劇場公開日 2025年1月17日

「『応仁の乱』前夜の夜襲にかけた自由武士・蓮田兵衛」室町無頼 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『応仁の乱』前夜の夜襲にかけた自由武士・蓮田兵衛

2025年1月18日
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鑑賞方法:映画館

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知的

毎年、年末年始を当て込んで、12月に大作公開が続くが、正月になると、今ひとつ観たい作品が少なくなると思うのは自分だけだろうか? 今年は特にその傾向が強く、なかなか劇場に足を向けたいと思える作品がなく、本作が今年最初の劇場鑑賞となった。本作については、大泉洋がおふざけを封印。本格的な時代劇の殺陣にも挑戦し、そのライバル関係に堤真一という配役と共演も楽しみにしていた作品。

時は、足利幕府の室町時代の終焉の時へと突き進んでいる時代。教科書で習って誰もが知る『応仁の乱』の前夜の京を舞台に起きた、日本初の下級武士による一揆を描いた本作。あまり歴史上人物としては馴染みはないが、倒幕と世直しの為に声を挙げた、一揆の大将である蓮田兵衛の生き様を描いている。

世に大飢饉や疫病が蔓延し、多くの民の死体が道端に積み重なり、荒れ果てた京の都。しかし、その中心地では、権力者達が多額の税を取り立て、民を虫けらのごとく扱い、自分達は贅沢三昧の暮らしに明け暮れていた。当然、多くの民や下級武士達は不満が募り、各地で我慢の限界に達していた。そんな中、蓮田兵衛は倒幕の為に、不満の下級武士達を募り、立ち上がる時に向けての画策していた。

万にも膨れ上がった蓮田率いる軍勢は、満を持して、いよいよ京の都へと夜襲をかけて乗り込んでいく。その前に立ちはだかるのが、かつて蓮田兵衛と切磋琢磨し、互いをよく知る武将・骨皮道賢が率いる幕府軍だった。ラストの20分間以上に渡る、蓮田軍と骨皮軍との激しい戦闘シーンは、本作の売りのクライマックス・シーン。ただ、本来ならもっと、血飛沫上げた壮絶なグロさもあるのだろうが、今ひとつチャンバラ的で、雑な描写が目立ち、リアリティーさに欠けていたのが残念。

主役は、確かに大泉洋ではあり、これまでの大泉作品では観たことのない殺陣とアクションも頑張り剣豪振りを演じていた。しかし、蓮田兵衛に魅入られて、弟子となった才蔵を演じた『なにわ男子』の長尾謙杜の成長ぶりにスポットが当たるシーンが多く、何となく大泉の存在が薄まってしまったようにも思う。そんな中でも、汚い男達ばかりの登場人物に紅一点、遊女を演じた松本若菜は、登場シーンこそ少なかったが、その透き通った美しさが際立って輝いて見えた。

bunmei21
bunmei21さんのコメント
2025年1月22日

クリストフさん^_^同じ思いの人がやっぱり居たんですね🧐今一つ、正月作品って盛り上がりに欠けるかな…。

bunmei21
クリストフさんのコメント
2025年1月22日

レビュー冒頭の序文、
禿同でございます。
私は今作が2本目でした💦

クリストフ
bunmei21さんのコメント
2025年1月18日

トミーさん(^^)今一つ、思っていた内容とは違いました。兵衛がいかに、同志を集め、クーデターを企てるのか、その辺りがハッキリしない感じで、そこを才蔵のシーンに置き換えられてさしまった感じがしました。

bunmei21
トミーさんのコメント
2025年1月18日

共感ありがとうございます。
一揆を決意してから、確かに薄い感じでしたね。決起後のビジョンが元々無く、一花咲かせたいだけだったかもしれませんしね。

トミー