ビニールハウスのレビュー・感想・評価
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半地下のがマシってことはないと思うけど…
ストーリー自体はそんなに捻りもなく、序盤で思った通りの流れで進んでいくため自分としては斜め上をいく展開が欲しかったけど、そこは望み過ぎなのかしら??
それにしても、主演女優さんが同じ人でありながら場面場面で綺麗さとしょぼくれた感じをきちんと演じ分け、その振り幅に圧倒されてる。女優という職業の凄さ(というか恐ろしさ)を改めて感じてる😂
生き延びるためのサスペンス: 負の連鎖のジェットコースター
負の連鎖がじわじわ広がって物語が展開するサスペンス、ビニールハウスの世界へようこそ。
ここでは、貧困や孤独、介護といった、現代の韓国社会が直面する切実な問題に焦点を当てています。
主人公ムンジョンのようにビニールハウスで生活を余儀なくされる人々の物語を通じて、社会問題に深く切り込みつつ映画というエンターテイメントに落とし込まれた物語をおっていく。
盲目の老人テガンと、重い認知症を患う彼の妻ファオクの介護士として働く彼女の姿は、重苦しい現実を突きつけます。
この映画は、負の連鎖がどのようにして広がっていくのか、その過程をじわじわと描き出しています。社会派映画好きからホラー映画愛好者まで、誰もがこのサスペンスに夢中になるでしょう。終始、息をのむ展開に「あー!」と叫びながらも、目を離せません。
映画の終わりに向けて連なる出来事が次々と引き金を引き、それは止まることはなく
駆け巡ります。映画を観終わってしばらく頭から離れないかも
救いのない不幸なパズルが完成してしまう
事前知識も期待値もゼロで見に行ったのですが、なかなかに面白かった!!
主人公が局面局面で悪い方向の選択肢を選び続ける話で、よくもまあ、ここまで不幸な要素を詰め込んで、思いもしない最悪な結末に話をまとめられるものです。
細かなツッコミどころやご都合主義的な部分もありますが、なかなかの剛腕で話を進めていきます。
ひとつ疑問なのは、小説家の先生と不倫相手は同一人物? どこかのシーン見逃してたかな?
こちら監督の長編デビュー作らしいので次回作以降に期待したいところです。
タイトルなし
ビニールハウスという題名の割に、それ自体のマイナス部分がほとんど描かれてなく、逆に床もしっかりしてそうだし、家具も冷蔵庫も流し台もあるし意外と住みやすそう!と思ってしまった。
介護描写ばかりが長く描かれてましたが、肝心の主人公の数々のやらかしを放ったらかしたまま、いきなりエンドロールだったのでビックリです。
ビニールハウスと言うより軍用テント
暗い!暗いよ!観ていてしんどかった。出てくるもの全てが不安定で不安感いっぱいだし、とても居心地が悪い。老いも家も仕事も親子もメンタルも犯罪も全てが脆くて、実際一つ崩れて行くことで、全てが崩れていく。もうね、どういう気持ちで観たら良いのか、そしてどういう気持ちでこの映画を撮ったのか…割と救いのない映画なので、メンタル整ってる時に視聴した方がいいかも。ただキム・ソヒョンのやつれた色気は、妙にグッとくるものがあるぞ(笑)
Wisdom
キャッチコピーはアレですが、介護の闇を描くのかなと気になって鑑賞。
一つのズレがやがて大ごとになっていくという感じの作品ですが、介護や障害にもフォーカスを当てて、それらが基本的に悪い方向へと進んでいってしまうのが今作の特徴だなぁと観ていて思いました。
夫婦を介護してる女性が奥さんに悪態をつかれたりするシーンは観ていてこれリアルの方がもっとキツいんだろうなと考えてしまったり、胡散臭い集会の人に懐かれたら実際はもっと面倒なんだろうなと思ったり、現実に近い感じで作品を描いているのもあって、淡々としていましたが、エンタメには見られない陰鬱さがあって良かったと思います。
途中、介護してる奥さんを事故で殺してしまってから事態は一変するんですが、ここまで意外と長いのもあってやっとかと思ってしまいました。
