52ヘルツのクジラたちのレビュー・感想・評価
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原作の再現度がかなり高い!
杉咲花さんはじめキャストの演技が素晴らしかったです。原作が好きで映画も楽しみにしていましたが、よく2時間にまとめられたなぁと思うと同時に、映像の色合いや雰囲気がかなり解釈と一致していました。難しい問題を取り扱うからこそ、制作陣が様々な努力をしたことが伝わってきました。今後の作品も一般的な取り組みになることを祈ります。
杉咲花さんの破壊力
「市子」と同様に、とても厳しい家庭環境に育った女性を、再び、杉咲花さんが演じるとあって、大変期待を持って観に行きました。まだ続くのか~と唸りたくなるぐらい悲しい出来事の連続で、途中からは、不覚にも涙が止まらなくなってしまいました。
偶然、助けられ、そして、助けてくれた大切な人を失い、2度死に損ねた主人公を演じる、杉咲花さん。事情はともあれ、とんでもなく怖い人を演じきった「市子」の時と違って、今回は、いい人の役で良かったです。死にきれず、様々な運命に翻弄されながら、必死で生きていく今回の役ですが、場面場面で、様々な心情の違いを見事に演じ切っていました。とんでもない破壊力を持った女優さんと思います。
ストーリー的には、2度目に死に損なって、故郷に戻った主人公が、あの少年に出会っていなかったら、大切な人を失ったことへの自負の念から、毎日昼間から、ビールを飲んで、心が死んだままの生活を送ることのなっていたかも・・・とか、仕事してないって、あのクズ男から、慰謝料をふんだんに奪い取ったのかな?・・・とか、少年を引き取るのは、そりゃ大変なことだ・・・とか、ちょっと冷静に感じてしまうところもありましたが、それでも涙は止まらず、最後は、主人公が、故郷の皆さんにも溶け込んでいる姿を観て、いろいろあったけど、3度目の人生では、本当に幸せになって欲しいと願っていました。いいエンディングで良かったです。
孤独に彷徨うクジラたちが出会うとき
原作を読んだ状態で鑑賞。
小説ではキナコには同情をするが、恩人のアンさんへの後悔の念があまりないと感じてキナコ側に感情移入上手くできなくてあまり感動できなかった。
しかし本作では主人公を演じる杉咲花が見事にキナコの感情を表現してくれたおかげで、とにかく感動できた。
アンはキナコの幸せをただ祈ってたから謝る必要なんてないんだよなぁと映画を観てちゃんと理解できた。
志尊淳も穏やかな表情の中に慈しみと悲しみを見事に表現していた気がする。てか綺麗すぎ!
原作と違う箇所があって映画の方が感動しまくりで涙が止まらなかった。ただ、原作の方が終盤感動に加えて痛快感もあったから、原作も読んでほしい!
見終わったあとの余韻がすごい
この映画では、ヤングケアラーや虐待、DV、性的マイノリティーなど今問題となっている事がリアルに描かれていて場面によっては目を覆いたくなる場面もあるかもしれないが、それも含めしっかり届けようとしているのが分かる。見てよかったと思った。
役者の迫力も凄まじく、登場人物をしっかりと演じていてストーリーにより引き込まれた。
もう一度みたいな!
シンプルに非常に良い作品だった。脚本のところで、正直少しだけ??の...
シンプルに非常に良い作品だった。脚本のところで、正直少しだけ??の部分もあったが、心の中の波が何回も起こって、最後はなんだか少し明るくなれる、記憶に残る作品となった。杉崎さんは今回も熱演で良かった。
声なき声を聴くとは?
本屋大賞は、自分のなかでは、数ある文芸賞の中でもその評価の納得性が高い賞。この作品も知っていたが、重いテーマを扱っているらしいということで、読むことを避けていた。感動した小説の映画化作品を観てガッカリした経験が何度もあるので、映画を先に、と決心して観た次第(2024年映画館鑑賞8作目)。
虐待、育児放棄、介護、トランスジェンダー、DV、自傷行為・・・。現代的な重い問題の数々が2時間ちょっとの時間に盛り込まれている。しかし、それほど重苦しく感じないのは、個々の問題を深く掘り下げていないというだけではなく、こうした問題を扱うニュースに慣れてしまって感度が鈍くなっているせいなのか。もはや、私自身も(恐らく大多数の日本人も)当事者達の叫び声を「聴きとる耳」を持っていないのかもしれない。
貴瑚(杉咲花)の「声」を聴き、救った安吾(志尊淳)。ムシ(愛)(桑名桃李)の「声」を聴きたいと言った貴瑚。それぞれ傷を抱えた者どうしだから、その姿を見て、わかり合いたい、救いたいと思ったのだろうか?
