大きな家のレビュー・感想・評価
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居場所。
児童養護施設。その昔、履修科目中の一部として学び、触れたことはあった。しかし、実際にこの目で目にしたことはないし、同施設で暮らしていたという人物とも出会うことのない人生を歩んできた。
鑑賞後、パンフレットを購入し読んだ上で。24時間・365日、施設の職員として働く方々の懐の深さを思う。もちろん、様々な事情で施設に入所している子どもたちが、それぞれの日常をちゃんと生きている、その姿にもグッとくるものはあったのだが。
その子どもたちの生活の基盤を維持し、より良いものへと日々奮闘する職員の方々。職員が子どもの成長に涙する姿をみて、私自身は他者に対して、これほど想いをもって関わっているのだろうか、と自問自答した。そして本当のところ、そんなに想いをもって他者と関わってはいない自身に気づいてしまう。私は薄っぺらい人間なのだな、と。
施設を出て、彼ら彼女らがどんな人生を歩んでいくのか。願わくば、未来にわたって自身で選択できる人生を歩んで欲しい。
観る者の思い込みを排す
【大きな家】
東京の或る養護施設で暮らし旅立って行く子供らを見つめたドキュメンタリーです。ここには、何らかの事情で親と暮らせない子供らが預けられ、18歳になると退所して行きます。と聞くだけで、「周囲とぶつかり合いながらも職員の人々の愛情に支えられ成長して・・」という感動物語が思い浮かんでしまいます。しかし、本作はそうした思い込みを排する所から始まっています。
子供の一人は、同じ施設の仲間を「家族でなく一緒に暮らしている他人」とクールに語ります。児童養護施設を「暖かな家」、共に暮らす仲間を「家族」と見ず、早いカット割りの映像は観る者の安易な共感を拒絶している様にすら映りました。かと言って勿論ここは冷たい施設である訳ではなく、職員の人々が子供を観る眼差しは暖かく感じます。
それでも、子供らはやはり「本当の」父母の許に帰りたいのだろうか、施設に預けた親を恨む事はないのだろうか、そんな問いへの答えは全て観る者に委ねられるのでした。
一方、本作で描かれるネパールの擁護施設の子は「みんなが家族」と言います。その差は何なのでしょう。文化の違いなのでしょうか。日本の子が悪ぶっているだけなのか、ネパールの子が言わされているだけなのかな。その答えも観る者に預けられます。
表情、景色が眩しすぎて
戦災孤児院から委託養護施設への変遷
90名の入所者に対して112人の職員で24時間年中無休。なかなか手厚い。
素晴らしい職員の人たち。ご苦労さま。ありがとう。ワタシも厨房のおじさんには胃袋つかまれた。
塾にも行けるし、リトルリーグにも入れてくれる。
お年頃になると広い個室も与えられる。
うちの子供部屋の3倍は広い。
申し訳なくてうちの子供には見せられない😅
両親の離婚で片親になった親が預け、また再婚し、ますます引き取りにくくなったケースが多いように感じた。
帰れる実家があると思っている子供の現実にも様々な違いがありそうだ。
学校の同級生から根掘り葉掘り聞かれる前に自分からここがオイラの家だ。大きいだろうと言うんだと言っていた少年のなんとけなげで、いじらしいことか。あの少年は本当に吹っ切れていたのかな?でもそれは誰にもわからない。
国と都から援助があって運営しているそうだが、お金を払える親からは養育費を貰っているのだろう。いずれにしてもおとなのエゴが撒いた種。なんだかな〜って気持ちになった。
オイラの税金が役にたって欲しい。ふるさと納税みたいに使い道を指定できればなあ。
寮長先生が施設を出てから世間に胸張って言えるようになるケースは5割に満たないと言っていたから、この映画に顔を出している子供たちや職員はさしずめエリートたちなのだろうと思う。
ネパールの児童養護施設研修旅行は映画スタッフが企画したのか???ネパールの子供たちは(人身売買や臓器売買の危険から逃れて暮らせて)幸せだと胸張って言っていたが、それが羨ましいんだと言っていた彼女。俯いてスマホしか見ないで、人の目を見ない日本人社会は彼女が感じる不安や孤立感を増幅させるのだろう。遊園地に就職していった彼女が俳優志望のシャイな弟分に連絡しろよ〜って引っ越しトラックから叫ぶシーンは泣けた。
