【第94回アカデミー賞】「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞!日本映画の受賞は「おくりびと」以来の快挙
2022年3月28日 10:31
第94回アカデミー賞の授賞式が3月27日(現地時間)、米ハリウッドのドルビー・シアターで行われ、濱口竜介監督による「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞を獲得した。日本映画の受賞は、今回で2度目のこと。滝田洋二郎監督作「おくりびと」(第81回:当時の名称は外国語映画賞)以来、13年ぶりの快挙となった。
村上春樹氏の短編小説集「女のいない男たち」に収録された小説を、西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいからの共演で映画化。主人公は、妻を失った舞台俳優で演出家の家福悠介(西島)。喪失感と打ち明けられることのなかった秘密に苛まれてきた家福が、寡黙な専属ドライバー・みさき(三浦)と過ごすなかで、目を背けていたあることに気付かされていく。
興奮の面持ちでステージに登壇した濱口監督。オスカー像を受け取ると「ありがとうございます。アカデミーの皆さんに感謝を申し上げます。ヤヌスフィルム、サイドショウ、ワーナーメディア150とシネティックに感謝致します。『ドライブ・マイ・カー』をアメリカへと持ってくることができました」と英語で感謝を述べた。やがて、降壇をうながす音楽が流れると「ちょっと待ってください」とスピーチを継続。「西島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、パク・ユリムさん、ジン・デヨンさん、アン・フィテさん、ソニア・ユアンさん、おめでとうございます!」と日本語で伝えた後、「そして、ここに来られなかった俳優の皆さんに感謝いたします。特に赤いSAAB900を見事に運転してくれた三浦透子さんに感謝します!(日本語で)三浦(透子)さん、獲りました!」とメッセージをおくっていた。
第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本映画では初となる脚本賞のほか、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の3つの独立賞を受賞。第79回ゴールデングローブ賞では非英語映画賞を日本映画として62年ぶりに獲得し、第56回全米批評家協会賞では作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、第31回ゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワードの最優秀国際映画賞、第75回英国アカデミー賞の非英語映画賞に輝き、賞レースで圧倒的強さを見せてきた。
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内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
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文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
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