そこから自分の母親を身代わりにしてやり過ごす日々が続くんですが、なぜかうまいことすり抜けれていましたし、身代わりの面白さはそこまでなかったかなと思いました。
ラストシーンこそ中々にインパクトがありましたが、どうもそこまでの道のりがゆったりだったのもあって、あの燃え盛るシーンの哀愁にうまく浸れなかった感じがありました。
題材こそ良かったものの、不幸だらけだと観ているこちらもズシーンと気が重くなってしまうなと思いました。エンタメって難しいです。
鑑賞日 3/19
鑑賞時間 17:55〜19:45
座席 F-3
韓国の社会問題
韓国映画だしクオリティ高いだろうと、すごく楽しみにしてた作品で、
目をバッキバキにして、どうなるか推理しながら観てたけど、少しビミョーかな?と思ってたら…
やっぱ、すごいわ(笑)
点と点が…
まるで映画みたい…
いや映画なんですよ、これは…(笑)
あんま言うとネタバレなんで、あまり言えません(笑)
韓国では実際に、ビニールハウスに住む人がリアルにいて社会問題になってるらしい…
考えさせられるモノあり。
評価は、少し甘めの4つ星。
床を拭くムンジョンが頭に残る
言葉は悪くなってしまいますが良い意味で胸糞悪いというか、終始心がザワザワ、ずっと地を這うような暗い雰囲気が続きます。でも、こういう胸焼けするような目を背けたくなるような現実だから社会問題って言うんだろうなと。
ムンジョンが床を拭くシーンが何度かある。その掌に込められた力から、それぞれ異なった感情が感じられるのが印象的だった。
母親ってのはやはり何があっても子供への愛を捨てないものなんだね。息子はそんな母を軽蔑してる感じだけど…。子供のためならなんでもやってあげたいという思いが歪んだ形で表出してしまった。
グループセラピーのシーン。少し前に見た「夜明けのすべて」にも出てくるけれど、まるで雰囲気は逆。不安を和らげるというよりは、一歩間違えれば危うい刺激に触れる場となっており、これだったら個別カウンセリングのほうがいいのでは…と見ていて辛くなった。ムンジョンは何か精神疾患を抱えているようだったけど、どんな病気に当てはまるのかはわからなかった。
暗闇から脱出できない後味悪いラストになっているので、平常心でいられるときに観ることをオススメします(^^;
共感できたのは「おじいさん」だけでした。
釜山の映画賞で賞も沢山もらった作品ということで、かなり期待して観た作品。が、正直なところ面白くなくてがっかり。おそらく、まず主人公が好きになれなかったこと、そして主人公の息子に同情もなにもできなかったことが一番大きな原因かと。主人公の息子は単なる不良行為で少年院に入ったのだと思いますが、そこに何か同情すべき理由が描かれていたら、もっとこの作品に入り込めたかもしれません。息子が少年院に入った理由がただの不良行為でも、母親は息子がかわいいのは理解できます。けど、単なる観客としてはそこに「ドラマ」がほしかったなと思いました。息子の為に罪を重ねて、破滅していく女性の物語ですから。
それから非常に不謹慎な感想ですが、ビニールハウスの家が想像していたより立派で、ここで息子と頑張れば良いのにとも思ってしまいました。
セラピーの会で知り合った女性が車中でとった行動も、早いうちから最後こうなるだろうと予測がついてしまい、パラサイトのようなあちこちハラハラするような場面も少なかったです。(ここでハラハラしてほしいのだろうと思う場面は色々ありましたが)
ただ、主人公を信じる優しい雇い主のおじいさんだけは、とてもいい人でほっとしました。
以上、厳しめなレビューになりましたが、エンディングにははっとさせられましたし、どの役者さんも素晴らしい演技でした。
負のスパイラルが強すぎて…
全てがマイナス面へとひた走る人間劇。老老介護にボケに障害者にといろいろ現実的な問題が提起されて見応えはあるんだけどツッコミどころも多くラストも想像にまかせますな展開がイマイチ消化不良。
「長編デビュー作」を味わう
