劇場公開日 2024年1月26日

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コット、はじまりの夏のレビュー・感想・評価

全155件中、21~40件目を表示

4.5いつのまにか少女は

2024年7月10日
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鑑賞方法:映画館

ちょっとみすぼらしい服装であり、無口で暗くおまけにおねしょも治らないコットですが、アイリンとショーンの心からの温かさに触れ、少しずつ明るくなり、愛らしい少女になっていく姿がとっても良いです。自然と見ている私たちも笑みがこぼれてきます。
しかし短い夏はあっという間に終わり、父母と姉たちと赤ちゃんがいる家に帰ることになります。アイリーンとショーンと別れるラストシーンで思わず駆け出したコットはショーンに抱きついてしまいます(ここで涙腺崩壊)。
でもねコット、ギャンブル好きのお父さん(ダメおやじ)も家事と育児に追われているお母さんもコットをちゃんと愛してること、きっと、いつか気づくと思うよ。
大人の鑑賞に耐えられる良作です。2023年アカデミーノミネート頷けます。
あと、アイルランド映画なのでアイルランド語なんだ〜と思いながら聞いてましたが、映画の雰囲気にあまりにもマッチしてたので、この言語にも共感してしまいました、。

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アベちゃん

4.0静かな少女

2024年6月7日
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親に褒められるのがなんとなく照れくさくて嫌だった──というのがある。「おまえはできる子なんだから」と言われても、だいたい「そう言ってくれているんだな」ということが解るし、そもそもじぶんはできる子ではなかった。
だから心の中で「いや父さん(母さん)あなたは知らないだろうがね、おれはクラスでみんなからばかにされているんだ、父さん(母さん)が想像もできないほどみじめな子なんだ」と口には出さずに回答する。

機春秋を経て50代になったが何も成しえず離婚して低所得に生きているわたしを年老いた親はまだ「できる子」だと言ってほめるのだ。いったいいつできる子なんだろうね。

だけどもし親にdegrade=価値をおとしめられながら育っていたならどうなっていただろう。子供をdegradeしてはいけないのは常識だがそれを平気でやる大人がいて結局世の中には親に毎日degradeされながら生きている子供がごまんといる。

アイルランドの田舎、80年代初頭の設定。育児放棄な親に育てられた姉妹の一人が母親の妊娠を期に酪農を営む親戚に預けられる。そこで少女ははじめて人の愛情にふれるという話。

父親は飲んだくれで口からは嫌味か難癖か苦情しかでてこない。母親は辟易し厭世しながら台所でひとりで泣いているような受動タイプ、子沢山で家は貧困に支配されている。

コットはタイトル通りの静かな少女。意思をうしなったように何もしゃべらない。姉妹の中でも学校でも浮いた存在だった。
彼女が暫定里子として行った先は初老の夫婦がふたりで暮らしている。里母は慈愛に満ちコットを優しく迎え入れる。おねしょも叱らず、毎朝髪を梳き、新しい洋服を買ってあげる。

公民権運動の時代、南部を訪れた北部の白人が集落にいる黒人に声をかけると誰もがみな徹底してへりくだり、まともな会話にならなかったという逸話が残っている。白人の奴隷としてこき使われてきた黒人が、突如、君の身分はわたしと同じになったんだと白人に言われてもそれを実感できず、気分を害する態度をとれば何をされるかわからない──と警戒するのは無理からぬことだ。

ネグレクトの親から愛情豊かな親にあずけられたコットもそれと似たような状態だった。
人から優しくされたことのないコットの生硬が次第にほぐれ、自我が解放されていく様子が綴られる。
酪農家の父親は厳しいところもあるが恩愛があり、コットの寡黙に美点を見いだしてそれを褒め、またポストの郵便物をとってくる使い走りを日課に課す。コットはだんだんそれに夢中になる。息をきらせて取ってくると里父はそれを「前回のタイムを上回った!風のように速かったぞ」と言ってほめるのだ。

初めて人心地に触れたコットはすでに実家に戻りたくはないが、やがて時がきて引き戻される。コットは送ってきたふたりを──速く走ればどうにかなるかのように──走って追いかけ、里父の胸に飛び込んで「父さん」と言う。

