ビニールハウスのレビュー・感想・評価
全66件中、1~20件目を表示
救いようのない不幸。良作
いやー、、まぁ内容が暗いの救いようがないの。
前半は主人公の良い人さが存分に表現されてるだけに、中盤以降の畳み掛ける不幸に圧倒されますね。設定に無理がある分、もはや笑えるレベルに感じる人もいるのでは苦笑。
シリアスさ、際立つ緊張感は良作の一本。レビューが思いの外高くないのは、内容が暗すぎるからだと思います。
不幸を観てみたい人にはオススメ!の一本です。
笑いで昇華しない
畑のど真ん中のビニールハウスで暮らして貧しさを凌ぎながら、認知症老婦人の訪問介護士として働く女性の物語です。韓国での貧困層の藻掻きが「え~っ、そっち?」ととんでもない方向に展開する様は『パラサイト』を想起させます。しかし、あの作品では笑いで昇華していたバカバカしいとんでもなさに本作は真面目に向き合うので、リアリティの無さにも感じてしまいました。でも、「笑いの無い『パラサイト』」だからこそ、あり得ない現実に締め上げられて息苦しくもなるのでした。
不可解
監督(脚本も編集も兼ねている)は、芸術映画が何かを、
勘違いしている。
最初からラストまでストレスの溜まる映画だった。
脚本がキチンと示すべき情報を、曖昧にしか提示しないことに苛つく。
①息子が少年院にいる理由は何故か?何をしたか?
②時々現れる若い男はムンジョンの愛人に見えるが、拒む理由は?
③その男とグループセラピーで知り合ったスンナムの言う【先生】は、
・・・同一人物なのか?その繋がりは何故?
④風呂場で死んだ訪問介護先の奥さんの死体は、車で運んでいた。
・・・それならビニールハウスを焼き払う必要があるのか?
⑤介護に通う老主人は盲目な上に初期のアルツハイマーと診断されて、
・・・死んだ妻の身代わりとなったムンジョンの母を殺して
・・・無理心中は成し遂げたのか?未遂なのか?
⑥焼き払ったビニールハウスに隠れた息子と仲間は逃げれたのか?
⑦そしてムルジョンがグループセラピーに通う理由も曖昧。
・・・ファーストシーンは自分で自分を殴っていたのか?
・・・自傷と言う言葉を知らなかった、とジョンスンは言うが。
キチンと殺人か?殺人未遂なのか?
放火事件なのか?
放火殺人事件なのか?
殺意の在処をはっきりしないは不親切だし確信犯的なのか。
盲目の利用者さんの障害を悪用していないか?
どうも似せたと思われる映画、
イ・チャンドン監督の「バーニング劇場版」
これが意識下にある気がする。
「バーニング劇場版」の原作は村上春樹の短編「納屋を焼く」であり、
「バーニング劇場版」では納屋はビニールハウスになっている。
この「ビニールハウス」という題名との相似・・・
貧困と格差社会、確かに似ている、
更に認知症や精神障害そして視覚障害・・・
更に【自殺に他殺に放火?】
社会問題と不幸のオンパレードに、内心ウンザリした。
「バーニング劇場版」は芸術的価値がある作品だと思います。
この映画は曖昧にしたら芸術になると錯覚した、
それをまたまた芸術と思った批評家たちの勘違い映画。
やりきれない気持ちになった。
それにしても変な建物。
倉庫でなくて、ビニールハウス?
水道やトイレや風呂はどうなっているのか?
