「自棄っぱち!」室町無頼 Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
自棄っぱち!
◉哀しみと怒り
「世界を変えるは、人の力」と言う文語調のフレーズが売り文句。しかし、観ているうちに世界を歴史に置き換えて、歴史を変えるは地に沁み込んだ「哀と怒」だろうと言うシーンが多すぎて、事実と分かりつつ切なくなった。
足枷手枷に捉われず自由に生きたい無頼漢が、支配階級に挑む。巧みに生きる術を知って、才蔵に説いていた男が、損得を投げ捨てて是非もなし! それで、民衆を煽りに煽って一揆を起こしてしまう。身を捨てなきゃ、何も果たせない。
◉踊れ踊れ
命のやり取りから、焼き尽くす派手な炎と踊りへ変わり、終焉はまた命のやり取り。よく、周囲の人間を自棄っぱちに誘う名人がいて、あぁもういいや、どうせ軽い命ならなるようになっちまえ!
古い史料の一行から拾われた蓮田兵衛も、その最たる者だったのだろうと思いました。正義には代償が要ると分かりながら、刃を振るってしまう。
道賢は居たし、才蔵もそのほかの誰もが物語のためではなく、きっと居たと思うけれど、近世より中世は更に分からないことが多いから、物語は愉しく膨らんでくれるのです。
◉太く生きる
大泉洋は多彩だとは思います。でもエモーショナルな作品で涙を見せるより、ゾンビの脳漿をライフルで吹き飛ばす「アイアムアヒーロー」とか、今回みたいな血の量タップリ系の作品が絶対に似合うと思いました。優しいものは胸のずっと奥底にしまって、ふてぶてしくて、でもジョーカーを引いてしまう、その感じが良かったと思いました。
イイねコメントありがとうございました。😊なるほど
でも 織豊時代以前は 殆ど わかってない 想像だけの時代なので想像膨らみますね
立花隆さんの本で学んだのですが 歴史は明治時代以降 続日本記 とか 科学的に文献詰めて確立したそうです。でも 歴史は科学では無いので 私は室町以前は殆どフィクションで なんら正確性が無いと個人的に思ってます。
共感そしてコメントありがとうございます。
今、公開から3週間経て感じるのは、やはり庶民派スター大泉洋の、
スター人気におんぶする映画・・・でしたね。
でも集まったファンに笑い声は少なくて、盛り上がって
なかった印象でした。
室町時代、史実を変える訳にはいかなかったですね。
Uさんの仰る、沢村一輝を兵衛が簪で首を掻っ切るシーン。
黒澤明のように血が迸ったり返り血を浴びたり・・・しませんものね。
時代なのか、詰まんないですね。
アメコミでも、その辺りソフトですね。
「アイアムヒーロー」なんかは、今振り返ると、グロくて
面白かったですね。