ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人のレビュー・感想・評価
全75件中、41~60件目を表示
素直に楽しめた
監督自らが主人公に惚れ込み演じるケースはバービーを思い出させる。(マーゴット・ロビーは製作でしたが)
監督が思い入れる本作のデュ・バリーはとてもピュアで博識で力強い。いつかベルサイユのばらで読んだ物欲と権力欲にまみれた成上り、という描かれ方とは一線を画すのが新鮮だった。どこまでが史実に基づくのかは分からないが、女性監督ならではの、女性が引き込まれるストーリーだと思った。
もっと分かりやすい美人女優が良い、というレビューもあるけれどマイウェンにデュ・バリーが乗り移ったような艶と美しさで、逆にリアルさを感じた。
ジョニー・デップは誰を演じても流石。
ロココの世界を彩るシャネル監修の衣装も眼福。
人の妬みとは。
ジョニー・デップが世界的に興行される映画に復活したのはとても嬉しい。マイウェンに感謝!
演技も紆余曲折あって、さらに人間的厚みが出た感じだった。
話の筋はコンパクトに纏まっていて、少し駆け足で描かれているので軽めではあったけど、面白かった。
ジャンヌ役のマイウェンは、映画人として才能があると思うが、演者として愛人としての魅力は、個人的にやや好みではなかった。47歳としては美しいと思うけれど。
全体的に出演者が良く、ラ・ボルド役のバンジャマン・ラベルネが素晴らしい。
あの当時のフランスの階級重視、出自重視の世界観の滑稽なことといったら、最期の時に傍に居られないのに、断頭台に貴族として扱われてしまった。妬みをかえば正しさなどどうでもイイのだ。現代にも通じている恐ろしい教訓だろう。
18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公...
18世紀フランスで59年間にわたり在位した国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を映画化。
「パリ警視庁 未成年保護特別部隊」「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」の監督としても知られる俳優マイウェンが監督・脚本・主演を務め、ジョニー・デップがルイ15世を全編フランス語で演じた。シャネルによる衣装提供やベルサイユ宮殿での大規模撮影により、豪華絢爛なフランス宮廷を再現。
豪華絢爛フランス宮廷絵巻
壮大なロケーションで紐解き鑑賞できる感慨
あの時代、あの宮廷のしきたりの中で自分らしい天真爛漫さや優しさを通せるのは余程の芯がなければのことだろう。
権力のつながりなどは気持ち悪いが、優先されるものが違う背景。
貧しい環境に育ったジャンヌには潔さしか感じられず、生きていく厳しさを知る故の強さも別格だった。
個人的にはジャンヌのキャスティングにぴったり感はないものの、観ているうちに王を虜にする安らぎのようなものがなんだか伝わってくる。
王だけでなく、執事や王太子、息子をみていると、皆、ジャンヌの人柄に惹かれ、去っていった王の娘たちも少なからず影響された。
それも天性、魔性ゆえか。
ジャンヌの人望で理解者にたすけられた最期の時は2人に幸せな愛が存在したことを十分に示し切なさも増す。
ジョニー・デップが悠然とみせる王の威厳、風格、孤独はさすがで、信頼する人にだけみせる愛嬌ある人間らしさを解釈した姿はとても魅力的だ。
王やジャンヌ、2人を思いやり尽くす執事、とりまく人々があの煌びやかさと混沌とした歴史のなかに生きていた様子。こうして後世で紐解き鑑賞できることが感慨深い。
継ぎ足した物語を感じながらあの別世界を歩けば、また違う感動が湧きあがるのだろうな…
心は空を飛んでいくようだ✈️
追記済み
24-019
デュ・バリー夫人