やはり誤魔化しいる気がする。
物語のけん引力は今年屈指。しかし介護や認知症などの描写については一考を要する一作
セリーヌ・ソン監督は長編映画初監督作品である『パスト ライブス』でいきなりアカデミー賞作品賞、脚本賞の有力候補に名を連ね、イ・ソルヒ監督も本作が初の監督、脚本作品です。今年は才気煥発な若手監督のための年なのかも。
ソルヒ監督の語り口は鋭利かつ周到で、冒頭からあっという間にムンジョン(キム・ソヒョン)と彼女の周辺で起きる状況に目を奪われ、そのまま結末になだれ込みます。体感で一時間ほどに感じたあたりで、もう一波乱起きるのかな、と思ったらそのままエンドクレジット。幕切れの切れ味も鋭く、ちょっと唖然としたほどでした。ソルヒ監督は間違いなく、卓越したストーリーテラーですね。
本作では、『パラサイト』(2019)にも通じる、社会格差と貧困、介護の問題など、現代の韓国における深刻な社会問題を取り入れています。その一方、見方によっては、こうした直視すべき現実を、物語を盛り上げるための要素として「道具化」しているようにも見えます。あまりにも語り方が巧みであるが故に、技巧的な側面が際立ってしまっているとも言えます。監督のインタビューでの発言を読むと、監督にそのような意図はないことは明らかなのですが、このあたり、作品が省略した要素を行間を読み取っていきたいところ。
『パラサイト』は、たとえそれが幻想であったとしても一縷の希望をつなぐような結末でしたが、本作に関しては正直言って救いを見出すことが非常に困難です…。すごい作品を観た、という感触は得ても、そこに爽快感や楽しさは伴わないかもしれない、という点については鑑賞前に留意しておいた方がいいかも。
救いがない・・・
認知症患者が2名登場しますが、結果的に2人とも悲惨な最後を迎えて、関わった介助者も不幸になりましたね。
認知症や重度の要介護者を題材にした映画はなるべく見るようにしていますが、ハッピーエンドで終わる映画はほぼないですね。
「最強の2人」のようなお金持ちの介護をして財産を譲り受ける話や、少年の障害者が徐々に心を開いていくお話はありますが、一般的なお年寄りの認知症患者と関わって、幸せになる話は作り話でも見たことがない。
日本も徐々に「プラン75」のような世界になって行かざるを得ないのかも・・・と不安に思いますね。
少なくともこの映画のような結末だと「プラン75」のように安楽死させる世界の方がマシに思えます。
社会問題を通して人の幸せを問うた作品
なんともやるせない気持ちになる作品でした。
認知症〜介護、高齢化社会、貧困格差、自らが抱える病気・・・などなど、
非常に重たい内容ですし、ラストもこれで幸せなのか!?という終わり方な気がします。
最初の事故が起きた際に、主人公が選んだ選択が
その後のストーリーを決定づけたと思いますし、それが全ての始まりだったと思います。
重たい中にも、ちょっとしたユーモアも感じましたが
苦笑いにしかなりませんでしたね。
俳優も頑張っていましたけれど、ちょっと大袈裟な演技な感がありました。
う〜ん、微妙。
仕事の不始末、様々な障がい者との関係、そして『バーニング』
カスタマーハラスメントを受けても仕事を続ける主人公は健気に感じたが、事故死させて遺棄隠蔽してしまった不始末から引っ込みがつかなくなり、露見を心配しなければならなくなった。
利用者が認知症の女性と視覚障がいと認知症の心配のある男性で、そして主人公も自傷性があり、集団療法の場で軽度の知的障がいの女性と出会い、付き纏われるようになり、邪険な対応をしてしまう。そういう人たちとの出会いも有り触れたものになっていくということでもあるのだろう。
ビニールハウスが燃え盛る結末は、やはり『バーニング』を思い出す。
衝撃のラストシーン
「半地下よりマシ」と言うキャッチコピーに
壮絶な生活を想像するも、
主人公ムンジョン、ちゃんと仕事もあるし
ビニールハウスの中は意外と快適そうだし
なんならセ○レまでいる…🫢
なぜビニールハウス住まいなのか
息子はなにをして少年院にいたのか
(父親を56した🤔?)
