室町無頼のレビュー・感想・評価
全421件中、81~100件目を表示
才蔵の演技の下手さとBGMの場違い感
カッコ良すぎでしょ。
才蔵の成長
1461年、応仁の乱が起きる前の京は、大飢饉と疫病により路上に無数の死体が積み重なり、奴隷労働や少女の人身売買が横行していた。しかし時の権力者は無能で、何の対策も打たず快楽の日々を過ごしていた。そんな中、蓮田兵衛はひそかに倒幕と世直しを計画し、立ち上がる時を狙っていた。一方、天涯孤独の青年・才蔵は、兵衛に武術の才能を見出され、鍛えられ、彼の手下となった。1462年、兵衛のもとに集った無頼たちは、巨大な権力に向け一揆を仕掛けた。そんな彼らの前に、骨皮道賢率いる幕府軍が立ちはだかり・・・さてどうなる、という話。
応仁の乱の原因にもなった室町幕府の無能ぶり、あれが京の都だとしたら、あまりに無惨。まるで戦場の様だった。比べるわけじゃ無いが、その後の戦国時代の武将たちの何と立派なことか、なんて思いながら観てた。
才蔵には武術の才能が有ったという設定らしいが、彼の成長が素晴らしく、そこが見所なんだと思う。
蒲田兵衛という人は実在の人物らしく、もう少し多く才蔵の様な若者を鍛えていたら、展開は変わったかも、なんて思った。
蓮田兵衛役の大泉洋はユーモアもありなかなかよかった。
才蔵役の長尾謙杜のアクションは素晴らしかった。彼が、なにわ男子のメンバーとは知らずに観たが、筋肉美も良かったし、イケメンだなぁ、なんて観てた。
堤真一、柄本明、北村一輝、など芸達者な出演者たちも良かったし、松本若菜は本作でも美しかった。
蟷螂の斧
推しが多数出演していた為鑑賞。
現実で増税やらなんやら話題になってる時にこの映画が上映されるって偶然なのかね?
室町時代が舞台なんだけど、疫病と飢饉による地獄みたいな様子をリアルに描写してて良かったし、キャストの演技、アクションもレベルが高かった。ストーリーも分かりやすく、かなり見易い時代劇って感じ。
ストーリーや展開は全体的に上手くまとめてあるが、もう少し大泉洋と堤真一の過去に触れて欲しかったかな。才蔵の修行と成長に時間をかけてたのは良かったと思う。
キャストについては
兵衛役の大泉洋は演技はいつも通りの感じで特筆する事はないけど、意外にアクションが上手くて驚きでした。
才蔵役の長尾兼杜は演技は大根でしたがアクションが凄く良かったです。修行の際や一揆中の無双アクション等かなり見応えがありました。今後の活躍に期待したい。
骨皮道賢役の堤真一、全てが良い。
そしてこの映画で一番印象に残ったのは伝助役の水澤紳吾。やっぱこの人演技がめっちゃ上手い。何でも出来る名脇役。
アクションや演出については個人的に評価低め。各々のレベルの高いアクションをしてるのに見せ方があんまり上手くない。特に一揆中の乱戦がいまいち。何て言うかアクションシーンの配分が微妙。劇場版のHigh&Lowくらいアクションの配分が微妙。
メインの大泉洋や堤真一、長尾兼杜はしっかり時間をかけてるけども、その他の扱いが雑なんだよね。
お供の3人は阿見201ばかり目立ってんのは正直微妙。そりゃあ金棒持った巨漢が暴れれば画面映えするけども、多様し過ぎ感ある。
前野朋哉も終盤で目を潰される等苦戦してたけど、もう少しその戦闘シーンを出しても良かったと思う。
遠藤雄弥は一揆中のアクションがほとんどなかったように思える。堤真一に腕をぶった切られてるのしか印象に残ってない。もっと居合アクションが見たかった。
武田梨奈は女同士の戦いで出番があったものの、シーン短かめアクション抑えめでめっちゃもったいなく感じたな。
刀鍛冶の小吉役の般若はせっかく助太刀に来たの切られるシーンばかりピックアップされてかわいそう。
堤真一側にも猛者はいたけど、正直ほぼ印象に残ってないんだよね。
伏士のお千役の吉本実憂は武田梨奈との対決等の見せ場はあったが正直あまり印象に残らなかったな。かなり動ける女優さんなんだろうけど。
前野朋哉と戦って彼の目を潰した釵を持ってる人って伏士頭の彦次郎だっけ?孫八だっけ?どっちも印象が薄すぎてあんまり覚えてない。釵持ってた人いたなーくらいの印象。
そして一番の不満。丞威の扱いよ。
この作品の中で1位2位を争うレベルのアクションの達人で鎖鎌っていう映える武器使ってんのに戦闘シーンはごちゃごちゃして非常に見辛く、やられるシーンもめっちゃ雑。超不満。出来ることなら遠藤雄弥との居合vs鎖鎌が見たかったな。
それと少し気になったのがBGM。最後の一騎討ちの際の穏やかなBGMはいいとして、一揆で盛り上がってる際のBGMが場面に不釣り合いな程穏やかで唐突かつ微妙に感じました。
そういえばラストのシーン、芳王子が一緒に遊びませんかって声をかけてたあの汚い子供。多分才蔵と旅に出るんだろうなって思ったんだけど、才蔵とその子のやり取りで締めくくればかつての兵衛と才蔵に重なった綺麗な終わり方になったのになとか思いました。
いや、そんなに丁寧に説明しなくても理解しろよってやつ?
