劇場公開日 2024年2月24日

マリア 怒りの娘のレビュー・感想・評価

全12件を表示

3.5ニカラグアの女性監督による歴史的な一歩

2024年2月22日
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鑑賞方法:試写会

ニカラグアと聞いて、すぐさま地図上で南米のホンジュラスとコスタリカの間の国を指させる人はそういないだろう。だが冒頭、首都にある広大なゴミ捨て場の様子を目の当たりにするや、我々の意識は一瞬にして、この遠い遠い国と主人公マリアの感情へと引き寄せられる。廃品を漁る無数の子供たち、その姿を幻想的に照らし出す陽光、水辺をひっきりなしに行き交う馬車・・・そこに描かれる社会状況は極めて過酷ではあるものの、これが初長編というバウマイスター監督の映像力には圧倒されるばかりだ。物語は後半、母と離れ離れになったマリアの怒りと混乱に寄り添う。まだ11歳の少女の前に立ちはだかる現実のなんと非情なことか。そんな中で彼女がふと宇宙へ思いを馳せる場面が胸を打つ。そしてラストに口にするセリフも心を震わせる。取るに足らない小さな一作かもしれない。でも世界とそこで暮らす幼い少女の感情とを確かに繋ぐ、大切な窓ともいうべき作品だ。

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牛津厚信

5.0ニカラグアってどこ?

Mさん
2024年5月11日
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私は地図を見るまで知らなかった。あるいは知っていたかもしれないが忘れていた。
「貧困」と口にするが、日本でここまでの貧困を目にすることはまずない。伝道師が街頭で話をしているシーンがあったが、ここまで貧困が進んでいると、宗教にでもすがりたくなるのも当然かもしれない。
聖母マリアの名前をつけた母の思いを想像しながらこの映画を見た。
私は、3年後、どこかで「ニカラグア」と聞いた時に、すぐにその場所を思い出せるだろうか。

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M

3.5いかがなものか

2024年4月28日
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鑑賞方法:映画館

確かに「怒りの娘」なんだけど、その「怒り」をいったいどこに向けるべきなのか分からずじまい… 敢えて言うなら、社会に対して、なのかなぁ…
夢のシーンもなんだか恣意的で、いろいろとフォーカスがはっきりしない気がした。それが意図なのかもしれないけれど…
しかし、もう面倒見てあげられないから大人になる時ね、といわんばかりなのはいかがなものか…

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ぱんちょ

4.0マリア 怒りの娘 初のニカラグア映画かな。思ってたよりもグッとくる...

2024年4月26日
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鑑賞方法:映画館

マリア 怒りの娘

初のニカラグア映画かな。思ってたよりもグッとくる作品。
ニカラグアで貧しく生きる家庭の現実的な苦しさ辛さが描かれ、ニカラグアの内情を学びながら同時に強く逞しく生きる母と娘の姿に勇気も貰えた。
一見厳しく接してる様に見える母の姿もニカラグアで生きるにはまだまだ甘く、そして一見反抗的な姿が強く見える娘のマリアの姿でもあるが最後のシーンをはじめ母から受けた言葉をしっかり理解し実践する姿が垣間見えるのがこの作品の美しさであると感じた。
当初は関東ではユーロスペースのみでの上映で観るのを諦めていたが、好きな劇場のキノシネマ横浜で上映してくれる事になり観る事となりこの作品を観れた事を幸せに思う。