観る者の想像に任せる感じがモヤッと感と
イラっと感を増殖させます😫
ラストのとんでもないシーンが無ければ
心掴まれることなく評価も低かったかも。
身震いしたわぁ、あのシーン😨
ビニールハウスの存在
主人公はなぜ自傷行為をしてしまうのか、息子はなんで少年院にいてるのか、とか旦那さんの最後などなど、想像におまかせストーリーでした。つまらないことはないのですが。
いっそお金目当ての事件を軸にしたほうがスッキリしてたかも。貧困や介護の絡ませかたもなんだか無理矢理感を感じてしまった。あとおじさん=先生?がよくわからず。
優しい旦那さんの最期が辛かったのと主人公はなんだかんだ働き者だったので星3つです。
ブラックホール
息子は父から母を庇ったのだろう
自傷のシーンから読みとり始める
主人公ムンジョンの背景と心理
嫌な緊張感が終始張り詰めるなか
歪みが裏目を呼びまた歪み、また裏目を出す
負の連鎖がつくる足枷は重た過ぎ
息子とのささやかで穏やかな日常を夢みて
地道に暮らすだけなのに
その重みに引っ張られるように落ちていく
ブラックホール
炎は全てを包む
消したい過去も
手にしたい幸せも
青白い朝に浮かぶ真っ黒いビニールハウス
漂う妙なエネルギーは底なしに善人を連れて
この憂鬱すぎる後味をべったりとのこしていく
最悪な夢であれ
脇甘すぎるサスペンス風
映画の宣伝コピー、「半地下はまだマシ」?
いえいえ、比べちゃだめですね。
本作の脇の甘さと予定調和なサスペンス風に
びっくりでした。
なにもかも・・・
「そうなるようにお前がしてるんじゃん!」
って突っ込みたくて突っ込みたくて
仕方がなくなりました。
書いたらネタバレになっちゃうので
何も書けませんが、最善を尽くしたはずが
最悪に・・・とか、歯車がなぜかくるって
かみ合わなくてこの結果に・・・だったら
切ない気持ちにもなりますが、すべてに
おいて中途半端な主人公に歯がゆさだけが
残り続け、やることなすことの脇の甘さと
ストーリーの「嘘だろ?」感が、私の心を
このサスペンスもどき作品から離して
いくのです・・・。
ラスト、その終わらせ方がかっこいいと
おもってんのかねぇ?
無理やりの結末じゃん!
てか、何日経過してるんだよー。
社会問題
負の連鎖が次々と起こる映画。
現代社会の問題をベースにしてるのだろう。
介護、貧困、孤独。
ギリギリのラインを厭らしく突いてくる
作品。そして攻め立てるよね。ヒシヒシと。
息を飲むスリル感を味合わせたいのかも。
イ・ソルヒ監督は29歳かぁ。
頭の中のパズルが組み立てられてて
ここを外したらとか、別にくつけるとか
構成出来る方なんだろう。
キム・ソヒョンを薄幸ながら艶っぽく
魅せてたね。日本人だと吉田羊さんって感じ。
不思議な後味悪い終わり方。視聴者側に
想像させて止めを指す的な。
嫌な気分なったが、悔しいけど
良く出来上がった映画でした。
これはダメ!障がい者、高齢者を犯罪者にしてエンタメ消費することなど倫理的に許されない!
これはアカン。
こうゆうのはノワールとは言わん。
許しちゃいけないヤツ。
主人公が自傷行為を繰り返す神経症患者の女性、
彼女が介護ヘルパーとして世話する高齢夫婦が認知症、
( 1 )ヘルパーの女性が被介護者の重度認知症の高齢女性を過失死させ、
すぐに救急車と警察を呼べば何ら問題ないところを隠蔽して、同じく認知症の実母を身代わりとし、
( 2 )認知症が始まった被介護者の視覚障がい者の夫が、自分の妻と思って身代わりの介護者の母親を先に殺して自らも自殺を図り、
( 3 )少年院から出た仲間と母親が住むビニールハウスに入った息子達もろともに、過失死させた老婦人の死骸ごと消すために放火して、結果的に実子含む少年達全員焼き殺す、
それで、エンドって‥‥
( 4 )なお、自傷神経症患者達の自主治療サークル仲間の(知的障がいもあるらしき)若い女性に、ヘルパー女性が、イヤなヤツなら殺せばいいと吹き込んだ結果、若い女性が、自分や主人公を性欲処理の道具扱いしていた自称作家のプレデターを殺害するオマケ付き‥‥
あなたねぇ、
神経症患者や
介護対象の高齢者や、
盲人や
認知症患者や、
知的障がい者に
殺人させてエンタメにして、
消費してちゃあ、アカンでしょ。
倫理的に許されんでしょ。
よくこれ、韓国の映倫(?)通ったな‥‥
よくこれ、日本で上映、映倫が許したな‥‥
ホントは、スコア、−100点付けたいところだけど、最低点0.5点までしか下げられないようなので、最低って意味での0.5点です。
この映画の製作関係者全員、
そして、
この映画観て単純に喜んでいる人全員に、
まともな倫理観があるのか、心底から疑う。
胸糞とか、鬱展開とか、
そうゆう呑気なもんじゃぜんぜんなくて、
これはアカンです!
