青春18×2 君へと続く道のレビュー・感想・評価
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追憶は美しい
台湾の18歳の男子と、日本から一人旅をしてきた22歳の女性が、とある台湾の地方街のカラオケ店で出会い、一緒の時間を過ごす。18年後の現在とそのときの記憶を織り交ぜてた青春群像劇。ちょうど自分も、高校時代のあの子はいまどうしているのかと懐かしく思っている時期にあって、このストーリーをみて、すぐに観ようと思った。
中国語を母国語とする男性が、朴訥と外国語の日本語を話す姿は、純真な雰囲気をさらにピュアにする。一方で、中国語で落ち着いた響きで語られると、その語音も心地よい。映画の脚本としては、ラストが揺れ幅が大きい展開にもっていったのはわかるけれど、会っていたらどんな風だったのだろうかと想像もする。
人生一度きり、やりたいことをやりたいという強烈な意欲も感じた。そんな出会いって人生でそうあるものではないというセリフがあったけれど、その通りで、だからこそ、このような記憶がずっと美しく残るもの。人生って、いい思い出を残すために生きているようなところあるし、それはやはりどんな人と出会えたか、そのためにはどんな風にひとと接していくのか、それが大切に思えた。
思ってたのと違った(悪い意味じゃない)
青春ノスタルジー
ジミーが辿る旅は、薄曇りのように暗め、対する若かりし頃の台湾はキラキラと明るい。
旅先の出会いを経て、アミの故郷へ近づくにつれ、映像も明るくなっていく。
同年代だった頃の自分と重ね合わせ、同じような経験はないけれど、なんだか懐かしく思える。
忙殺されたジミーの心を癒すように、とても映像づくりが丁寧で観ていてほっとする。
雪山での「お元気ですかー」の『Love Letter』オマージュは少しグッときた。そういやシネスイッチ銀座で観たなぁ、懐かしい。
若い頃のジミーと現在のジミーがだいぶ違う。髪型や服装、日焼け具合で随分と印象が変わるもんだなぁ。
台湾でのジミーとアミのやりとりが直接的なものではなく、ぎこちなくて不器用で、いわゆる友達以上恋人未満のビミョーなもどかしさが、なんだか観ていてニヤついてしまう。
なんだよジミー、可愛いじゃねえか、と思っていたら『僕と幽霊が家族になった件』の警官だったとは気づかなかった。
十份の同じところから天燈を上げた事があったので、ちょっと嬉しかった。
台湾、日本の美しいロケーションと共に心にのこる作品
旅も、人生も何がおこるかわからない。
誰かの気持ちだっていつも全てがわかるわけではない。
彼らのことを観客が後になってようやく知るように。
夏の手前の空気みたいにじれったい湿り気に混ざる不安。
そのなかに一粒の期待が胸に潜むのをふとした瞬間の香りで思い出すような二人の出会い。
心配させたくないから内緒にした。
嬉しいから聞こえないふりをした。
感謝が溢れたから抱きしめた。
大好きだからこそ嘘をついた。
彼女が旅先で出会い心に触れ受け取ったものがそうだったように、遠回りした彼にようやく届くものとは。
繊細な心情を表現するシュー・グァンファンと清原果耶が、温かくまっすぐな魅力を鮮烈に迸らせ〝1回だけの人生〟に訪れた巡り合いを切なくみせる。
等身大なら揺さぶられるように今の全てを重ねて浴び、過去を眺めるならばゆっくり咀嚼するようにかみしめるだろう。
生きているならば、生きていこう。
旅をするようにこの人生を味わおう。
どこか微笑ましい若さと、目を細めてしまう眩さと、いとおしい季節の貴さが散りばめられたこの物語のあと、素直にそんな気持ちが浮かんだ。
ほぼ満点な見心地でした。
アミとジミーの出会った台湾からスタート。もうかわいくてキュンとしてしまう作りに最初から胸が打たれた。手をつなぐまでの気持ちをリアルに思い出させてくれる。ストーリー後半の回収に入るまで、ジミーの目線で綴られているからストーリーに入り込んでしまうのだが、アミを追って日本で旅をする景色にも見惚れる。台湾での記憶と日本で追記する記憶がよりリアルな今を描こうとしていて、伏線として出てくる映画ラブレターがこんなにも大きな役割を果たしていたとは、、、。
18×2の意味が深すぎて、アミが受け入れた現実をジミーが受け止めて自ら未来へ進もうとする姿にも涙が止まらないが応援する気持ちになれた。私には大満足な結果な映画だったと思う。
清原果耶ちゃん
ピュアな究極の純愛映画🎞
王道の青春映画
期待以上
人はなぜ旅に出るのか。旅愁と若き日の恋への想い。主人公が立ち直って新たに進む姿を輝かしく表現したフィルム
旅の映画である。会社を追われ悄然と故郷に戻った36歳のジミー。自分の部屋で取り出したのは昔、好きだった日本人旅行者アミが送ってきた絵葉書。福島県の只見町の雪景色である。世界を回っているはずのアミが故郷から絵葉書を送ってくることがまず奇妙なのだが。絵葉書にはアミの好きだった香水「時の流れ」(ニナ・リッチですね)の香りが残っていたのかもしれない。旅に出ることをジミーは決意する。
まず東京に来たジミー。でもまっすぐ只見を目指さない。鎌倉から松本へ、そして長岡へと大きく迂回する。ここで我々は、彼の目的は旅をすることそのものにあることを理解し、そしてもう一つ、ジミーがアミに会うことは最早叶わないのを予感する。
