アイアンクローのレビュー・感想・評価
全222件中、141~160件目を表示
ザック・エフロンの成りきり肉体がすごい
次男以外、男兄弟4人すべてが早世し、「呪われた一家」と呼ばれたプロレス一家の物語り。プロレス界では有名な話らしい。
ザック・エフロンのマッチョな肉体がすごいし、プロレスシーンも本格的。しかし、ドラマとしては深みに欠け、イマイチ盛り上がらなかった。
レクイエムカット
おもてたんとちがうー。
父フリッツが、
悪役レスラーらしく、
極悪非道、傍若無人、
そんな父を子どもたちが乗り越える・・作品、
まったく違った。
家族思い、
子どもたちへの深い愛、
ゆえの、
厳格さ、
からの、
悲しい実話ベースのストーリーだった。
作る側の愛情も深く、
長い鎮魂カットに、
心を震わされた。
長い鎮魂カットとは。
昨今の映画では、
5秒以上の長いカットは、
基本的に少ない、
周知の事実なので、
理由はここでは触れない。
本作では、
60秒以上の長いカットが
(それ以上かもしれないし、
以下かもしれない)数カットあった。
デビッドの最期の前のカット、
マイクの最期の前の、、
ケリーの最期の前の、、、。
それぞれ、
トイレ、リング、ベッドサイド、
延々と長回しをしていた、
1秒でも1コマでもいい、
長く話していたい。
マイクの最期の前、
リング上で、
ケビンとケリーが練習、
遠くには懐中電灯の灯りが、、、おそらくマイクだろう。
(遠くて懐中電灯の灯りは写らないと推測される、かなり大きなライトを点けているのだろう、技術的には疑問が残るが、思いが技術を超え、常識を破る必殺技だ)
これらの鎮魂カットの、
デビッドで1、
マイクで2、
ケリーで3、
ゴングが響きつつ、
座席から立てなくなった。
ラストの子どもたちに救われた気にもなった。
長いカットや暗いシークエンスは、
良くない評価も出るだろうが、
そんな事に一喜一憂しない、
A24ブランドの必殺技を生み出すスタンスなんだろう。
【蛇足】
本作の三男ケリー、
ジェレミー・アレン・ホワイトが、
スター街道爆進中!
成績優秀だけど気持ちで動くナイスガイ、
ゆえに苦労が多いリップ。
イアン、デビー、カールにリアム、もちろんフィオナも応援してそう・・・
『シェイムレス』
『一流シェフのファミリーレストラン』
カーミー、
そして、
ボス、
ブルース・スプリングスティーン!
うれしい!
ダイナマイトキッドやマスカラスの映画、
日本で公開しないのかなー。
あちらのスターはここまで体張る根性に驚き
いい大人が自らの父親に真顔で「yes sir」と返事をする。フォン・エリック家での常識がこれ。実在のプロレス一家の軌跡を描く、「呪われた一家」と呼ばれるまでの悲劇の連鎖の根底に多分これがある。だからと言って、これの是非を映画は問うている訳でもない。「それは兄弟同士で解決せよ」と突き放すシーンも多々描かれるものの、親子としての注ぎうる愛情は十分に見える。スパルタによる狂信的環境でもなく、むしろ信仰心は厚い。絶対君主のような存在と言うほどでなく、「お前の選択の自由は尊重する、その上でプロレスをやってくれれば嬉しい」と言う。ただし、息子自らが決断した以上それへの徹底を強引に求めるのは確かですが。
根底には、一家での愛情が満ちていることに尽きる。だから些かエキセントリックではあるけれど普通の一家のホームドラマであり、運悪く悲劇に見舞われた不幸をどう乗り越えるかが描くべきポイントでしょう。ベテラン役者ホルト・マッキャラニー扮する父親フリッツの高圧にならない策略と言いましょうか、兄弟を巧みに競わせベストを引き出す能力は凄い。逆に母親は信仰には驚くほどに熱心だが、それ以上の存在感はまるでない。映画としてはもっと母親の役割を描き込めば悲劇も強調され深みも増しただろうにとも思う。