ドロドロ控えめでスッキリ見れました
ベルサイユの暮らしがとても興味深い
ジャンヌなんて人は知らないので、あまり惹かれる題材ではなかったが、ベルサイユが舞台ということと、ジョニー・デップ出演というところに興味が湧いて観賞。
【物語】
ジャンヌ(マイウェン)私生子として生まれ、恵まれない境遇で育ったが、読書する機会には恵まれて教養を身に付ける。大人になってパリで生活のために娼婦に身を落すが、美貌と上流階級並みの知性で高級娼婦の地位を確立し、貴族の男たちをとりこにする。ついには国王に気にいる女性を差し出したい貴族の思惑により、ベルサイユ宮殿に足を踏み入れる。
国王ルイ15世(ジョニー・デップ)は宮殿内に並んだ王族やしもべの列に並ぶジャンヌをひと目見て釘付けになる。国王に招かれたジャンヌは公妾としてベルサイユに入る。
国王の寵愛は受けるものの、卑しい出自や、宮廷のマナーを無視した言動から彼女は国王の娘たち王族初め周囲の人間には疎まれる。
【感想】
俺は世界史オンチなので、10年前ならこの作品に引き込まれなかったと思う。しかし、新型コロナ騒動直前に旅行でベルサイユ宮殿を訪れ、宮殿の豪華さとあまりに広大な庭園に圧倒された体験が宮殿内の様々なシーンの興味を生んだ。
宮殿で最も有名な鏡の間、そして王の寝室等、当時の使われ方を想像しながら見学したものだが、本作では再現フィルムのごとく宮殿内の国王の生活が描かれているので
「ああ、こんな感じなんだ!」
と興奮さえ覚えた。
宮殿の庭園、運河も幾度となく映し出されるが、あの広大さは行ってみないと実感が湧かないと思う。 ちなみに作中にジャンヌに館が与えられたシーンがあるので、どこかなと観賞後にググってみると、どうやら現存するプチ・トリアノンのようだ。離宮であるそのプチ・トリアノンやグラン・トリアノンまで歩いたからこそ、俺はあの広大さを実感できたし、それを思い浮かべながら作品中の国王の暮らしぶりを観ていた。
映画そのものの内容以外ばかり書いているが、これも映画の価値だと思ったからだ。
つまり、世界史の教科書に全く興味が湧かなかった俺だが、実物を目にし、さらに物語にして見せてくれる映画によってフランスの歴史・文化に大いに興味を持てたこと。
ベルサイユ見学体験 + 本作 + 昨年末公開の“ナポレオン”により、今さらながらルイ14世~ナポレオンまでのフランス史の繋がりがイメージできるようになった。 フランス革命についてはまだ知識がスカスカなので、そこはまた別の映画で補いたい(笑)
俺的にとっては本作の価値は上述の部分が全てと言っても過言ではないが、少しだけ作品の中味について触れておきたい。
上述のとおり本作を鑑賞したことに大いに満足しているのだが、不満が1つある。 ジャンヌのキャスティングだ。
「国王が一瞬で魅入ってしまう」という展開にするには外見に無理があった。この初対面のシーンの説得力は本作でも一番重要なポイントだったはず。 少女時代の女優は設定に違わぬ美少女だったのに、大人になったら・・・
マイウェンの演技に不満は無いが、この役に相応しいとは言えない。
例えば(フランス女優はほとんど知らないのだけど、知っている中から無理矢理挙げれば)レア・セドゥならもう少し良かったと思う。彼女も絶世の美女とは言えないが、妖艶な魅力を持っているから。 高級娼婦にのし上がったまでは、 身に付けた教養によって「話をすると惹きこまれる」という部分もあるからあの外見でもあり得るのだけど、「話をする以前に国王が虜になった」無理だな、と俺は思った。
その他、悲哀に満ちた彼女の人生は人間ドラマとしても興味深かった。ラストのテロップ(彼女のその後の人生に言及)には衝撃を受けた。
ジョニー・デップは“個性派俳優”のイメージが強いが、本作では普通でした(笑)
本作では助演の立ち位置でもあるので、悪目立ちしないように意識したのかも知れない。
