ある一生

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ある一生

解説

オーストリアの作家ローベルト・ゼーターラーの世界的ベストセラー小説を映画化し、激動の時代に翻弄されながら過酷な人生を歩んだ男の愛と幸福に満ちた一生を、美しい情景とともに描いたヒューマンドラマ。

1900年頃のオーストリア・アルプス。孤児の少年アンドレアス・エッガーは、渓谷に住む遠い親戚クランツシュトッカーの農場へやって来る。しかし農場主にとってアンドレアスは安価な働き手に過ぎず、虐げられながら暮らす彼の心の支えは老婆アーンルだけだった。アーンルが亡くなるとアンドレアスは農場を飛び出し、日雇い労働者として生計を立てるように。やがてロープウェーの建設作業員となった彼は最愛の女性マリーと出会い、山奥の小屋で幸せな結婚生活を送り始めるが……。

主人公アンドレアスの青年期を新人俳優シュテファン・ゴルスキー、老年期を「生きうつしのプリマ」のアウグスト・ツィルナーが演じた。監督は「ハネス」のハンス・シュタインビッヒラー。

2023年製作/115分/G/ドイツ・オーストリア合作
原題または英題:Ein ganzes Leben
配給:アットエンタテインメント
劇場公開日:2024年7月12日

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(C)2023 EPO Film Wien/ TOBIS Filmproduktion Munchen

映画レビュー

3.5名もなき男の弛まぬ生き様が切々と訴えかけてくるもの

2024年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

彼は何か巨大なことを成した偉人でもなければ、陰ながら歴史を支えた功労者というわけでもない。ひとつの人生を打算なく、ただひたすら必死に生き抜いた男だ。本作は、時代という縮尺で人生を推し量るのではなく、むしろ彼の生涯を通じて激動の時代そのものを見つめていく。悲しみや苦しみはあった。神が与えた試練、時に無慈悲に奪い去られたものも大きかった。しかし彼は天を罵倒したりせず、ただひたすら前を向き、傷つきながらも歩みを進め、妻への手紙を書き綴る。その生き様を見る限り「悔い」など何一つないのだろう。真っ直ぐな目線に突き動かされるかのように、観ている我々も自らの生き方を省みたくなるような問いかけが、この荘厳な力作には無言のうちに込められているように感じた。背景を彩るアルプスの風景(人生のメタファー)が厳しくも雄大で美しい。作品のところどころに映し出される十字架もまた、彼を見守る道標のように崇高な印象を残す。

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牛津厚信

3.5人生の充実感とは何かを問いかける 映画からの答えの一つは愛 孤独だ...

2024年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

人生の充実感とは何かを問いかける
映画からの答えの一つは愛
孤独だからといって幸せでないわけではない
幸せかどうかってやっぱ本人にしかわかんないんだなあ
アルプスの景色がとにかく美しい

氷漬けになって出てきた意味がわからなかった
生死観か何かだとは思うが、、、

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4.5ある一生だけど、普通の一生ではない。

2024年10月6日
iPhoneアプリから投稿

ある名もない男の一生、ではあるのだけど、これは普通の一生だろうか?
全然普通ではではない、というのが自分の考えです。

この主人公全然当たり前の男ではないと思う。
何故なら圧倒的に詩人だから。
朴訥とした語り口なんだけど、語る言葉全てが詩になってる。
そしてその詩情に支えられて、自分の中の大切さなものを守って生きていくことができた。
そういう人だと思う。
その詩人の心なしに、ただ真面目に生きてればこんな一生になるなんてのは大きな間違いで、その辺の市井の人が普通にやってたって、こんなふうに生きれないと思う。
だから憧れる。

奥さんがまた、それを上回る詩人なのが面白い。
二人で一緒に住もうという部屋を、ここをこうして、こんなふうにして、と男が訥々と騙る場面で、「口数が多い人ね」なんてことを言うのです。
全然口数多くないでしょうが!(笑)
奥さんの方がさらに上手なんですよね。
心の中に豊な詩情が溢れていて、言葉すら必要としないような詩人。

そんな二人が一緒になれたなら、それは人生を生きる意味にだってなるでしょう。
これが平凡だなんてとんでもない。
奇跡みたいなもんでしょう。
自分にはとても無理だけど、憧れるなー。
でもそもそも体格が違うし(笑)。
このどっしりとした揺るぎない生き様は、欧州人のあの体の質量あってこそのような気がする。
とにかく、全然あくせくしてないし。
あくせくしっぱなしの自分の生活を顧みて、、心の中にいつも詩を持てとまでは言わんけど、もうちょっとなんとかならんかなあ、と思わされました。

アルプスの山々の美しい景色と、詩情豊かな台詞に彩られた、静かだけど強く深く心に染みてくる映画です。

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sokenbitea

3.0一人の一生を通して「生きる」ことを問う作品

2024年9月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ひでちゃぴん