おんどりの鳴く前に

劇場公開日:2025年1月24日

おんどりの鳴く前に

解説・あらすじ

ルーマニアの辺境の村を舞台に、狭いコミュニティ内で起きた殺人事件を通して人間の醜悪さを生々しく描いたサスペンス映画。

ルーマニア北東部モルドバ地方の自然に囲まれた静かな村。野心を失い鬱屈とした日々を過ごす中年警察官イリエは、果樹園を営みながらひっそりと第2の人生を送ることを願っていた。そんなある日、平和なはずのこの村で、斧で頭を割られた惨殺死体が発見される。捜査を任されたイリエは、美しい村に潜んだ闇を次々と目の当たりにしていき、やがて驚くべき結末にたどりつく。

ルーマニアの若手監督パウル・ネゴエスクが、欲望と正義の狭間で揺れる主人公の葛藤を、社会風刺を交えながら巧みに表現。ルーマニアのアカデミー賞にあたるGOPO賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など6冠に輝いた。

2022年製作/106分/PG12/ルーマニア・ブルガリア合作
原題または英題:Oameni de treaba
配給:カルチュアルライフ
劇場公開日:2025年1月24日

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(C)2022 Papillon Film / Tangaj Production / Screening Emotions / Avanpost Production

映画レビュー

3.0 のどかな風景の中の腐ったコミュニティ

2025年1月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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共感した! 18件)
ニコ

4.0 腐敗と人間の醜さを感じ

2025年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ルーマニアの辺境の村で起きた殺人事件を描いたサスペンス映画。
普段はのどかで何も起こらない狭いコミュニティで起きた殺人事件。
捜査する中年警察官は村長の意向もありことなかれ主義的な行動。
新人警察官が本気で捜査しようとするのを止める始末。
この中年警察官はこの村で生活していくうえで村長には逆らえない。
腐敗と人間の醜さをだんだんと感じていき板挟みになっていく。
物語は割と静かに淡々と進んでいくが
この中年警察官の心情の揺れが凄く気になっていく。
ラストは今までの進み方が嘘のように
怒涛のシーンが続き最後はツラい気持ちで終わってしまった。

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tom

4.0 覚醒した腐敗警官

2025年12月13日
Androidアプリから投稿

本作の舞台となったルーマニアがEUに加盟してからというもの、それはそれはひどい汚職が蔓延し、官僚の腐敗たるやウクライナのそれにまさるとも劣らないレベルに達しているという。カンヌのパルムドーラーであるルーマニア人映画監督クリスティアン・ムンジュウが証言しているので、ほぼ間違いないだろう。おそらく自由主義になっても共産主義時代の支配システムをそのまま移行したがために、ソ連というタガがはずれた途端、今まで押さえつけられていた欲望が一気に吹き出してしまったからではないだろうか。

この映画に描かれているルーマニアは、同じ共産主義国家だったC国の現状ととてもよく似ている。GDPの3割を賄賂が占めていたというだけあって、地方政府の腐敗ぶりは目を覆わんばかり。売れもしない電気自動車や太陽光パネル、乗車客の全くいない地下鉄駅に人口よりも数倍多い住居建設。作れば作っただけ中共から補助金がもらえるというのだから、不正が蔓延らないわけがない。しかも、共産主義の最たる悪癖、“競争”という自動チェックシステムが働かない分、バブルがはじけ飛ぶまで突っ走ったつけがここに来て一度に噴出してしまったのだ。

そこへいくと、本作の舞台ルーマニア僻村の村長や神父、その取巻き連中が犯した罪なんて可愛いものだ。煙草や酒の密輸、果物の窃盗、酔っ払いの殺人、被害者の妻や新米警官への暴行…本作の主人公警官のイリエが変な気を起こさないよう、以前から欲しがっていた果樹園の権利を無償提供(つまり賄賂)し、夕食まで振る舞って抱き込もうとするのである。「世の中白黒つかないグレーなことばかり」と公言して憚らない検事も、冤罪だろうがなかろうがはなっから気にもしていない。もともと警官という職務を全うする気などサラサラなかったヘタレのイリエだったが…

しかし、単独で殺人事件の捜査をしていた新任のヴァリが何者かに襲撃され、密かに思いを寄せていた被害者の美人妻に軽蔑の眼差しを向けられた瞬間、イリエの中で何かが変わったのだ。覚醒したのである。果樹園経営で生活基盤さえしっかりすれば、一度は失敗した幸福な家庭をまた築けるかもしれない、という甘い目論見が吹き飛んでしまったのだ。人間の性根が腐っていれば、その手で作られる果実もまた腐敗していることに気づくのである。

ラスト、ダーティ・ハリーと化したイリエは一人で悪党一味と対峙する。はたして、孤立無援のイリエはクリント・イーストウッドになれたのだろうか。はたまた“水上歩行”するイエス・キリストのごとく、イリエはグローバリズムがもたらした腐敗に対して奇跡を起こすことができたのだろうか。ドロドロとしたフォークミステリーかと思いきや最後は古き善き時代の西部劇でしめくくる、意外性抜群のシフトチェンジが“そんなに悪くない”1本だ。

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かなり悪いオヤジ

1.0 見終わっても何も残らない映画

2025年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

初めの掛け合いで脱落しそうになったが、そのあとは見やすいし、わかりやすい。ただ、何のひねりもないし、見どころは最後の銃撃シーンかな。

ただ、見終わっても何も残らない映画。時間が二時間消し飛んだ感じ。

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Koji