イ・ソルヒ監督、本作が長編映画デビューで脚本も自らのもののようですが、素直に面白く良く出来た作品だと思います。正直、都合の良さを感じざるを得ない部分は多いです。或いは、描かないことで胡麻化していると思える部分も少なくありません。ただ、予想できる展開と思いきや、そこにちょっとしたアイディアがプラスアルファされていて「有りがち」とは片づけることのできない「光るもの」を感じさせます。
また、バジェットの都合もあるのでしょうが、売れっ子ではなくドラマ中心に活躍する実力十分なキャスティングも効果的で、特に老人役の方たちのしびれる演技がそこはかとなく不穏で、虚実の判断が出来なくなった状況の不気味さは不安を掻き立て、その場から逃げ出したくなる衝動にかられます。
どうしても映画館というような作品性ではないものの、潔いくらい説明は省いているため、何も判らない序盤は特にノリにくく、配信だと集中力が試されるかもしれません。或いは、イ・ソルヒ監督の今後に期待をすればこそ、この「長編デビュー作」を味わうためにも劇場鑑賞する価値はあると思います。興味あれば是非。
まあまあだった
予告ですごく面白そうだったのだけど、それほどでもない。ビニールハウスは能登の被災者が実際に暮らしていて大変そうだ。しかし、こちらのビニールハウスは水道が引かれているようだし、暮らし向きは悪くない。暑くも寒くもなさそうだ。
物語はビニールハウスの暮らしではなく、介護と死体の入れ替えなどのサスペンスだ。お風呂で奥さんが死んだ時に通報していればそれ以下はなさそうで、ついそうしてしまうこともあるだろうけど、でもやっぱり通報すればよかったじゃんと思う。出所した息子を焼き殺す展開は悲惨な割に、ドラマとしてはとってつけたようだ。
ビニールハウスは燃やすもの
主演の女優さんの幸薄い中年女性の雰囲気はとてもよかった。
エンディングは犯行の露呈以上の、彼女の人生が全方位で崩壊するとてつもなく苦〜いラストでインパクトはありました。
ただ韓国映画としてハードル上げると、いろいろプロットの粗さが目につく。盲目の主人の友人の医師が訪ねてきたときのシーンなどはさすがに無理があると思うし、隠蔽工作が全て上手くいった場合の落としどころが見えないなどツッコミどころは多い。まあ、計画的犯行ではなく、偶発的事故の糊塗なんでそこまでは主人公は考えてないということか。
ところで、彼女の男関係がいまひとつ理解できなかった。
主人公は介護をしている老夫婦の息子(妻子あり)と過去に関係があったように私は読み取ったのだが、彼女に一方的に懐いているメンヘラの若い女性が「先生」とよんで一緒に暮らしている(最後にメンヘラに首を切られる)DV男が、その主人公の過去男と同一人物ように描かれていて、でもそれだと妻子ありの設定と矛盾するよね。 韓国人男性の顔を見分けられなかっただけで、老夫婦の息子ではなかったんだろうな。
韓国映画ではビニールハウスは燃やされることになっているのね。(バーニング@イ・チャンドン)
火が炎になると手がつけられないように、負の連鎖が重なり始めるとそれを止めることはできなくなる
2024.3.19 字幕 京都シネマ
2022年の韓国映画(100分、G)
ビニールハウスに住む訪問介護士を描くスリラー映画
監督&脚本はイ・ソルヒ
原題は『비닐하우스』、英題は『Greenhouse』で、ともに「ビニールハウス」という意味
物語の舞台はソウル郊外
ビニールハウスに住む訪問介護士のムンジョン(キム・ソヒョン)は、少年院に入っている息子ジョンウ(キム・ガン)と一緒に新居に住むことを夢見ていた
ムンジョンは裕福な老夫婦テガン(ヤン・ジェソン)とファオク(シン・スンヨク)の世話をしていて、テガンは盲目で、ファオクは認知症を患っていた
ファオクはムンジョンを「自分を殺しに来た女」と認識していて、時折スイッチが入っては暴力的になってしまう
ムンジョンには自傷癖があり、医師の勧めからセラピーに通うようになっていた
代表(ファン・ジョンミン)に促されて自分のことを話す参加者だったが、その中の一人スンナム(アン・ソヨ)はムンジョンを気に入って近づいてくる
代表は「彼女には注意して」と促し、過去にスンナムが原因で退会した人がいたことを伝えた
