ソウルメイトのレビュー・感想・評価
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ジャニス、ジム、ジミは永遠の27歳
難易度の高いシナリオ。
何が難しいか。
主人公の気持ちのプロット、
転換点を明快に観客に伝えるのが難しい。
有名なシナリオ指南書、
SAVE THE CATの法則には、
あてはめられないパターン。
有名なシナリオ指南書、
SAVE THE CATの法則には、
あてはめられないパターン。
(上記の法則は、ハリウッドメジャーの巨大市場用のシナリオ指南書なので、韓国映画、日本映画では通用しない。念の為)
あてはめられないパターンが、
旧法則を超えてるよー。
主人公2人の互いの感情の、
好き、だからこそ離れたい、
だけでなく、
影響し合っている性格、
人生観への深さの程度、
気持ちの察し方の、
2人の違い、等々を、
1カット1カット積み重ねていく。
このシーンで観客に伝える事は何か。
このカットで観客に感じてもらう事は何か。
芝居はもちろん、
撮り方、サイズ、
メイクはシンプルでいいか、
ほくろはここで見せておくか否か、
衣装はふさわしいか。
他に、例をあげると、
ホテルのルームメイクのシーン。
汗、ゴミ、どの程度イメージ的に脱臭するか、
リアリティが損なわれないか、
反対に、
リアリズムを求め過ぎて観客はひかないか等々。
キャスト、スタッフの作業の取捨選択試行錯誤は、
途方もない緻密な編み物をしているような毎日だっただろうと想像できる。
演出としては、
診断書、サイン、
きちんと描く。
観客に判断は任せます、
は、
方針をきっちり描いてからが、
大前提。
ほぼ満席だったのは、
ミソ、ハウンの噂が凄いんだろう。
台湾でエドワード・ヤンが、
『恐怖分子』
マイルド化されて、
香港で、
『ソウルメイト/七月と安生』
マイルド化されて、
韓国で、
『ソウルメイト』
私がミソでボビーがハウンなのか、
ハウンが私で、ミソがボビーなのか、
何度も入れ替えて考えてみる。
Freedom's just another word
for nothin' left to lose
And nothin' ain't worth nothin' but it's free
Feelin' good was easy, Lord,
when Bobby sang the blues
And buddy, that was good enough for me
Good enough for me and my Bobby McGee.
【蛇足】
法則に基づいてのシナリオ、
世界的スターをキャスティング、
巨大市場で荒稼ぎ。
旧型ビジネスモデルの転換期だ。
MCU、DCEU、ディズニーが、
首の皮一枚から、旧型で復活するか。
本作のような韓国作品、
スラダン、A24のような、
狭いマーケットを深く掘るか。
lalala lalalala~
2人の演技にやられてしまった
オリジナルは未視聴。
女性の友情物語ってなんでこんなに感動してしまうのだろう。男の友情を描いた話もたくさんあるし、名作もある。でも女性の友情を描いた作品により吸い寄せられてしまう。
本作に登場する2人の友情は小学生の時から始まるのだが、キム・ダミ演じるミソの母親がまぁひどい。それに引き換えチョン・ソニ演じるハンウの両親の優しいこと。姉妹同然に育った2人が成長するにつれ、すれ違う様が描かれる。この主演2人が素晴らしい。高校生の役のときはちゃんとあどけなさと大人になりかけている感じが出ているし、大人になってからも様々なつらいことを経験した憂いみたいなものを醸し出している。この両方を演じきれる女優はなかなかいない気がする。しかもキム・ダミは「魔女」のときの冷酷なモンスターな演技もできるって考えるとさらにその凄さが高まる。
恋する気持ちも混ざり合って2人の関係が気まずくなっていく流れが切なすぎるし、ややミステリー風だった最後もいい。友情というよりも家族のような関係性に感動してしまった。とてもいい映画だった。
それにしても男の側から観ると、ジヌよ、それでいいのか!と思ってしまう。お前がそもそもの原因だろう!と。女性の友情物語に登場する男はこう描かれがちだから仕方ないが、同じ男として苦しい気持ちになってしまう。
もう少し足りない
成熟の拒否と融合
2023年。ミン・ヨングン監督。香港映画をリメイクした韓国映画。小学校で出会って親友となった二人の女性が異性との関係や人生に求めるものの違いによって離れ離れになり、すったもんだがありながらも、ともに生きる理想の世界を絵画の世界で実現するという話。