蟲の意地
武士にして初めて一揆を起こしたとされる無頼漢、蓮田兵衛と仲間たち、そして彼らと立ち回った洛中警護役骨皮道賢率いる幕府軍の話。
寛正2年、大飢饉と疫病で人々が数多死にゆく中で、一揆の気運が高まるのを察知した骨皮が、高利貸しに捕まっていた小僧の才蔵と600文を報酬に、兵衛に一揆を止めさせる以来に依頼をして巻き起こっていく。
引き受けたとはいえども兵衛の無頼っぷりは健在だし、確かに依頼の仕事は成し得るけれど…。
そして気づけば幕府の敵?からの今度は蛙の修行!?
そしてまたもや一揆の気運と思ったら、最早戦ですか!!?
ちょっとエンタメ色が強めの時代劇で、そういう意味ではシリアスさが足りなくはあったけれど、なかなか面白かった。
ストーリーは良かったんじゃないかと思う。 ただ配役みんなを引き立た...
期待通り
とにかく劇中の音楽の違和感が気になった
豪華キャストだし見応えがありそうと思い早速見てみましたが、まあ何というか悪くはなかったがそんなに良くもなかったというのが感想です。
大泉さんの役もハマり役ですし
他の方々もベテラン勢は本当に演技は最高に上手いです!その辺りは本当に文句なしでした。
ただ、才蔵役の長尾さんはもうちょい演技を頑張ってほしいなーと思って終わってから調べたらこの人はアイドルなんですね、それなら仕方ないなと思います。
アクションの切れ味は長尾さん最高でした!
めちゃくちゃかっこよかったです。
あとは松本若菜さんの綺麗なお腹が見れるのが素敵すぎました(笑)
改めてめちゃくちゃ綺麗な人だなと見惚れてしまいました。
ストーリー的にはうまくいえませんが何というか何か今ひとつ物足りない。そこまでベタな王道な展開ってわけでもないがなんとなく最後の方は展開やオチが読めてしまったし、その辺りがなんというか見てて物足りないものでした。
そして何より気になったのが劇中の音楽。
こういった戦国時代系の作品ならば太鼓がドンドカドンドカ鳴りながら鬼気迫る戦いのテーマ的なものがハマると思いますが
なぜかめちゃくちゃ穏やかな拍子抜けしちゃいそうなほんわかした音楽がバトルシーンやわりと重要なシーンで流れたりメインのテーマ曲もそんな感じで、とにかく映画を見ていて初めて流れている音楽が作品を台無しにしていて本当に邪魔だなと思いました。こんな経験は初めてです。
音楽が耳障りだったその点だけでいうとかなりの駄作です。
とにかくこれだけの大型キャストなのになんだかいろいろ残念だったなと感じてしまいました。
ただ、バトルシーンに関してはワイヤーアクションみたいな感じというかそれがめちゃくちゃカッコいいです!
