アイアンクローのレビュー・感想・評価
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プロレスに魅入られた家族
呪われた一家と言うより、
人生の全てをプロレスで成功することに熱中した父母と、
その父母を盲目的に敬愛した六人の子息の家族と、
その後生き残った一人の息子のホラーだった!?
昨夜観た、
オーメン ザ・ファーストより恐ろしい父母の話しだった。
それにしても、最後に二人の女の子に見えた子供達が男の子だったのは呪われた家系かも…
(^ν^)
アイアンクロー
劇場公開日:2024年4月5日 132分
日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げ、
鉄の爪=アイアンクローを得意技としたアメリカの伝説的なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリックを父に持ち、
プロレスの道を歩むことになった兄弟の実話をベースに描いたドラマ。
1980年代初頭、元AWA世界ヘビー級王者のフリッツ・フォン・エリックに育てられたケビン、デビッド、ケリー、マイクの兄弟は、
父の教えに従いプロレスラーとしてデビューし、プロレス界の頂点を目指していた。
しかし、世界ヘビー級王座戦への指名を受けた三男のデビッドが、
日本でのプロレスツアー中に急死したことを皮切りに、フォン・エリック家は次々と悲劇に見舞われ、
いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになっていく。
次男ケビン役をザック・エフロンが務め、
三男デビッド役を「逆転のトライアングル」のハリス・ディキンソン、
四男ケリー役を配信ドラマ「一流シェフのファミリーレストラン」で第80回ゴールデングローブ賞主演男優賞(テレビ部門ミュージカル・コメディシリーズ)を受賞したジェレミー・アレン・ホワイトがそれぞれ演じた。
米プロレス団体AEWのマクスウェル・ジェイコブ・フリードマンが製作総指揮、
元WWE王者のチャボ・ゲレロ・Jr.がプロレスシーンのコーディネーターを務め、それぞれレスラー役で劇中にも登場。
監督は「不都合な理想の夫婦」のショーン・ダーキン。
撮影はデジタルではなくフィルムで行われており、舞台となる80年代の空気を見事に映し出した映像美は、映画館で鑑賞すれば非常に贅沢な映画体験が味わえる。
アイアンクロー
劇場公開日:2024年4月5日 132分
呪われた一家???
呪われた一家というよりは、この家の悲劇は、この両親に問題があったと感じる。
そもそも、親父もお袋もひとの話に耳を貸さないんだから・・・まあ、昭和の団塊の世代の親候で、あれじゃ子供たちが可愛そうだなと思う。
涙を見せないのが強い人間なのか?
子供に鞭打しかせず甘えを一切許さないのが立派な親なのだろうか?
そういう意味では、自分の弱みは弱みとして見せて、そのうえで粘り強くひとに接していくケビンのような人間こそが立派な親父なんじゃないかと個人的には思う。
フリッツがケビンだったら、この兄弟は誰も死んでないんじゃないかと思えたから、呪われた一家って言うなら死神は親父フリッツだよね。
こういう親が世の中からいなくなって欲しいと心からそう思います。
実話に基づく悲劇の一家
1980年代、元AWA世界ヘビー級王者のフリッツ・フォン・エリックの息子、ケビン、デビッド、ケリー、マイクは、父の指導によりプロレスラーとして、プロレス界の頂点を目指していた。しかし、世界ヘビー級王座戦への指名を受けていたデビッドが、日本でのツアー中に急死し、その後もフォン・エリック家は次々と悲劇に見舞われ、呪われた一家、と呼ばれるようになっていった、という事実に基づく話。
まず幼少期に長男のジャックが事故死したらしいが、そのシーンは無い。
次に三男のデビッドが腸の破裂で日本に来ていた時死亡。1番体が大きくて将来を嘱望されてただけに惜しい人材を亡くしたな、と思った。
それから、四男のケリーがバイク事故で片足を失い、一度は復帰したが将来に希望が持てず拳銃自殺。
つづいて、五男マイクが肩の脱臼から高熱を出し、昏睡状態になり、意識は戻ったが、その後兄を追うように自殺。
六男は登場しなかったと思うが、彼も自殺。
結局6人兄弟のうち次男のケビンだけが残ったという悲劇の実話。
ジャイアント馬場やアントニオ猪木らの試合をゴールデンタイムにテレビで観れた頃に、アイアンクロー、は流行ってたなぁ、って懐かしく思い出した。
握力が凄くて失神するほどこめかみを圧迫するのって凄いって思ってた。
その親父だが、男ばかり6人も子供がいて、自分の果たせなかったタイトル奪取を息子に託したのはわかるが、あそこまでプロレスにこだわらなくても良かったんじゃないかと思った。
次男ケビン役のザック・エフロンはボディビルダーのように体を鍛えてて素晴らしかったが、もう少し身長の有る役者は居なかったのだろうか?奥さん役のリリー・ジェームスが高身長なので余計にちっちゃくみえた。
三男デビッド役のハリス・ディキンソンは背も高くて1番カッコよかった。
演じた俳優さん達より、現実の本人達の方が俳優みたいでカッコ良かったのよね!
