サブスタンス

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サブスタンス

解説・あらすじ

バイオレンス映画「REVENGE リベンジ」などを手がけてきたフランスの女性監督コラリー・ファルジャが、「ゴースト ニューヨークの幻」などで1990年代にスター女優として活躍したデミ・ムーアを主演に迎え、若さと美しさに執着した元人気女優の姿を描いた異色のホラーエンタテインメント。

50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベスは、容姿の衰えによって仕事が減っていくことを気に病み、若さと美しさと完璧な自分が得られるという、「サブスタンス」という違法薬品に手を出すことに。薬品を注射するやいなやエリザベスの背が破け、「スー」という若い自分が現れる。若さと美貌に加え、これまでのエリザベスの経験を持つスーは、いわばエリザベスの上位互換とも言える存在で、たちまちスターダムを駆け上がっていく。エリザベスとスーには、「1週間ごとに入れ替わらなければならない」という絶対的なルールがあったが、スーが次第にルールを破りはじめ……。

2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞。第75回アカデミー賞では作品賞のほか計5部門にノミネートされ、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。エリザベス役を怪演したデミ・ムーアはキャリア初となるゴールデングローブ賞の主演女優賞(ミュージカル/コメディ部門)にノミネート&受賞を果たし、アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされた。共演は「哀れなるものたち」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などの話題作で活躍するマーガレット・クアリー。

2024年製作/142分/R15+/イギリス・フランス合作
原題または英題:The Substance
配給:ギャガ
劇場公開日:2025年5月16日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第97回 アカデミー賞(2025年)

受賞

メイクアップ&ヘアスタイリング賞  

ノミネート

作品賞  
監督賞 コラリー・ファルジャ
主演女優賞 デミ・ムーア
脚本賞 コラリー・ファルジャ

第82回 ゴールデングローブ賞(2025年)

受賞

最優秀主演女優賞(ミュージカル/コメディ) デミ・ムーア

ノミネート

最優秀作品賞(ミュージカル/コメディ)  
最優秀助演女優賞 マーガレット・クアリー
最優秀監督賞 コラリー・ファルジャ
最優秀脚本賞 コラリー・ファルジャ

第77回 カンヌ国際映画祭(2024年)

受賞

コンペティション部門
脚本賞 コラリー・ファルジャ

出品

コンペティション部門
出品作品 コラリー・ファルジャ
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映画レビュー

4.5ボディホラーとして自分史上No.2

2025年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

若さと美に執着する元人気女優が、再生医療“サブスタンス”に手を出して"分身"を産む‥。女性なら興味深々。
主演がデミムーア。かつての輝きは凄かった。早く観たい!こりゃ女性客が多くなりそう‥。

と思っていたところ、ラッキーなことに試写会で鑑賞。いやはや、放心状態。
グロテスクな描写やブラックユーモアが満載で、ホラー好きの男性にも強く刺さると思います。
ちなみに全裸シーンもたくさん出てくるけど、全くエロくはない。エログロの"エロ"を期待してはいけません。

全体的に視覚的なテンポ、色使いがいい。
特にサブスタンスキットをわざわざ歩いて所定の場所に取りに行く儀式的な場面。黄色いコートが印象的。かえって目立つだろ⁈って(笑)
あと"分身"のスー。あっという間に隠し部屋を作っちゃって、DIYの手際の良さ!

とにかくデミムーアの熱演は圧巻で、拍手を送りたい。還暦でフルヌードも辞さない女優魂。
元々好きでも嫌いでもなかったけど、大好きになりました。
そしてクライマックスの怒涛の展開は圧倒的。国際大会で本気出した日本チームの花火を彷彿しました。

昨今の女性上納問題や、過剰なルッキズム社会への痛烈な風刺も感じさせるが、説教臭さはなく、あくまで映像と物語のパワーで魅せるのが本作の魅力。
気持ち悪さはあるものの、目を背けたくなるような不快感は少なく、むしろどんどん先が見たくなる中毒性。

私の中で2025年を代表する一本になりそう。
そしてボディホラーとして『ザ・フライ』に次ぐNo.2です。

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ひみあ

3.5元トップ女優のエリザベス(デミ・ムーア)フィットネス番組だけ50歳...