傷ついた者同士しか、声なき声を聴くことはできないのか?そんなことを考えてしまった。
杉咲花の演技はさすがで、表情と眼に引き込まれ、彼女が泣くと涙腺が緩む。この難しいテーマの映画を最後まで破綻なく支えているのは、紛れもなく、彼女の演技力だと思う。
原作小説を読んでみよう。
障がいやなか
うーん思っていた以上に感情が動かず…なんだろう…
杉咲花さんは「市子」に続き、代表作になるのではという好演、熱演でした。以前はキャンキャンうるさい印象しかなかったですが、完全に主演女優の雰囲気、佇まいになりましたね(すいません上から目線で(~_~;))
説明過多のセリフ回し、男性陣の叫びのシーンがちょっと…
それにしてもこの世の中には52ヘルツのクジラの声は溢れている。その声はまだまだ届いていない。社会の仕組みが世間の関心が、意識がまだまだ届いていない。ヤングケアラー、介護、ネグレクト、虐待、シングルマザー、DV、トランスジェンダーなどなどこの作品でも描かれている社会問題はこれからもっともっと深刻化していくことがだろう。そしてまた新たな問題も…社会を一変なさせることは難しい。でも少しずつでも意識を関心を高めていくことはできるのではないだろう。そう言った意味では多くの方に観てほしいですね。
④ F-8
魂のつがいを求めて
『2021年本屋大賞』を受賞した町田そのこの原作は、発売当時に既読。これを、人間味漂う作品を得意とする成島出監督が、感情移入できる演出で見事に映画化。トランス・ジェンダー問題や育児放棄からの児童虐待などの社会問題をテーマに、生への渇望を描いたヒューマン・ドラマとして、心を揺り動かされる作品。
毒親から虐待を受けた子供達が、頻繁にメディアで取り上げられるが、仕事柄、そうした子供達を児童相談所と連携して、保護してもらったこともある。虐待に耐え忍んで生きてきた子供達は、マインドコントロールによって、自己肯定感が劣化し、人を信頼することができなくなっている。そんな境遇の中にあった主人公・貴湖と、今まさに親から見捨てられた少年・通称52との心の支え合いが、胸に痛く染み渡る。
また一方で、生まれながらのトランスジェンダーによるマイノリティーとしての苦悩や葛藤の中で、愛する人を大切にするというのは、どんなことなのかも訴えかけてくる。
本作はそうした弱者にスポットライトを当て、声なき叫びを『52ヘルツのクジラ』に擬えて、生々しく描いている。その一方で、その声を聞き届け、地獄から這い上がるために、手を差し伸べてくれる人もいるが、日常を当たり前に生きている私達には、容易に聞き届けることはできない声なのかもしれない。
母親の再婚によって、親の愛情を受けることなく虐待され続け、大人になっても義父の介護で人生を棒に振ってきた貴湖。そんな中で、貴湖に手を差し伸べ、ようやくその呪縛から逃れさせてくれた安吾。貴湖は、次第に安吾に魅かれていくが、安吾は貴湖の気持ちを受け入れようとはしない。そんな時に貴湖が務める会社の御曹司が、貴湖の前現れ、恋に落ちるのだが…。
全編、暗いムードが漂い、社会の底辺を這いずりながらの展開に、心も沈んでいくのだが、最後に僅かな光明が差し込み、次への第一歩を後押ししてくれる、町田そのこらしさが溢れた作品となっている。
いつかみんなに聞こえる声になればいいな
本屋大賞を受賞した作品が原作だけあってストーリーもしっかりしていて、また花ちゃんを始めとした演者さんの表現力も素晴らしく、とても良い作品だと思います。それが故に辛く悲しい展開に戸惑ってしまったのも又事実です。人はそれぞれ、決して自分が原因では無い事でも、育った環境や生まれ持ったもので生き方が変わってしまうもの。辛い思いでも、みんなに理解してもらえる訳でもない。いや、そんな声さえ届いていない。そこへ追い込んでしまうのも人であれば、そこから救い出そうとするのも又人。目の前の映像を見ながら切なさが込み上げました。ラストで倍賞美津子さんが出てきたあたりから、明日への希望が見えて来たので救われました。あと一つ、キコに親友美晴がいて良かったのでした。
どんなに傷つき合っても、人は人を求める
映画館告知結構やっていて興味が出たので珍しく映画見る前に原作を読みました
まずタイトルがいいなと思った
クジラも人間と同じ社会的な生物でコミュニケーションを通じて群れを形成し、協力して生活している。だから孤独は自然な状態ではない その中で異なる周波数で声を上げ続けるクジラは何を求めているのか・・・