ま、わざわざ映画館で見なくても配信で見るくらいでいいような作品ではありました。
世は繰り返される
入江監督、最近勢いありますねぇ。
パッと思いつく映画は「22年目の告白」ぐらいであんまりいい印象はなかったんだけど、「あんのこと」で180度ひっくり返されてしまい、本作も期待値爆上がり。評判もかなり良かったからワックワクで行ったんだけど、今回も抜群の脚本力で流石だなぁと。
アクション面では物足りなさを感じてしまい、バイオレンス描写も半端で期待以上とはいかなかったものの、スピーディなストーリー展開と役者陣のガチ演技のおかげで作品にハリが出ており、135分の長尺でも一切飽きさせなかった。
大泉洋と堤真一は言わずもがな。それぞれ当て書きを疑ってしまうほどピッタリの人物像で、互いの相性も安心感を覚えるほど良かった。やっぱり大好きな2人。洋ちゃんは劉備玄徳からのギャップに萌えちゃうね。
今回特出したいのはこの2人ではなく、かえること才蔵を演じた長尾謙杜。想像を絶する表現力と運動神経。主人公もろとも食い尽くす勢いで、凄まじい演技力を見せてくれた。なんか聞いたことある名前だと思っていたら、なにわ男子のメンバーだったのね。全く分からなかった。そのくらいアイドルの雰囲気を隠し切って、みすぼらしい平民から兵衛の手下となるまで、見事に演じきっていた。前半と後半でまるで人が違う。これは今後が楽しみだ。
秀逸でセンスのあるセリフが多く、そんな言葉から蓮田兵衛という男の実態をしっかり描いていた。「人を下から見た姿はその人の10年後を表しているという。お前は10年後もキレイだ」というこのセリフ、蓮田が多くの人から愛された理由が詰まっているように思えてすごく印象深い。その時の松本若菜演じる芳王子もまたその言葉通り美しかった。
才蔵と戦って負けてしまった無頼たちが、どんな戦いで如何に彼が強かったを村の人々に向かって語ってみせているあのシーンもすごく心温まるし、本作の本質だと感じる。〈言葉〉の偉大さ。世の中伝言ゲームの繰り返しなんだよな。
税金が国民の大きな負担となり、不平不満が溜まっている室町時代。皮肉にも現代でも同じことが起きている。「今こそ立ち上がるべきだ。」その言葉は我々現代人に向けたメッセージのようにも捉えられる。「あんのこと」の入江監督というのもあり、ただならぬ重みと強さを感じる。
時事ネタを映画のレビューにぶっ込むのは如何なものかと思うけど、やはり今このタイミングでこの作品を映画化したことは何らかの意味があるだろうし、そう思わざるを得ない。このタイミングだったからこそ、すごく心に響くものがあった。映画の展開としては先が見えやすいし、物語の驚きも少なかったけれど、テーマ・メッセージには深く考えさせられるものがあった。
演出的なせいか終盤の戦闘シーンに思う存分ワクワクできず、なんだかもどかしい気持ちになってしまったが、構成や雰囲気としてはここ最近ではそう見られない魅力的な作りで、グイグイ引き込まれるそんな時代劇だった。
ココ最近の時代劇は注目されてばかりだから、この調子でどんどん未来を明るくして欲しい。ただ売れてないなこれは...観客合わせて2人だけだったぞ...。洋ちゃんパワーでも知らぬ人物が主人公はキツイかなぁ。
何かひとつ
主役は大泉じゃなかった
カエル君成長物語みたいだった。
一揆のゴチャゴチャ感がありKINGDOMの戦闘シーンを見慣れてるのでどうかな?と思う。喋れない女助っ人もな〜堤の手下の女もな〜松本若菜以外は存在感希薄。途中からどんな結末にするのか早送りしたいくらいだった。あと鉄砲隊はいないんだね?室町時代なら出てきて蹴散らせられそうな気もした。あ〜なるほどとなる伏線回収劇も弱いし、何だかな〜他レビューにもあるとおりBGMも確かに弱いわ
土一揆
なんかねえ
まぁ好みによりますよね
好みによります。
で、私の好みとしてはNG。
●雑な脚本
●怪しい時代考証
●は?と首を傾げる演出(40年くらい前の香港映画の悪役たちの振る舞い)
●何よりも白ける劇伴
でした。もちろん、それがたまらなく良い、という方々もいらっしゃるでしょうが。
将軍と徳政、幕府武士団と領民の関係、洛中警護団の振る舞いや装束、あるいはその集団としての性格などの時代考証や台詞の言葉遣いに表れる違和感は、原作小説そのものが違和感に満ちているのかどうか、読んでいないのでわかりませんけれど。
