劇場公開日 2001年6月30日

A.I. : 特集

2001年5月7日更新

ネットを席巻する「A.I.」怪情報
壮大な謎解きの先にあるものは?

「イーバン・チャンは殺された。ジェニーンが鍵を握っている」

編集部“キューブリックが長年温めていた企画を、スピルバーグが映画化”──確かに夢のような話である。最初は半信半疑だったこの企画だったが、映画の完成も間近に迫り、否が応にも期待は高まって来ている。だが、ちょっと待て。果たしてこれは、お互いのファンにとって本当に歓迎できる話なのだろうか?

恐らく、スピルバーグのファンにとってはそれほど危惧はないだろう。「偏屈なジイさんの考えてた企画を、我らがスピルバーグがどうやってエンターテインメントの領域に昇華させてくれるのか、わくわくしながら待っている」という感じか。あるいは、もともとキューブリックの企画であったことすら、彼らには関係ないのかも知れない。

一方、キューブリックの熱狂的なファンにとっては、事情がだいぶ違うのではないか? 「ハリウッドの権化みたいな商売人監督に、キューブリックの代わりが務まるわけがない。スピルバーグが監督するぐらいならいっそ、このままオクラになっていた方がマシだ」というぼやきのひとつも聞こえてきそうだ。

しかしこの「A.I.」は、映画界を代表する、一見相容れないような2人の偉大なフィルムメイカーの、変則的でありながら、紛れもない共作の賜物なのである。では、そのプロセスには、どんな紆余曲折があったのか。我々は年表に整理してみることにした。た。

予告編に現れる“ジェニーン・サラ”というクレジット

(C)2001 Warner Bros. & Dreamworks, LLC.この予告編の終わりには、衣装デザインのボブ・リングウッドや作曲のジョン・ウィリアムズという製作スタッフに混じって、「Sentient Machine Therapist」という奇妙な肩書きで、Jeanine Sallaという名前がクレジットされている。「知覚ある機械のセラピスト:ジェニーン・サラ」。人間ではなく、ロボットのためのセラピストという肩書きに、何か作為的なものを覚える。あるいは、「A.I.」本編の中に登場する人物なのかも知れない。

検索エンジンGoogleを使って彼女の名前を検索すると、およそ100件近い検索結果が現れる。一番上から見て行こう。バンガロア大学という学校のサイトの中にあるサラのページがある。このページによれば、サラはA.I.研究の科学者であることが分かるのだが、ページの中のシンボルマークをよく見ると、バンガロア大学は2026年に創立されたと書いてある。このページには、彼女の電話番号とEメールアドレス、サラの個人サイトへのリンクが記されている。それぞれにアクセスすると、何が起こるのか?

【1】電話をかける

留守番電話のメッセージからは、「イーバンの葬儀に関することなら、2番を押して」という声が流れる。暗証番号(ここではまだ分からない)を押して、彼女の留守電に保存されたメッセージを聞くこともできる。

【2】Eメールを送る

オートレスポンダー(自動応答システム)からすぐに返事が来るのだが、これにはいくつかの種類があることが確認できた。運が良ければ、2142年4月30日付けのレポートを読むことができる。そこに記されているのは、悪夢に悩む人間をカウンセリングする、ロボット(=A.I.)医師のエピソードだ。

【3】リンク先を見る

リンク先のサイトは、“ro”(ルーマニア)ドメインである。ここを見ていくと、ライアというA.I.の少女や、留守電のメッセージに登場したイーバン・チャン、そしてイーバンの妻ナンシー、イーバンのヨット“クラウドメイカー号”がここに現れる。何とこのヨットも感情を持っていて、イーバンを愛しているようだ。そして「In memoriam」というページを開くと、写真に映るイーバンの姿は半透明になっており、「逃げろ! 溺れるぞ」というメッセージに続いて、イーバンの水死体の写真が突然別窓に現れる。

すべては仕組まれている。何しろ、行き着くところはすべて、未来のサイトなのである。

特集2 ~「誰がイーバン・チャンを殺したのか?」

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