サンクスギビング

劇場公開日:

解説

クエンティン・タランティーノ監督とロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだ2007年の映画「グラインドハウス」内に収録されたイーライ・ロス監督によるフェイク予告編「感謝祭(Thanksgiving)」を、ロス監督自らのメガホンで長編映画化。

感謝祭発祥の地とされるマサチューセッツ州プリマス。年に1度の祝祭に人々が沸き立つ中、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される事件が起こる。その後も相次いで住民たちが姿を消し、感謝祭の食卓に並ぶご馳走に模した残酷な方法で殺されていく。街中が恐怖の底に突き落とされる中、地元の高校生ジェシカたちは、ジョン・カーヴァーを名乗る謎の人物のインスタグラム投稿に自分たちがタグ付けされたことに気づく。投稿を確認すると、そこには感謝祭の豪華な食卓とともに、ジェシカたちの名札が意味深に置かれていた。

出演は「魔法にかけられて」のパトリック・デンプシー、「ヒーズ・オール・ザット」のアディソン・レイ、「ゾンビーズ」シリーズのマイロ・マンハイム。

2023年製作/106分/R18+/アメリカ
原題:Thanksgiving
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2023年12月29日

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映画レビュー

3.5イーライ・ロスらしい、真心たっぷりのおもてなし

2023年12月31日
PCから投稿

爆発的な直感力とこだわりを持つ奇才イーライ・ロスだけあって、この映画には恐怖と共に、妙に感心してしまう要素も搭載されている。例えばメインの連続殺人犯が、メイフラワー号に乗って(ジェームズ1世の迫害を逃れて)アメリカ大陸のプリマスへ上陸したピューリタンの一人、ジョン・カーヴァーのお面をかぶっているとは、なんと気の利いた設定なことか。それに白眉なのは事件の発端を描く序盤。ブラックフライデーの売り出しが待ちきれぬと店前に大挙する町の人々の姿は、人間が目的のために血眼になる時の地獄絵図を辛辣に表現しつつ、と同時に、ロメロの映画「ゾンビ」への目配せという側面も併せ持っているのだろう。このど迫力のテンションには恐れ入ったし、これと後半の感謝祭パレードの盛り上がりは、いわば合わせ鏡のような構成。全体的にスラッシャー的な部分もありつつ、怖さとどぎつさと笑いが入り混じったイーライ・ロスならではのもてなしだ。

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牛津厚信

3.5イーライ・ロスの感謝祭は出血大サービス!

2024年5月22日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

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近大

2.5R15とR18のボーダーラインとは?

2024年4月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

マ王、ホラー映画をよく見る😐
別に好き好んでというワケではないがチェックはしてしまう😶
古くは映画「グレートハンティング」を映画館で観てから(昔は観れた)ホラー映画に傾いてるトコがある🤔
ホント、昔はR指定が無かったのよ(R18はポルノ映画くらいでR15なんて無かった)
まぁ時代の流れと世情が絡み合って「けしからん映画はR指定だ」に動いた時には既にマ王は大人の階段を昇ってたので問題は無かったんだけど、それでもR指定における映倫の判定基準がデタラメな気がしてならない🙃
現状ではPG12、R15、R18の3つらしいが「コレがPG12?」「コレでR15?」「何がR18?」というのが多過ぎる!
そもそもPG12というラインを世間はどう捉えているのか知りたい🙄
だってPG12は12歳以下の方には保護者等の助言・指導が必要ですって括りなんでしょ🤨
エログロシーンにどういう助言や指導を行えと?←そういう映画を観に行く家庭もある意味根性を感じるが

さて、マ王はそんじょそこらの過激なエログロでは驚かないくらい成人指定映画を観ているので「サンクスギビング」でR18のホラーをかなり楽しみにしていました✨
まぁ結果は肩透かしだったんだけど😆
しかしコレは仕方無いと思っている😁
ある程度の過激な表現方法は何らかの規制をしなければ歯止めが効かずに好き放題の映画を垂れ流す結果になる💦
映画「セルビアン・フィルム」みたいなのを子供が観たらトラウマ必至であろう(マ王も内容にドン引きしたけどエログロ度は凄い)
映倫はビビってるんだと思う😑
何かが起こった時に世論の矛先が映画に向くのを😵‍💫