幼いころの充足した自由の日々(そのまま続けば世界放浪の旅へと続くはずだったもの)を、異性の侵入を機に、生活にかまけて、または、一歩踏み出す勇気がなくて、手放していくのだが、結末においては、芸術創作によって、二人だけの一心同体でまったき自由の世界をフィクショナルな形で回復していく、という展開。
子ども時代の幸福な世界は壊れていくばかりなのだが、その様子が具体的に描かれるのではなく、前提として説明なしに描かれている。異性関係も仕事関係も彼女らを成長させない。社会から学んだり社会を変えていったりするのではなく、崩壊していく元々あった楽園をいかに回復するかだけに焦点があたっている。主人公たちの絵画についての考え方や技術もまた、成熟するのではなく、二人の間で融合するだけだ。他者のいない世界の回復を切実に求める二人。現実には難しいだけに涙を誘う。
見事な構成力
『ソウルメイト』 鑑賞後にタイトルがしみる
知ってはいても、なかなか使わない(使えない)ソウルメイト、という言葉。
作品を見ると、ソウルメイトとはこういう関係、というのがとても感じられる。
どこか運命的に、世界につながっている関係。
性格は凸凹のようで、それがうまくはまる。
そんな二人が世の中に影響されて変わっていく中でも、お互いDNAの螺旋のように、お互い混じり合いときに離れても、進んでいく。
ふたりを温かい音楽が包み込むとともに、絵画も、映像もきれいでみとれてしまう。
いくつもある顔のアップにも耐えられる主演二人の存在感もさすがである。
韓国映画らしい、いくつもある伏線回収もおっとなる。
総じて満足感は高かったが、パンフレットのデザインは落ち着いてほしかった笑
さすがの韓国感動モノ映画・・・って感じ
うーん。よくできた映画だし、オリジナル版を十分に踏襲しているとは
思うけど、やっぱり韓国映画の感動ジャンルものって感じがビシビシ
伝わってくるんだよなぁ。
良くも悪くも「わかりやすいお涙頂戴演出」なんですよね。
僕はオリジナルの「七月と安生」が大好きで大好きで・・・ゆえに
比べちゃってるんでしょうね・・・
良くないですね・・・すみません。
わかりやすく・・・というにはいいのですが、僕にとっては
あざとく見えてしまって冷めちゃったってとこ・・・ですかね。
でも、ストーリー自体はとても良いお話ですから、まだご覧に
なったことが無い方にはお勧めしたいです。
けど、文章を紡いでいくように詩的に叙情的な演出のオリジナル版の方が
僕は胸に染み入りました。ゆえにラストの展開のショックが大きくて。
うーーん・・比較しちゃってるなぁ・・・よくないなぁ。
オリジナル版でもそうでしたが振り幅が大きい役を演じている方の
演技の実力が素晴らしかったですね。
オリジナル版はチョウ・ドンユイさん、今作では、キム・ダミさん。
キムさんすごいなぁって思ってたらThe Witchの方だったのですね、納得。
甲乙つけ難い素晴らしい出来
昨年亡くなったBobby Caldwellがカバーアルバム、Soul Survivorをリリースした時に、敢えてカバーするのであればオリジナルよりも良い出来じゃないと発売しないと語った。実際、Aretha FranklinのUntil You Come Back to Meは最高だ。
本作のオリジナルは中国で撮られた、周冬雨主演作。次回作の少年の君と共に、中国映画が面白くなっていてビックリした。難病患者が居なくても感動的な青春映画が出来るんだ。これら、2作は中国の社会情勢が背景として重要だったが、韓国に置き換えてうまく行くだろうか疑問であった。
ストーリーはほぼ完璧にオリジナル通り。
女性問題や格差問題があっても自由主義の韓国では、ややまったり感があるが、それは上手くいっている。韓国映画としては(たぶん)珍しく、ロックも出てきたり、割と特徴の無いと勝手に思っている劇版は、色んな曲が出て来て良かった。できれば、ジャニスが決めている時の曲も流して欲しかった。
この話の肝である作者は誰か問題は、オリジナルでは作品がテキストなので、映画的にわかり辛かったが、今回はピクチャーになったおかげで、分かりやすくなった。ただ、大きい絵はもう少し出し惜しみしておいた方が最後にもっと感動的だったような気がする。
全体として、素晴らしい出来なので、誰にでも勧められる作品です。一方、それでもこれ程オリジナルに沿って作った意味はあるのかなぁとは思います。面白かった人は、ぜひ中国版も観てみて下さい。少年の君も観たくなるはず
韓国映画のレベルの高さ!
本当の自分とは
ふたりでひとり
幼なじみ2人の少女の半生を描いた人間ドラマ。ビデオカメラ越しに彼女達の人生を覗き見しているんじゃないかと、そう錯覚させるほどリアルな人物描写。楽しいことだけではなく、悲しいことも包み隠さず描くその容赦ない展開は、良い意味で映画っぽくない。おいおい、今年の韓国映画ヤバいんじゃないか...?