このプロットを成立させるために、出演する役者への要求は凄まじく、体を張った鍛錬が要求されたでしょう。ボクシングの映画は数多ありますが、レスラーは少ないですね。米プロレス団体AEWが制作し、元WWE王者がプロレスシーンを指導のようですが、その迫力たるや素晴らしく、役者が見事にやり切っていますね。よくあるカットの積み重ねでやってる感を出すタイプと異なり、正真正銘スターが鍛錬の成果として体を床に叩き付けている。筆頭が長男ケビン役のザック・エフロンで、ティーン・アイドルとして大人気スターの面影払拭する完璧な肉体改造を施し、裸足での格闘をスクリーンに焼き付ける。「レスラー」2008年のミッキー・ロークのレベルです、凄いとしか言いようがありません。
スターはザックだけかと思ったら驚きました。どっかで見た覚えの三男デビッド役が「逆転のトライアングル」2022年 で主役を張ったハリス・ディキンソンではありませんか。「ブルックリンの片隅で」2017年、「ザリガニの鳴くところ」2022年にも出てましたね。スウェーデンの長身モデル役でスリム体型だったのに、この変貌ですよ。次男ケリー役も四男マイク役も調べましたらキャリア十分な役者でしたね。ここまで役者が体を張ると思い出すのは「カリフォルニア・ドールズ」1981年で、名監督ロバート・アルドリッチの傑作では女子プロを舞台に美人女優が体当たり演技が圧巻でした。
そして長男の彼女役にあの「シンデレラ」2015年 のリリー・ジェームズとは驚きですね。このキャスティングならば、専制的な義父に反発して一波乱のエピソードでもあるかしらん。でしたが、まるでそんなことはなく一家に馴染み次々と子沢山の古臭い「嫁」のまんまなのが意外でした。
ラスト近く、天国で再会した者達(実の長男も)の描写には感涙です。エンドクレジットには予定通りに実際の一家の写真とともに彼等のその後がテロップで紹介される。映画化に際しメインとなったのはケビンその人で、逆に言えばそのために、もう一皮めくっての手前で抑えてしまったと推測されるのが惜しいところです。
知ってる内容の答え合わせに。。。
プロレスファンなら誰でも知っている話
というか知ってないなら、プロレスファンとは言えない話
史実なので、現実とは違う点は多々あった
ケビンがやたらマッチョだったり
ケリーがチビすぎたり
挙げればキリがないのでやめておきます
監督の意向なのか、悲劇的な描写には
直接的な映像は避けて
なんとなく察する展開に撮ったのは
プロレスファン以外の方が見た時には
きっと口がポカーンとなるだろう
かなり不親切な作りだった
上記が土台となるので
作品の出来はあまり芳しくない
悲劇的な一家を全面に押し出したい気持ちが強すぎて
一点一点の掘り下げが甘く
ストーリーの先を急ぎすぎてしまって
ケビンの苦悩を描きたいのか
ケリーの憂いを描きたいのか
フリッツの独りよがりがこれを引き起こしたことを描きたいのか
どこかに的を絞って、まとめあげればもっと出来栄えは変わったはず
何を伝えたいのかが
とてもぼんやりしてしまった
残念な感じでした
監督の手腕によって映画は180°変わるなと改めて思い知らさました。
魂が震える
僕自身もともとプロレスに関しては昔からそこまで興味はなく、でも「アイアンクロー」という必殺技は聞いたことがあるぞ、というくらいの初心者レベル。なのでフリッツ・フォン・エリックというプロレスラー名までは記憶に無かったし、もちろん一家の悲劇も全く知らなかった。
ただ番宣で非常に惹かれて、思わず速攻で鑑賞してきた。結果…やられました。事前の予想を大きく超えてくれた。
