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土井裕泰 監督による2015年製作(117分/G)日本映画、配給:東宝、劇場公開日:2015年5月1日。
坪田信貴による原作「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」は、出版された時に読んでいる。
偏差値を40上げたというが、ベースの偏差値は著者の主観的見積もりということと、彼女がお嬢様学校ではあるが名古屋の超進学高でもあるS高校に中学受験で入っていることから、奇跡の様に言ってるがこれは嘘付きと思ったのだが、この映画自体はとても良くできていて、感動させられた。
第一に、女子高生さやかを演じた有村架純の演技というか真摯な努力の表現が素晴らしかった。観ているこちらも思わず力を入れて応援したくなってしまった。有村が有名監督に重宝されてる意味が良くわかった気がした。教育に秘めた熱さを持っている塾の坪田先生を演じた伊藤淳史も、めちゃ上手いと思わされた。オアシス21に代表される栄や庄内川べりなど、名古屋ロケがされてたのも、愛知県出身者としてとても嬉しかった。
あと、受験勉強を頑張るという映像的に非常に地味な題材を、良くエンタテイメントにまで仕上げたと感心もした。脚本の橋下裕志の貢献も大か(2021「そして、バトンは渡された」の脚本も良かった)。そして、大人の誤った先入観に基づいた言葉が、子供の可能性を狭めてしまっている教育現場にNOを突きつけていたところにも拍手を送りたい。
一緒に遊んできてるさやかの友人たちが、決意を汲み慶應受験の応援に回るという展開も、
現実的にはレアな気もするが有村の必死さもあって、あってもおかしくないと思わされた。
映画オリジナルの家族再生物語としても、訴えてくるものがあった。
この映画のさやかのモデル小林さやかさんは、2021年に聖心女子大・教育研究領域博士前期課程修了し、2024年に米国コロンビア大学教育大学院修了とのこと。近著に『私はこうして勉強にハマった』。事実も含めて、教育の質の重要性に大きな感慨を覚えた。
監督土井裕泰、原作坪田信貴、脚本橋本裕志、エグゼクティブプロデューサー渡辺正一、
プロデューサー那須田淳 進藤淳一、撮影花村也寸志、美術五辻圭、照明北岡孝文、録音
加藤大和、編集穗垣順之助 山本清香、音楽瀬川英史、主題歌サンボマスター、助監督山本亮、記録鈴木一美、制作担当石井仁朗、俳優担当奥田由美、装飾折戸美由紀、衣装篠塚奈美、ヘアメイク佐藤光栄 石邑麻由、選曲藤村義孝、音響効果猪俣泰史、ラインプロデューサー鶴賀谷公彦。
出演
工藤さやか有村架純、坪田先生伊藤淳史、森玲司野村周平、大内田悠平、奥田こころ、あがた森魚、安田顕、本田美果松井愛莉、岡崎結衣阿部菜渚美、山田望叶、矢島健一、中村靖日
峯村リエ、吉田羊、田中哲司、香川真紀蔵下穂波。