金曜レイトショー『アイアンクロー』
今年の前半戦〜楽しみにしてた期待の1本
いやぁ〜リアルで観てた世代的には、地元テキサスであんなに苦労してたのは知りませんでした。
鉄の爪に“呪われた一家”・・・SNSがない時代でも超有名なプロレス一家
実話の映画化は、俳優さんがカッコよく演じるのが普通ですが・・・
この映画に関しては、本人達の方が数段に俳優みたいでカッコよかったのよね。
当時知ってて、コレ観て似てるって言うプロレス好きは、絶対いないレベル(^◇^;)
*日本で、このレスラー体型作れる俳優さんいないので、俳優さん達は凄いです*
父親のフリッツとデビット役の人は、寄せてましたが、他の3人のイメージは・・・
主演のケビンは、もっと優しい感じの細マッチョ
ケリーは、ロン毛のトラボルタ風な長身のギリシャ彫刻みたいな肉体
マイクは、ケビンと似た感じのレスラーだったので、劇中のイメージとは全く違う。
劇中出てきたブロディ・レイス・フレアーは、かなり似せてただけに、昭和のプロレス好きとしては残念。。。
内容的に割愛された2時間の映画より、配信のドラマの方が良かっとと思う。
基本的には面白いのだが
2024年劇場鑑賞78本目。
鉄の爪フォン・エリックの子どもたちが一人残して死ぬという情報だけ持って鑑賞。ホラー映画やサスペンスのような、突然一人ずつ死んでいくショッキングな展開かなと思っていたのですが・・・。
亡くなったり大ケガしたりした時結果として毎回出てくるので急にシーンが飛んだ感じになります。まぁ生き残った側からしたらなぜ死んだのか想像するしかない部分も多々あって仕方がないのかもですが、この映画実話であって実話でない最大の部分は、まだ一人兄弟がいて、その人もしっかり若くして亡くなっていることです。監督によれば尺の都合上仕方なかったとのことですが、仮にも実際の家族を描くに当たって一人省略するというのは人間を数字としか見ていなくてゾッとしました。そこの二点で減点ですが、生き残った唯一の彼の物語としては面白かったです。
兄弟愛の素晴らしさ×父親の厳格さ
プロレスがFeaturingされているというよりも、兄弟愛・家族愛を描いた作品だと感じました。
次男ケビンを中心に物語は進んでいきます。
三男デビッド、四男ケリー、五男マイクとのそれぞれの関係性が素晴らしいのですよね。
※長男は5歳で早逝
父親が厳格すぎるほど厳格で、プロレスのトレーニングも試合の組み方も容赦なく無慈悲。
それであるがゆえに、兄弟の結束も固かったのだろうと思いました。
前半は、上り調子で兄弟みんなうまくいっていて、
後半で、不幸な出来事が兄弟にふりかかっていきます。しかも猛烈というか壮絶なんですね。
これは観ていて心にグサグサきまして、ケビンの気持ちはいかばかりかと共感した次第です。
ラストで、ケビンがケビンの子ども兄弟から話しかけられるシーンがあるのですが
ここで涙腺崩壊し号泣しました。素晴らしいシーンでした。
そして、その後のケビン家族の実際の姿が写真でスクリーンに映し出されたとき、
すべてが報われたような気持ちになりましたし、
ケビンの家族に対する想いが実ったと本当に心にじんわりと沁みました。
素晴らしい作品です。
プロレスを知らなくても楽しめますので、是非、多くの方に観ていただきたいです。
※ちなみに宮崎での私が鑑賞した回は、何と私ひとりで貸切状態でした。さみしかったです。
オールドファンは必見、そうでない人も観るべし!
