「難解なデジタル童話」A.I. odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
難解なデジタル童話
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原作「スーパートイズ」の著者ブライアン・オールディス、デジタル時代のピノキオを描きたかった、スタンリー・キューブリック、遺志を継いだスティーブン・スピルバーグと3人の異才が絡んでいるから個性が衝突して味がわからなくなった。
子供向けと思ったら性処理ロボットが出てくる時点で観客除外、母からの承認欲求を最優先事項にプログラミングされた人型愛玩ロボットを商品化と考えた時点で病的感が漂う、その辺は鉄腕アトムの出生事由とは異なるでしょう。感情移入しようにも演じているのは生身の子供だから実写の限界、どうか子供を虐待しないでと願ってしまう。
唐突に2000年経過、最後は宇宙人だかアンドロイドだか曖昧な、くねくねUMAがデビッドの一抹の夢を叶えて終わる。難解さを好むキューブリックらしさ、一生懸命分かりやすいエピソードを挿入して娯楽性を補おうとするスピルバーグのサービス精神が涙ぐましく思える。
原作者のオールディス、キューブリック、スピルバーグたちがデジタル・ピノキオの物語に惹かれたのは何故なのだろう、単なるA.I.への興味とも思えない、親に愛されたい、認められたいという子の欲求は人に限らず根源的なもの、長ずるにつれ自立調和へ進むのだがフロイト流でいうトラウマでもひきずっていたのだろうか・・。
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