シンデレラガールのレビュー・感想・評価
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不屈の意思とそれを支えた人々
「神の御業(みわざ)」とも言うべき不慮の疾病で片足を失うことになった音羽。
その残りの片足も不幸な事故で失ってしまったことは、とてもとても「不運だった」という言葉だけでは尽くしがたいものがあるのですけれども。
しかし、それでもファッション・モデルとしてランウェイを歩くことを諦めなかったことの「原点」は、病院の屋上でサプライズで開いてもらった、あの卒業式が彼女に与えたインパクトの大きさにあったのではないでしょうか。
そう思うと、胸に染みわたるような感懐を禁じ得ません。
いわゆる「説明的なセリフ」は、いっさい使わないというのが、本作の緒方貴臣監督の作風とのことで。
登場人物と一緒になって、その場の雰囲気を感得していかなければならない本作の鑑賞は、それはそれで、なかなか大変でもありますけれども。
その苦労に値する佳作だったとも、評論子は思います。
もっと時間を掛けてください
主演に特徴がない
12歳の時に右足の骨肉腫で片脚を切断し、入退院を繰り返していた音羽は、落ち込んだ入院生活の中で、メイクなど看護師さんから教えられ、楽しみを見つけていた。中学校の卒業式の時も入院してて式に参加できなかったが、クラスメイトたちが病院の屋上で卒業式を開いてくれた。その様子がSNSで話題になり、音羽にモデルのオファーが届いた。義足の女子高生モデルということで一時的に注目されたが、その後は義足を隠して活動していた。しかし、義足を個性として捉えてほしい、と言われ、もっと義足を前面に押し出していこうと思った。その後、交通事故で左脚も失ったが、そんな彼女に、ファッションショー出演のチャンスが舞い込んだ、という話。
音羽役の伊礼姫奈が特別可愛いわけでもなく、スタイル良いわけでもなく、トークが面白いわけでもなく、何の特徴も無いので魅力を感じなかった。
義足でもモデルが出来るよ、というのはわかるが、脚短くて幼児体型の伊礼姫奈を主演にした理由もわからない。
レッスンで4人並んでランウェイのレッスンを受けてた時の右から2番目の子みたいに凄いスタイル良いとかなら興味を持つが、左端の主人公は全く目に入ってこなかった。
義足なら、スポーツを頑張ってるパラリンピック選手の方が何倍も感動すると思う。
交通事故で左脚を失うエピソードは必要だったのか疑問だし。
61分と短い作品なのに長くて退屈だった。
個性
シンデレラに違和感
片脚を無くした主人公が義足のファッションモデルとして生きるなかで訪れる心境の変化を描いた人間ドラマ。
(幸いにして)両脚で歩けている私には、義足を使っている人の気持ちが分からない。
主人公 音羽さんはストレートに自分の感情を出すわけでもなく、さらに過酷な出来事に対しても、それが運命として受け入れている(ように見える)。
感情をあらわにしても、元に戻ることはないと分かっているからか、それとも。。。
私には音羽さんは決してシンデレラガールじゃないと感じたし、音羽さん自身も自分がシンデレラとは思ってないんじゃないかな。
音羽さん役の伊礼姫奈さん、観た人に深く広く考えさせられるような憂いのある演技でした。素晴らしかったです。
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