1980年代に日米のリングで活躍したエリック一家のお話でした。当時プロレスを熱心に観ていた私のようなオールドファンが楽しめるのは勿論のこと、親子、兄弟、家族の物語として、万人の鑑賞に堪えられる物語だったと思います。
まずはプロレスファン的に観ると、エリック兄弟だけでなく、ハリー・レイスやブルーザー・ブロディ、リック・フレアーなど、日本のリングでもお馴染みの往年のスター選手たちが極めて高い再現度で登場し、さらには姿かたちだけでなく、リング上の動きも非常に良く再現されていて、感涙物でした。特にブロディファンだった私としては、不慮の事件で亡くなってしまった彼の若き日の姿を、俳優が演じる再現VTRとは言え再度観ることが出来たのは大満足でした。また、来日した時はなんでこんなオッサンがNWAやAWAという主要団体のチャンピオンやねんと思っていたハリー・レイス(実はアメリカマット界でも随一のタフガイであるというという話は、後々聞いた)が、これまた非常に精度の高い姿で登場し、興奮してしまいました。残念ながらリック・フレアーの見た目の再現度は、ブロディやレイスと比べるとちょっと劣るかなと思ったものの、本作の主人公ケビンに反則負けとなった後にケビンの控室を訪れ、「見直したぜ」的なセリフを放ったシーンのふてぶてしさは、実にフレアーらしいもので、かなり良かったと思います。
肝心のエリック一家のことに触れていませんでしたが、来日した当時のファイトや、確か東京12チャンネルでやっていた「世界のプロレス」で放映していたファイトも何度か観ましたが、兄弟で華々しく登場する入場シーンや、伝家の宝刀”アイアンクロー”をかます時の大見得くらいが記憶に残るくらいで、正直あまり評価が高いレスラーではありませんでした。その理由は、入場時の派手さに反して、試合中は攻め込まれるシーンが多く、タッグマッチなどでは三男のデビッドこそその長身を活かして敵を圧倒する感じでしたが、次男のケビンや四男のケリーが出て来ると一転不利な状況に陥ってしまうギャップが、何とも頼りなげだったことに要因があったような印象があります。
また、ケビンがリングシューズを履かずに裸足でリングに上がっていたことも、頼りなさに拍車を掛けていたように思います。ケビンのほかにも、ブロディの相棒だった”スーパーフライ”ジミー・スヌーカや、日本ではサンダー杉山などが裸足でリングに上がっていました。スヌーカに関しては、野人っぽい風貌で独特の雰囲気があるレスラーだったので裸足がマッチしていましたが(サンダー杉山は現役時代のファイトを見ていないのでよく分かりません)、ケビンはプロレス界的には良家の嫡男であり、何故何となく貧相に見える裸足姿でリングに上がっているのか、当時から不思議に思っていました。父親のフリッツ・フォン・エリックが裸足でリングに上がっていたなら分かるのですが、そうでもなかったので非常に疑問でしたが、この疑問は本作でも解決されませんでした。
ただこうした個人的なレスラーとしてのエリック一家の評価は脇に置いて、本作に登場するケビンの再現度は純度100%と言って良く、あの身体つきや動きは、インディー団体なら直ぐにトップが取れるのではないかと思わせてくれました。
あと、レスラーそのものの話ではないのですが、ファイト中のカメラワークには、ちょっと首を傾げました。一般的なプロレス中継のカメラはリング外に置かれているのに対して、映画である本作は、リング内、しかも恐らくは演者の頭にカメラを装着してファイトシーンを撮影している場面がありました。慣れていないせいがあるのかも知れませんが、ゆらゆら揺らぎ過ぎの上、どんな技が掛けられているのかよく分からないため、このカメラワークはイマイチだったかなと感じました。
ただ総合的に観れば、プロレスの舞台裏も含めて余すところなく伝えていたように感じられ、プロレスファン目線で観た場合、本作は非常に満足度の高い作品でした。
一方で家族の物語として観ると、いわゆる”毒親”物語であり、非常に気の重いお話でした。現役当時”鉄の爪”として日本でも怖れられた父親のフリッツ・フォン・エリックは、自分が実現できなかった夢を叶えるために息子たちを利用。星一徹的な根性論だけなら、不適切な昭和世代である私などはまだ理解できるものの、儲かる儲からないという銭勘定の話を親子関係に持ち込むフリッツ・フォン・エリックは、流石に受け入れがたいものがありました。現役時代の彼のファイトは写真でしか知りませんが、そのレスラーとしての怖ろしいまでの迫力に敬意しか持っていませんでした。ところが多少の誇張があったとしても、ここまで銭ゲバの人だったとは、ちょっと複雑な思いになりました。