どうにもならなくて胸がかきむしられた。

imdb7.7、RottenTomatoes97%と93%。

RottenTomatoesのコンセンサスは「脚本家/監督Colm Bairéadの驚くべきデビュー作である『クワイエット・ガール』は、小さな物語が大きな感動を残すことができるということを、見かけによらずシンプルに思い出させてくれる」というものであり、アカデミー国際長編映画賞(旧外国語映画賞)へのノミネートをはじめ多数の賞をとった。

Colm Bairéadの来歴によるとほとんどドキュメンタリーかテレビの仕事でこれが初長編映画。
映画ではアイルランド語が使われ、wikiによると『アイルランド語映画のオープニング週末興行収入記録を塗り替え、アイルランド語映画史上最高の興行収入を記録した。』とのこと。

英題The Quiet Girl、原題(An Cailín Ciúin)はその「静かな少女」をCatherine Clinchという映画初出演の少女が演じている。
オーディションするためにアイルランド語学校でその公募をしたそうだがプロデューサーたちはリールを見た途端すぐにこの子だと判断したという。
端正だが表情を制限されたような屈託があり主題にぴったりの子だった。

邦題「コット、はじまりの夏」には齟齬がある。どちらかと言えば夏ははじまらない。「コット、はじまりの夏」と言われたらひと夏の体験のような甘酸っぱさのある話を想像するが子供の生活環境を冷徹に描いた話と言える。

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津次郎

4.5愛のお話

2024年5月19日
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鑑賞方法:映画館

現在にも通ずる、普遍的なテーマが描かれていたと思う。
コットの実の家族は、彼女を愛していないわけではなかった。だけど、子供は、それだけで健やかに成長するわけではないのだろう。
実際、実の家族による不誠実さやネグレクトは、コットの学習能力の発達を遅らせ、気力を失わせていた。
コットが預けられた先での生活は、実の家族との生活とは違っていた。彼らは、質素だけど堅実に働いていて、相手を思いやり、穏やかに生活していた。
コットは、身体を洗い、髪を丁寧にとかれ、心を労られた。お菓子をもらい、文字の読み方を教わり、足の速さをほめられた。
そんなふうに、愛は育まれるのではないかと思った。

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由由

2.0静かな映画

2024年5月10日
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鑑賞方法:VOD

正直、そこまで高評価なのがわからないのですが、多分感性の違いですかね…。

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すたすたぼうや

3.0まあまあだった

2024年5月9日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

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吉泉知彦

3.0親ガチャ物語

2024年5月8日
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鑑賞方法:映画館

「親ガチャ」最近で1番嫌な言葉
使いたくない言葉ナンバーワンなのに
分かりやすく使っちゃうあたし(嫌な人)

アイルランドの言語が英語じゃないんだね
え?と思っちゃった
最近英語が聞こえるようになってきて
映画を見る楽しみでもあったけど
…そんなことはどうでもいい

純粋に作品を味わった
子を亡くした夫婦の愛情深さをかみしめた
この家には秘密はないわ
とコットの精神が安定した頃
最大の秘密を知ってしまう
そこからの危うさが映画的に仕上がっている
あまりセリフのないコットがよく演技してて
農場や牛やルバーブの香りがした

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mamagamasako2

4.0静かで美しい物語

2024年5月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

家族の中で孤独な少女が、一夏親戚の家に預けられ、自分の居場所を見付ける物語。すごく静かな映画。
アイルランドの美しい映像がとてもいいです。最後別れのシーンはグッときます。本当は親戚に引き取ってもらえたらよかったけど、現実的にそうもいきませんよね。。切ない。
でもきっとこの経験が少女の支えになってくれると思います。
良質な読書をして癒されたような気持ちになりました。

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ナイト

3.0キャサリンクリンチ

2024年5月4日
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アイリッシュの娘は本当に日本人好みの顔で宜しい。ただこんな可愛い子どもを邪魔扱いする理由が曖昧で深みが出なかった気がします

