夜のまにまにのレビュー・感想・評価
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この出会いが嬉しくなる。おかしくて優しい空気感の虜になる
本作では劇場での一幕から”出会い”が生まれる。もとより作品中に映画や映画館が出るだけで感動しがちな僕ではあるが、ここで上映中なのがフランク・キャプラ監督の『或る夜の出来事』というのがシチュエーションを絶妙に交錯させていて巧い。よく若い男女の巡り合い映画は”ボーイ・ミーツ・ガール”と呼ばれるが、本作も同じ。だがそれに輪をかけて、幾つもの”別れ”を描いた物語でもあるところが重要だ。人はどれだけの夜と別れを超え、いつしか掛け替えのない出会いと巡りあうのだろう。過去にも「夜」と「移動」を散りばめ作品を重ねてきた監督の到達点がここにあるような気がした。この監督は決して力まない。おおらかさと思わずクスッと笑ってしまう空気感を大切に、優しさ、人の繋がりを紡ぐ。そこに夜空の輝きの如く「星の王子さま」のエッセンスも効果的に沁み渡る。旅路の果ては新たな旅立ち。エンドシーンと共に豊かな余韻が胸に広がっていった。
山本奈衣瑠の良さが全て
良くあるミニシアター系の若者の恋愛映画に、大さじ二杯程度のアクセントを加えた結果、それらが雑味となり「結局何の話?」となる映画。
『SUPER HAPPY FOEVER』のヒロイン役でミニシアター好きな我々をこれでもかと魅了した山本奈衣瑠の演技が本当に素晴らしい。
演技というか、素に近いような感じがたまらない。すぐその辺に佇んでいるけど気づいたら居なくなっていそうな女性を演じさせたら間違いない。今後どんどん演技の仕事が増えていく予感。
山本奈衣瑠演じる女の子のファッションも良い。ラフでちょっとボーイッシュなんだけど、ぐるぐるに巻いたマフラーとか真っ赤なセーターが女の子らしさを与えるアクセントになっていた。
観賞後、彼女の連載エッセイを読んだが、映画の中のちょっと変な女の子の印象からあまり差がなくて良かった。
何ならちょっと好きになってしまった。
肝心の映画だが、冒頭記載の通り。
雰囲気は良くあるミニシアター系の恋愛映画同様、とても良いし登場人物も魅力的(特に主人公のお姉さん役の俳優さん)。
でも、一番重要な主人公の男の子の設定が独特でちょっと邪魔だなって思ってしまった。
監督なりのユーモアなのかもしれないが、その子独自のユーモアとして捉えて良いのか、深刻な受け止め方をしたら良いのかどっち付かずで、もう少し誘導が欲しかったな。
幼なじみの子はきっと、主人公のユーモアとも深刻な要素とも捉えられる特性を誰よりも知ってるからこそのあの距離感なのかもしれないし。
あんまり説明がないから、ただ節操のない女の子のように移ってしまっていた。
ちょいちょい良い要素がありつつも全体的に微妙だったが、奇妙礼太郎の主題歌があまりにも良すぎる。あまりにも。
この映画を何段階にも引き上げるほど良いエンドロールに観終わった後は不思議と後味が良かった。
終始、優しい関西弁で繰り広がれる会話劇って感じの作品。 本年度ベスト級。
幼馴染みで恋人の咲と別れた新平。
映画館で偶然知り合った山本奈衣留さん演じる佳純と意気投合するものの、佳純の彼氏が浮気しているか調査して欲しいと新平にお願いする展開。
調査と言っても彼氏の家を双眼鏡で見ているだけ(笑)
本作は全ての会話が自然でリアル。
特に新平と佳純の会話がとても良い!
新平の家族や元カノの会話もメッチャ引き込まれる。
関西弁ってこれ程までに優しい方言なのかと思える程、優しい会話だった。
巡回中のお巡りさんも面白いキャラ。
心に刺さるセリフも多かった。
「過去に戻れるならいつに戻りたい?」みたいなセリフが1番印象に残る。
新平を演じた加部亜門さん。
存じなかったけど素晴らしい演技だった。
題名のロゴが大好き💕
本作のタイトル。
「夜のままに」だと思ってたけど、
「夜のまにまに」でした( ´∀`)
「何とも言えない恋愛」
まにまに
佳純と咲に遊ばれている!
幼馴染みで別れた彼女、咲が頻繁に家に来る感じは何だか今後も変わらない雰囲気です。新平と佳純そこに咲が絡んで来ます。佳純役の山本奈衣璢さんホクロが魅力的だねー。冬物語も観て観ようかなー。
映画好きの淡い青春映画、、でもない
不味い料理は不味い。
長い夜の余韻
それぞれの一歩をふみだすまでを描いた物語。
お互いを慰めたり、説得するでもなく、
夜に、街中を歩く、走る、一緒に寄り添う、他愛無い会話を積み重ねる、ただそれだけで十分。
はっきり自分の意見が言えなかったり、圧が強かったり、
登場人物はみな不器用なところもあるけど、
主人公 新平のちょっとした秘密も含めて、
お互いの個性を自然に受け入れている雰囲気に幸せな気持ちになった。
出会いと別れが、劇的な化学反応ではなく、
日常生活や小さな偶然、出来事の積み重ねを通じた流れ(まにまに)として描かれている。
さらに、やや引き気味の距離感の画面構成が、まるで登場人物達を見守っているようで、
共感やじんわりした長い余韻を残すことにつながっていると感じた。
じわじわ来る良い映画
なんとも愛らしい作品
大阪の映画館で出会った男女がまた再会し、夜を彷徨いながら惹かれあっていく様子を描いている作品。
登場人物それぞれの不器用さと個性がとても愛らしく、観終わった後もじんわり余韻が続いて、噛めば噛むほど味が出るようなそんな感覚になりました。
骨まで柔らかそうな新平に最後には1本しっかり骨が通ってウルウル。
エンディング曲である奇妙礼太郎さんの「朝までのブルース」が作品と驚くほど噛み合って、早速帰り道でも聴いてまたウルウル。
購入したパンフレットを読むと、磯部監督が奇妙さんの曲が好きで歌声をイメージしながら本作の構想を考えたのだそうです。なるほど…!
またこのゆるりとした世界観に触れたくなる日が来るのだろうな~と思う素敵な映画でした。
そしてゆっくりと夜が明ける。
なんて清々しくて真っ直ぐで心地良いエンディングなのか。ずっとずっと余韻に浸っていたい気分。奇妙礼太郎さんの歌う朝までのブルースもめちゃくちゃ沁みて大好きになりました。
大阪。不思議な探偵ごっこを続けながら付かず離れずな関係を続ける新平と佳純。実は新平がそんな関係を続けるのは佳純だけではない。どこにでもいそうな青年にも当たり前に葛藤があって、悩みがある。
その秘密を知った瞬間から新平が愛しくてたまらなくなった。自分の意思で前に進めない時、背中を押してくれる誰かをきっと皆待っている。それは弱さかもしれないけど、それでいいとあの旅する王子様が笑ってくれる。
期せずして新平と佳純が出会う第七藝術劇場での鑑賞となりました。全然知らなかったので今まさに自分が座っている映画館が登場してびっくり。配役も良くて加部亜門の自然体な演技が素晴らしいです。そしてなんて言うてもお姉ちゃんがオモロイ!年の瀬にこんな素敵な映画に出会えて幸せです。
映画館でタコ焼き
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