そして何よりも悲しかったのは、こんな父親に命令されると”Yes Sir”と返事してその期待に応えようとする兄弟たちの姿。こんなサイドストーリーを知っていれば、当時の彼らのファイトの見方も全然変わったものになっていただろうと思ったものの、悲しき私生活を見せてはレスラーの名折れなので、知らなくて良かったのかも知れません。
いずれにしても、息子たちが日々の戦いで肉体的に死ぬかも知れないというほどに追い込まれ、さらにはそれをカバーするために痛み止めや違法薬物にも手を出すに至り、実際不幸が連続したにもかかわらずそのスタンスを変えなかった父親フリッツには、怒りというか絶望を感じてしまいました。勿論そんな父親の命に従って戦ってきた兄弟たちには、哀切の情しか持ち得ませんでした。
そんな訳で、本作の評価は★4.5とします。
アイアンクロー・トゥ・ユー!
アイアン・クローくらってきた。家父長制と兄弟愛、そして"男は泣き顔を見せるべきではない"といったステレオタイプなマッチョイズムが支配的な昔ながらの歪んだ男性像について。フォン・エリック家父と子供4人メイン5人の素晴らしい演技を中心としたアンサンブルキャスト。死から逃れられない"呪われた一族"と世界一になることを宿命付けられた息子たち。"次男症候群"のザック・エフロン!苦しむジェレミー・アレン・ホワイト!吠えるハリス・ディキンソン!そして、問題の(?)父親役で威厳・威圧感ありまくりホルト・マッキャラニー!! 呪いの正体とそれを解く鍵は?
伏線と言っていいか分からないけど、その後の展開を予感させる作りが非常に効果的。ファーストシーン、父親フリッツの現役時代の試合シーンで、非情なほど相手選手を幾度となく蹴る彼の頭とリングがフェードして重なることで、彼の頭の中にはプロレスのことしかないことが強調される象徴ショットからのメインタイトル。息子二人と戯れるシーンもラストに反復される作り。
そして、色のついた"現代パート"最初の、ケビンの目覚めカットで、ザック・エフロンの身体の凄まじさに、予告など見ていても事前に見ていても改めて度肝を抜かれる。それくらい途轍もない仕上がりっぷりだ。予告では、支配的父親から逃れるように使われていたケリーのバイクシーンも、実際劇中の流れで見ると別にそういうわけでもなかった。ただ、それでもやはり作品全体を見たときに、そうした意味合いはあるだろう。息子たち3対3試合後、父親がマイクパフォーマンスするシーンで望遠レンズにより後ろにいる観客との距離を縮めることで、一枚絵として一体感があった。
そうした"マッチョイズム"から切り離された、適応できずにいる音楽好きマイクがいたことで、個人的に共感性が増していた。彼がレコードをかけるシーンで、全てクローズアップで撮ることで、彼にとってそれがいかに大事かを物語り、その後の顔のアップで左目にピントが合っておりそれは三分割法のスイートスポットなわけだけど、その後の彼に待ち受ける運命の始まりとなるような怪我を考えると、それもまた示唆的か。
コインの裏表は紙一重だけど、賽は投げられたら後には引き返せない。"絶対にそういうことになるよな"と見ている誰もがきっと感じる、拳銃スミス&ウェッソン。目を見張るショットによる鬼の特訓パートからの最後の試合、父親と同じことになりかねない主人公ケビンの暴走。からの家族写真で、物語が一周回って終わりが近いことを観客に意識させる。しかも、それは冒頭と違い、その大部分がいなくなってしまったこと、その不在を際立たせる。
父親がもっと子どもたちのことを気にかけていたらこうはならなかったかも、防げたかもしれない結果。家族(の状態)への無関心、一家の大黒柱として自分は父のようにはならない、そう自ら決断することが大事。死者へも敬意を払い、その描写・シーンに思わず泣いてしまった。涙が流れた。悲劇的な実話から、想像を超える感動的なラストへと…。"死"を描くことで"生"を際立たせ、未来につなげるような素晴らしい作品だ。魂に刻まれる傑作。
P.S. めちゃくちゃ見たかった作品!思った以上にガツンと来て、目頭も胸も熱くなった…。ザック・エフロンが188cmに見えるかはさておき、余談ながら作中しばらく時が経って前髪伸びてからは、ただのムキムキバキバキなザック・エフロンに見えなくもない?