映画は、旅先で出会う人たちとの交流を丁寧に丁寧に描く。18年前の恋の様相がカットバックされる。「手は握らなかったのですか?」「どうしてその子と別れちゃったの?」甘く切ない記憶が蘇り、同時にジミーの傷がゆっくりゆっくり癒やされていくことがわかる。
最後にジミーは只見に到着する。そしてアミの視点によるシーンが挿入され、彼女の運命が明らかになる。でもジミーはすでにそのことは知っていた。事実を知るために日本に来ていたわけではない。日本での旅を経て、ジミーはそのことを受け入れ、彼女への思いも胸に刻んで、新たな18年(18✕3)を生きていくことを決意したのだと思う。映画は最後、ジミーが新しい事務所を借りるところで終わる。狭く汚いオフィスだが窓から正面に真っすぐ道が続いていく風景が見え、未来が彼を待っているように輝かしく映る。
一箇所、とめどもなく涙が出たところ。長岡の雪の夜のランタンのシーンである。台湾の十分の18年前のランタンのシーンが交互に現れる。ジミーとアミの願いは叶わなかった。でも人々はそれぞれの願いが天に伝わることを祈ってランタンを空に放つ。その痛切な思いが胸に迫った。
きれいに泣ける良作
過去と現在のシンクロが心地いい絶品ラブストーリー
18年の時と日台の国境を超えてシンクロする感涙必至のラブストーリーでした。とにかく主演のシュー・グァンハンと清原果耶が最高に良く、また脇を固めた日台の俳優陣もシブ過ぎで、堪えられませんでした。シュー・グァンハンは1990年10月生まれだそうで、実年齢は33歳でしたが、18歳と36歳のそれぞれの時代のジミーを完璧に演じ分けており、非常に感心させられました。ダブル主演の清原果耶の演技も抜群。心の底の絶望を薄っすらと表現しつつも、表面的にはとっても爛漫な表情を出して観客の気持ちを虜にしていく演技は、彼女にしか出来ないのではとすら思えました。
また、日台、特に日本の綺麗な風景がいくつも紹介され、こちらも素晴らしかった。ロケハンにはJR東日本が協力したそうで、公式サイトには日台それぞれの”聖地”の場所が紹介されていました。特に印象的だったのが、ランタンを空に飛ばすランタン祭り。しかも日台両国で行われているということを、本作で初めて知りました。実物を観たら本作を思って泣いちゃいそうです。
以上、感涙必至、かつ非常に美しい風景が楽しめる作品でしたが、ひとつだけ注文を付けるとすれば、余りにご都合主義的なお話だったこと。アミが台湾にバックパック旅行をし、財布を落として困っている時、たまたま見つけたカラオケ屋でバイトしたいと申し出る。確かに「KOBE」という名前のカラオケ屋ではあったけど、そこのオーナーが神戸出身の日本人だったなんてねえ。というか、就労ビザもないのにバイトして大丈夫ってツッコミもない訳じゃないしねえ。
またジミーが来日してJR東日本に乗って旅をするパートでも、松本の居酒屋に行けば台湾出身のリュウ(ジョセフ・チャン)がいるお店で、店が終わった後に市内を案内してもらった上に人生訓を聞かせてくれるし、飯山線で移動中に乗り合わせた18歳の幸次(道枝駿佑)がトンネルを抜けた瞬間に広がる雪景色を紹介してくれるし、長岡のネットカフェというか漫喫に入れば、店員(黒木華)がランタン祭りまで車で連れてってくれるし、アミの故郷の只見に行けば、通りがかった小売店の店主(松重豊)がアミの実家までまたまた車で案内してくれるし、いくら何でも偶然と親切が重なり過ぎでしょうよ。
普通ならいくら何でもやり過ぎだと白けてしまってもおかしくないところですが、何故か本作の場合はそんなご都合主義がむしろ心地よく、主演の2人にのめり込むようにして感情移入していくのだから、藤井監督の術中に嵌ったということなのでしょう。
なお、作中ジミーとアミが鑑賞した岩井俊二監督の「Love Letter」(1995年公開)を帰宅後U-NEXTで鑑賞。昔と今を言ったり来たりして物語が進む点、遠く離れた想い人に会いに旅をする点、文字通り”Love Letter”が物語の鍵となっている点など、本作は「Love Letter」のオマージュと言って良い感じでした。そして、アミが働いたカラオケ屋の店の名前が「KOBE」だったのも、「Love Letter」の主人公・渡辺博子(中山美穂)が、神戸に住んでいたところから取っているんだろうなあと想像したところです。
そんな訳で、「Love Letter」を合わせて観た相乗効果で、より一層楽しめた本作の評価は★4.5とします。
主人公達より年代的には少し上の世代だけれど
今から18年前、携帯電話は当然有ったがスマホなどまだまだで、ガラケーが主流だった時代。その存在が画面に出てくるだけでなんだかノスタルジックになってしまう、そんな人はきっと自分の他にも居るでしょう。
予告編からして諸々切ない映画なんだろうなと思っていて、見ると気持ちがしんどくなるかなと思いつつも、上映時間が予定の空き時間とピッタリ合ったので急遽鑑賞。結果大好物な作品でした。個人的には案の定、終わり方が諸手を上げてバンザイ出来るようなモノではなかったので、そこは好みが分かれると思いますが。
そしてタイトルも、結末が分かってみればちょっとその通りではないんだなと言えるかもしれませんね。
それにしてもドローンの登場は撮影に大きな変化をもたらしたと思います。昔だってヘリを使えばある程度までは撮れたと思いますけどね。
旅、してみたいなぁ。
旅の意味
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