職員の女性と目がそっくりで依存関係にある高校生の女の子が心配だなぁ。歌舞伎町で悪い男に引っかかるなよ。
**「美しい映像と心揺さぶる物語――今観るべき映画『大きな家』
家族ではない
変えられない過去より、変えられる未来志向で
東京にある児童養護施設で、死別・病気・虐待・経済的問題などの事情で親と一緒に暮らせない子どもたちが、職員や他の子どもたちと生活していた。そんな彼らは、両親への思いや、職員との関係、学校の友だち、施設を出たあとの暮らしなど、さまざまな葛藤を抱えながら暮らしていて、養護施設は18歳で出ていかないといけない。そんな話。
おねがいのパンフレットを貰った。
この映画に登場する子どもたちや職員に対するプライバシーの侵害や誹謗中傷をご遠慮くださいとの事。
全国に42,000人も居るらしい。親がいるのに一緒に暮らせない、って悲しいなぁ、と思ったし、親は無責任じゃない?とも思った。
卒業して5割はうまくいっていないという話があったが、5割は頑張ってるんだとそっちに感心した。
何を感じれば良いのかわからないが、過去のことは変えられないから、今からのことを考えて未来を変えていこう、という話をしていたのが印象に残った。
それと、ネパールへボランティアに行った子、向こうで同級生で児童養護施設の子がインタビューに英語で答えてたことにどう感じたのか、興味深かった。
見たままを見る
激しい感情のぶつかり合いや暴力的な状況があるのかと思ったが、ほとんどなく、それは先入観だった。自分の誕生日に親に会うのを楽しみにしていた子供だが親の都合でキャンセルになり、、見てる方が辛くなって叫びそうになった。
知ることからはじめたい。見てよかった。
自分の境遇に対する向き合い方が多様
年末の休日にいつもの映画館で
木曜日で終わるので駆込み
結構入っていた
スクリーン鑑賞は
前回の室井後編以来だ
なんとなくテーマはダブるが
こちらはドキュメント
フジテレビの日曜14時くらいにやりそうな内容だが
テレビと異なり情報は少ない
こちらは様々なことを想像しつつ観る
別に知らなくてもいい
今日入口で配られたチラシには
> 子どもたちの持つ家庭事情などには具体的に言及せず、
> ただ今を生きる子どもたちの発する声や
> 心の動きに焦点を当てています。
とあった 共感する
出てきた子はいい子ばかりで
応援する気になったし もらい泣きもした
自分の境遇に対する向き合い方が多様で
ひたすらポジティブなタイプがいたり
学校で施設の子に会うと微妙なんてことも
卓球部のオリンピック話は結構笑った
冒頭のシーンで語られていたように
道を踏み外す子も少なくないと
それが現実だし人間の奥行きだろう
あ ネパールも出てきたな
かの国では施設で一緒の子は当然に家族とか兄弟
一方日本では違うというのが 興味深い
文化の進み具合のような気もする
どちらがいいということでもないと
20年くらい前だったら
施設の子は家族・兄弟ですと
言わねばならない空気だったかも
百名山山登りもよかった
日本という国がちゃんとしたいい国だと
再確認できた気がした
皮肉でなくて本当に
長かったが
この人数を描こうとしたら必要かなと
今年の最後としては上々の良作だった
「家」にこだわらなくても良いのではないか
本作を紹介するニュース番組に、プロデューサーを務める斎藤工氏が、訪問した施設で出会った子どもの表情に感じた後ろめたさのあったことを話していた。これまで観た児童養護施設を舞台とした作品として、『隣る人』というのがあり、当時放映されたドラマ"Mother"における施設の描き方への反証という位置づけもなされ、様々な困難を抱える子どもたちに親身に寄り添う姿勢のある職員たちの姿を丁寧に取り上げていた印象がある。本作でも、同様の職員たちは描かれている。にもかかわらず、取り上げられる子どもたちは口々に、施設は家ではない、家族ではない、と言う。題名とは齟齬があるのではないかいう思いが募った。最後に取り上げられた、卒園した19歳の人が、自分の可能性を追いながら、時々施設を実家のように思って訪問する姿であった。そこでようやく題名が回収されていた。近年放映されたドラマ『ファイトソング』では、施設長の年齢が卒園した主人公たちと近いせいか、「家」ではないけれども親しみ易い場所や人という位置づけだったように感じた。
