コラム:田幸知有紗のハリウッドスター紳士録 - 第11回
2010年4月12日更新
第11回:「Best of the 貴公子」の笑顔にノックアウト
私の中でハリウッドの貴公子といえばオーランド・ブルーム。上品な顔つきに優しい口調。ちょっとワイルドな役も演じているものの、「Best of the貴公子」の座は揺るぎません。
「ロード・オブ・ザ・リング」(01)を見ていてレゴラス役として登場したとき、まだ高校生だった私は“何て美しい男性がいるのだろう!”と感動し、名前も知らないその俳優に恋をしました。
それから間もなく「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」(03)が公開され、ウィル・ターナー役を演じた彼は、日本でも多くのファンから“オーリー”という愛称で呼ばれるようになり、私もそう呼びながら彼を目当てに映画を繰り返し見たことを覚えています。
そして大学を卒業して間もなく映画番組を担当することになり、まさかオーリーにインタビューすることになるとは! 学生時代の私には全く想像もつきませんでした。人生、何が起こるか本当に分かりません。
取材をしたのは「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(06)と、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(07)。デッドマンズ・チェストのレッドカーペットでは、奇跡が起こりました!
オーリーは、主演のジョニー・デップとともに熱心なファンサービスを始めると、インタビュアーの集団には背を向けて遠くの方まで行ってしまいました。
それでもあきらめずに“オーリー!”と呼び続けました。すると……遠くからチラッと目が合い、なんと一目散に私のところへ飛んで来て、インタビューに答えてくれたのです。そして、すぐにファンサービスへ戻って行きました。彼の背中を見つめながら、私は感動で胸がいっぱいに。
多くのインタビュアーの中で、浴衣を着て臨んでいたのが私だけだったから目立っていたのかもしれません。オーリーは日本の文化が大好きだから目をかけてくれたのかな。
ワールド・エンドの単独インタビューでは、前回よりもグレードアップして振袖姿。会いに行くと立ち上がって出迎えてくれ、お土産の日本酒をとても喜んでくれ、着物(特に帯)を興味深く見ていました。オーリーの優しい笑顔と声に胸の高鳴りは最高潮。その夢のような数分間はあっという間に過ぎ、インタビュー後は放心状態でしばらく何も考えられませんでした。
控室に戻ってから座り込んでしまい、ディレクターに「早くインタビューの感想を撮りたいんだけど」と急かされて、やっと我に返るのでした。
その後行われたジャパンプレミアでは、がらっとイメージを変えてジャック・スパロウに変身。来日メンバーはとても喜んでくれました。
オーリーは、今年の夏からハワイで撮影が行われるパイレーツシリーズの続編には出演せず、6月からアイルランドのダブリンで「アルバート・ノブス」(原題)の撮影に入る予定だとか。「マンマ・ミーア」の主演女優アマンダ・セイフライドとジョナサン・リース=マイヤーズとの三角関係を描いたラブストーリー。演技対決がとても楽しみです!
ユニセフ親善大使に任命されるなど、世界の子どもたちのことも真剣に考え、あふれる優しさを持つ紳士。もちろん☆☆☆です。