あらかじめ釘を差しますが、フィクションの時代小説だからと言って何をやっても良い、現代映像クリエイターのインスピレーションで変えまくっても良い、ということにはなりませんからね。まぁ『陰陽師』くらい振り切った時代SFファンタジーです、というのなら別ですが、一応史実に登場する一揆を主導した武家、というからには、歴史に対して最低限のリスペクトはあるべきでしょう。
特に白けた劇伴は「映像を引き立てる」役割を放棄していて、監督の好みなのかPのわがままなのか、映像とはまったく不釣り合いなアコースティックギターのフォーク・ロック調が流れたり、え? これ、チープなマカロニ・ウェスタンへのオマージュ?としか思えない調べが流れたり。
そこそこ良い役者が揃っているだけに、映画全体として役者の無駄遣いもいいところです。
ただし、大泉洋、堤真一はもちろん、才蔵役の長尾謙杜の殺陣は、アイデアも身体所作も見事。
もう一つ、松本若菜のきらめきは救いだなぁ
まるで火祭り
冒頭から衝撃的。
室町時代の日本、奴隷としてこき使われる大量の庶民と、路上に放置された飢餓による無数の死体。
「北朝鮮みたい」と思った。
奴隷たちが上官の命令に従って死体を積み上げ山を作っていくが、今まで見たことがない高さの「死体の山」が築かれていて、映画開始数分で「この映画、凄いのでは?」と思わせることに成功している。
最初に社会の腐敗っぷりを散々見せられた後だと、大泉洋演じる剣客・蓮田兵衛が見せる「優しさ」がとても尊いもののように感じてしまった。
兵衛が英雄視されていくのも納得。
音楽の知識には自信が無いが、BGMの使い方が独特。
兵衛が戦うシーンではGメンのテーマみたいなBGMが流れ、時代劇っぽくない。
凄惨なことが起きている場面ではなぜか明るく穏やかなBGMが流れ、奇妙な感じ。
個人的には去年公開の映画『密輸 1970』を思い出すような音楽使いだった。
長尾謙杜演じる兵衛の弟子・才蔵の修行シーンが凄かった。
まず修行の内容が他では見たことがないもので、そのアイデアに感心。
人間には不可能そうな理不尽な内容で、実際最初に才蔵が挑戦したときは完膚なきまでに失敗。
「流石にこれは無理だろ」と思わせておいて、修行を重ねた才蔵はこの試練を乗り越えるわけだが、人間には不可能と思われた動きを長尾謙杜自身が体現していて、その画に感動してしまった。
才蔵が強くなったことを、映像でちゃんと納得させてくる作りが素晴らしい。
兵衛が才蔵に問いかける「銭よりもっと世に動くものは何だ」の答えが、去年の東京都知事選や兵庫県知事選の経緯を眺めていた者としては「たしかに!」と思ってしまった。
大名たちが屋敷に集まって談笑している場面で、庭の向こうの景色に、死体を焼いていると思われる煙が立ち上るのが見え、去年観た『関心領域』のことを思い出した。
この映画最大の見せ場は間違いなく一揆のシーン。
画面内の人口密度がえらいことになっていたが、ただ人が大量にいるだけでなく、みんな火のついた松明(たいまつ)を持っていたため、夜の暗闇の至る所で炎が揺らめく大画面の映像が圧巻で、戦闘が始まる前から血が騒いでしまった。
大量の民衆が京都の街で暴徒化する様子は、血気盛んな若者たちが祭りやフェスで狂喜乱舞しているような感じだった。
正直、兵衛の仕掛けた作戦についてはいまいちよく理解できなかった(結果的に幕府の正規軍と戦う羽目になっていたし…)が、そんなことが気にならないほどの映像の迫力があった。
日本映画でこのレベルはなかなかお目にかかれないと思う。
個人的に本作の中で一番テンションが上がったのは、才蔵が幕府軍に一人で立ち向かう場面。
ここで流れるBGMが、さっきまでは兵衛が戦う場面で流れていたBGMで、魂の継承を感じさせる素晴らしい音楽演出で感動。
この場面はそれだけでなく、アクションにも心奪われた。
個人的に時代劇の殺陣は退屈に感じてしまうこともあるが、本作の剣劇アクションは超人的でアクロバティックな動きも取り入れられていることで、今まで観た時代劇のアクションシーンで最も観ていて楽しかった。
近年の時代劇アクションで一番評価が高い映画作品は『るろうに剣心』だと思うが、個人的には超えてると思った。
この映画の中では税負担と食糧難に苦しむ民衆が一揆を起こして京都を火の海にしていたが、実質賃金は下がり続けているのに増税と食品価格高騰を繰り返すどこかの国も他人事ではないかも。
全421件中、81~100件目を表示