恐らく、本作を楽しめる度合いはベルサイユ宮殿に行ったことがあるか否かで大きな差があると思う。ベルサイユ宮殿に行ったことのある人、あるいはこれから行く予定のある人に特におすすめしたい。
【トリビア】
ベルサイユ宮殿の広大さについてもう少し。
現在の広さは約10km2、これは東京で言えば清瀬市と同等。皇居の3倍。
当時はその10倍!だったとのこと。こうなると山の手線の内側の面積(約60km2)を超えて、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、豊島区を足してちょうど同じくらい。
映画の中で国王が狩りを楽しむシーンがあるのだが、我々の常識だと「城から出て近くの山へ」だが、“庭”の中だったに違いない。
なんか見やすい
背景、マナーの下地知識なく鑑賞してしまい残念
ジャンヌ
デュ・バリー夫人の波乱の生涯をわかりやすく描く
本作は、フランス国王ルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの波乱に満ちた生涯を描いており、なんとなく歴史の勉強になるかなと思って鑑賞してきました。敷居の高さを感じたものの、実際にはそんなことなく、とてもわかりやすく描かれていて楽しめました。
ストーリーは、貧しい家の私生児として生まれたジャンヌが、親の再婚や修道院での暮らしを経て身につけた教養と持ち前の美貌で、貴族相手に娼婦同然の生活をしていたところ、デュ・バリー子爵に囲われたことをきっかけにヴェルサイユ宮殿にあがることとなり、そこで国王ルイ15世の目に止まって公妾となり、二人の甘い生活が始まるものの、これまでのしきたりやマナーを無視する自由奔放なジャンヌはしだいに多くの敵を作っていくというもの。国王とジャンヌの愛の物語としても、女たちの嫉妬と羨望と憎悪が渦巻く宮廷内のパワーゲームとしても、なかなか見応えがあります。実際にはもっと複雑な思いが交錯していたとは思いますが、ジャンヌに焦点化してわかりやすく描いていたのは好印象です。
冒頭でナレーションを絡めながらジャンヌの生い立ちを簡潔にまとめ、それが以降の人生の伏線として繋がるような立ち上がりがお見事です。年頃となったところから深く描かれていきますが、この時点ですでに世界観に浸っていました。その後も、まるで鮮やかな絵巻物語を見るようで、ロケかセットかCGかわかりませんが、広大で豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿や華麗な貴族の衣装や暮らしぶりなどが目を楽しませてくれます。
先日観た「哀れなるものたち」のベラと対照的で、すでに確立した社会の中で、女性であることを武器として最大限に生かして、頂点まで上り詰めていくジャンヌの姿が圧巻です。これも、男性中心社会での女性の強かな処世術と言えるでしょう。しかし、その美貌で国王を手玉に取ることもできたであろうジャンヌがそうしなかったのは、国王を本当に愛していたからでしょうか。逆に国王が最後までジャンヌを妃とせず公妾のままにしておいたのは、当時のしきたりや慣習の縛りがあったからでしょうか。
フランスの歴史にも文化にも疎いので、十分に理解できないところがありましたが、逆にいろいろな場面で新鮮な発見や驚きがあり、とても勉強になりました。謁見の際に陛下と目を合わせない、女性は髪を下ろさない、国王の死期が迫るとロウソクを灯す等、当時のフランス宮廷内のマナーや慣習が垣間見えたのはおもしろかったです。中でも、陛下の前では小刻みに下がるというのがとても滑稽に見えたのですが、あれが当時の正式マナーだったのでしょうか。自由奔放だったジャンヌが最後にその仕草を見せるのが、切なく印象的です。