個人的な2024年洋画新作鑑賞ランキング
1 ネクスト・ゴール・ウィンズ 4.8
2 Firebird ファイアバード 4.8
3 コット、はじまりの夏 4.7
4 アイアンクロー 4.7
5 オッペンハイマー 4.7
6 クレオの夏休み(横浜フランス映画祭2024) 4.7
7 コンセント 同意(横浜フランス映画祭2024) 4.7
8 ARGYLLE/アーガイル 4.7
9 アリバイ・ドット・コム2 ウェディング・ミッション4.5
10 バティモン5 望まれざる者(横浜フランス映画祭2024) 4.5
11 デューン 砂の惑星 PART2 4.5
12 愛する時(横浜フランス映画祭2024) 4.5
13 ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 4.5
14 アクアマン/失われた王国 4.5
15 ニューヨーク・オールド・アパートメント4.3
16 マリア 怒りの娘 4.0
17 異人たち 3.7
18 ミツバチと私 3.6
19 ブリックレイヤー 3.5
20 ネネスーパースター(原題) Neneh Superstar (横浜フランス映画祭2024) 3.4
21 オーメン:ザ・ファースト 3.4
22 RHEINGOLD ラインゴールド 3.3
23 12日の殺人 3.3
24 インフィニティ・プール 3.3
25 ゴーストバスターズ フローズン・サマー 3.2
26 プリシラ 3.2
27 コール・ジェーン -女性たちの秘密の電話- 3.2
28 コヴェナント/約束の救出 3.0
29 僕らの世界が交わるまで3.0
30 ブルックリンでオペラを 3.0
31 ストリートダンサー 3.0
32 カラーパープル 2.9
33 弟は僕のヒーロー 2.8
34 RED SHOES レッド・シューズ 2.8
35 画家ボナール ピエールとマルト(横浜フランス映画祭2024) 2.7
36 Vermines(横浜フランス映画祭2024) 2.6
37 関心領域 2.6
38 ジャンプ、ダーリン 2.5
39 エクスペンダブルズ ニューブラッド 2.3
40 けもの(仮題)La Bête(横浜フランス映画祭2024) 2.3
41 マダム・ウェブ 2.3
42 落下の解剖学 2.3
43 ダム・マネー ウォール街を狙え! 2.3
44 哀れなるものたち 2.3
45 ザ・エクスチェンジ 2.2
46 DOGMAN ドッグマン 2.2
47 パスト ライブス/再会 2.2
48 リトル・エッラ 2.2
49 パリ・ブレスト 夢をかなえたスイーツ 2.2
50 ボーはおそれている 2.2
51 ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人 2.2
52 瞳をとじて 2.2
53 ゴースト・トロピック 2.2
54 葬送のカーネーション 2.2
55 Here ヒア 2.1
56 美しき仕事 4Kレストア版(横浜フランス映画祭2024) 2.0
57 ハンテッド 狩られる夜 2.0
58 サウンド・オブ・サイレンス 2.0
59 ゴッドランド GODLAND 2.0
60 キラー・ナマケモノ 1.9
61 ザ・タワー 1.9
62 ポーカー・フェイス/裏切りのカード 1.9
63 マンティコア 怪物 1.9
64 アバウト・ライフ 幸せの選択肢 1.8
65 サン・セバスチャンへ、ようこそ 1.8
66 デストラップ 狼狩り 1.6
67 No.10 1.5
68 VESPER/ヴェスパー 1.5
69 フィスト・オブ・ザ・コンドル 0.5

番外
ソウルフル・ワールド 5.0
QUEEN ROCK MONTREAL 5.0
あの夏のルカ 5.0
私ときどきレッサーパンダ 5.0
FLY! フライ! 5.0
犯罪都市 NO WAY OUT 4.5
DUNE デューン 砂の惑星 リバイバル 4.0
メメント リバイバル 2.0
π〈パイ〉 デジタルリマスター 2.0
貴公子 1.5
ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター版 1.5

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ego

3.5邦題が合ってない(笑)

2024年4月6日
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鑑賞方法:映画館

中米ニカラグアの映画で、ニカラグアに実在する巨大なゴミ捨て場、そのゴミ捨て場の近くで暮らす人々を描きます。

クレイジージャーニーでも、フィリピンで似たようなゴミ山スラムで暮らす人々を取り上げてて、それが印象に残ってたので、この映画は興味深かった。

ニカラグアって聞くと、パンク好きとしてはクラッシュのアルバム『サンディニスタ!』を思い出すけど、政治的に不安定で経済的にも貧しいそうです。

ゴミ収集で暮らす人は3000世帯ぐらいいて、その方達にリサーチを行い作ったそうで、事実に基づくに近い映画です。

可哀想なぐらい悲惨な生活で、いろいろ考えさせられます…

超常現象的な演出あり。

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RAIN DOG

4.5これからもニカラグアで撮って欲しい

2024年3月3日
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これは素晴らしい。ストーリーはそんなに深くない、けど人間、社会、ニカラグアの景色(美しいところも美しくないところも)すべてをまんべんなく描いてて、これが初長編映画ならこれからが楽しみ。日本にはほとんど縁のないニカラグアをもっと紹介してほしい。タデオがイケメンなんだよなー、このほのかな恋にも満たない感情がたまらんよ。あと犬が好きなのでよりマリアに感情移入しちゃう。

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三毛猫泣太郎

2.5母を訪ねて…。

2024年2月25日
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悲しい

難しい

巨大なゴミ処分場の近くの小屋で母親と暮らす1住11歳の少女マリアが、母親と離れ離れになる話。

前金を貰っていた仕事でミスをした母親が、リカバリーの為に知人が営むリサイクル屋にマリアを預けることになるけれど、マリアは何故そうなったか理解出来ていない様な…。

甘ったれマリアのリサイクル屋での子どもたちとの交流や、その後の大農園の流れは良かったけれど、落とすでも掬うでもなく、決意や成長を見せるでもない、なんとも尻切れトンボな終わり方で物足りなかった。