ヤングケアラー 介護 ネグレクト LGBTなど現代の社会問題となるものを結構入れ込んできますが、その問題に対する向き合い方というのがモヤるかも・・
入れ込み過ぎと思うがストーリー上仕方ないか
全体的に原作読んでないと分かりづらいのでは?と思ってしまった
原作読んだから説明薄くてもまぁ理解できたので自分は満足しましたが…
キナコが引っ越してきた辺りの町の描写無かったし…
これは今どの時間軸の話なんだろうって少し思ったりしました
ただ最後アンさんに話しかけるシーン感動したなぁ🥹
Saucy Dogの曲凄い良かったです
主役二人が良かったなぁ
杉咲花さんは最近ずっと難しい役ばっかりなのに演じきって凄いと思います
殆ど辛い場面だけど居酒屋で笑顔になるシーンは際立って良かったです😀
志尊淳くんは中性的な感じだからのキャスティングかー?と思いましたが優しい語りがアンさんとあってたと思います
内に秘める苦しさも悲しさもいい感じで現れたと思います
宮沢氷魚くんと西野七瀬さんはイヤーな奴の役をしっかり演じてたと思います🫰
最初の方で優しい麦茶出てきていやーな予感しましたが案の定…
気になるからあんまり露骨に出してほしくないです…最後のワイワイシーンでカメラ目線のなっちゃんで感動も薄れたわ…
人と人とは永遠にわかり合えない
だが人は、人無しでは生きていけない
どんなに傷つき合っても、人は人を求める
それを苦しみと言うのなら、だれもが苦しんでる
苦しみの中で、必死にもがき続けている
子供はペットや無いんやで
想像力の欠如や無知がどれ程ひとを傷つけるか、想像力豊かな人がどれ程傷つき易いか、共感という過程を省略して善意(だと思い込んでるもの)や幸福観を押し付ける事が相手をどれ程追い詰めるか、観ていて胸が苦しくなる。
杉咲花の役へのハマり具合は凄みすら感じさせるし、発語できないという設定のお陰で子役に長台詞を当てずに済んで緊張感が途切れなかったのもいい。
不覚にも涙腺崩壊
原作は読んでないものの、出演俳優が注目の若手俳優陣だったため、急遽鑑賞。
5ヘルツのクジラの声は作中に詳しいが、孤独の中で叫び声を聴く一連のリレー。
ヤングケアラー、トランスジェンダー、児童虐待と、言葉にするのは容易いが、家族がいても孤独という共通の痛み、地の繋がらない家族のかたちを描いた作品。
出演者たちが豪華。
市子に続き難しい役どころを演じきった杉咲花や志尊淳をはじめとした朝ドラ俳優たち、限られたシーンでも、余貴美子や倍賞美津子を贅沢に配置。
一見の価値あり。
52ヘルツのクジラ同士は互いの歌が聴こえるのか…、と考えてしまう一作
同名小説を未読のまま鑑賞した観客による感想です。『市子』(2023)で素晴らしい、というかすさまじい演技を見せた杉咲花が、本作でも圧倒的な存在感を放っています。
登場人物の心情を反映したような映像が強く印象に残ります。暗く沈んだ心を表すような、青味の強い映像、あるいは夜明け前の鮮やかな空を背景に、シルエットで浮かび上がる登場人物など、一つ一つの映像が入念な計算と意図に基づいていることが画面から伝わってきます。かつてのテレンス・マリックや、最近のトレイ・エドワード・シュルツを連想するような画調ですね。
作中に明らかになる様々な事実は、それ自体物語を解き明かすうえで重要な意味を持っているため、ここで内容について具体的に触れる訳にはいかないのですが、冒頭で登場人物の一人が語っているように、「家族」そのものが苦しみの要因となっている人々の物語、ということはできると思います。
その縛りを解き放とうともがく姿、あるいは逃れようにもどうすることもできず苦しむ彼らの心を代弁するのが、「52ヘルツで歌うクジラ」です。52ヘルツの歌を歌うクジラは孤独かもしれないが、同じ波長で歌う者同士は互いの存在を分かり合えるかもしれない、そんな希望も垣間見ることができました。
結末にはある種の爽快感があるものの、上映時間の都合なのか、「苦しみの元凶となってしまった人々」の背景についてはそこまで掘り下げてなかった点が少し心残りでした。この辺りは原作小説には描写があるのかな?と、むしろ原作を読みたい気持ちが強まりました。
本作で杉咲花が演じた貴瑚の役どころが、塚本晋也監督の『ほかげ』の主人公とちょっと似てて、「あれ、『ほかげ』の主演って、杉咲花だっけ?(実際の主演は趣里)」という雑念が終始付きまとってたのが、個人的に残念なところ!