ただ、本作において最も重要なジャンヌの魅力が、今ひとつ伝わってこないのが残念です。主演のマイウェンが脚本・監督も務めたようですが、主演だけは他の若い女優に任せたほうがよかったのではないかと思います。一方、共演のジョニー・デップは、全編フランス語で見事にルイ15世を演じきっています。脇を固めるのは、知らない俳優さんばかりでしたが、国王とジャンヌを献身的に支えるラ・ボルド役のバンジャマン・ラベルネの存在感が光っています。
きらびやかではあったが。
フランス版大奥
エンターテインメント歴史映画
ジャンヌ・デュ・バリーを主人公にルイ15世との恋愛をドラマティックに描くのだろうと思いきや、
割と淡々と歴史絵巻として綴られていく映画作品でした。
とはいえ、ジャンヌ・デュ・バリーのキャラクター造型を緻密に描いていたり、
ベルサイユ宮殿内における慣習・風習・礼儀作法といった所作、そして圧倒的に素晴らしい衣装等、
見どころは満載です。
個人的な好みになろうかと思いますが、
監督・脚本・主演のマイウェンは、主演は張らない方がよかったんじゃないかなーと思いました。
もっと女性を敵にまわすような、敵視されそうな役に向いている俳優はいたんじゃないかと。
しかしながら、ルイ15世を演じたジョニー・デップの演技は素晴らしかったです。
ジョニー・デップとわからない程、役に入り込んでいたと感じました。
実はもうひとりの主人公と言っても過言ではなさそうな、ラ・ボルド役のバンジャマン・ラベルネが
最も素晴らしい演技をしていると思いました。
ルイ15世もジャンヌも支える彼あっての物語でしたね。
ジャンヌだけど、ダルクじゃないのね。
フランス革命前のルイ15世の時代の話。主人公のジャンヌは厳しい環境に生まれ、生活のために娼婦になり、上流階級の男達から高評価され、ジョニーデップ演じる国王ルイ15世に紹介される。そこでルイが一目惚れして、愛人関係になる。えっ、自分的には一目惚れする程の美人じゃなかったのにな。あっそうか、これから結構時間があるから、おばさんになれるキャスティングなんだなって納得。
フランス革命の印象からフランスの王族達は、かなり酷い奴等なんだと思っていたが、この映画では、そんな感じ一切無かった。ルイなんて凄く優しい感じ。ま、政治的な話が無かったから国民達の気持ちは分からなかったね。
この時代、偉い人には愛人が居るのが当たり前だったんだな、日本なら側室として尊ばれるのに、ルイの娘達はめっちゃ嫌ってた。でも、ドカドカ暴れる対立が無かった事もあり、ストーリーとしては緩かった。息子のルイ16世なんて、めっちゃいい奴で、革命で死んじゃうなんて可哀想に感じた。嫁のマリーも同様。えっ!王室を離れてたジャンヌも!?知らなかった〜。そこそこ楽しめました。
豪華絢爛 ジョニデ感薄めのルイ15世
人妻を妾にしてたんだと知った
フランスで59年間国王として在位したルイ15世の最後の公妾ジャンヌ・デュ・バリーの生涯を描いた作品。
貧しい私生児として生まれたジャンヌは、美貌と知性で貴族の男たちを虜にし、社交界で注目される存在となった。バリー子爵の愛人となり、ベルサイユ宮殿で国王ルイ15世にみそめられ、公妾の座に就いた。しかし庶民が国王の愛人となるのはタブーであり、マナーやルールを無視したジャンヌは宮廷内で嫌われた。そして、王太子妃となったマリー・アントワネットからも嫌われてしまった。そして・・・という話。
愛人になるのは人妻じゃないといけないとは、当時のしきたりを知れて良かった。
当時の豪華な衣装やベルサイユ宮殿の豪華絢爛な様子が凄くて、これを大スクリーンで観れて良かった。
ジョニー・デップがルイ15世役をフランス語で演じていたのは流石だと思ったし、憂鬱な初老の国王らしくて良かった。
ジャンヌ・デュ・バリー役のマイウェンは悪くはなかったが、ルイ15世と出会ったのが26歳で彼が亡くなった時にまだ31歳になる前だったはず。史実感を出すためにも、もっと若くて美しい女優を選んで欲しかった。
面白い
全75件中、41~60件目を表示