ニカラグアと言えばシガーとラムぐらいしか絡んだことないけれど、久々に作られた長編映画でこのクオリティなら次に期待が膨らむかな。

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Bacchus

3.5ゴミの山の上で

2024年2月12日
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鑑賞方法:試写会

《マリア 怒りの娘》
うず高いゴミの山で獲物を探し廻る子供達。ショッキングな世界があたり前のようにマリアはただ前に進む、進み続ける。"ママ"を探す為に。"貧困社会"と断ずる観る目には"こちら側"の優越感が試される怖さも。少女の成長譚と観ることも出来るが大人になるには早すぎるのだよマリア。
オンライン試写会にて

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つっちぃ

4.0最貧国で逞しく生きる少女の話

2024年2月11日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

オンライン試写にて
ごみ収集をしながらバラック小屋で母と暮らす11歳の少女マリアが逞しく生きる姿は心に響いた
時折見せる無邪気さや少年との交流は微笑ましかった

ニカラグアはアメリカ大陸で2番目に貧しい国らしい
そんな国に対するやるせない気持ちや多くの希望を持てないという刹那さが伝わってきた
ニカラグアの女性監督初の長編映画ということ
今後も頑張ってほしい

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NOSTOS3

3.5ニカラグア映画。

2024年2月11日
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貧しさ故に長編映画は僅か数点しか作られていないというニカラグア発の映画。自身も貧しい境遇からメキシコの大学に進んで映画制作を学んだ女性監督の渾身の作。
あるトラブルから母が出稼ぎに行かなくてはいけなくなり子供が施設に預けられる所から始まる。施設を抜け出して行方不明の母を探す単純なストーリー。しかし色々な問題を内包していてそう単純ではない。ニカラグアの現状や貧しさが余すところ無く描き出されている。 例えば施設を経営する夫婦は子供達に廃品回収業の手伝いをさせながら養っている。子供の親はいないか貧しく夫婦が養ってやらなければ子供は多分死ぬ。夫婦の子供達に対する目線や態度は温かく優しくて彼ら自身貧しくて地代を払えないのに完全にボランティアである。この国は助け合わねばやっていけない程貧しいということだ。しかし法的には子供達に不法就労をさせていることになり夫は警察に捕まる。様々な問題が描かれた映画であった。

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snowwhite

3.5いまだにこんな場所で暮らす人々がいる事にショック。分かってはいるつ...

2024年2月10日
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鑑賞方法:試写会

いまだにこんな場所で暮らす人々がいる事にショック。分かってはいるつもりだが貧富の差は絶対に無くならない。
相変わらず人間が自分たちの星を暮らしにくい環境にしている事に2つ目のショック。取り組みが遅すぎる。
そう映画を観て感じた私も大きな行動は起こさない。
でも捨てるものは極力買わない。
割り箸もレジ袋も貰わない。
食べ物は残さない。

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ナイン・わんわん

3.0貧困下で荒れた少女は大人になる

2024年2月10日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

独裁政権や内戦の影響で貧困に喘ぐニカラグアが舞台の本作だが、まず冒頭で驚かされるのが、同国が医療面においても劣悪な環境であることと、ゴミ収集事業の民営化に反対する貧困層と政府の対立が深刻化していること。完璧とは断言できぬも、いずれの面でも整った環境下にある日本ではまず考えられない。
ゴミ収集で日銭を稼ぐ少女マリアは、自分が原因で母と交流のあったリサイクル施設にひとり預けられる。ここでもやはり児童を不法労働させている実態が浮き彫りとなるが、大人達も強制的に働かせているわけではないという点が、事を複雑にしている。
周囲と打ち解けず荒れるマリアは、わざと困らせようとしているわけではなく、一番好きな母に会えなくなった悲しみがそうさせる。少し前に観た『システム・クラッシャー』も虐待が原因でディスコミュニケーションとなり荒れ狂う少女が主人公だったが、社会の歪みは感受性の強い子供にダイレクトに悪影響を及ぼしてしまう。
劇中で印象深かったのは、犬、ゴリラ、鳥、馬といった動物になぞらえた伝承・寓話を引用している点。中でも「猫女」の伝承はラストへの伏線となっている。「猫女は大人になった日に現われる」――そのラストは観る者の解釈に委ねているが、冒頭から中盤まで荒れ狂っていた時とは大きく変わったマリアの表情が、『レオン』のナタリー・ポートマンを思わせた。
マリア役の子役は演技経験ほぼゼロだったらしいが、シリア難民として生きる少年の過酷な日々を綴った『存在のない子供たち』で実際の難民少年を起用して信憑性を高めたように、演技経験のない子供を上手く役者に出来る監督は信用できる。

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regency