実話に基づくとの事だが、ちょっと信じがたいほどの悲劇の連鎖。当初は一家の悲劇を淡々とドキュメンタリー的なタッチで描くのかと想像していたが、思いのほか家族ドラマとしてきっちり成立させていた。
特にケビン(ザック・エフロン)には泣かされた。優しさゆえの気弱で繊細な性格、実は次男なのに長男的な役割に徹し、父親との歪んだ主従関係に苦しみ、弟達への嫉妬と憎しみを一人で抱え、それでも何があっても家族を愛し続ける一途さ。なのに止まらぬ悲劇。そして何よりもプロレスラーとしては「平凡な才能」という悲しさ。
彼がどんな思いで生きた来たんだろうと想像するだけで号泣ものです。ケビンが色んな場面で見せる戸惑いの表情。たまらんかったなあ。優しい人ゆえに傷つきやすいのよね。地獄のような展開の最後、ケビンの現在がとても幸せである事が分かり、涙が止まらなかった。あのラストに本当に救われた気持ちになれた。
役者陣は肉体作りも含め素晴らしかった。
そのマッスルな仕上がりは決して「なんちゃって」などではなく、役者達がこの作品に真剣に打ち込んだであろう本気さを強く感じた。あと個人的に一番痺れたシーンはリック・フレアーの「煽りV」。TVの中で狂犬のごとく吠えまくるリック・フレアーがマジで凄過ぎて、ずっと鳥肌が止まらなかった。
ていうか登場したプロレスラー、みな似すぎてないか?(笑)
なお作品としては別に凝った作りでもないし、何の小細工もない。伏線もないから回収もない、おしゃれさも全く皆無。つまり何のひねりもないどストレートな作品と言える。でもそれが良いんだよね。だからこそこの作品は光るんだと思う。つまりはそういう意図で作られたのだろう。
プロレスに興味のない方でもおそらく存分に楽しめる作品じゃないかな。それにしても今年は「当たり」が多いなと思う。
家族の物語だった
プロレスは子供の頃に見てた程度で全然詳しくないけど、A24製作でザック・エフロンが出てるのが気になり鑑賞。
結論としては、すごく良かった。
予告編をみる限りでは脳ミソ筋肉のスポ根映画かと思っていたら、プロレスではなく家族のありかたに焦点をあてた作品で、思わず最後泣いてしまった。
最初は兄弟同士すごく仲が良くて癒されていただけに、後半の悲しい展開とのギャップが凄い。
エンディングでは、かつて末っ子がバンドで歌っていた「Live that way forever」が流れるのが切なくも、新しい家族の始まりを予期させて心震えた。
呪われた一族ではなく…
単に無謀で不注意で思慮に欠けてるだけでは…。
実際、生き残った彼は子沢山で、とても呪われてるとは言い難い。
実話なので似せてるのかもしれないけど、
ザック・エフロンは年々汚ねえ見た目になってきて、
果たして元々のファンがどれぐらい残っているのか…。
客席はシニア男性お一人様率が異常に高くて、マナーが悪くて閉口。
・スナック菓子持ち込み、静かなシーンに袋パリパリ張り切って食べる
・大声の独り言(感想・予想)
耳が遠くなると、こうなってしまうのだろうか…。
どう考えてもザック・エフロンのファンではない。
日本で腸が破裂して死亡って、そこ見たかった。
男の中の男!
役者さんは凄い!の範疇を超える映画ではないのが残念。
プロレスラーの魂の内面まで描く余裕はなく、悲惨なエピソードの羅列。
歪んマッチョイズムや父親からの呪縛からの開放みたいなテーマを引き出す事も、自分には出来ませんでした。
女の子のように可愛く育った息子達も、今じゃプロレスラーというオチつき。
奇しくも先日は、プロレス界の女帝ブル中野選手がWWE殿堂入り。
日本プロレス界じゃ女子の方がカッコいいです。
日本プロレス界の狂気の4兄弟、松永兄弟の映像化求む。
もしくはパット・パターソン!
彼こそ偏見と闘い続けた男の中の男でしょ!
無事これ名馬?
