「家族という捉え方はさまざま」大きな家 コビトカバさんの映画レビュー(感想・評価)
家族という捉え方はさまざま
映画館での上映のみ、ソフト化も配信もしないということで、ずっと気になっていたものの、なかなかなかなか後回しになってしまっていたけれど、やっと上映時間が合って観ることができた。
児童養護施設というと、なんとなく触れちゃいけないような気がしていたけれど、そこで暮らす子たちは意外にもドライに自分の境遇を捉えている印象。みんな将来の夢や目標を持って、悲壮感のようなものは感じない。
そして職員の方々も怒りもするし叱りもする、時には辛辣な事も言い合うし、成長を喜び泣きもする。
家族ではないと言いつつも、心の拠り所でもある、なんだか不思議な関係。
未就学の小さな子から始まり、小学生から思春期、反抗期の中高生、そして施設を出た19歳までの子たちが登場する。
18歳になったら自立する訓練をして退所、特に用事がなければ戻ってきてはダメというルールに少し驚き。
今では18歳は成人の歳とはいえ、強制的に大人にならざるを得ないのかと思うと、自分は甘ったれだったなと感じるし、もしかしたら今でもそうかもしれない。
なぜ施設で暮らすことになったのかは様々だけれど、死別だったり、離れて暮らしていると本人が話すことはあっても、あまりそこは重要ではないから明かされることはない。
撮影に関しても、東京である事は明かしてはいるけれど、時折差し込まれる町の風景も、あまり個性のないどこにでもある街並みで、極力特定されないようにしているのが好印象。
観るまで7週かかったけど、観てよかった。
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