52ヘルツのクジラたちのレビュー・感想・評価
全212件中、141~160件目を表示
なるほどと腑に落ちるところとなんで?というところ
2024年劇場鑑賞51本目。
杉咲花演じる主人公の現在を少し描き、ある事実を知ってから過去の話を描き、たまに現代に戻ってくるという構成になっています。
その事実に至る経緯で、思ってもなかった理由になるほど、筋が通ったと思う反面、結果にかつてその人物が言った事と行動が一致していないことに気づいてなんで?と思うところがあり(人には言えるが自分になると実行できなかったということなのてしょうけど)、そこが映画の内容に不満というより、自分が受け止めきれなくて評価を満点に出来ない理由となりました。
後、何回か泣けそうになっても泣けなかったので、何か足りないんだろうな。
宮沢氷魚や西野七瀬はいつもと違う役柄と言う感じでしたが、小野花梨はこの人日本一ヒロインの親友役が似合う人だと思うのですが今作も安定のポジションでした。
ぜひお勧めします!
とにかく杉咲花が素晴らしい。「市子」の時も最高でしたが本作ももう憑依したかのような演技は圧巻で心を鷲掴みされてしまうほど素晴らしいです。脇を固める俳優さん達も良かったです。ストーリーとしては東京から海辺の街の一軒家に移り住んできた、いろいろ事情がありそうな貴瑚(杉咲花)と母親から虐待を受ける少年「ムシ」(桑名桃李)との出会いからもう釘付けです。海を見下ろす家や素晴らしい海辺の数々の景色が最高でした。アンさん(志尊淳)は途中、帰宅して薬を飲むシーンでクリニックの名前でいろいろ分かってしまいましたが志尊さんや宮沢さんもとても素晴らしいお芝居でした。
もはや杉咲花に見えないくらいの圧巻の演技!
『市子』でも書いたレビュータイトルに近しいものになってしまったのも、
この映画も主人公 貴瑚(きこ)を演じる杉咲花の演技が圧巻だったからです。
劇中の3年前の貴瑚はパッと見、杉咲花とわからないほど外見が違っており
単にメイクとかだけではなく、表情や話し方も現在の貴瑚ではないんですね。
志尊淳演じる安吾と出会い&小野花梨演じる美晴と再会したときに行った
居酒屋での杉咲花の演技は圧を感じるほどに迫力があり、こちらまでもらい泣きしてしまいました。
割と冒頭のこのシーンで面くらい、そのまま物語に引き込まれていきました。
52ヘルツのクジラは、他のクジラが聞き取れないほど高い周波数で泣く世界で1頭だけの孤独なクジラ
を指していますが、本作では“たち”となっており、複数の人間の生き方がまさに
52ヘルツのクジラだろうということで比喩しています。
社会問題にもフォーカスをあてながら、主人公貴瑚を軸として、様々な生きづらさが表現されていて
観ていると落ち込んでしまいそうになりますが、
やはりラストでは何かしらの光明を見出すところに、救われた気持ちになりました。
脇を固める俳優の演技も素晴らしかったです。
特に志尊淳は難しい役だったと思うのですが、心の機微の繊細な表現やセリフまわしなどに感動しました。
個人的には金子大地のキャラクターに救われる思いでした。
丁寧に描かれているので、とてもわかりやすい内容になっていますし、
何より杉咲花は、次回作が期待されるような俳優に成長していると思います。
泣きすぎてドッと疲れが出ましたが、心地よい疲れでした。
オススメの作品です。
より理解を深めるために、パンフレットを読みます。
「市子と凄い」
今年29本目。
52ヘルツのクジラとは仲間が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラの事。先月見た「市子」と今作で杉咲花さん今一番凄い。圧倒されます。「マッチング」の土屋太鳳さんとこの2人の演技が見れるって、本当に幸せな事だと思います。
髪の毛の長さは人生やり直しの証。
市子を見て、これも、と思い鑑賞。
DVを経験したキコがひょんなことからネグレクトでDVを受けた「52」と暮らし始める。
大分の現在のシーンの合間に3年前・2年前・1年前の回顧シーンが入って、これでもかってくらいの不幸を経験する。
髪の毛がだんだん短くなるのが人生リセットしたんだな、と思いながら見ていた。
大分・佐賀関の景色だけはいい
本作の作り手はいろんな不幸な境遇の表面だけを寄せ集めれば感動すると考えてるのだろうか。繊細な題材を扱うにはあまりに雑だし、そもそも志尊淳という男優を安吾役にしてる時点で間違ってると思う。パッと見がヒロユキみたいなのもウエッとなった(個人の感想です)。
開始5分の「東京で風俗〜」の会話で厳しい予感がしたのだが、やはりというか、説明セリフと意味不明なカメラワークや演出が冗長に続いた結果、上映20分で作品に対する興味を失って、あと2時間もあんのか…と絶望的な気分に…。BGMで盛り上げようとしすぎだし、暴力やら流血やら体の痣やらのシーンも無駄に多く、杉咲花の演技力がまるで生かされないのだが、話への期待がなくなった分、宮沢氷魚の学芸会みたいな演技でもリラックスして最後まで寝ずに観てしまった(笑)。
成島出監督作は昨年のファミリアもキツかったけど、本作は監督の手腕だけの問題なのだろうか。未読ながら、忠実な映画化というレビューも見受けられる町田そのこの原作本は、2021年本屋大賞受賞作とのこと。やっぱ本屋大賞はアテにならない(爆)。
最後に救いもある
原作は読んでませんが話題になっていた小説なので、映画化は楽しみにしていました。
主人公の家庭環境の酷さ、感情を殺して生きてる様が先日観た杉咲花さん主演の『市子』とかなりかぶってしまいます。あまりの不幸な生き方に途中、やるせなくなってしまう感情も全く同じ。どちらも友情には恵まれてるのも似ている。
でもラストは救いがあって良かったです。エンドロールの貴瑚と愛の海を眺める後ろ姿から、幸せな未来を予想して少し安堵してます。
それにしても愛を演じている子役君はデビュー作?すごく良い演技でした。あとやっぱり倍賞千恵子さん、最後の方に出てくるだけなのに印象が強烈なのは流石ですね!