韓国でもダメでしょ、
楽しんでる場合ですか!
人間として、許したらアカンやつです!
あとで何か問題になっても、私ゃ知らんぞ、
ホンマに‥‥
※Filmarksにも投稿
重たいテーマ
映画『ビニールハウス』自宅における老老介護の現実が迫ってくる。みんな目をそむけがちな問題なんだけど、高齢化社会を迎えてそうも言ってられない。「半地下家族はまだまし」のキャッチコピーは、どこか的外れだ。介護の問題は、一人で抱え込まないこと。
『パラサイト』とは別問題
「半地下はまだまし」のキャッチコピー。
あえて「パラサイト」を持ってくるあたり、宣伝効果を狙ってでしょうが。
本作は、全く別の問題提起。
あくまでも、介護の現場の現状。
あえて言えば、韓国のという注釈がつくかもしれませんが。
この問題は、万国共通。
老老介護をする夫婦の家庭に入る介護士の話。
彼女が住むのが、農業用のビニールハウス。
このあたりで貧困の問題を持ってきたいのだろうけど。
その割には。ビニールハウスの室内が、意外ときれい。
あまり悲壮感が伝わってこない。
確かに、まともな家に住めない経済事情があるのだろうけど。
日本だって、ネットカフェで生活する人も多いわけだし。
際立って、社会の貧困化が伝わってこない。
介護は経験したものしかわからない。
これもよく言われることなんですが。
この映画から、その様子は伺い知れる。
特に今回は、家庭における老老介護。
妻は、かなりの進んだ認知症。
そこに、ヘルパーとして主人公の女性が関わってくるんですが。
これだけ認知がすすんだら、施設だよなと思ってしまうんですが。
韓国も介護保険の事情は、日本と似通った形。
ただ、始まって日は浅いのですが。
特にこの家庭内で、介護をしようとすると家族は大変。
また、施設に入れようとしても本人が受け付けないとか。
致し方なく家庭でとなると。映画のような悲劇はあるだろうな。
かの有名な歌舞伎俳優の事件にしても、介護の重圧が背後にあったはずだ。
まだ、介護ヘルパーを入れられるのはましなほうで、これとて本人が頑なに拒めば、万事休す。
根本的解決策はない
残念だけど。
アメリカのような車社会だと、認知症がなくても運転ができなくなった独居老人は、施設に入るしかない。
日本はどうかというと、認知症が進んでしまうと、火事や事故の心配があるので、施設ということになるけど。
そうでなければ、本人の意思で、かなり身体的障害が進んでも、自宅生活が可能となる。
ただ、今回の介護保険の改定で、訪問介護の点数が減らされたので。
今後は、このサービスが受けられなくなる心配が出てきている。
問題を抱えても、一人で悩まないこと。
とにかく相談できる人に相談して、解決方法を探ること。
でないと、根本的解決方法がないとはいえ、問題を抱え込んでしまうと、この映画のような悲劇が。
だから、地域社会でもこの問題を常に頭において。
相談できる場所、組織、サークルなどなどできる限り増えないと。
これから介護問題は、本番を迎えるのだから。
息子
韓国には、ビニールハウスに暮らす人達がどのくらいいるのだろうか。裕福な老夫婦の介護を仕事とし、母親の介護をしながら少年院に入る息子の帰りをまつ主人公は、おそらく夫から暴力を受けており、自傷のためカウンセリングサークル?に通う。影のある美人だからか、断れないたちなのを見抜かれてか若い先生?と男女の関係にある。
息子と住むための物件を探しているときだけ、幸せそうな顔になる。そんな母親の心を知ってか知らずか、おじと暮らすより母と暮らしたいと少年院から電話をする息子。まったく、更正してる気がしなかったがやっぱり。主人公は悪いことをしたわけではないのにやりきれない。
全66件中、1~20件目を表示