「今年は熱い夏になりそう」ゴーストバスターズ フローズン・サマー sumichiyoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今年は熱い夏になりそう

2024年4月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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80年代に一世風靡したゴーストバスターズの正統派続編の第二作目。第一作目のアフターライフが再始動編とするなら、本作は新ゴーストバスターズの本格活動編でした。

冒頭からゴーストバスターズらしい。このシーンだけで前作の物語が蘇りました。さらに、活動エリアがニューヨークに移ったことであの本拠地も。元祖ゴーストバスターズとも多方面で連携していて、80年代版の物語も蘇りました。

本作はゴーストバスターズを受け継いだスペングラー家の家族物語でもありました。80年代版はビル・マーレイ演じるベンクマンを筆頭にしたアメリカン・ドリームのような起業サクセスストーリーでした。超人的ヒーローでなく、幽霊退治の仕事人として街の人気者になっていく姿はDCやマーベルにない庶民的なヒーロー像がありました。対して、本作は元祖ゴーストバスターズの一員だったイゴンの孫にあたるフィービーを主軸にした家族の成長と絆の物語でした。最近、家族の絆をテーマにした映画は多く、こちらも現代のアメリカン・ドリームとなりつつあるのかなと思いました。ただ、ゴースト退治は昔も今も変わらず。

ゴーストはお馴染みの種から新種まであり、名前があるほど分類化されてました。また、オリジナルの流れを汲むように、ゴーストを科学的に分析しているシーンも。異次元論や量子力学でゴーストを定義していて、いよいよ幽霊も現実味が出てきたのかもしれません。霊的な力でなく、科学を以って幽霊を倒そうとする本シリーズは今でも画期的だと感じます。

フィービー役のマッケンナ・グレイスは見れば見るほどイゴンに似てきました。祖父と同じく、知的でクールで不思議な雰囲気は演技によるものなのか、どこか惹きつけるものがありました。元祖ゴーストバスターズのビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソン、アニー・ポッツも健在、ソフト版の声優さんも健在。市長もすごい任期の長さ。

やはり、ゴーストバスターズは色々な意味でインパクトがありました。誰もが知るテーマソング、独特なロゴ、プロトンパックのビーム照射など、それだけで期待感を持ってしまう。また、コロナ禍やハリウッドの諸問題も終息し、再び映画業界が息を吹き返そうとする中で、ゴーストバスターズやトップガンなど80年代の映画最盛期を象徴する作品がリブートされて嬉しく感じます。世代を超えても受け入れられる作品ならなおさら。映画も受け継がれていくものかもしれませんね。

久々に、今年は大人も子供も外で楽しめる夏になるといいですね。

吹替版だけなのか、J-POPのガールズバントによる日本版テーマソングも挑戦的で良かったです。

sumichiyo