ゴールド・ボーイのレビュー・感想・評価
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大人のトラウマを衝いてくる稀有な作品
『神戸連続児童殺傷事件』を覚えていますか?
うん?という方も酒鬼◯◯◯◯と聞けば、お分かりだと思います。
酒鬼◯◯◯◯は事件当時14歳、この事件をきっかけに少年法の刑事罰が厳格化、対象年齢が16歳以上から14歳以上に引き下げられたように記憶しています。
この事件は、我々大人にある種のトラウマをもたらしました。中学生の発想や行動力について大人たちは上手く理解できないし、彼ら中学生についての想像力が及ばないことを痛感させられたのです。
高校生になると、当の本人たちも大人っぽく振る舞うことへの憧れを持ち始めたり、大人っぽいねと褒められたりするのが意外と嬉しかったりする〝半分大人〟が増えてきます。
大人からすれば面倒くさい半面、顔の見える相手としてそれなりにコントロールできるような気がして、得体の知れない恐怖を感じることはあまりないのです。
〝所詮はこども〟と思っていたはずなのに、大人以上の知力や体力を発揮する中学生に脅威や恐怖とまではいかなくても、末恐ろしいなという感覚を味わったことは誰にでも経験があるはずです。
村上龍さんの小説『希望の国エクソダス』でも中学生が〝堕ちていく日本〟を傍観するしかない大人に代わって、希望となっていきました。
大人の既成概念に当てはまることのない人格や言動、つまり〝大人の想像力を超える〟存在のインパクトはテロやホラーに匹敵する恐怖を与えることがあり、それがこの映画の最終的な衝撃となっているのです。
冷静に振り返ると、局所的にはかなり無理のある場面も多々あるのに(墓前でのアレなどは、普通はあんなに上手く計算通りいかず、二人揃って食べてくれなかったりして失敗(「後でいただくわね」)するとか))、気にならずにグイグイ引っ張られていくのは、この先何が待っているんだろう、と気になって仕方がないほど中学生のやることなすことが、大人の深層に眠るトラウマを衝いているからだと思います。
中盤以降の展開は読めるが、羽村仁成との出会いに感謝
公開週なのでネタバレなしの感想。
中国で人気を博したサスペンスだけあって、行き着く先の分からない序盤は素晴らしい。ただ、どうせどんでんを返すんでしょと思って観ると展開が読める。最大のクライマックスがあまりに予想通りに進行し拍子抜け。
とは言え、羽村仁成という才能との遭遇は衝撃的。今後、彼がどんな役者に成長するのか愉しみで仕方ない。
先読みできる展開にちょっと肩透かし
なんというか、もっと頭脳戦が繰り広げられると思ったら予想した通りに事が進んでしまって、そんなに意外性を含んだ驚きはありませんでした。数学関係あるのかな?相手を欺く演技の騙し合いを見ている感じでした。
冒頭の突き落としシーンは分かっていても怖かった。岡田くん演じる東の悲壮感漂う顔と狂気じみた顔の二面性が素晴らしくて、とても好きです。
最後もやっぱりこうなるよね……と。お母さんの行動にグッときた。後味はよかったと思う。
口に入れるものにはご注意を
小説のタイトルが「悪童」とあるので子供たちが主役の物語だと決心し鑑賞、当初の心配は余所に演技派キャストに負けない彼らの洗練された演技が光ってました。
展開は正直先の読めるもので決して難しくありません、3人の子供が交渉を始め出会いがしら◯されたらもうこの物語はエンドですが、そうならなかったのは彼と彼が似た者同士で密かな好奇心対抗心からか?いずれそれが同属嫌悪に変わるのだが...。
いやはや岡田将生さんの表の顔から裏の顔にスイッチの入れ替シーン(例えばエレベーター内でネクタイを緩めるところセクシー)、それだけでも観る価値あります。心の奥底に悪魔を宿らせている心理的な表現が素晴らしかったです。
そして個人的にはクライマックスの黒木華さんから江口洋介さんへの大人組がとても良かったです。
ただ、劇伴が不協和音に感じたのは私だけ?
胸アツ
金子修介監督の久々の作品なのかな。
演出、特に音楽の使い方についてはちょっと古くさい印象だったが、演技や役者のアンサンブルなどはさすがの一語。
ちょっとジュブナイル味のある展開から急転直下の終盤の流れは驚いた…
中学生役の3人が(13歳とは言わないが)ちゃんと中学生に見えたのが良いし、岡田将生のサイコパスぶりも良い。特に夏月役の星乃あんなはラストの無理のある展開も納得させられる芝居だったと思う。
中国の原作を中国資本も入れて日本映画として制作するチャレンジングな企画だったのかな、と思うがそこで監督に『俺たちの』『平成ガメラの』金子修介を選んだのかな?、と思うと胸アツ…
なかなか強烈な…
悪童が金をカツアゲする話かと思ったら全然そんな話ではなく、あまりのサイコさに衝撃。騙し合いが面白いのはもちろん、朝陽の表情チェンジのなかなかな演技に引き込まれる。ヒノアメールにつぐ邦画衝撃作、かも。面白かった。
沖縄を舞台にした意味
沖縄を舞台にしていることをやはり考えてしまいました。
もちろん、あくまで娯楽作として見てもいい作品だとは思います。
しかし、犯罪自体に罪の意識を持たない人たちがいて、犯罪自体も隠蔽され続け、時には警察もそんな隠蔽に加担し、富裕層が殺される一方で、最も貧しい層もひっそりと犠牲になる。そんな物語の舞台に沖縄が選ばれている。
作中にもそうした会話が出てきてはいますね。
血が出ます!苦手な人は気をつけて!!!