どういう気持ちで観るか
33本目。
重そう、でも切ないなと感じる始まり。
でも、重く切ないと思い観るのと、切なく重いと観るのとでは、自分の中での負担違うかなと。
い?市子?、市子もこんなんじゃと中々思い出せない記憶に年を感じるも、それはそれで、一旦リセット。
構成上、ちょっとそこはと言うのはあるし、包丁のシーンで、ちょっと気持ちが切れてしまう。
それってもう、明らかにでしょと。
でもそれ以上に、杉咲花、志尊淳の芝居に観いってしまうと言うのが、本当の所かな。
絶妙な展開と満足度の高いストーリー
ベストセラー小説を映画化したヒューマンドラマ。家庭に問題を抱えて育ってきた主人公が同じ境遇の子供と出会い絆を深めていく物語。
現在と過去の映像が交互しながら主人公の交流関係を巧みに描いていて、ストーリーが進むに連れて少しずつ主人公に共感していく満足度の高い作品。
2024-36
評価がやや分かれるが、個人的には良い作品という感想
今年86本目(合計1,178本目/今月(2024年3月度)4本目)。
(ひとつ前の作品「ポーカー・フェイス 裏切りのカード」、次の作品「ARGYLLE アーガイル」)
本作品は原作品があるので、それを無視することはできない状況です。
その前提で本作品のレビューの対象となる論点というのは、多くの方が書かれている通り「扱う範囲が広すぎて回収不足の点が否めない」「大分市が出てくる割に(大分市は後援扱い)、大分市ネタがほぼ出ない」という点であろうと思います。
特に前者に関しては、多くの方が書かれている通り、児童虐待、LGBTQほか色々な分野を扱ったのですが、それが「盛りすぎ」であり(ほかにも多数あります。2020~2024年で社会問題とされているものはほぼ入っているくらい)、理解は可能でも「この放映時間内にすべてを巻き取るのは難しいのでは…」というところです。ただ、おそらく原作小説のある部分からある部分まで(あるいは、本1冊単位)を忠実に扱ったためにこうなったと思えるフシもあり(中には映画の展開上、問題提起だけはされるが以後一切出てこない論点もある)、ここはかなり評価の取り方が難しいです。
また、映画の舞台が大分県であることは中盤でわかりますが(瀬戸内海(豊後水道)や、「とり天」などからもわかるが、ある程度の知識が必要。後述)、そこまでは、瀬戸内海がバックにあるので、広島、山口、福岡という可能性も考えられ、「~しちょる」の方言から山口方言の可能性は捨てきれないので(「凪の島」参照))、ここを正確に取れるのはある程度最初の段階では推測の知識が必要です(かつ、大分市が舞台なのに、市内や大分市が舞台であることのヒント(特急ソニックほかの描写)がないので、かなりわかりづらい)。
原作小説をそのまま忠実にしたものだと思うし、映画を鑑賞すれば「52ヘルツ~」が何を指すのかもわかりますが、「やや扱う範囲が広すぎて時間に対して回収しきれていないかな」といったところです。
採点に関しては以下の通りです。
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(減点0.3/映画で扱う範囲が広く、時間の関係で拾えていない論点もある)
・ 介護問題ほかの問題が代表的ですが、原作小説あり、重視の立場もあるので、そこはもう仕方がないのだろうと思います。この0.3もかなり「いじったもの」で、原作小説重視であろうということ、また、「極端に多すぎる」わけでもないので、この程度です(換言すれば、原作に出る限り映画で扱って描写がある以上、「そういう問題がリアル日本に存在する」ということを常に頭の中に入れておくことができる作品である、といえる)
(減点0.1/(緊急)事務管理の性質)
・ 通常の事務管理は、本人の意思がわかるか推知できる場合、それに従う必要があります(民法697条)。