血のつながりがなくても家族だ、という言い方がよくなされるけれども、子どもたちには必ずしも理解するのは容易ではないのだろう。家族ではなくても、共同体としての故郷という位置づけでも良い気がする。もちろん、長い時期を過ごしても、故郷と感じられず、戻りたくないと思う人がいて当然であろう。施設も、家ではなく、「故郷」で良いのではないだろうか。斎藤氏が伝えたかった意図を上手く受け止められたとはあまり思えないけれど、児童養護施設には、様々な思いを抱いた子どもが生活し、社会に出て行っているということは確かなことなのだろう。
非常に見てよかったと思う作品ですが……
こういった施設に関しては極めて無知だったと気付かされて、拝見して非常に良かった作品です。
施設を施設としてしか見ない小中学生とこのような施設の存在をありがたがる高校生や卒業生などのグラデーションは見事です。
その一方として、ドキュメンタリーとしては、かなりの頻度で鳴り続ける劇伴や、撮るべくして撮られたショットの数々などを考えると演出過多だったと思います。
無味乾燥なドキュメンタリーこそが素晴らしいと思いませんが、ドキュメンタリーでさえある種の演出が存在することをはっきりと示すのは、良くも悪くも作り手の「正直さ」と「ある種の美学」の持てる業なのでしょうね。
非常に感動しつつも、のどに残る小骨の多さが気になる作品でした。
淡々とした暮らしの中にある複雑な思い
児童養護施設は、おおむね2〜18歳之子どもたちが暮らす施設。
批判も否定もすることなく、ありのままの生活を知ってほしいという映画。
生まれも
性別も
年齢も
育った環境も違う子どもたち
その子たちが、自分の言葉で思ったことを話します。
まず、こういう子たちがいることを知ってほしいと思います。
子どもたちが話した言葉をそのまま受け止めてほしいです。
施設に暮らす子たちは、むしろ幸せなのかもしれません。
冒頭、施設職員が話した自立後の子たちの困難さ…半分の子たちは挫折を味わっていることに、むしろ目を向けてほしい。
コミュニティ?
配信、レンタル予定無しだそうで鑑賞
皆さん一様にでも家族ではないと口にしていたのが印象的
家族と過ごしていてももっと不幸な境遇の子供達はいるだろうので、季節のイベントや誕生日を祝ったり、お弁当、食事を用意してくれる人達が居るのは充分特別なことなんだろうけど 家族だと遠慮がいらないし無条件に愛を注いでくれる血が繋がっている人がいないのがやっぱり何か違うと感じるのかな でも親が会いに来れなくてもいろいろと勘ぐらない良い鈍感さを身に付けてるのは安定した愛情のもとで育った証拠だと思った この子達もいつか家庭や子供を持つのだろう、負の連鎖には負けないでほしい
血の繋がっていない大家族
児童養護施設が舞台のドキュメンタリー映画といえば、2011年公開の『隣る人』を想起。
『隣る人』の方はどちらかといえば施設で働く職員にスポットが当てられていて、映画を観終わった後は席を立てなくなるぐらいの衝撃を受けた記憶があるが、今回の作品はそこまでのエグ味は無い感じ。
『隣る人』は、ある場面のことを思い返すと今でも泣きそうになる。
竹林監督の前ドキュメンタリー作品『14歳の栞』と構造は似ていて、舞台が中学校から児童養護施設に変わり、数人の子供の日常をフィーチャーしていく作りは同じ。
オシャレでCM的な演出が、個人的にドキュメンタリーとしては演出過多に感じる。
女子チームが賑やかなのに対し、男子チームはよくいえばクール。
他人の誕生日に蔑む発言を連呼する感じが、体育会系中学生男子っぽいなあと思った。
きっと、画面に映ってないところで、職員の方々はそうとう苦労されているのでは?と思いを馳せてしまった。
血は繋がっていないけど、大家族もののテレビ番組を観ている感じ。
女子チームはずっと修学旅行みたいで楽しそうで、この映画を観て、児童養護施設に悪い印象を持つ人はいないのでは?
