劇場公開日 2005年6月18日

「恐ろしいことに、バットマンの世界に、今私達は放り込まれていると思えてしまうのだ」バットマン ビギンズ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0恐ろしいことに、バットマンの世界に、今私達は放り込まれていると思えてしまうのだ

2021年5月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

これほど見事なリブートは他に思い当たらない
匹敵するのはシン・ゴジラぐらいだ

素晴らしい!オリジナルを完全に超えて、こちらこそ本家のような風格の重量を持っている

脚本が素晴らしい、クリスチャン・ベール初め役者陣も見事、配役もはまっている
撮影はウォーリー・フィスターの独特のレンズの味も美しい
美術が特に見事
一言でいえばリッチ
チープさは微塵もない
惚れ惚れするような小道具、コスチュームの数々
それを統一的に隅々まで神経を行き届かせて采配を振るうノーラン監督の辣腕
もう脱帽しかない

腐敗した都市の破壊を目的とする影の同盟
バットマンらしい荒唐無稽な敵の設定だ

しかし2021年の現在
コロナ禍で緊急事態宣言や蔓延防止措置が乱発されて混乱しつつあるいまの日本の現実

そして本作のラストシーン近く
毒を巨大都市ゴッサムシティにバラまかれて、ワクチンを大量生産するのだとかいうところ

コロナウイルスはもともとはコウモリ由来ともきくではないか

悪い冗談のように本作の世界と現実がクロスオーバーしてしまっている

もしかしたら、コロナウイルスを世界中にバラまいている影の同盟が本当にあるのかも知れないとまで妄想してしまいそうだ

恐ろしいことに、バットマンの世界に、今私達は放り込まれていると思えてしまうのだ

とするなら、つぎはジョーカーが現実に登場してくるのだろうか?

あき240