コラム:Celeb☆Graphy セレブ☆グラフィー - 第25回
2015年5月26日更新
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【vol.25】カンヌにモデルも集う理由
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Photo by Kevin Tachman/amfAR15/WireImage
黒沢清監督が「岸辺の旅」で「ある視点部門」の監督賞を受賞!という嬉しい結果で幕を閉じた第68回カンヌ国際映画祭。地中海を臨む南仏のリゾート地で開催される映画界きっての大イベントには、ハリウッドスターや世界各国を代表する映画人だけでなく、トップモデルたちも大勢訪れました。映画とは関係のない彼女たちがなぜカンヌに集まったのか、その理由に迫ります!!
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写真:ロイター/アフロ
レッドカーペットでフラッシュを浴びているのは、リヤ・ケベデ(左)&ドウツェン・クロース。グラン・テアトル・リュミエールで行われたオープニングセレモニーには、ロレアル パリのアンバサダーたちが大集合しました。何を隠そうロレアル パリはカンヌ映画祭のオフィシャルパートナー。ブランドの広告塔であり、映画祭をより華やかにしてくれる彼女たちは、どちらにとっても“おいしい”存在ですね。それにしてもゴージャス!
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Photo by Mike Marsland/WireImage
同じくアンバサダーのカーリー・クロス(股下なんと100センチ以上!)は、ショパールともコラボ。パルムドールのトロフィをハンドメイドするスイスのハイジュエラーと一緒にショートフィルムを制作して映画祭の開幕を祝福しました。オフィシャルパートナーとともに映画祭を盛り上げるファッションモデルたちは、強力な“サポーター”と言えそう。その一方で、特別招待作品「マッドマックス 怒りのデス・ロード」出演した英国モデルのロージー・ハンティントン=ホワイトレイは、同作の公式上映に現れませんでした。昨年はロレアルのアンバサダーとして「あの日の声を探して」のプレミアに来ていたのに、出演作が出品された今年は欠席なんて、ショービズ界ってほんと不思議。
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Photo by Kevin Tachman/amfAR15/WireImage
そして、カンヌ映画祭にあわせて行われるイベントの中で最もホットなのが、米国エイズ研究財団(AmFAR)をサポートする毎年恒例のチャリティイベント「シネマ・アゲインスト・エイズ」。その目玉の一つが、ファッションショーなんです。22回目となる今年は、約40人のモデルたちがランウェイで本領を発揮。イベントの共同チェアパーソンを務めるカーリー・クロスやアドリアナ・リマ、イリーナ・シェイクをはじめ、ジジ・ハディッドやケンダル・ジェンナーといった新星までずら~り。これだけの超豪華な顔ぶれが揃うだけでもおなかいっぱいになりそうなのに、チャリティオークションや人気ミュージシャンによるパフォーマンスまであるんです。絶対楽しいに決まっている“お祭り”だもの、お呼ばれしたなら参加するしかないでしょ。
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Photo by David M. Benett/Getty Images
さらに、世界中にアピールできる絶好のチャンスとあって、どのブランドもこぞってパーティを開催しています。今年女優としてもブレイクしそうなカーラ・デルビーニュ(左)は、恋人で歌手のセイント・ビンセントを連れてドゥ・グリソゴノ主催「Divine in Cannes」パーティに出席しました。ところが、元カノの女優ミシェル・ロドリゲスが到着したとわかるやいなや、そそくさと退散したそう。気まずい相手と鉢合わせする可能性があっても、モデルという商売柄パーティ通いはやめられない?
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写真提供:アマナイメージズ
それに、カンヌでブランド力をアピールしたいのはファッション業界だけではありません。3月、4月と来日続きで日本のファンたちを喜ばせてくれたミランダ・カーは、世界的なアイスクリームブランド「マグナム(MAGNUM)」の新商品「Pink&Black」の発表記者会見&パーティに出席するためにカンヌ入り。マグナムが日本で展開されていないのが残念……。このコラボからも、超リッチな人々がバケーションを満喫することで有名なリゾート地に、世界中から有名人が集まるカンヌ映画祭は、グローバルブランドにとってハズせない戦略イベントだという裏事情が見えてきますね。
イノベイティブ(革新的)な映画をお披露目するだけでなく、ラグジュアリーなカルチャーの最先端も発信することで、数ある国際映画祭のなかでもひときわ注目を浴びるカンヌ国際映画祭。そのワンランク上の高級感を演出するのに、モデルたちの存在が一役買っていることは間違いなさそうです。