でもだったら「サンクスギビング」はずっとR18にするべきだったとマ王は感じる💨
だってオンデマンド落ちしたらR15になってるんだもん😤
マ王はR18だから映画館にまで足を運んだのよ!
R15にするならそこまで張り切って動かないよ!!
またR15とR18じゃ興行収入に大きく差が出る(観客層が限定されるから)
だから日本でも指定映画になると興行収入に響くから予めギリギリを攻めて作ったりしてる(血の色が赤じゃなければOKとか聞いたけど)
前評判ほどではなかった「サンクスギビング」は、もしかしたらノーカットヴァージョンがあるのでは?と思ってしまうくらいのライトなグロ映画だった😊
マ王は洋画に対する映倫の単なる嫌がらせじゃないかとまで思ったりしている🌀

映画館での鑑賞オススメ度★★☆☆☆
グロ映画度★★☆☆☆(マ王基準)
映倫の企み度★★★★★

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マ王

3.5アメリカの祝日

2024年4月14日
PCから投稿

感謝祭とはイギリスからアメリカに渡ってきたピルグリムと呼ばれる人たちが新しい土地での初めての収穫を神に感謝をしたことが起源です。その食べ物の栽培方法を教えてくれた先住民であるネイティブアメリカンを招き一緒に祝いました。
──とネットの拾い記事に書いてありました。謂わば、わけへだてなくみんなでごちそうを食べる日です。エイプリルの七面鳥(2003)を見るとそれがわかると思います。

映画はスーパーマーケットにおけるブラックフライデーの暴動からはじまります。
ブラックフライデーとは感謝祭後のセールのことだそうです。
感謝祭のない日本とはがんらい無縁ですがバレンタインにチョコを買うとかクリスマスにKFCを買うとかなにかと無縁な祝日に同期行動をとりやすい日本人を新たな消費行動に奔らせるために通販大手が最近日本でも使い始めました。ブラックフライデーというかっこいいひびきに釣られて日本でも定番化しつつあるようです。

ピルグリムとは訳をみると巡礼者とでてきますが日本で巡礼者というとアニメの聖地をめぐる人とお遍路さんくらいしか思い当たらず、感謝祭の説明に出てくるpilgrimの意味と合致しません。

わかりやすい説明がなかったので独自につくった説明ですがpilgrimとはシヴィライゼーションで新しい都市をつくりたいときに生産する開拓者ユニットのようなものです。開拓者ユニットは移動して都市をつくると消滅します。その入植して殉教する──という感じがpilgrimです。遠くから命がけでやってきて最初にそこに生活基盤をつくりますが過酷な環境のせいで息を引き取る──という感じがpilgrimのイメージです。

イギリスを出発したメイフラワー号の乗船客ピルグリムは東海岸のマサチューセッツ州に植民地を築きます。そこの最初の総督がジョンカーバーという人で、この映画の殺人鬼です。黒装束と、巻きにバックル装飾があるシルクハットを被り斧を持っています。ジョンカーバーは最初の冬に亡くなりますが意思を継いだ者らによって感謝祭が開かれます。

なぜ開拓者が殺人鬼たりえるかというと、先住民にとってみればピルグリムたちの入植は海賊の侵略でしかないからです。ピルグリムはその辺りに住んでいたワンパノアグ族の土地を奪い、新たな病気を持ち込み、大量虐殺行為をおこないました。先住民によって入植を助けられたにもかかわらず、です。よって感謝祭というその後恒例化した習慣もネイティブアメリカンたちをなだめて協調路線を敷くための戦略的な行事だったはずです。
ジョンカーバーは感謝祭をつうじて肯定的に受け容れられてきた総督ですが、彼の功績は死と破壊の上に築かれたと言えるわけです。あちこち検索したらそんな感じの由来がありました。

脚本家のJeff Rendellと監督のイーライロスはこれらの歴史に着目して、13金やハロウィンやスクリームに匹敵する新しい仮面の殺人鬼とホラーストーリーを創造しました。それが本作Thanksgivingです。

率直に言って常套手段をもちいたスラッシャーですがロスのやりすぎ演出が効いて残酷描写にパンチ力がありました。じっさい何度か、度を超えたゴア表現に思わず「ひええ」と悲鳴をあげてしまいました。

すでにThanksgiving2の話があるようにロスがつくりたかったのはフレディやジェイソンのように続き物で一定興行が見込める稼ぎ頭です。ジョンカーバーにはその勢いがあり、やられる側の体育会系・DQN系の“きみたちはカーバーにやられなくてもしぬでしょう”という感じの放恣もうまく描かれています。ヒロインのNell Verlaqueは見開いた目が語る人で、インフルエンサーAddison Raeの尻軽演技も上手でした。
最初の暴動のシークエンス、安売りにむらがるようになったら人間おしまいだと思わせるような刺激的な描写につかまれます。

imdb6.4、RottenTomatoes84%と79%。

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津次郎
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