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michi

5.0居場所

2024年5月3日
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鑑賞方法:映画館

パンフレットにあったコルム・バレード監督のインタビューに、「ミツバチのささやき」(73)に触れている部分があって、さもありなんという気がしました。直接影響を受けたり、意識していたということではないそうですが、映像の質感や叙情的な雰囲気、そして大人になる前の少女の視点で描かれているところなどに相通ずるものが感じられました。「ミツバチのささやき」や「エル・スール」(82)のように、どのシーンも絵的に美しく、説明は最小限に留め、余白を想像にゆだねるカット割りがとても印象的でした。キャスティングもよかったですね。とりわけコット役のキャサリン・クリンチは、本作が映画デビューという等身大の初々しさが唯一無二の作品を生んだように思えました。似たような物語はたくさん観たことがあると思いますが、この絶妙なバランス感覚の心地よさは、なかなか出会えない貴重なものだと思います。オープニングの「え、何なの、この話は?」と引き込まれる感じから、エンディングの胸の奥に落ちてくる深い感動まで、本当に幸せな映画時間でした。ちなみに、パンフレットの仕上がりもとてもいいもので、作品をより深く知ることができました。

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赤ヒゲ

5.0オフビートな一期一会。

2024年4月30日
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マサシ

3.5正直眠かった...

2024年4月28日
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セリフが少なく、日々が流れていくように静かに穏やかに進んでいく...そして誘われる眠気...
櫛で丁寧に髪をとかしてもらうシーン、シェーンとの実の親子のような関わり、最後の走り出すシーンと抱擁、うるっと来るシーンはあった。
大人たちの、ありのままの姿が生々しくそのまま映っていて、それは子どもの視点からみるので少ししんどい所もあった。
全然内容を見ずに映画館にみにいって、「はじまりの夏」で季節的にもちょうどいいかななんて思っていたけど、スッキリ爽やかな感じの映画ではなかったかな〜

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とも

3.0たった、数ヶ月

2024年4月28日
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その数ヶ月に、夫婦は亡き人を思い出し、
コットは優しさを知る。

あの夫婦が絶妙で、
過剰に優しいわけでもなければ、
変にコットにしつけをするわけでもない。

ただ、それぞれがそれぞれのやり方で、
その人物と接したり、過ごしたりする。
その中で、互いの暗い部分が見えたりし、
暮らしの中で静かにそれを見つめ合う。

クッキーを思い出すだけでほかほかしてくるし、
ラストシーンはずるいずるいと思いつつも、
泣いてしまった。

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JYARI

4.0疾走シーンに魅せられる

2024年4月25日
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鑑賞方法:映画館

ギャンブルにうつつを抜かし、コットに辛くあたる父親。それを見て見ぬ振りの姉たち。学校でも先生から見放され友達もいない様子。一種の諦観を感じさせるコットの暗い目。映画は序盤から彼女の孤独と、なぜ寡黙にならざるを得なかったのか、その背景を丁寧に描き出す。それが親戚夫妻に預けられ境遇が一変するわけだが、必要以上の説明はしない。髪を梳き、熱い風呂に入れ、着替えを出してあげる。そうしたちょっとした行為からコットに注ぐ愛情の深さが感じられる。
最初戸惑っていたコットのその後の行動も然り。アイリンと共に井戸へ水を汲みに行く。その途中の青々とした草原。水面に映し出される二人の姿。ヴェンダースの「PERFECT DAYS」を彷彿させる美しい木漏れ日。これらの瑞々しい自然描写が、言葉以上に彼女の心の平穏を伝えてゆく。
一方、夫のショーン。最初無愛想だった彼が、さり気なくテーブルに置いたお菓子(食事のシーンが多いが、食卓のカットやこうした小道具の使い方は小津的)をきっかけに心を通わせ始める。二人して黙々と牛小屋を掃除したり、郵便箱までダッシュさせてタイムを計ったりする様は、実の親子のようで微笑ましい。特に「何も言わなくていい。沈黙は悪くない」という言葉は印象的。この言葉によってコットは人格を肯定され、初めて自分自身の“声”が持てたのだろう。だからこそ、ラストのあのひと言が強く観客の心に突き刺さるのである。
しかしながら、その後どうなるのかは我々の想像に委ねられる。余韻あるエンディングだ。また、コットを演じたキャサリン・クリンチが良い。透明感溢れる演技で、少女の覚醒と成長を表現していた。シンプルだが静謐な感動をもたらす作品だった。