どちらも日本公開を去年から待ちかねていた作品だけど、本作と『パスト・ライブス再会』が同日公開なの、映画ファンとしては途轍もない並びラインナップだ。見る人の絶対数として『オッペンハイマー』のほうがマスト必修科目感はあるが。
I'm sorry if I hurt you.
I'm going to a better place.
深く強い兄弟の絆が悲劇を一層際立たせる
小学生の頃、テレビでプロレスをよく観ていた。ボボ・ブラジル、ブルーノ・サンマルチノ、フレッド・ブラッシー…そして鉄の爪フリッツ・フォン・エリック(ああ懐かしい)。AWAとかWWFとかそんなタイトルもあったけどNWA王者が最も権威があるというのもよく覚えている(小学生の僕は「プロレス&ボクシング」という月刊誌を購読していたからね)。僕はそのうちプロレスを観ることもなくなり、フリッツ・フォン・エリックの子供たちがプロレスラーになり日本のリングにも立っていたなんて知らなかった。そしてこんな悲劇があったなんて。
鍛え上げられたフォン・エリック兄弟たちの肉体は美しく、また、ハリー・レイスやリック・フレアーとフォン・エリック兄弟との死闘など、映像の中の本格的なファイトは素晴らしかった。
この映画を通して最も強く感じたのは兄弟の絆の深さである。まさに裸と裸でお互いを鍛え合い、そして日常的にもリング上でも助け合う。それだけに一人生き残った次男のケビンからすれば愛する弟達が一人一人いなくなっていく(3人も、実際には4人だったらしい)悲しみは想像を絶する。そしてその悲劇は自分の身にも起きるんじゃないかという恐怖もあったのではないだろうか。亡くなった3人のうちの2人の死因は大怪我からの自殺だったので、身近にいたはずの親の精神的な支えがあればと思わずにはいられない。実際にケリーが自らの命を絶った時、ケビンは悲しみと激しい怒り(本当に殺しちゃうんじゃないかと心配した)を父のフリッツに向けている。何かと言えば「兄弟たちで助け合え」と父親も母親も発言していた。特に母親は宗教にのめり込んでいたようで、もう少し何とかならなかったのかとも感じた。信心深いって何なの?と無宗教、無信心の僕は思ってしまうわけです。人間は無力だから自分(親、人間)に助けを求めずに神にすがれってことなの?
プロレスなんか知らなくても良いぞ
鉄の爪だ!
おじさんだけが知っているフィリッツフォンエリックじゃ無いか。
キン肉マンの初期くらいでキン肉真弓も使ってた昭和のプロレス技だ。
ただ手がデカいおっさん、リンゴ潰せる程に握力が地獄パワー!恵まれた肉体。
テクニックもクソも無ぇ!ただタダ客も対戦相手もねじ伏せるワンルックでインパクト絶大にやられた相手はこめかみに血を流す。
うん、良い映画だった、家族の絆で有って家族と言う呪いの様でも有り。
描くテーマは今の物語で、プロレスなんか知らなくても解る伝わる。
後は皆んなと同じようなレビューになっちゃうから外道レビューを。
次有るなら誰の物語見たい?
