12日の殺人

劇場公開日:

12日の殺人

解説

「悪なき殺人」で話題を集めたフランスのドミニク・モル監督によるサスペンススリラー。ポーリーヌ・ゲナによる2020年のノンフィクション書籍をもとに、モル監督とジル・マルシャンが共同で脚本を手がけ、未解決事件の闇に飲み込まれていく刑事の姿を描き出す。

10月12日の夜、女子大学生クララが焼死体となって発見された。捜査を担当するのは、昇進したばかりの刑事ヨアンとベテラン刑事マルソー。2人はクララの周囲の容疑者となり得る関係者に聞き込みをするが、男たちは全員クララと関係を持っていたことが判明する。殺害は明らかに計画的な犯行であるにも関わらず、容疑者を特定することができない。捜査が行き詰まるなか、ヨアンは事件の闇へと飲み込まれていく。

主人公の刑事ヨアンを「恋する遊園地」のバスティアン・ブイヨン、相棒マルソーを「君と歩く世界」のブーリ・ランネールが演じた。2023年・第48回セザール賞で作品賞・監督賞・助演男優賞・有望若手男優賞・脚色賞・音響賞を受賞。

2022年製作/121分/G/フランス
原題または英題:La nuit du 12
配給:STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日:2024年3月15日

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(C)2022 - Haut et Court - Versus Production - Auvergne-Rhone-Alpes Cinema

映画レビュー

モヤモヤの持って行き処

2024年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 夜に一人で歩いていた若い女性が無惨に殺された事件を追う刑事の物語です。

『落下の解剖学』同様に、事件の真相よりもその背後の社会や人間性に注目すると言うのは現代のフランス映画の流行なのでしょうか、本作も、作品開始早々に「これは迷宮入り事件」である事が告げられます。そこで、「え~っ」と鼻白んだものの、「女性だから殺された」の社会性、「容疑者の男はクズばかり」に焦点を当てた展開に緊張感が高まります。しかしそれだけに、「映画としては、きっちり決着付けなきゃいけないんじゃないの?」と強いモヤモヤが残りました。

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La Strada

4.0監督のセンスの良さを感じました

2024年8月11日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

前作『悪なき殺人』は、強烈な印象を残す作品だった。
ほとんど内容を思い出せない映画も少なくない中で、それは忘れようとしても忘れられない1本となった。

そんな前作と同様に、本作も我々が持つ本質的ななまなましさ、つまり人間の大きな欲望の一つである愛欲がストーリーの根底にある。だから性描写が一切ないのにもかかわらず、この作品にはどこか淫靡な性のにおいが漂っている。
そして、描かれていない回想シーンが観客の頭に浮かぶように仕掛けているところ、「描かずに描く」といった手法が効いている。

セリフのディテールも練られていたし、それから巧いなと感じたのは、ヨアンの乗った自転車のシーンが何度か印象的に映し出されること。人工的なコースをぐるぐるとまわる描写――それはヨアンの心理を象徴しているのでしょう――から、最後はマルソーの言葉に従って、クネクネと曲がりながらも自然の中の公道を前進していくという場面に変わるのも暗示的。

あと、音楽もとてもよかった。サントラ欲しい♪

本作はいちおう “サスペンス・スリラー” という扱いになっているようだけど、単純な “犯人探し” のストーリーだと思って鑑賞すると、期待はずれということになりかねない。殺人事件の犯人探しという形をとりながら、ここで重点を置いて描かれているのは「人間そのもの」としての刑事たちの姿である(それから男と女の「溝」も大きなテーマになっているのかな?)。

というわけで、ドミニク・モルの新作『12日の殺人』。前作ほどのインパクトはなかったものの、監督の映画づくりのセンスの良さを感じた1本でした。
次の作品も楽しみです。

追記
好きな作品なので2回観たよ。

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peke

1.0無駄が多い駄作。この映画の制作意図は何なのか?

