましみたいな戯言は言いません。米国市民にとって政治は信頼するものではなく、参加し、監視するべきものであり、ダメなら倒す、こっちがダメならあっちです。必要であればいつでも戦う準備はできています。
日本のテレビでは最近よく米国の分断が語られますが、彼らは分断を隠したり恐れたりしないだけなのでは。社会に分断はあって当たり前です。米国は元々ずっと分断しているし、分断を内包したまま、右に左にとぶれながらも前に進んでいきます。分断や衝突は社会のバイタリティの表れでもあります。それが行き過ぎたのが本作の内戦でしょうか。
一方日本社会にも当然分断はあるはずですが、分断などないフリをしてしまうのが日本人です。表面だけを取り繕って、不満やひずみは沈潜していきます。じりじりと鍋の温度が上がっていき、これじゃいかんと気づいたときにはもう茹で上がってる、私達は平和を愛する茹でガエルです。
米国の大統領選の真っ只中で公開された本作は、現実の政治状況と一線を画すために、テキサス州とカリフォルニア州が組むというあり得ない設定を選んでいます。内戦に陥った経緯や詳しい状況は全く描かれません。銃撃戦や負傷者犠牲者も描かれますが、背景が全く分からないため、なにやら市街地でのサバゲーを観ているような気分になってしまい、現実感は希薄です。それを派手な銃撃音でカバーしようと音響は頑張っています。
カメラは首都ワシントンを目指して旅をする4人のジャーナリストの姿を追い続けます。彼らの目的は殺される前に大統領にインタビューすること。それはあくまで彼らの名誉欲、功名心の問題であり、たいして重要な仕事には思えません。
ジャーナリストである彼らは暴力的映像を気ままにスナップしながら旅を続けます。ところどころに、普通の一般市民の暴力的な本質が暴かれます。ですが内戦はただの背景でしかなく、この映画が主に描くのはベテラン女性カメラマンの感傷とそれを演じるキルスティン・ダンストの仏頂面だけ。戦争映画ではなく、疑似家族を形成した4人のロードムービーです。戦場カメラマン志望の若い女の子が転んだりヘマをしでかしたりゲロを吐いたりしながらも一人前の命知らずのカメラマンに成長するまでを描いた青春物語です。国のために命がけで戦う者たちを背景とした呑気な4人組の車旅を延々と見せられます。彼らの言動にはなんのリアリティも切迫感もありません。正義の傍観者であるジャーナリストよりも、一般市民や家族をメインに据えたほうがよかったのでは。内戦に巻き込まれた家族の中でも分断が起こり父と息子が両軍に別れて戦ったりして。
エンドロールで映される映像。射殺した大統領の遺体を囲んでカメラに収まる軍服のみなさん。狩猟で大物を狩ったあとの記念撮影のような構図と爽やかな笑顔でなかなか悪趣味でした。
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