俺はザファンクス!映画タイトルはスピニングトゥホールドで。
スーパースター列伝で描かれてた犬にステーキ食わせて、ハンセンが殺意の目でテリードリー睨むシーンとか見たい。
日本じゃ、漫画の人気キャラクターになるくらい凄かった描写とか欲しいな。
あの頃のプロレスファンなら
世界のプロレスファンなら
誰しもが知っている
フリッツ・フォン・エリック一家の悲劇ですが
改めて観ると
父親(母親もかな)のプレッシャーと
洗脳のせいなのかなと
思いました。
脳みそまで
アイアンクロー。
鉄の爪は何を蝕んだか
「アイアンクロー」昭和プロレスファンなら誰もが知る呪われたフリッツ一家の悲劇を描いたA24作品。マッチョイズム、家父長制がそれぞれ個性と才能がある兄弟を蝕んでいく様を重厚に描いている。特にラッシュを愛する音楽好きなマイクの姿は本当に悲しい。うん、男も泣いていいんだよ。
プロレスファン的目線では、試合シーンのリアリティが素晴らしいのと、ジノ・フェルナンデス、ハーリー・レイス、フリーバーズらの登場が楽しい一方で、プロレスというシステムがダーレン・アルノフスキー「レスラー」と違って曖昧に描かれていて、どういう世界観で観ればいいのか戸惑ったな。
少年時代の悪役のボスキャラ
テレビで観ていた金曜の夜のプロレス。
あのジャイアント馬場が頭を鷲掴みにされ額に爪が食い込んで血が出ていた。本当に彼は人間か なんて夢中でテレビにかじりついた。
あれから数十年、呪われた一族として映画でその後のファミリーの人生を興味深く観ることできました。
人生はどんな人も浮き沈み。誰にでもドラマがあるんですね、結構面白かったです。
特に親父役がd
フリッツ フォンエリックによく似ていた。
傑作
プロレスファンなのでエリック一家の不幸については少しだけ知識があったが詳細は知らないまま観賞
思った以上の傑作 もしかすると今年1番の名作かも
パンフレットの水道橋博士の解説によると実際にはマイクの下にさらに6男もおり、彼も自殺しているという映画よりもさらに凄惨な事実に衝撃を受けた
プロレスの仕組みについてはあえてボカしてあるがこの映画の本質はそこではないのでそれは気にせず観れる あと日本のプロレスファンにはブロディ、テリーゴディーも出てくるのは嬉しい要素かも
エリック一家の悲劇は、何が変われば避けられたのか
自分はキチンと読んだことはないので真偽は不明だが、ルソーの「エミール」にはこんな言葉が出てくるそうだ。
××××××××××××××××××××××××××××××××××
「子どもは親があれこれいじると、親以上にならない」
「親が子どもに何かを託してはならない」
「夢は自分で見つけるもの」
(田中美智子著:今日は なん日、なん曜日?)
××××××××××××××××××××××××××××××××××
エリック一家の悲劇は、まさにここに起因して起きたのだと思えてならなかった。
<以下、ストーリーに触れています>
いい歳をした青年なのに、父の問いかけに対して「イエス サー」で答える息子たち。
父の言葉は、ことさら高圧的でもなく、なんなら「無理強いはしないが…」とまで言っている。そして、息子たちも父のことを、恐怖の対象としてではなく、尊敬と敬愛の対象として見ていることもキチンと描かれる。
それでも返事が「イエス サー」なのは、モデルとなる父が、偉大なプロレスラーだからなのだろう。
父の振る舞いは、自分が獲れなかった(挑戦させてもらえなかった)世界ヘビー級のベルトを、どうしても子どもたちに獲ってほしいことがベースになっている。息子たちも、憧れの父が願うことが自分の夢(というか、家族全体で目指す夢)と思っている様子が見受けられる。
父は、子どもたちの前で期待度ランキングを発表し、更に「この順位は入れ替わる」とまで言って、静かに競争心を植え込むこともするが、決して強引に物事は進めない。ある者には円盤投げを、ある者には音楽をやることも認めており、結局、プロレスラーになることを選択したのは、息子たち自身だ。