2025年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

ドキドキ

元トップ女優のエリザベス(デミ・ムーア)フィットネス番組だけ50歳の誕生日になり解雇、再生医療“サブスタンス”に手を出すととんでもないことに・・本当に嫌になるわ』のセリフが印象的なコンセプトがあまりにも狂気の沙汰の極みで観る人を選ぶのにも関わらず、映画賞のノミネートが多く、感覚がずれているのはこちらでないかと不安になってしまった。身体的や精神的に大丈夫だったのと心配になってしまう、対してマーガレット・クアリーは若さと美貌で圧倒されるが・・結末は? そんな映画でした

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集中豪雨

3.5ビビりの自分が振り切れちゃって、もはや笑うしかないレベル

2025年4月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

エクスプロイテーション映画の体裁をとり、視覚/聴覚的におぞましさと嫌悪感をとことん煽りながら、返す刀で問題提起も突きつけてくるフェミニスト・ボディホラーの怪作。中盤以降は露悪的に振り切った描写のつるべ打ちなので、見る人を選ぶ作品でもある。いわば、市販の「大衆薬」を装いながら実は処方箋必須の「劇薬」といったところか。

ドラマの根幹を成すモチーフは、『ジキル博士とハイド氏』のように「自己の理想を追い求めたあげくに破滅を迎える」といった古典的なものだ。また、その「理想」とは「若さ=美しさへのあこがれ」という、これまた『ドリアン・グレイの肖像』『永遠に美しく…』など古今の作品でおなじみのネタでもある。本作が斬新なのは、その「見せ方」だ。

50歳を迎えた主人公(撮影当時59歳のデミ・ムーアが演じている)は、7日ごとに今の自分と交代でかつての美ボディが取り戻せると聞きつけ、怪しげなクスリを注射。すると、たちまち自身の身体からぬるっと分裂して「若い自分」が爆誕(このシーンは前半最大の見どころ)するのだが、これがハイド氏以上にまったくの赤の他人(マーガレット・クアリー)なのがユニーク。このあたり一連のヌード描写がちっともエロティックじゃないのもいい。

で、次第にふたりの「自分」は互いを敵視し合うようになり、破綻への道を転げ落ちてゆく。『パーフェクト・ブルー』『ブラック・スワン』の主人公が現実と虚構のはざまで錯乱していったように。

ここで本作が際立っているのは、男社会が女性に対して押しつけてくる「若さは“美”であり、老いは“醜”である」という強迫観念を、極度にデフォルメされたビジュアルとして具現化してみせたところにある。

たとえば本作に出てくる男性は、総じて中高年のキモいエロおやじとして戯画的に点描される。また主人公たちの身体が変容する一連のシーンや、料理を作ったり食べたりする描写が、想像の斜め上をいくエグさだ。しかもソレを執拗に重ねてくる。ゾワッとするのを通り越し、もはや半泣きで笑っちゃうしかないレベルだ。

そして本作は、さまざまな映画の記憶を呼び覚ましてくれる作品でもある。
たとえば——『シャイニング』の老婆、『2001年宇宙の旅』の白い室内とツァラトゥストラはかく語りき、『ザ・フライ』の歯と爪、『エレファント・マン』の異形、『めまい』のフェチな男性目線、『キャリー』の血みどろと『スタンド・バイ・ミー』のブルーベリーパイ、『エイリアン2』『MEN 同じ顔の男たち』の異種誕生。そして…『ボーは恐れている』の長過ぎる上映時間(笑)。

今日までこうした映画の「予防接種」を受けてきたから、ビビりな自分でも目を逸らさず、奇想天外なラストのオチまで完走できたのかも。そう思うと、常日頃の「ワクチン接種」のありがたみが改めて身に沁みるのだった…。

以上、試写会にて鑑賞。

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共感した! 2件)
いたりきたり

4.0自分以外は自分じゃないよね

2025年4月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

めっちゃくちゃ面白かった!
彼女の美と名声への執着は、もはやホラー時々コメディ。
自分が生み出した自分とはいえ、自分以外は全員他人よ。どちらも自分と言われても、私以外は他人!
当初の目的はあの頃の私よもう一度、でも新品の私は私じゃない。
エリザベスが世間の囁き声と、新品の自分に振り回される様は滑稽でもあるけど悲しくもなった。
あなた今でも充分キレイじゃないのー。
歳を重ねたことで出た若い頃には出せなかった色気みたいもんがあるはずだけど、やってる仕事が若い時から変わらんから変化を受け入れ辛いんだろな。

対してヘルシーなエロさで周りをメロメロにするスー。エリザベスが自らより良い私を生み出したとはいえ、体が分かれた時点でもう自分以外の誰かだよな。
その上中身は自分で上昇志向が強くて勝ち気ときたら、自分の最強のライバルを自分で生み出してしまったってこと。
そりゃしんどさも半端ないよな。

これ以上の狂気はないと思われる状況からも、どんどん狂っていってどこが果てかわからなくなる展開に、結構なグロながらも目が離せず。
途中からもう、気が済むまでおやりなさいの気持ちで観てしまった。笑

どんな美女でも老いからは逃れられないんだなという学びもありました。
謎の爽快感もあったので、スカッとしたい方におすすめ。

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icco