昔のプロレスラーは
今にも増してキャラが立っていたなと思う。
例えば「吸血鬼」と呼ばれた『フレッド・ブラッシー』は
歯をやすりで研ぎながらの入場。
勿論、実際に歯に当てていないだろうし、
「噛みつき」そのものも反則技、とは言え
カウント4までなら許されるとのルール(?)を逆手に取った
一種のギミック。
それを斟酌せず、幼い頃は随分と興奮したもの。
また、技の名前とレスラーの名前が紐づいているのもお約束。
『ブル・ロビンソン』なら「人間風車(ダブルアーム・スープレックス)」、
『ブルーノ・サンマルチノ』なら「人間発電所」で「カナディアン・バックブリーカー」と、言うように。
で、今回のタイトルにもなっている「アイアン・クロー」。
本来なら「ブレーン・クロー」が正式名称も、
「アイアン・クロー」と呼称されれば、
第一の使い手『フリッツ・フォン・エリック』と一体化。
1960~70年代は『馬場』や『猪木』と抗争を繰り広げ、
利き手の右手首に左手を添え、大仰にこめかみを掴むシーンを今でも覚えている。
もっともその対抗措置として、
手を鉄柱に打ち付ける等を、やはり芝居っ気たっぷりに行うのだが(笑)。
本作は彼が引退しプロモーターになり、
四人の子供(実際子供は六人。長男は夭逝、六男はいないことになっている)を
プロレスラーとして育て上げることから始まる。
父親として『フリッツ』は「プロレス界で最強の一家」になることを目指すも、
不思議なことにプロレスラーになることを表立って強制はしない。
寧ろ息子たちが自発的にそうなるようにソフトに誘導。
とは言えそのスタンスが、後々息子たちを苦しめ、過剰なプレッシャーを与え、
悲劇の連鎖を生む要因に。
アドバイスやいたわりの言葉を求めても
「そんなことは兄弟間で解決しろ!」と言い放つ、
ある種の責任逃れ。
レスラーやプロモーターとしては優秀も
家族の長としてみた時には首を傾げざるを得ない。
そこが〔ドリームプラン(2021年)〕で描かれた父親像とは
かなり違っているのだが、どちらも
近付きにはなりたくないタイプ。
が、主人公はあくまでも「フォン・エリック・ファミリー」の長男としての(実際は次男)
『ケビン(ザック・エフロン)』。
一番最初にデビューしたものの、弟の『デビッド』ほど口も達者ではないし、
『ケリー』のように華もない。
ピンでは輝けずに「エリック兄弟」の構成員としての価値しかなく、
チャンピオンベルトへの挑戦権もままならず。
弟の二人ほど、自分の記憶にも残っていない。
もっとも自分がプロレスをよく見ていたのは
『デビッド』が日本で客死し、
『ケリー』が「狂乱の貴公子」こと『リック・フレアー』を破り
「NWA世界ヘビー級王者」戴冠の頃までで、
その後の「呪われた一家」となった背景も
この映画で初めて知ったくらい。
太く短く生きるのと
細く長く生きることはどちらが幸せとの命題は、
ここでは後者を是としているよう。
弟たちを思いやりつつ、
父親の頸木を断ち切った者は今でも存命、
大家族の長となっている。
ただ、自身の子供の何人かは
やはりレスラーになっており、血は争えない、か。
劇中「ショー」との表現が頻出し、
『ブルーザー・ブロディ』が試合前に「アングル」を段取りするシーンも挿入される。
じゃあ、まるっきり筋書きのあるドラマかと言えば、
リング上での怪我は日常茶飯時で、時として死者さえ出る現実。
当の『ブロディ』もロッカールームで同僚に刺殺される等の
事件も頻発。
有名な一家に仮託し、プロレス界の典型的な裏面史を語るのが目的なのか、
それとも心優しい男の半生を描くことが目的なのか、
焦点がぼやけてしまっているのはどうにも不満。
夢を追うアスリートへ
夢を叶える為、あらゆるものを犠牲にするかもしれませんが大事なもの(家族、兄弟、恋人への感謝や愛情)を忘れずに!!