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ぺがもん

4.5どこか懐かしい記憶を呼び覚ます、愛おしい作品

2024年4月22日
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hum

4.0優しさ溢れる作品

2024年4月14日
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少女の夏休みに訪れた特別な夏休みを描いたヒューマンドラマ。木漏れ日のような美しい映像と少女を包み込むような優しさ溢れる親戚一家の空間に自然と引き込まれた。
そして注目はこの作品が初演技となる新星キャサリン・クリンチ。デビュー作とは思えない圧倒的な存在感と透明感で衝撃デビューを果たしている。

2024-62

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隣組

3.5タイトルなし(ネタバレ)

2024年4月5日
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りゃんひさ

3.0救いがない

2024年4月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

ほぼ注目していなかったが、隙間時間にぴったり入ったので観賞。

ヨーロッパ映画祭系は苦手なのでかなり不安だったが、まあまあだった。
ラストシーンでは涙も出た・・・・が、背筋を冷たいモノも走った。
あの追いかけてくる姿はターミネーターよりよほど戦慄させられる。
あのラストでは本当に救いがない。
心地よい疼痛が残るのは好きだが、これは胸が張り裂けんばかりだ。
こういうのがゲージツなのかな。
映画を観に行ってこういう気分になるのは私は御免被りたい。

ベースは嫌いじゃない。
ちょっとだけ西の魔女が死んだを想起させられた。
だが、バックグラウンドが深く掘り下げられず、もやもやした感が残った。
また、全体的に陰鬱な上に生理的に受け付けないやつも散見され、
エンターテイメントとは言えないと感じ私にはちょっと厳しかった。

こういう映画の割に(だから?)平日にもかからず観賞者多数。
最初から最後まで物音はほぼなく、
当然エンドロール終了まで席を立つ方はいなかった。
久しぶりに静謐で映画館にいること自体を楽しめた。

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みみず

4.5終わり方が凄い。

2024年3月28日
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鑑賞方法:映画館

妻に「これたぶん好きなやつ」と勧められてみた。
さすがの眼力。

少々荒れた家の自閉症ぎみ四女が、5人目が生まれるから夏休み中親戚の家に行かされ、、、あらたな家族を見つける話。エンディングもなかなか気持ち良い「振り逃げ」だった。
あの時のDadyはどっちの意味だったんだろう?そんなことを映画館の帰り道に考えて楽しかった、、たぶん監督の思う壺だ。少ないコミュニケーションでお互いに求めあい、補完し合う関係がミニマルで美しい。
まあ血が繋がってるだけで家族とはいへ別人、別人生だから。自分の足を引っ張る様になれば切り捨ててよしと私は思うのであります。

こんなシンプルな話を最高に美しいアイルランドの映像と景色、そして初めて聞くゲール語の会話でぜひ。

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masayasama

4.5美しい風景

2024年3月27日
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鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

田舎が表現されていて
田舎の人間関係も良く出ていた
最後が物足りないでも、別な創造性を産む。

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こえん

4.5The Quiet Girl - 新生キャサリン・クリンチによる静謐ながらも繊細な心の機微を描いた感動作!

2024年3月22日
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鑑賞方法:映画館

コット9歳が預けられる親戚夫婦の家。
コットの父親は典型的なクズ男、母親も出産を間近に控えているためコットの世話まで手が回らない。
で、親戚夫婦に預ける・・・と。

コットを預かる夫婦の奥様アイリンの無償の愛がグッときます。
また旦那のショーンの父親ともいえる愛情の注ぎ方に、心を鷲掴みにされました。

コットのセリフは少ないのですが、
話すと実に賢いと言いますか、知性が滲み出るんですよね。
それがユニークでもわり、ニヤっとしてしまうシーンも多々ありました。
一方で、ショーン・アイリン夫妻の細やかな気遣いが本当に心に沁みるんですよ。
そっとコットの目の前にお菓子を置いて去るショーン、
コットが傷つかぬようにと、新学期のCMをしているラジオを切るアイリン。
もういちいち感動しちゃうんですね。

ラストでコットが走るシーンも、劇中で何回も走るシーンとオーバーラップして
実に効いているなぁと思いました。

最後のセリフ「dad」は、ショーンに向けられているものと私は理解しました。
そう思うと、もうここで号泣です。
涙腺崩壊しました。

アイルランドの美しい景色、美しい画面の色味、自然音、
コットの色の白さも際立ちます。

いや〜猛烈に感動しました。
今年No.1かもしれないフェイバリット作品です。

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ひでちゃぴん
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