2024年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

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Yohi

5.02013年に起きた「モード・マレシャル殺人事件」を元にしたフィクション

2024年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

難しい

12月の殺人
兵庫県尼崎市の映画館塚口サンサン劇場にて鑑賞 2024年6月1日(土)
パンフレット入手
原題「LA NUIT DU 12」

イントロダクション
フランス警察が捜査する殺人事件は年間800件以上だが役20パーセントは未解決、これはそのうちの1件だ。

SYNOPSIS
2016年10月12日夜、グルノーブル署で引退する殺人捜査班の班長の壮行会が開かれていた頃、山あいのサン=シャン=ド=モーリエンヌの街で、21歳の女性クララ(ルーラ・コットン=フラピエ)が、友人たちのとのパーティーの帰り道、突如何者かにガソリンをかけられ火を放たれた。

翌朝、無残にも彼女は焼死体で発見される。すぐに後任の班長ヨアン(バスティアン・ブイヨン)率いる新たな捜査班が現場に駆けつけ、クララが所持していたスマートフォンから、彼女の素性が明らかになり、ヨアンたちはクララの自宅を訪問した。母親に彼女が殺害されたことを伝えるか、ヨアンはその時ふと目にしたのは生前のクララがかわいいネコちゃんと共に写った写真が頭から離れなくなる。捜査会議の席で、ヨアンの相棒のマルソー(ブーリ・ランネール・ベテラン刑事)が、ジャンヌ・ダルクのように火あぶりにされるのはいつも女だと呟く。
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 クララの親友のナニー(ポーリーヌ・セリエ)の協力もあり、クララと交際歴があったバイト先のウェスリー、ボルタリングジムで知り合ったシェール。そしてあろうことか彼女を「燃やしてやる」というラップを自作していた元カレのキャヒなどの男たちが疑惑の対象になっても消えていった。だが男たちは一様にして彼女が奔放な女性だったとことを示唆している。
「彼女は恋人なんかじゃない」「ただのセフレだった」
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ある日匿名の人物から、クララに火をつけた際のライターと思しきものが署に届き、チームはどよめく。早速犯行現場で張り込んでいると、ある人物が現れた。それは近所の菜園小屋に住む無職のドニで、彼は今までの捜査では明らかになっていない男。クララと関係を持っていたという。

こうしてクララの奔放な男性関係が次々と明らかになるなかで、ヨアンはナニーに「なぜドニのことを知らせなかったのか」と迫る。ナニーは涙を流しながら「クララを尻軽女のように見ないでほしい、彼女が何か悪い事をしたのか?」
なぜ彼女が殺害されたのか、それは女の子だからだと、ナニーはヨアンに詰め寄った。

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ヨアンはマルソーとは対照的ににほとんど感情をあらわにしない。そんな彼が激高するのは、捜査班の同僚がクララを好きものだと喋ったときだ。彼は同僚からご立派な善人だと揶揄されるが、その正義感や男社会への違和感を募らせている。

ヨアンは捜査や生前のクララのことを考えて夜も眠れない日々が続いた。一見するといつも冷静沈着なヨアンがそれでも何とか精神の均衡を保っていたのは、非番の時に自転車競技場で自転車を走らせることであった。
一方、ついカッとなる同僚のマルソーは夫婦関係に苦しんでいた。そんなマルソーを自宅に招くのであった。

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パンフレットに記載がないが、マルソーの夫婦関係について追記します。

マルソーの妻との間に子どもが生まれない。病院で調べてみると二人ともは全くの健康であることが分かっている。ある日妻が外出して、他の男と関係を持ってしまい、妊娠してしまったのだという。
妻からは離婚を求められているが、自分は今も愛しているのです。
世の間はなんて不平等なのだと嘆いている。

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さらに捜査はつづくクララの殺害場所に、なぜか血のついたTシャツが置かれていたのだ。DNA鑑定から、DVで逮捕歴のあるヴァンサン(ピエール・ロタン)のものだということが分かった。彼もクララと交際歴があった。結局彼にもアリバイがあったのだが、ヴァンサンのあまりももふてぶてしい態度に怒りが収まらくなったマルソーは、彼の家に尋ね暴力をふるってしまい、異動となって、捜査班も解散となった。

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3年後、ヨアンは女性の判事(アヌーク・グランベール)に呼び出され、捜査の再開を希望される。その間もずっとこの事件のことが頭から離れなかったヨアンは、新たなチームを作り再捜査に乗り出すことになった。男所帯だったチームに、女性捜査官のナティア(ムーナ・スアレム)が加わり、クララの三周忌に彼女の墓で張り込みをすることになった。
隠しカメラに映っていた男がいた。チームは活気づいたが、犯人ではなかった。

「フィクション」である、と流れる

追記
2013年に起きた「モード・マレシャル殺人事件」を元にしたフィクションだが未解決事件となっている。

監督 モード・マレシャル
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感想

作品では「自転車競技」の映像が何度も流れているので、犯罪と繋がっているのかと違和感を抱きながらの鑑賞だったと感じています。

フランスの警察官たちの日常生活が見られたことは良かったと思います。

そして未解決事件に関わる警官たちの思いが伝わってきました。

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大岸弦

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