子供たちは父親か母親はいるようなので、ではなぜ施設にいるのかは気になった。
この映画は字幕付きで、幼児の発言はひらがなで表示されていたが、子供に「どこ行きたい?」と質問した時の答えが「さいきょうせん」で、ひらがなにすると強そう、とどうでもいいことを思った。
運動会のエピソードが素敵。
教室で子供を孤立させてしまったことに責任を感じた担任の「もう一度チャンスをもらえませんか?」という発言がカッコ良すぎる上に、ちゃんと結果を出すのが素晴らしすぎる。
施設の子供たちは成長するとみんなチャラくなっていくのが若干気になったが、まあでもそれが普通な気もした。
17歳の女子の「20年後どうなりたい?」と聞かれた時の答えが、ダメなんだろうけど個人的には「わかる!」と思ってしまった。
映画の最初と最後に「映画に出てくる人をSNS等で誹謗中傷しないで」と警告が出るが、そんな警告が必要なほど腐ってる世の中が悪い。
とある児童養護施設の子供達の話
最初と最後に、お願いとしてSNS等の映画に出ていた方々の発信は控えるようにとの告知が画面に出ていた。
映画を見ると分かるけど、ある児童養護施設の子供達、スタッフの方々の素顔が映し出されている。
名前(下の名前だけ)もセリフを追いかければ、容易に彼らに辿り着けるだろう。
だから映画館でだけの上映で、DVDの発売やサブスク等での配信は予定されていないらしい。
最初の方の演出は、POPな音楽、ローアングル、普通のドキュメンタリーではないと感じた。
その辺は映画として拘って作ったんでしょうね。
(テレビと違って、お金を払って見てもらうインターテイメントとして)
これは、児童養護施設で暮らす小学1年生から、19歳の大学生までの5~6人を追いかけたドキュメンタリー映画です。
映画館の上映スケジュールの中の映画紹介のページで知った映画でした。
それ以外で見聞きした事前情報はなかった。
音楽はハンバートハンバート。
先日見た映画『ぼくのお日さま』で彼らの事は知った。
そういった事もあって見てみる事に。。
良い映画でした。
カメラを気にしない子供達を見て、かなり長い間密着していたんだろうと思う。
児童養護施設で暮らす彼らは、お金に困ってるとか、生活に困っている感じは一切しない。
国からお金が出ているというような話が劇中であったが、いまの養護施設はこんな感じなんですかね。
キレイな個室があてがわれていて、質素な感じとかは無い。
子供達も基本みんな明るい。。
ただ、もちろん、複雑な家庭環境で育ってきているのでところどころ心の闇は感じられる。
そういった告白シーンだけが、普通の子たちと違うところ。
それに寄り添うスタッフの人達が凄いと思った。
おそらく、散々ぶつかり合いながら育ててきたんだと思う。
そういうシーンは無かった。
過去の話としてはあったが、そこに焦点は当てず、さりげなく彼らの思いを聞き出していた感じ。
ドキュメンタリーのディレクターは凄いですね。
家族のようで家族では無いという一緒に暮らす子供達。
社会に出ても頑張って欲しいですね。
影を映し出す演出、構成、良い映画でした。
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