マリア 怒りの娘のレビュー・感想・評価
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前を向くマリアの強さ
南米ニカラグアを舞台に描かれる少女マリアの成長物語です。
貧困の度合いがハンパじゃないニカラグア、特にマリアの置かれた状況は本当にキツいと思いましたし、
日本はなんて恵まれた国なんだろうとも思いました。
マリアと母親の関係性と置かれた境遇の不遇さが強調して描かれ続け、
ある事柄をきっかけに、母娘が別れ別れになり、そこからマリアの物語になっていきます。
母親が言っていた「猫🐈は7回生まれ変わる」、「大人になるときに半分猫・半分人間が現れる」が重要なキーワードになっており
ラストはその状況にマリアが置かれます。
時折マリアが見る夢が、そのことを示唆していて、猫化した母親がラストに現れるのは母親の死を示唆していますし、
それがわかったマリアは、下を向かずに、まっすぐ見据えて歩き始める。そのラストはグッときました。
マリアは常々母親から「下を向くな、前を向け」と言われていたことも相まって。
ファンタジーでもありますが、それでいいんだと思います。
正直、気持ち的には苦しくなりながら、ずっと観ていました。
マリアが置かれる環境が変わるに連れて、マリア自身が少しずつ成長していく、強くなっていく、環境がそうさせていく、
やるせない切なさもあるけれど、最後はまっすぐな視線を正面に向けて歩きだすマリアに元気をもらいました。
今後もニカラグア発の映画が製作されていくことに期待しています。
ニカラグアという国の一面を見れて勉強になりました。
ありがとうございました。
ニカラグアの母子家庭
ニカラグアで底辺生活をしながら、母は娘のマリアに厳しく接する一方で、優位な男性から搾取されていた。
母がマリアを預けた施設では、閉じ込めて諦めさせようとする一方で、子ども同士の喧嘩には、上手く対処し、心を掴もうとしていた。マリアは、仲間との間に絆をつくりつつあったが、やはり母の許に戻りたくなり、抜け出して彷徨い、猫に変わり果てた母に再会する。母もまた挫折しただろうという想像なのだろうか。
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