(減点0.1/心裡留保と身分行為)
・ 心裡留保は身分行為に適用がありません(判例)。
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原作もの故の弱さ
2021年本屋大賞を受賞した町田そのこさんの同名小説の映画化作品。原作は2020年8月に読了済みだが、非常に大雑把なストーリーしか覚えていなかった。とてもよかったという印象だけは残っていたが……。
タイトルは「他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ」から「たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない」という意味がある。転じて、虐待の被害者や性同一性障害で苦しむ人たちの声なき声を表している。
という前提に立って映画を観れば、主人公キナコが声を出せない少年を保護する過程は理解できる。アンさんがキナコを救い出すのも同様だ。ただ、弱者が弱者を庇い合うという構図ではない。彼らを助ける人たちもたくさんいる。その意味ではクジラよりも恵まれているのかもしれない。
原作ではわからなかった(ネットで探して聴いた)「クジラの声」も、映画ではリアルタイムで聴くことができてよかった。反面、虐待されていた割に健康そうな外見に違和感を覚えたり、芝居臭い演技に辟易したりと、映像ゆえの欠点も散見した。
映画の印象が消えないうに、積読している文庫本で再読することにしよう。
もっと活かして欲しかった…
堅実なストーリー運びに、役者陣の素晴らしい演技、なのになんだこのテレビドラマみたいな凡庸な演出は。
成島出って、こんなもんだっけ…?
なんでクジラの鳴き声に音楽を被せるのか?
彼の最後のあのシーンはあまりにも型どおりじゃないか、女優二人があれ程の芝居をしているのに?
他の良いシーンも凡庸な音楽使いで台無しになっていたし…
杉咲花の圧倒的な芝居、志尊淳も彼である必然があったし、シーンは少ないながら余貴美子の情感。
もっと上手く活かして欲しかった…
杉咲花の圧倒的な存在感
母親から虐待されて育った三島貴瑚は、義父が要介護になると母から介護を押し付けられ、全く自由のない人生を歩んできた。母親から死ねと言われ、フラフラと車の前を歩き自殺を図った時、アンさんに助けられ、母親から逃げることが出来たが、ある事件のあと東京から海辺の一軒家へ引っ越してきた。彼女は、そこで母親から虐待され、声を出すことが出来なくなった少年と出会った。貴瑚は少年と接するうちに、かつて自分が虐待されていた時救い出してくれたアンさんのことを思い出した。貴瑚の過去とは、少年はどうなる、という話。
貴瑚の毒親、少年の毒親とも酷いなぁ、って観てた。貴瑚役の杉咲花は本作でも圧倒的な演技をみせていて、他の女優で代わりの出来る人が思い浮かばないほどの存在感だった。そして、貴瑚を救ってくれたアンさんがなぜ貴瑚の事が好きなはずなのに、付き合おうとしないのかが不思議だったが、ちゃんと伏線回収されて納得した。専務役の宮沢氷魚は、黒島結菜を妊娠させたのに結婚しないという、謎の行動をしてる私生活のイメージとダブり、身勝手なDV男が似合ってた。
しかし、この専務もだが、貴瑚と少年の母親たちなど、どいつもこいつも自分勝手で、すぐに弱い女や子供を殴って憂さ晴らししてるのは気分が良いものではない。あんな毒親たちが世の中には多くいるのだろうと思うと悲しくなる。
それと、貴瑚は海辺の街に引っ越してきてから働いてる様子が無く、どうやって生活してるのか不思議だった。
クジラの鳴き声聴いてみたくなった。
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