スンナムは先生と呼ぶ男から暴力を受けていて、そこから逃げるためにムンジョンを頼る
彼女はスンナムをビニールハウスに招き入れ、自由に出入りして良いと許可を出した
それから何の問題も起こらなかったのだが、ある日の事件にて、全ての歯車が狂い始めてしまう
映画は、予告編の段階で「ファオクを殺して、自分の母チョンファ(ウォン・ミウォン)を身代わりにする」というところまで暴露されているが、ここに来るまでに結構な時間がかかっている
事件が起きるのは3分の1が過ぎた頃で、それまではムンジョンの背景を丁寧に紐解いていく流れになっている
ムンジョンはテガンの教え子であるギョンイル(ナム・ヨンウ)と肉体関係を持っているのだが、実はこの男が「スンナムが先生と呼ぶ男だった」という回収がなされていく
ムンジョンは「自分の人生に悪影響を与えるなら殺してしまえ」という趣旨のことをスンナムに言ってしまい、彼女はそれを実行してしまう
物語は、ムンジョンがファオクを突き飛ばしたことから破綻する流れを描き、それを隠蔽するために母親を使うことで思わぬ方向へと向かっていく
テガンは物言わぬチョンファが「妻ではない」と気づき始めていて、それらが全てバレる前に、さらなる悲劇の連鎖が起こっていくという流れになっていた
映画のラストは、ビニールハウスに火をつけたムンジョンが振り返ってそれを見るシーンで終わるのだが、一見すると「え? これで終わり?」という感覚は否めない
だが、そこで彼女の表情が少し変わったように見えるので、その炎の中に何があったのかを気づいているように思える
それが何なのかをネタバレするとアレなのだが、それをいつ知るかによって、彼女の絶望というもののスケールは変わってくるように思えた
いずれにせよ、半地下はまだマシというコピーから見られるように、半地下よりもさらに劣悪な環境にいるビニールハウス族をメインに描いている
韓国の田園地帯にはビニールハウスで住む人が集まっているエリアなどがあり、そこに住む人にスポットライトを当てているようにも思えた
だが、そのような社会情勢への言及はほとんどなく、構図として「底辺が上流の生活に紛れ込む」というものが『半地下の家族』とそっくりなので、社会的なメッセージが薄い分、弱いなあと感じた
ムンジョンがビニールハウスに住む経緯がほとんど描かれず、夫との離別理由、息子が少年院に入っている背景などの説明もない
それらの理由がムンジョンにあるのか無いのかでも見方は変わってくるので、そのあたりはさらっとセラピーなどでふれても良かったのでは無いだろうか
韓国
確かに韓国っぽいと言われたらそうだなと、
日本も介護サービスが導入される前だったり、障害者自立支援法よりもっと以前であればあり得る話だろうなと、
ただ、、韓国は貧富の格差社会が改善させる所か未だに当たり前になっているのは犯罪が起きやすい治安になってしまうんだろうなとか、
何処の国も問題を抱え見させてくれているんだと思う。
日本も超高齢社会の今後をどの様に乗り切って行くのか、そして自分はその中でどの様にして、より良く生きて行くのか。考えることが出来るだけ、幸せなのだろう。
連鎖する「困ったら殺す」
貧富の格差をテーマにした、よくできたサスペンス。
後半、「困ったら殺す」が連鎖して破滅へと転がって行く展開は、良く出来すぎて少し覚めてしまった。
テンポが良い代わりに、『パラサイト』のように“おもしろうてやがて悲しき”人間描写が無く、故に全てがよくできたプロットに奉仕する「設定」に見えてしまったのかも知れない。
エンタメ色は薄い
「誰も知らない」のキム・スヒョンが素晴らしかったので、こちらを鑑賞。
丁寧に描こうとしているのか、やたらテンポが遅い。入替えについても、ドラマなら始まって通常5〜10分くらいででてくるのではないか。
また「半地下はまだまし」というキャッチにそそられたが、ほとんどビニールハウスについての説明もなく、思ったより広く快適に住んでいるようにもみえた。
そしてラスト。あれは時間切れだったのでしょうか。
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