「マイナスからマイナスがプラス」ゴジラ-1.0/C マスゾーさんの映画レビュー(感想・評価)
マイナスからマイナスがプラス
2024.3.11追記
日本映画史上初
2023年度アカデミー賞
視覚効果賞受賞
おめでとうございます!
モノクロ
フランス語のmonochromeが語源で
元は「単一色」という意味だが
映像分野ではカラー映像の対極した
白黒映像をさす
もともとは写真・映像初期の色が
付けられない時代の産物であったが
カラー化が可能になってからは
より芸術性の意味合いで
モノクロを使用する割合が増えた
「ゴジラマイナスワン」は
通常版を観賞した時から
モノクロでも面白いかもとは
思っていました
舞台設定が戦後ということも
ありますが画面の雰囲気や
仰々しいセリフ回しなどが
昭和の映画感を非常に
意識してるなと感じたからです
でどうだったかというと…
大ハマりでしたね
初見の人もこちらを先でも
いいのではと思うほどです
モノクロだとがれきの山になった
東京や銀座の閉塞感が倍増
何よりモノクロの画面で
白目の上で細かにうごめく
神木隆之介の目線の動きに
感情移入度が増します
モノクロ上映
最近ボチボチやりますが
一切興味なかったんですが
(やるならシンゴジラより
シンウルトラマンじゃねとも)
役者の表情の変化がこれほど
強調されるのかという点に
今回気づかされました
また実写とCGの境目が
補間される効果もありました
ゴジラの熱線でキノコ雲が上がる
瞬間などはこれまでに見た事も
ないような不思議な感覚に
なりました
特に伊福部昭の曲でヌッと
登場するゴジラのシーンは
ホント不思議な感覚になります
モノクロ化にあたって
コマを落とすとか
フィルムノイズを入れるとか
音質を割らせるとかも
やってみたらと少し思いましたが
そういうのはやはり安っぽくなる
だけでしょうね
「ゴジラと日本人」
「敷島の戦争」
このデュアルストーリーが
より引き立つ上映だったと思います
まさに
マイナスからマイナスが
プラス効果高くなってる稀有な例です