コラム:今日もイケメン、明日もイケメン - 第10回
2020年8月20日更新
映画.com編集部で自他ともに認める“イケメン”大好き部員Mが、この週末に映画館で会えるイチオシの“イケメン”映画俳優を紹介! 今回は、ジョニー・デップをピックアップします。
【vol.5 ジョニー・デップ】
渋カッコイイの極み! 唯一無二のオーラを放つスーパースター
2020年8月20日
20代から現在に至るまで、ハリウッドの第一線で活躍し続けているジョニー・デップ! 強い輝きを放つ瞳と、エキゾチックでセクシーなルックス、そして何よりどんな役も自分色に染め上げる非凡な才能で世界中のファンを熱狂させてきました。
そんな彼が50代半ばを迎え出演を決めたのが、8月21日公開の「グッバイ、リチャード!」。余命を宣告された大学教授が残された時間を自由に生きることで、人生の愛おしさを見つける姿をデップらしさたっぷりに演じています。ハチャメチャな日々を送った末に彼が見つけた“人生の答え”とは…?
★今週公開★
「グッバイ、リチャード!」(2018)
色気マシマシ!? やさぐれジョニー・デップが愛おしくてたまらない!
ある日、突然、余命が180日だと知らされたら…。人生が終焉に近づいていると否応なしに気づかされたとき、人はどう行動するのか。「グッバイ、リチャード!」はそんな重くなりがちなテーマを、シニカルかつコミカルに描いたヒューマンドラマです。
デップが扮するのは、末期ガンに侵された英文学の教授・リチャード。何不自由ない生活を送っていた彼にとって、余命宣告はまさに青天の霹靂! 茫然自失になった彼は池に飛び込み、「Fuc〇!」を連呼します。そんな彼に追い打ちをかけるように、妻が浮気を告白。自暴自棄になったリチャードは「これからは好きにさせてもらう」と宣言し、すぐさま行動に移します。
鬱憤を晴らすかのように、ところかまわず酒、タバコ、マリファナを楽しむリチャード。もともと知的でエレガントな佇まいの彼がやさぐれモード全開とくれば、色気はだだ洩れ状態(なにせ演じているのがジョニデですから)! 社会的常識を取っ払ったリチャードは、老若男女問わずとにかくモテまくります。年齢差30歳以上の女子生徒とバーでダンスを踊っても、サマになる…!
そこでふと、「どうしてリチャードはこんなに魅力的なのに、幸せじゃないんだろう」と疑問が芽生えます。ルックスは言わずもがな、知性も品格も兼ね備えた彼がなぜ今の状況に陥ってしまったのか…。メガホンをとったウェイン・ロバーツ監督は、彼の過去を具体的に描くことはしません。観客はセリフや表情、行動から推測するだけ。そんな余白のある演出がリアルな演技と重なり、まるでデップの素顔を見ているかのような錯覚に陥ります。
数多くの出演作の中で、最も等身大のキャラクターを演じた本作。スクリーンに映るのはリチャードなのか、それともジョニー・デップなのか。ラストはきっと彼をぎゅっと抱きしめてあげたくなるはずです…!
ジャック・スパロウ役や、ティム・バートン作品で演じる個性的な役の印象が強いデップですが、今回は静かな演技が光るおすすめ作品を4本紹介。抑えめだからこそ際立つ演技力の高さと、特殊メイクなしの美しい素顔を堪能してください…!
ギルバート・グレイプ(1993)
若き日のジョニー・デップとレオナルド・ディカプリオの名演技が胸を打つ傑作ドラマ。大黒柱として家族を養い、知的障害を抱える弟の世話に明け暮れる主人公・ギルバートをデップは憂いを帯びた瞳で繊細に表現。弟役を演じたレオとともに、高い評価を得ました。デップはその整いすぎた顔立ちゆえに(?)、田舎の青年らしさを出そうと前歯を抜き、差し歯ですきっ歯にしたというエピソードも! 家族のためにすべてを諦めていたギルバートが、自由に旅をして暮らすベッキー(ジュリエット・ルイス)と出会い、自分の人生を見つめなおしていくさまは何度見ても心を揺さぶられます。史上最高に愛くるしいレオも必見!
ショコラ(2000)
「ギルバート・グレイプ」のラッセ・ハルストレム監督と再びタッグを組んだファンタジー・ストーリー。デップはジプシーの青年役で出演しています。長い髪をひとつにまとめ、ギターを弾く姿は惚れ惚れするほどカッコイイ! 中盤からの登場とあって出演時間は多くないものの、劇中で登場するおいしそうなチョコレートさながら甘い魅力で目を釘づけにします。それにしても、ただチョコレートを食べているだけなのに、どうしてそんなにセクシーなのか! 主人公を演じたジュリエット・ビノシュとのキスシーン以上に、手についたチョコを舐める仕草にドキドキします…。
ネバーランド(2004)
実在の劇作家ジェームズ・M・バリに扮し、「ピーター・パン」の物語が誕生するまでを描いた感動作。英国紳士姿もステキですが、大人になってからも少年の心を持ち続けるバリ役は、デップにぴったり! 4人の子どもを持つ未亡人との出会いをきっかけに、バリは持ち前の想像力をさらに膨らませ、子どもたちにも空想することの楽しさを教えていきます。時おりファンタジックな演出が入り交じるものの、全編を通して描かれるのは厳しい現実の世界。心を閉ざしたピーター(フレディ・ハイモア)と少しずつ心を通わせていくさまは、切なくもあたたかい愛情にあふれていて目頭が熱くなります。
ツーリスト(2011)
アンジェリーナ・ジョリーとの初共演が話題を呼んだロマンチック・ミステリー。デップは、アンジー扮する謎の美女に翻弄される実直な大学教授役を好演。「グッバイ、リチャード!」で演じたリチャードとやや重なるキャラクターを演じています。謎解きやアクションシーンも見どころですが、一番の魅力は“美の競演”! セクシーでエレガントなアンジーと、落ち着いた大人の色気が漂うデップが繰り広げる恋の駆け引きは、なんともゴージャス。そして主役二人もさることながら、共演のポール・ベタニー、ティモシー・ダルトンも渋カッコイイ…! 画面に映るすべてが美しく、贅沢なひとときを堪能できる一作です。
アンバー・ハードとの離婚劇で世間を騒がせているデップですが、今年はInstagramを始めたことでも話題になりました。投稿は少ないものの、SNSを通じて大スターの飾らない姿を見られるのはうれしい限り!
今年はノトーリアス・B.I.G.殺害事件を題材にした「シティ・オブ・ライズ(原題)」の公開が予定されているほか、来年は大人気シリーズ「ファンタスティック・ビースト3(仮題)」もいよいよ公開されます。次はどんな姿でどんな演技を見せてくれるのか、期待が膨らみます…!
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