ところで、、気になって52ヘルツにクジラを調べてみたら実在するのですね。そっちも切なかったです。泣き声のような歌、耳に残ります。
偽りの救済という形の団円
『町田そのこ』の小説は
既刊十一冊のうち七冊を読了。
自分にしては高比率も
一冊を除けばタイトルを見るだけで
「ああ、こ~ゆ~内容だったよね」と
想起が可能。
その唯一の例外が標題作。
ハードカバーで読んでいるにもかかわらず、
ほとんど記憶に残っていない体たらく。
ただ、
イマらしいイシューをよくまあこれだけ大量に詰め込んだよな、との印象と
なんでこれが「本屋大賞」なの?との疑問だけは強く残っている。
前者であればかなり手垢の付いた事象の数々だし、
後者なら〔博士の愛した数式〕のような斬新さも、
〔かがみの孤城〕のような仕掛けも無い。
とは言え原作と映像化された作品は別物。
料理の仕方によってとんでもない秀作に化けることはあり、
そこは〔八日目の蟬(2011年映画化/2008年本屋大賞の第6位)〕を世に出した
『成島出』の手腕に期待なのだが。
ある種、白紙の状態で鑑賞に臨むも
時として嘗て読んだ時の記憶がぱらぱらと甦ってしまうのは困りもの。
過去との往還はありつつも、
ストーリー自体はほぼ一本道なものだから
印象的な出来事ほどぱっと想起され
先の展開があっさりと読めてしまう
(いや、そうでなくとも、ミステリ的要素は弱めか)。
盛り込まれている問題のインパクトは強いものの、
一つ一つを見ればあまりにありがちで
新奇さはさらさらない。
とは言え、これだけの数の強烈なエピソードを盛り込み、
各パートを有機的に関連付け、
一つの物語りに纏め込む力業には驚嘆。
各種の受賞には
そうしたことが評価されたのか、と
今更ながら思わぬでもない。
映像化の「功」の力か。
主人公を進んで救う無私の人物が
タイミング良く次々と現れる展開には鼻白む。
また、不義理をされてもあっさり寛容するだけの魅力が
彼女に有るかと言えば甚だ疑問で
主体性の弱い造形にはあまり共感できぬ。
意志を強固に表わす結末の落着にしても、
子供が子供を育てるようにしか見えず、
彼女と彼の将来に幸あれとは思うものの、果たして?
との不安を強く抱かせるもの。
『三島貴瑚(杉咲花)』の声なき声を掬い上げた『岡田安吾(志尊淳)』も
実際は52Hzの声を上げており、
『貴瑚』がそれに感応できなかったのはあまりに悲しい。
結末は、単にその贖罪に見えてしまう。
搾取は愛じゃない 家族が重くなったら逃げていい テーマは重めだけれ...
搾取は愛じゃない
家族が重くなったら逃げていい
テーマは重めだけれど、映画構成が上手く伝わり易かった。場面毎すすり泣きが聞こえ私も涙したが、見終わってみると時事トピ盛なメルヘンタッチで纏めだったと感じた。リアリティが薄いの
自己犠牲で生き方を見失ったキコが生き直し同じ傷ある子供愛を救い出すギフトの循環は素敵だ。生きる意味に力が注がれており問われるが、自分に価値を与え愛を持って生きよう なのだと思う。見て良かった
毒親、毒親、クソ専務
不幸な人生を歩んできた女性が周囲の人に助けられて人生の希望を見出す話。
主人公の貴瑚と貴瑚を救いたいアンさんとの恋物語の一面も。
出てくる人物が毒親、毒親、クソ専務とクズのオンパレード。
西野七瀬も宮沢氷魚も上手いからよけいに腹が立ちます!
