映画の朝ごはん

劇場公開日:

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映画の朝ごはん

解説

映画やドラマの撮影現場で長年にわたり愛されてきた東京都練馬区のお弁当屋さん「ポパイ」にスポットをあてたドキュメンタリー。

おにぎり2個、おかず1品とたくあんを透明パックに詰めたシンプルなおにぎり弁当で知られ、ロケ撮影で定番の朝ごはんとして多くの支持者を持つポパイ。おにぎり弁当の製造工程をはじめ、ポパイが撮影現場のお弁当受注に注力するようになった経緯、さらに大量のお弁当を日々発注する制作部メンバーの影の努力や、撮影現場でおにぎり弁当が生む笑顔などを通し、撮影の根幹を担う“ものづくり”の最前線を映し出す。

さらに、黒沢清、樋口真嗣、瀬々敬久、山下敦弘、沖田修一ら第一線で活躍する映画監督やスタッフたちがポパイについての思い出を語り、時代と共に変わっていく業界の姿や、突然のコロナ禍による撮影スタッフたちの戸惑いの日々、食べることへの並々ならぬこだわりなどを明かす。小泉今日子がナレーションを担当。

2023年製作/131分/G/日本
劇場公開日:2023年11月10日

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(C)ジャンゴフィルム

映画レビュー

4.0映画製作の舞台裏を、見たことのない視点から描き出す。

2023年11月30日
PCから投稿

映画のロケ隊にとっての定番の朝ごはんになっているという弁当屋、ポパイのおにぎり弁当と、おにぎり弁当を手配している制作進行のスタッフの日常から、映画づくりを眺めてみようという試みは、たしかに今まで見たことがなったし、映画を多角的に見せてくれる素晴らしいアプローチだと思う。 日本人は映画のエンドクレジットにリスペクトを払う滅多にない国民性だと聞くが、あの長大なクレジットの誰がどんな仕事をしているのか、映画の現場にいないとチンプンカンプンだろう。その中でも観客からは最も注目されづらいポジションである制作進行とケータリングに着目したことで、この映画しか得られない奥行きは確かに生まれている。 ラストのメタ的な演出はちょっとやり過ぎだとは感じてしまうが、これもまた映画なのだから、地味なだけで満足しないぞという姿勢は正しい。もっともエンタメになりづらいものからエンタメをひねり出した点で、非常に高レベルな「映画に関する映画だな」と思う次第です。

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村山章

ポパイ弁当を食ってみたい

2024年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「こんな映画を観たかったんだよ」と、エンドロールが終わり客電(客席のライト)が戻ってから僕は深く頷きました。映画やドラマなどのロケ・スタッフやキャスト向けに毎朝、おにぎり2個と、おかず一品、沢庵のお弁当を届けている仕出し屋「ポパイ」の一日を巡るドキュメンタリーです。  深夜24時の炊飯から仕事が始まり、多種の具を盛り込んだおにぎり作り、海苔巻き、下味を付け、から揚げ、盛り付け、パック、そして指定の場所まで早朝配達と目まぐるしい忙しさです。でも、そこで働く人々、多くはオッチャン・オバチャンは元気で陽気です。そうして生み出される弁当は多くのファンを持ち、「ポパイのおにぎりは何かが違う」と語る監督・スタッフ・俳優さんの声が次々と紹介されます。  そのお話だけでも面白いのですが、実は本作は、この「ポパイ」紹介の姿を借りて「映画制作部」の日常を見つめるお話なのです。映画を撮る映画と言えば、殆どが撮影現場での監督のお話、或いは筆が進まない脚本家のお話です。でも、映画はもっともっと多くの人の手を経て我々観客に届けられています。その中でも地味なのが、日々の撮影に必要な条件を整え毎日のお弁当からお金の管理までを取り仕切る「制作部」です。「『制作進行』は『生活進行』」と呼ばれているそうで、「雑務」と呼ばれるような仕事一切を任されています。その一つ一つを極めて具体的に、時にはお金の額もしっかり示して紹介して下さり、この具体性こそがリアリティを生みます。一日の撮影開始よりずっと早くから動き始め、撮影後の片付け・翌日の準備・弁当の発注まで働き続ける制作部の若い人は「時給換算したら588円」と語ります。国の定める最低賃金の半分程度に過ぎません。でも、映画に関わる仕事が好きだから続けられるのでしょう。しかしまた、それこそが過酷な労働条件を当たり前とする「やりがい搾取」の土壌にもなります。  一方、こうしてポパイの弁当を発注できる一般映画やドラマの業界はまだましで、予算が切り詰められているピンク映画やVシネの世界の制作部は更に厳しい条件に晒されて来ました。その証言がまた胸に迫ります。  とはいえ、やっぱり皆さん映画が好きなのです。その思いが形になり、報われます様にと願う「祈りの映画」でもありました。映画好きの方ならば必見の一作です。

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La Strada

3.5沢山の

2024年6月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

人たちによって作られているんだな、映画も、“ポパイ”も。弁当を食べる時人に戻れる、早い・安い・そこそこ、この二つの言葉が印象に残った。ドキュメンタリーだけあって、「青春ジャック」のような大げさな感じがしない、リアルなルーティン感が有る。 序盤うとうとしてしまい痛恨! 甘いキョンキョンのナレーションが耳障りでした。

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トミー

5.0映画の背景にある「縁の下の力持ち」お弁当「ポパイ」のドキュメンタリー

2024年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

幸せ

映画の朝ごはん 大阪十三にある映画館「第七芸術劇場」にて鑑賞 2024年1月6日 「映画の朝ごはん」「ポパイ弁当」ステッカーを頂きました。 見た感じはごくシンプルなのに、ある種の中毒性をもって映画スタッフや俳優たちに熱狂的に愛され続けているのが、40年近く続く老舗お弁当屋さん「ポパイ」のおにぎり弁当。数多くのケータリング業者がしのぎを削っている中で、なぜ「ポパイ」はロケ弁当の代名詞のような存在になったのか。 東京都練馬区にお店を構えるポパイは、先代社長が東映大泉撮影所に知り合いがいたことから弁当を卸すようになり、いまでは映画やテレビ番組のロケ隊に朝ごはんを届けるために、毎日深夜0時からごはんを炊いて、少数精鋭で手作りのお弁当を作っている。そして配送車に積まれた弁当の大半は、ロケ隊の集合場所である早朝5時の新宿へと運ばれていく。 縁の下の力持ちと呼ぶべき大勢のスタッフたちがいる。そして彼らを突き動かすのは、仕事へのプライド?映画への愛情?もちろんそれもあるだろう。しかし絶対に欠かせないものは食事である。 お弁当の写真横に伊藤園「ウーロン茶 缶190g」 があることがわかります。 大きな窯でこの缶を大量に茹でていた。きっとアツアツのウーロン茶。 トークショー 志子田勇監督、西尾孔志(映画監督)、磯部鉄平(映画監督) 時間が足りないトークショーでした。3名だったからかもしれません。

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大岸弦