この手の作品は人物の描き不足、たった2時間であるために物足りないという感想に陥りがちだけど、本作はすごく人間らしくも愛おしい少女2人と、大量のエピソードで完璧に作り込まれた最っ高の人生ロードムービーになっていた。ドラマじゃないのに、ここまでのものを作れるとは。。。とてつもないボリュームで、信じられない見応え。これフィクションって嘘だよね?もう、彼女たちは友達同然な気分なんだけど。
笑った顔が清原果耶なチョン・ソニと横顔が完全に東出昌大なピョン・ウソク。びっくりするくらい似てる。あまりに清原果耶だったから、作風的にも藤井道人映画見ているようだった。「The witch魔女」でお馴染みキム・ダミはやっぱり最高に演技上手い。こんなぐちゃぐちゃな涙を流せる人、そういない。2人の相性も完全に演技の枠を超えていた。そんな風にキャストの好演に圧倒されていると、更に物凄い勢いでパンチを食らわさる。
子どもでいること、大人になること。そして、自分が自分でいられること。本当はそれでありたいけど、実際はそう上手くいかない。子どものままではいられないし、スグに大人になんてならない。ましてや自分でいることは社会に出ると忘れてしまう。それでも、友達といる時だけは思いっきり子どもでいていいじゃないか。胸が苦しくなりボロボロと泣いてしまうと同時に、当たり前だけど人生は楽しまなくっちゃと思いっきり背中を押してくれる、そんな素晴らしい作品だった。
本当の自分に気づかせてくれる存在
予告の切ない感じに惹かれて鑑賞してきました。期待以上に心に響く作品で、またもや韓国映画の質の高さを感じてきました。
ストーリーは、常識や型にとらわれず自由奔放に生きるミソと、ミソの生き方に憧れながらも落ち着いた生活を送るハウンが、子どもの頃に出会い、すぐに意気投合して仲良くなり、かけがえのない親友となるが、高校時代にハウンが一人の男性を好きになったことをきっかけに、二人の関係が急速に変化していくというもの。
性格も価値観も大きく異なるミソとハウンですが、それは生来のものではなく、家庭環境によってもたらされたものだったように思います。親からの愛情不足を奔放な態度でごまかしていたミソは、誰よりも愛情と穏やかな生活を求めていたのかもしれません。また、両親の言いつけに素直に従ってきたハウンは、ずっと自分の思い通りに生きてみたいと望んでいたのかもしれません。だからこそ、二人は相手の中に本当の自分を見つけ、憧れを感じたのではないかと思います。それはたぶん理屈ではなく、もうこの時点で運命です。二人が屈託のない青春時代を過ごし、キラキラした思い出を積み重ねていく姿が、本当にまぶしくて爽やかです。済州島の自然と相まって、観ているこちらまで幸せな気持ちになります。
それなのに、そんな二人の関係に微妙な不協和音が響き始めます。きっかけはたわいもないこと。でも、取り返しがつかないこと。二人はそれをわかっている。だから口にしない、口にできない。そこにある複雑な思いは、少しずつ心の底に降り積もり淀んでいきます。そして、長い時間を経て、やっとその思いを口にした時、改めて二人が互いを想っていたことを確かめ合います。離れていても、喧嘩してても、連絡を取り合わなくても、ずっと心はつながっていたのです。魂で結びついているようなこの関係に名前をつけるなら、「ソウルメイト」ほどしっくりくる言葉が他に見つかりません。自分以上に自分のことをわかってくれている、もはやもう一人の自分、それがソウルメイトなのかもしれません。
テンポよく、緩急のある展開にずっと惹きつけられっぱなしだったのですが、終盤はそれがさらに加速します。結末を迎えたかに見えて、そこからさらに小さな伏線を回収しながら続く目まぐるしい展開に、物語がどのような決着を見せるのか最後までまったく読めませんでした。本作の中では、二人の出会いからおそらく20年余りの時が流れていると思いますが、まるでその時間を一緒に過ごしたような錯覚を覚える濃密な2時間です。ラストは、ミソとハウンの睦まじく、切なく、愛おしい姿が思い出され、涙が止まりませんでした。思い出したらまた泣けてきそうです。ミソを描いた鉛筆画はどこかに売ってないですかね。
主演はキム・ダミとチョン・ソニで、高校時代から社会人までの時間の経過をしっかりと感じさせる演じ分けが秀逸です。特にミソの高校時代は、キム・ダミそっくりの若い女優をキャスティングしたのかと錯覚するほどで、改めて彼女の演技力の高さに驚かされます。脇を固めるピョン・ウソクは、東出昌大さんにしか見えませんでした。あと、名前はわかりませんが、子役の二人もすばらしかったです。
主人公の2人の女優さんの繊細な演技に脱帽!
27歳
なかなか複雑な味わい
闺蜜
中国語で親しい女性同士の友人のことを「闺蜜(gui mi)」と言いますが、彼氏にも話せないことも話せる一生の友だちです。この映画を観て韓国の女の子もそのような関係性があるのだとがわかりました。
最初あらすじを読んだ時には、彼氏の登場によって二人の関係が壊れて、もしかしたら怖い展開になるのかな?とか想像していました。
しかし変わらない友情と、その象徴となる精緻な肖像画に涙をこらえることができませんでした。
ただ本当のことが何度も書き換えられるシーンは少し面倒くさいと感じます。余計などんでん返しはせずに、もっとシンプルに描いてもよかったように思いました。
心に響くもの
雷といえばワンダーボーイ
全87件中、41~60件目を表示