そう思わせてくれる作品でした。
最後のザック・エフロンと息子達のやりとりに涙しました。
イケメンで身体バキバキで演技上手は反則です。笑
肉体・かっこいい台詞・アクション、引き換えに壊れる心
・キャストの身体が素晴らしい
メジャー映画でここまで主役の裸体率の高い映画はそうない。まず、この身体を作り半裸のままアクション映画に臨んだザック・エフロンその他キャストをを褒めたたえるべき。エフロンのあの丸い三角筋はそう作れるものではない。
・素晴らしい定点アクション
プロレスは全く詳しくないのだが、途中で出てくる世界チャンプたちの口上はいかにもそれっぽい「強い男」を演出していて、画面の絵と台詞に注力すると知能が下がって楽しくなる。
そこから打ち出される映画ならではのカットとスタントを交えた定点カメラ多めのプロレスショーは、職業強い男という劇中劇ながらほれ込む出来栄えだった。特に兄弟3人がそろってからは2024年第一四半期最高のアクションだった。
身体、台詞、アクション。この段階で5点を出してやれる素晴らしい作品。みんな観ろ、絶対感動するから。
・フォン・エリック家の壊れる心
素晴らしい肉体・台詞回し・観客を魅了するアクションを作る、そのために追い込まれれば人は死ぬ。映画で陽のあたる面が素晴らしいほど、深く濃い陰ができる。
厳しい闘争からの逃避の場になるべき家庭がパフォーマンスと引き換えに心身を苛む場であった時点で、ある意味兄弟の破滅は必然だった。本当に追い込まれる前に、自分の家族を作った兄ケビンだけが生存したのはロジックとして当然である。
毒母と無関心な父というのは邦画でよくある構図だが、毒父と子へ無関心な母というのは新鮮味があってよかった。輝かしい長男の結婚式で久しぶりのセックスに浮かれる老夫婦の陰で、次男が映像描写されずに死ぬのは、この家族のエッセンスとなる素晴らしい場面であった。父を王とみなす母は、その部下がどうなっているかへ血は繋がろうと関心を持つことはないのだ。
近年では珍しいくらいの正攻法骨太ドラマ! ★4.3
私はこういう正攻法の作品が好きだ。 まるで70~80年代の映画の様に、なんの飾り毛もなくシンプルに物語を進める。 が、始まりからエンドまでスクリーンに引き込み、没頭させる。 物語に魅力あれば、時間軸の移動や、伏線の挿入、過激なシーン等、小手先の演出は一切不要という事を教えてくれる。
(今作でA24プロダクションはどんな作品も制作できる企業だと理解した。 逆にA24だから、今回はとことんシンプルに拘って制作されたのかとも考えられる。)
冒頭、父のフリッツ・フォン・エリックの現役シーンのみ白黒だが、すぐに息子達シーンでカラーに。 兄弟の活躍する進展だけでなく、何気ないシーンで各自の性格も描写していて、飽きさせない。
特に実直で兄弟の面倒見がよく、女性にうぶなケビンに感情移入して好きにならずにいられない。
作品中何度もリングシーンが描写されるが、早いカット割り等なく、まるで80年代のプロレスTV中継の様に、引いた映像で自然に見せる。
それらもアクションシーンとしてではなく、物語の進行上に必要なシーンとして描かれている点も今作の特徴。
(実際の当時の技を見せ、それも全て役者自身が演じているので、各自が本当に痛みを感じているそうだ♪)
これらハリウッドのスゴイところは、映画の為の作られた映像をいう事を全く意識させない点だ。 役者の演技ももちろんだが、映像のトーン・小道具・車・建物も正に80年代に撮影したのかと錯覚させるぐらいに本物をスクリーン上に表現している。 (邦画だとこうはいかない)
物語前半は兄弟でフットボールや末っ子のバンド参加等、変化ある好転シーンで引き込み、時間経過もかなり早い。
が、後半は何度も兄弟に悲劇が襲う。
これがフィクションなら過剰な脚本と感じてしまうが、事実なので逆に「嘘だろう・・・」とシンパシーを感じずにはいられない。
その悲劇シーンはあえて描写せず、見る者に想像させるという演出で、物語の進行以上に頭と心を動かしている点はかなりの大人演習に感じる。
脚本も書いているショーン・ダーキン監督は、過去にパッとした作品がないのが不思議に思うくらい、ベテラン味を出せていると思う。
(実際の悲劇は作中に描かれてない事もあり、もっと過酷・・・)
好転シーン・暗転シーンのそれぞれに目頭が熱くなる事が何度もあり、
観てる最中から、じわじわと心に訴える。
鑑賞後は、久々に "懐かしくいい物" を見せてもらったという思いに♪
(2時間10分の作品時間も、体感1時間45分位に♪)
オススメです!