その息子たちの「命に関わる悲劇に襲われるタイミング」が、すべて「父を超えた瞬間」や「父は見舞われなかったアクシデントへの対応が迫られる場面」など、「モデルとしての父の姿を見たことがない状態」だったことが象徴的だった。
流行りの「毒親」などという言葉を当てて断罪できるような薄っぺらさは微塵もなく、偉大な一家だからこそ起きた悲劇というのともちょっと違う気がする。
ただ、ほんのちょっと何かが変わっていれば、避けられたかもしれない悲劇の「何が変わればよかったのか」ということを考えさせられる。
自分にとって一番印象的だったのは、ケビンが反則負けした後、控え室での相手のレスラーとのやりとりの場面。
エリック一家にとってのプロレスと、相手レスラーにとってのプロレスの決定的な価値観の違いもまた、この悲劇を生み出した理由の一つだったことが見事に描かれていて、ケビン同様、力が抜けた思いだった。
家族について、親としての自分の振る舞いについて、しみじみ考えさせられた一本となった。
<余談>
日本では三途の川の渡賃は六文銭だが、アメリカではトスするコイン1枚なのか…なんて思いつつ、冥界と現世を隔てるイメージは、世界共通なのかなと、映画の本筋とは違ったところにも興味を惹かれた。
ケビンの想像かもしれないが、心安らかないいシーンだった。
全てを網羅しているわけではないが、ほぼ満点の出来
末弟クリスの存在が無かったことにされているのが少し残念。
あと、フリッツの妻(兄弟の母)をもうちょっと掘り下げて欲しかった。
それらも尺の都合だと分かってはいるので、1本の映画としての完成度は満点に近いと思う。
プロレスシーンやマイクアピールの説得力もしっかりあるし、プロレスを題材にした映画の中ではトップクラスの出来。
庭で楽しく遊ぶ息子たちを眺めるケビンの表情が最高だった。
あの表情にこの映画の全てが詰まっている気がする。
リリー・ジェームズが出てる
強い父親、陰ながら支える母親、そんな両親を尊敬する仲の良い兄弟たち。今では少なくなってしまった古き良き時代の家族愛の物語と思ってたら、次々と降りかかる悲劇。
鉄の爪エリックの名前は知ってたけど、家族にこういうことがあったのは知らなかったから、展開に驚いた。これが実話とは。(実話でなく創作だとしたら逆に有り得ないストーリー)
プロレスの人が演じてるのかと思ったら、兄弟みんな名の知れた俳優さんたちが演じている。俳優さんてすごいな。
プロレスラーに役者はできないけど、役者はレスラーになれるんだ。あ、レスラー出身の俳優さんいましたね。
まさかリリー・ジェームズが出てるとは思ってなかった。
悲しい物語だけれど、最後のケビンとバム。子どもたちの姿と、本人たちの現在の家族に囲まれた幸せそうな写真に救われた。
あまりにもあんまりな
冒頭でいきなりエリック家の呪いを語り、我々観客に覚悟を持たせていても余りある悲劇の数々。
史実をそのまま表現しているのかもしれませんが映画として負の連鎖の見せ方が実に見事でした。全てが繋がっています。
だから見ていて引き込まれるし切実な怖さがある。
また兄弟それぞれの個性も実にわかりやすくて上手いなと感じました。
往年の名レスラーを知っていればなお楽しめると思いますがそういう知識が無くとも一見の価値がある作品です。
フリッツの本名はジャック・アドキッソン(5/6 追記)
私は、映画ファンだが、プロレスファンでもある。いや、であった、と言うべきか。
最後に馬場と猪木がタッグを組んだプロレスオールスター戦も日本武道館で生観戦している。
ロサンゼルス・オリンピックオーディトリアムでフリッツ・フォン・エリックとジャイアント馬場が対戦した(日本でも放送された)。その時の現地リングアナのコールはビッグ・ショーヘイ・ババであった。そうか、209cmはジャイアントじやないんだ。220cmを超えるアンドレ・ザ・ジャイアントがいるし、馬場と同じ体格のアーニー・ラッドもいた。アーニー・ラッドはロッキー・ジョンソンと組んで来日し、馬場・猪木組と対戦した。ドロップキックの名手ロッキー・ジョンソンは、あのドウェイン・ジョンソンの父親である。
フリッツ・フォン・エリックも何度も来日して馬場、猪木と対戦した。彼の必殺技は「鉄の爪」アイアンクローであった。
