弟は僕のヒーローのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
世界人権宣言
第一条
「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」
って事かなぁ。
この兄貴の気持ちは分かる。僕はね。
映画のドイツ語の授業で「グッドモーゲン」って、教師が入ってくる。「今なんて言った?」親友は煽るのか?「いきなり尋問の始まりか」すると前に座った男の子が「違うよ。挨拶しただけだ」
イタリア人もドイツ人も過去の歴史に於いて贖罪が備わっているんじゃないかなぁ。
そんな事を自分の弟を見て、この主人公は考えてのかなぁ。彼の本質は変わっていない。弟は生まれてからヒーローであり、守らなけりゃならない相手なんだよ。心配なんだよ。絶対的に自由は制限せれるんだから。他人の健常者から見ればね。
新時代のドリーム?
アリアンナ曰く「政治家は大企業に逆らえない」
世界中どこの国でも同じですね
悲しくなる現実
そして自分の頭で考えてる人は、高校生でも分かっている!
嬉しくなる現実
彼女は、学生団体を起ち上げる
その行動力に拍手!!!!
嘘をついてしまうことって、誰にでもあるよね
映画の中でも、両親は子供達にジョーのことで嘘をついたし
彼女のアリアンナも本心を言わずにブルーネが好きだと見栄を張ってたし
ジャックは嘘をつき通すために、どんどん嘘の上塗りをしてしまう負の連鎖と罪悪感
まるで自分が嘘をついているかのような感覚に陥り、感情移入してしまった
でも、1番ビックリしたのは皆の態度
確かにジャックはしてはいけない最低なことをしたんだけど
集まった町の大勢の人々の前で自白したじゃん
なぜそれを皆、受けとめて誉めてあげないの???
物凄い勇気だったと思う
ディスカウントショップ駐車場での、ジャックのセリフに熱い物がこみ上げてきた
弟が大好きで、将来のことを本気で心配してる・・・・
最後は許す両親や、ちゃんと批判する親友やバンド仲間の存在に
イタリア文化の良さを感じた
Youtubeから始まった小説化に、映画化に、新時代の到来も感じた
イタリアンドリーム?
そして何よりも感動したのは、ジョーの役をダウン症のロレンツォ・シストが演じたこと
何の予備知識もなく観た映画だったけれど、それが逆に更に感動を深くしたと思う
障がいのあるきょうだい物語の一つ
イタリア版『ワンダー』という評があるけれども、きょうだいの性格はかなり違っていて、ジャックという同じ名前の親友が障がいのある主人公を裏切って苦しむという展開に共通点があるように感じた。あるいは、『ギルバート・グレイプ』でも、障がいのある弟が可愛くて面倒を看たいけれども、自分の人生の可能性の縛りに感じる本音をぶつける場面もあったかなと思う。障がいのあるきょうだいへの心情は様々に描かれてきた。比較的障がい者への差別が少ないとみられているイタリアでも、同じような問題はあるのだな、と思った。学校では、障がいのない子どもたちと一緒に生活しているようだし、教師による評価にも配慮がみられることが窺えた。家族が心配して下校時にそっと蔭から見守っている姿は、日本のテレビドラマ『たったひとつのたからもの』とも共通していると思った。当事者を出演させているところが良かった。ただし、ダウン症者が知的障がいになる確率は100%ではなく、例外もあることは、あまり知られていないようである。
想像することが難しい「自分がいないことになっている世界」
2024.1.18 字幕 京都シネマ
2019年のイタリア&スペインの映画(102分、PG12)
ダウン症の弟を恥じて嘘をついてしまった兄を描く青春映画
原案はYouTubeにアップロードされた5分間の動画『Una Simple Entervista』
監督はステファノ・チパーニ
脚本はファビオ・ボニファッチ
原題は『Mio fratello rincorre i dinosauri』、英題は『My Brother Chases Dinosaures』で、ともに「僕の弟は恐竜に夢中」という意味
物語の舞台は、イタリア北部の小さな街
5歳になったジャック(幼少期:ルカ・モレロ、少年期:フランチェスコ・ゲギ)は、弟ジョー(幼少期:アントニオ・ウラス、少年期:ロレンツォ・シスト)が生まれるのを楽しみにしていた
ようやく生まれ、ジャックは父ダヴィデ(アレッサンドロ・ガスマン)と母カティア(イザベラ・ラゴゼーネ)から「特別な子ども」と説明される
当初はその意味がわからなかったが、思春期に差し掛かり、ジョーが普通とは違うことを認識し始める
そして、中学から高校に上がる際に、ある「嘘」をついてしまった
それは、一目惚れをしたアリアンナ(アリアンナ・ベケローニ)に「弟はいない」と言ってしまったことだった
親友のヴィット(ロベルト・ノッキ、幼少期:アンドレア・ティンパネッリ)は呆れるものの、やむを得ずに口裏を合わせることになった
物語は、活動的なアリアンナの学生運動につきあわされるうちに、取り返しのできない嘘をつく様子が描かれていく
そして、その嘘を上塗りするようにまた嘘をつき、という感じに、どんどん深みにハマっていくのである
その頃から、ジョーはヴィットに頼んでYouTube動画を上げるようになっていた
それを知ったジャックは、パスワードを入手してバズっている動画を削除し、それをネオナチのせいにしてビラまで作ってしまう
この動きに怒りを挙げた両親はネオナチの活動拠点の前でデモ活動を始めるようになり、ジャックは「これ以上は無理だ」と白旗を上げ、一連の騒動は自分のせいだと告白するのである
この行動に呆れたアリアンナはジャックの元を去り、学校中からいじめを受けるようになってしまう
だが、ジョーはそんなことはお構いなしに、いつものように接してくるのである
映画は、彼らが作り上げた5分間の動画がバズり、それによって兄が執筆したノンフィクション本が作られることになった
本作は、それを原案として制作されているので、ジャック目線の話になっている
物語は、思春期の恋愛で家族が特別だったらどう紹介するかという命題を描いていて、ジャックは隠そうとしてしまうのだが、クラスメイトたちはその対応に対してバッシングを行ってくる
同じ立場ならどうするかという想像はそこにはないのだが、とは言え「死んだことにする」というのは擁護できないものだと言える
動画に関しては、ジョーの撮りたいものを撮っているだけというもので、それがプチバズりするものの、世界的なムーブメントを起こしたのはラストで再現される「インタビュー映像」だった
そこにはジャックとジョーの姿が映されていて、仲睦まじい兄弟の関係がそこに描かれている
そしてまた、この映像が出来上がるには、ジャックの嘘も必要だったと言えるのだろう
いずれにせよ、ジャックの中で育った「弟との違い」というものが価値観に落とし込まれる様子を描いていて、それを対外的にどのように消化すれば良かったのかを考えさせる内容になっている
また、アリアンナがジャックと距離を置いているのも、「自分のことしか考えていない」からであり、それはジョーの隠し事だけではなかった
「自分が死んだことにされている」という想像をすることは難しいのだが、自分の欲望を優先することの愚かさは、このような事例を通して学んでおくべきなのかなと感じた
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