尚、主演 ザック・エフロンは、モテモテハンサム役から脱却して、責任感の強い兄弟の長を力強く自然に演じる事に成功している。 その体はただ、筋トレで筋肉を付けただけでなく、幅を増して本物のレスラー体型に仕上げている点にも驚く。
(新日本プロレスの棚橋さんが「うちに来て欲しい!」とコメントしたらしい♪)
二枚目俳優はいつかは、"味のある男"に変身出来ないと、長い俳優キャリアを全う出来ない。
デビューからずっとかっこいい二枚目で活躍し続けている俳優は、世界的にもトム・クルーズぐらい♪
PS=
フォン・エリックという名前は、父親デビュー時にナチの悪役として売り出していた時のドイツ人らしい、リングネームで本名ではない。
この"フォン"というミドルネームは、かなり高貴な者が多いらしく、デビュー当時の50年代はプロレス=見世物的ショーというイメージもあった為、職業的に見下される事を嫌い、高貴なミドルネームをあえて付けたというエピソードも♪
必殺技の「アイアン・クロー」は握力 120kg 以上がなせる技!
胃を掴む場合は「ストマック・クロー」と呼ばれた♪
親ガチャの重要性
父親の悲願に向けて努力する。一見美談に聞こえるストーリーだが、親のエゴに巻き込まれた子どもたちというように見えてしまった。
子供にとって親の言うことが正しく従うのは当たり前であり、彼らのストーリーは抗うことができない運命だったのかも知れない。
改めて、親ガチャの重要性について考えさせられたし、子どもにはそれが選択の余地が無いものだと言うことと痛感した。
作品自体は彼らの人生をだれることなくコンパクトにまとめており、楽しむことが出来た。
フェイクはないけどケーフェイは…
アイアンクローで有名なフリッツ・フォン・エリックの息子達の話。
フリッツフォンエリックやアイアンクローはもちろん知っているけれど、世代的にはギリ息子達の現役時代を知っている感じで詳しい情報は持たずに観賞。
幼い頃に亡くなった長男ジャックJrを除く4人の兄弟がプロレスラーになる様や苦悩をみせていくストーリーで、ある意味脳筋なオヤジに持ち上げられて、振り回されて、ハシゴをはずされ…呪いの正体か垣間みえる…。
病気だったり自殺だったり不遇な兄弟達の哀しい物語だけど、ありがとうケビンという感じかな。
ちなみに鑑賞後に調べたら、もう一人クリスという末っ子がいた!?尺の都合でしょうかね…。
悲しいかな事実。
80年代テレビ中継を観戦、専門誌を愛読され全て承知で観た方沢山いるでしょう。ケビン、ケリーのタッグマッチは生で観ました。それだけに感慨深いものがあります。
フリッツがNWA世界王座に縁が無かったのも悲劇です。フリッツ兄弟感じが出てました。その他、ブルーザー・ブロディ、ハーリー・レイス、リック・フレアーらも本物の雰囲気。
日本のシーンが無かったのが残念。劇中、フリッツが「日本でもトップにならないと駄目だ」って言ったのは日本のレベルの高さを認めてたんだな。馬場対フリッツ戦とか当時の映像で入ってれば涙物だった。
孤独や葛藤という呪縛
エモーショナルな予告につられて鑑賞
実在するプロレスラー一家を描いた事実に基づく物語
まず、プロレスファンではなかったがエリック兄弟を始めとしたすべてのプロレスラーに敬意を表したい
恥ずかしながらプロレスという職業があんなにも過酷で、リングの外でも血を滲ませているものだとは思わなかったからだ
また家族のあり方、兄弟の絆についても考えさせられ
る
そばにいるだけではいけない、けどそばにはいないといけない
孤独や葛藤という「呪縛」はどうすれば解放されていたのだろうか
誰にでもある普遍的なテーマだからこそ、レスラーという自分にとって近しくはない存在にも感情移入できた
爽やか系イケメン、ザック・エフロンさん始めとした役者陣は本物のレスラーさながら見事にビルドアップしており、文字通り体当たりの演技には一段と心を揺さぶられます
最後の子供達の言葉が深く心に刻まれた
私の様にプロレスに馴染みがなかった方も是非観てほしいです
ありがとうございました
全222件中、141~160件目を表示