そしてエリックの子供たちもプロレスラーとなり来日したが、デビッドは日本で転戦中に亡くなった。私はリアルタイムでその記事を東スポで読んだ世代である。
閑話休題。
そのエリック4兄弟の話である。
TOHOシネマズ池袋で「アイアンクロー」を。
父親が著名なプロレスラー、フリッツ・フォン・エリック。必殺技アイアンクローで一世を風靡した。その息子達は、兄弟全員がプロレスラーになった。そしてアイアンクローを使った。(ここが明確に描かれていないので、アイアンクローと言うタイトルが今一つ響かない)
ケビンは長男が5歳で亡くなったため、二男だが兄弟の面倒をみながら体を鍛えてプロレスラーになる。
デビッドは恵まれた体を生かしてプロレスラーになる。(Wikiによれば201cm)
ケリーは陸上競技(円盤投げ)をやっていたが、アメリカがオリンピックをボイコットした事から目標を失い、父親の勧めでプロレスラーになる。
マイケルは音楽の道に進みたかったが、兄弟と組んで戦うためにプロレスラーになる。
父フリッツは、自分が取れなかったNWA世界ヘビー級チャンピオンベルト奪取を子供たちに託す。
しかし、プロレスラーになった4人は様々な不幸に見舞われて、呪われた家族と呼ばれるようになる。
泣いた、いや、泣けた。
デビッドが来日した時もテンガロンハットを被っていたし、ケビンは裸足でファイトしていたっけ。東京スポーツのデビッド死去のニュースは衝撃だった。試合ではなくホテルで亡くなったのだ。リアルタイムで記事を読んだが、あれからもう40年も経ったのか。寅さんじゃあないけれど、俺も歳を取るわけだ。
「オッペンハイマー」も俳優陣が凄く本人に似ていたけれど(特にアインシュタインとルイス・シュトラウス、誰もアインシュタインが戦メリのMrローレンスだと気づかないレベルだ)、本作でもブルーザー・ブロディ、ハリー・レイス、リック・フレアー等はオールドファンでも似ている思う程である。ザック・エフロンの肉体改造も凄いが、むしろ風貌はケビンに近くはなかったかな。
残念だったのは、アイアンクローの凄さがあまり感じられなかった事。リック・フレアーとのタイトル戦でアイアンクローをかけたまま反則負けになり、控室に来たフレアーの金髪に血がついていたが、あれがアイアンクローで出血したものだという事が判らない。映画の途中で握力を鍛えるために電話帳を裂いているシーンがあったが、昔のプロレスラーは力がある所を見せるデモンストレーションで良く電話帳を裂いていた。
馬場もフリッツのアイアンクローでこめかみから出血させられていた。エリック兄弟もアイアンクローを使ったが、最高のアイアンクローの使い手は父親のフリッツだった。
冒頭、「真実にインスパイアされた物語」と字幕が出るが、真実はもっと凄く、まだ下にも自死した弟がいるのである。
ラストの兄弟の再会のシーンに涙、クレジット前のケビンの写真のコメントにまた涙だった。
「アイアンクロー」は、兄弟の絆、兄弟愛、夫婦愛、親子愛に満ち溢れた映画だった。
A24やるもんだ。プロレスファン以外の方にも観て欲しい作品である。
追記
フリッツは、生まれつき掌が大きく、その握力は100kgを超えていて、一説には120kgあったと言われている。
米人なのに(タイトルのように本名はジャック・アドキッソン)フリッツ・フォン・エリックというリングネームでドイツの軍服を着てナチスを気取っていたので、NWA世界チャンピオンにはなれませんでした(ナチスの残党がアメリカの世界チャンピオンじゃマズいよね)。ワルドー・フォン・エリックという弟を名乗る(偽者)レスラーと兄弟タッグを組んでいた事もあります。
映画の中でリングに上がったフリッツが文句を言っていたサム・マソニックは当時のNWA会長です。映画では描かれませんでしたが、フリッツは1975年にNWAの会長に就任しています。
フリッツ夫妻は後に離婚しており、フリッツは68歳でガンのため死去しました。
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