小野花梨さんも最近よく見ますね。ハケンアニメから活躍を期待していたのでうれしい。
貴瑚の幸せだけを願うアンさんについては早めに謎が分かるけど、気持ちを考えると辛すぎて泣けます。
市子に続いて杉咲花は不幸な女性を演じてるけど、同世代で右に出る人はいないぐらいの女優の風格。
信じてっていう奴は信じちゃダメな奴。
DVとかに耐性があるならオススメ。
52ヘルツのクジラ達
誰かて52ヘルツの呪文の三つや四つ持って生きてる。
老人過疎地に逃げても長くは支えにならない。
ホエールウォッチングなら沖縄がいいそうです。
ほな、サイナラ、サイナラ、サイナラ…
( ´∀`)
52ヘルツのクジラたち
2021年本屋大賞を受賞した町田そのこの同名ベストセラー小説を、杉咲花主演で映画化したヒューマンドラマ。
自分の人生を家族に搾取されて生きてきた女性・三島貴瑚。
ある痛みを抱えて東京から海辺の街の一軒家へ引っ越してきた彼女は、
そこで母親から「ムシ」と呼ばれて虐待される、声を発することのできない少年と出会う。
貴瑚は少年との交流を通し、かつて自分の声なきSOSに気づいて救い出してくれたアンさんとの日々を思い起こしていく。
杉咲が演じる貴瑚を救おうとするアンさんこと岡田安吾を志尊淳、
貴瑚の初めての恋人となる上司・新名主税を宮沢氷魚、
貴瑚の親友・牧岡美晴を小野花梨、
「ムシ」と呼ばれる少年を映画初出演の桑名桃李が演じる。
「八日目の蝉」「銀河鉄道の父」の成島出監督がメガホンをとり、「四月は君の嘘」「ロストケア」の龍居由佳里が脚本を担当。
タイトルの「52ヘルツのクジラ」とは、他のクジラが聞き取れないほど高い周波数で鳴く、世界で1頭だけの孤独なクジラのこと。
あらすじ知らずがおすすめ、感動
いい映画だった。
たぶん、あらすじや原作知ってても十分楽しめると思いますが、あらすじを知らない方楽しめると思います。
私は予告は見ていたので、虐待と介護というキーワードだけを知っていましたが、もっともっと奥が深い切ないストーリーでした。
予告を作った方にも感謝。
杉咲花と志尊淳のおふたりはさすがの一言。こんな優しい気持ちで幸せな気持ちになる映画も珍しい。
また、宮沢氷魚と西野七瀬も良かった。最近は悪役?も多いけど、恐らくこの4人は入れ替わっても映画として成り立ちそう。良かったです。
ネタバレしたくないので、ストーリーには触れませんが、前半、というか冒頭から、切なくて涙。キャラが分かっていないのに、単純に感動してしまった。
あと、無音部分も良い。
あの映画館での無音で 「シーン」と聞こえるような環境で観ると良いと思います。
映画好き以外の友人にも勧めたい映画でした。
他者を愛することは自己愛につながる
自己愛を持てない人がいる。
他者を愛することは自己愛につながるのではということを感じさせてくれる作品だった。
回想シーンへの繋がりが唐突、ファンタジー要素への繋がりが強引だと少し感じてしまった。
原作未読だが、小説なら適切な構成でも、映画になると、映画に適切な構成があるのではないかと少し感じてしまった。
ただ役者の演技にはしっかりと心を動かされた。
私にとって、市子以来の杉咲花さんだったこともあり、彼女がただ笑うだけで、必要以上に幸せな気持ちになってしまう。
誰にも聞こえる事の無い52ヘルツで叫ぶ人達の苦悩を描いた作品。 本年度ベスト。
杉咲花さんがメインの作品と思いきや、色んな人達が悩んでいる姿を表現していた作品だった。
親の介護に疲れ命を断とうとしたキナ子。
そのキナ子を救った志尊淳さん演じるアン。
この二人を軸にしたストーリーに加え、色んな人が悩んでいる姿を表現していたけど、愛情が連鎖して行く感じが素晴らしかった。
杉咲花さん演じるキナ子が泣くシーンが多め。
場面毎の泣き方の違いで、その時の感情を表している感じに引き込まれる。
本当に素晴らしい役者さん。
西野七瀬さんも登場。
今まで見たことも無いキャラクターで迫真の演技が凄かった。
最近、話題の人となった宮沢氷魚さん。
最低なキャラクターの設定なんだけど、役にハマっていた感じ(笑)
キナ子に親身になって救おうとしたアンが優しすぎるけど、彼も心の中で52ヘルツで叫んでいた事に泣ける。
人間って、ひとりでは生きていけない事を表現していた感じの素晴らしい作品だった印象。
観賞後、磯丸水産に行きたくなったのは自分だけではないバズ( ´∀`)
軽々しく「見に行って!」とは言えない。
苦しい、悲しい、でもそれ以上に得たものは大きいです。
たとえちゃんと聴こえなくても聴こうとすること、理解できなくても寄り添おうとすること、すごく大事なことを教えてもらいました。
賛否両論はきっとある。でも何もしないで通りすぎるよりはきっとその先の景色は美しい。
全212件中、141~160件目を表示