人間関係が複雑
(AとBが離婚してAとCが再婚etc)なので
前半の台詞は聴き逃がせない。
後半は寝てる場合じゃないので
なんとかなる。
あらすじ
遺産を目当てに義父母を殺した昇(岡田将生)
この殺人シーンは3人組の中学生に撮影されていた。
中学生らはこの映像をもとに
昇と金銭を介した駆け引きをしようとする。
大人vs中学生…?これは心理戦?頭脳戦?
「まだ終わらないの…?もうこれで終わりでいいんじゃない?」と思うくらい
どんどん展開が進んでいく。
悪く言えば長いんだけど、
飽きない、というか
「これだけじゃ終われねえよな〜!!」みたいな。スッキリする終わり方で好き。
岡田将生の顔が好きなので
サイコパスな岡田将生もいいな〜☺
みたいに観れたので怖さは感じなかったけど、
岡田将生の顔が好きじゃなかったら
怖がってたと思う。
メイン中学生の仁成くんはすごかった!
最近の子役(?)みんな演技上手すぎる。
たぶんこういう展開なんだろうな〜とは
予測できたものの 仁成くんの表情を見て
「本当に…???」みたいな感情に何度もなった。
結末は…
海のキレイな沖縄を舞台に
サイコなstory
知的な
岡田将生さんの○○○ぶりが
最高に似合ってます
朝陽、夏月、上間三人の
掛け合いは見ものです
唯一。事件を解明出来るのは
刑事の東(江口さん)しかいない
羽村仁成の
○○○に見えないところが
怖い!何をするかわからない恐怖
…驚愕のラスト
岡田さんが主役なのに…
まさか!○されるとはスゴい内容
予想を上回る展開に驚きが…
この手のものは解明する
ものでもないけど
知能犯の思考を知るオモシロさと
相手、刑事を騙す手口
彼の切り抜ける術を知りたい
予想以上に面白い
チラシなどのデザインがイマイチ興味を惹かれずノーマークだったけど、評価が高くて公開前日に急遽鑑賞決定。
良い人がほぼ出てこないし、子供の稚拙さなんかもあるのかと想いきや、どんどん予想を超えてくる。
キャストもみんな悪人を好演。岡田将生さんは綺麗な顔立ちが余計に不気味さを感じさせるし、子供たちもアンタたち大したタマだよと思わざるを得ない。
ほぼ予備知識を入れずに観たせいか、純粋に展開を楽しめた。
はっきり見せない終わり方も好き。
じっとりと濃い空気感
個人的に悪い人を演じる岡田将生が好きで、ギリギリのところに追い詰められて、その結果の情けない醜態とか、悪い目つき、そして溢れ出る感情と滑舌の良い流れるような台詞、過去作でそういう役で放った輝きを゙見て、役者岡田将生の魅力を感じたからだ。
この作品、ポスターを゙見てあらすじだけを読み、おっ、悪い役なら見なければ。
期待を裏切らない鋭い輝きを見ました。
なかなか練られた脚本は、意外性は無いかどうかは見る人それぞれだと思うが、沖縄が舞台というところが、特有のじっとりとした湿気を感じさせ、面白いサスペンスを楽しめた。頭が良すぎるティーンエイジャーは、ちと怖いな。
レ・ザンファン・テリブル
ここ数年、作品に恵まれなかった金子修介監督の久々のスマッシュヒットで嬉しくなりました。原作は中国のドラマですが、観てはいません。読谷岬から義理の両親を突き落とした青年と、家族のトラブルを抱えている中学生三人が織りなすサスペンスで、ジュブナイル的な作品かと思ったら、むしろ金子監督の代表作の『デスノート』のような頭脳派サスペンスでした。最初は中学生達の家族や親子関係をあえて分かりにくくしながら、徐々に事実が明らかになると意外な展開につながるあたりの呼吸は、なかなかよく出来ています。真相は胸くそ悪くなるようなものですが、せっかく沖縄が舞台なんで、沖縄の美しい風景と陰惨な殺人、そして登場人物の破綻した精神のコントラストが、もう少しあってもよかったかな。役者では、まさに悪の魅力を振りまく岡田将生が圧倒的存在感です。羽村仁成はじめ子役三人の演技もすごく、映画のキャラと相まって、まさに恐るべき子供達。
岡田将生がオジサン?
火サスのようなオープニングから、その後も始終テレビドラマのようなどこか安っぽい展開のように感じたのは、ザラついた映像のせい?
それとも、沖縄という土地柄のせい?
内容的には伏線のようなものが伏線でなく、ただのエピソードだったりと、でこぼこ道を軽トラで走っているような展開でどこかスッキリはしない。
とはいえ、最初は想像していなかったラストだったし、話としては面白かった。
だが、一番印象的だったのは岡田将生がオジサン呼ばわりされていたこと。
中学生からしたら岡田将生はオジサンなんだね。
江口洋介は完全にオジサンなんだけど。
戦慄を感じたい方は必見‼︎
サイコパスとは、他人に対して愛情や思いやりを持たない、感情の一部が欠けた、精神病質者を指す言葉だそうです。
自己中心的であるが故に、他人を踏み台にして成功する人も少なくなく、医者や科学者のような知能の高い者も相当数いるそうです。
本作に登場する2人の数学の天才“安室朝陽”と“東昇”に、まさにあつらえたような言葉です。
中学生でありながら、2階微分方程式を軽々と解いてしまう朝陽の裏にある顔は、東の裏にある表面的な裏の顔を遥かに凌ぐ、深い闇に閉ざされたデーモンの棲家であり、その闇に光が差し込み、黒の砦が全容を現す時、観客は皆、戦慄し震えるでしょう。
間違いなく、2023年、2024年で観たサスペンスの中で一位の称号を与えることができる映画です。
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