インドシナ

劇場公開日:

解説

仏領インドシナを深く愛したフランス人女性が母として支配者として悲しい運命を辿っていく姿を描く一大歴史絵巻。監督・脚本は「罪深き天使たち」のレジス・ヴァルニエ、製作はエリック・ウーマンとジャン・ラバディ、共同脚本はルイ・ガルデル、エリック・オルセンナ、カトリーヌ・コーエン、撮影は「夏に抱かれて」のフランソワ・カトンネ、音楽は「ヘンリー五世(1989)」のパトリック・ドイルが担当。

1992年製作/フランス
原題または英題:Indochine
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1992年10月3日

あらすじ

1930年代仏領インドシナ。この地で生まれ、祖国を見たことがないフランス人女性エリアーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)はゴム園を切り回していた。彼女には死んだ友人の娘でアンナンの皇女であるカミーユ(リン・ダン・ファン)という養女がいた。フランス人将校ジャン・バチスト(ヴァンサン・ペレーズ)が2人の前に現れる。以前、絵画オークションで落札の権利を譲ってくれと頼み、断られたエリアーヌに恋をした彼は、激しく愛を伝えた。彼と愛し合うようになったエリアーヌに、父エミール(アンリ・マルトー)は別れを強要する。脅かされたジャン=バチストは彼女を避けるようになる。しかし、ある雨の日、彼は訪ねてきたエリアーヌを一度はつれなく帰らせかけるが、走り出した車に飛び乗り彼女を抱くのだった。そんな折り、皇帝が暗殺された。共産党が国の独立を願い決起したのだ。カミーユは町での発砲事件に巻き込まれ、倒れ込む。それを救ったのはジャン=バチストだった。彼女は彼に恋をし、館でのパーティに招く。事情を知らないカミーユの目前で、2人は口論し、ジャン・バチストはエリアーヌを叩く。この事件がもとで彼は離れ島ドラゴン島の警備に左遷され、カミーユは許婚のタン(エリック・グエン)と結婚させられる。カミーユは全てを捨て、ジャン・バスチトに会いに行く。長く苦しい旅の末、島に辿りつき奴隷として列に座らされている彼女を、ジャン・バチストは見つけ出す。仲良く立ち去ろうという瞬間、母子が、引き離されるのを拒否したことで処刑されている姿を見つける。怒ったカミーユは、フランス人の上官将校を撃ち殺してしまう。旅の一座にまぎれ逃げる2人は、一級の政治犯、共産党のジャンヌ・ダルクとして指名手配される。一方エリアーヌは、彼女を口説き続けてきた小ずるい警部ギイ(ジャン・イアンヌ)に捜査を依頼するが徒労に終わり、かえって彼女はギイの裏の卑猥な姿だけを記憶に残し彼と離れることになる。ジャン・バチストとカミーユの事件は民衆を勇気づけ、芝居として各地で上演された。一児エティエンヌをもうけ、逃亡を続けるのも束の間、ジャン・バチストはつかまり、銃殺されてしまう。カミーユは牢にとらわれる。エティエンヌは、出所したカミーユの願いで、エリアーヌとともにフランスに帰る。そして54年、ジュネーヴ会議に独立国ヴェトナムの代表として渡欧してきたカミーユに息子エティエンヌは面会しない意志を伝える。エリアーヌは愛しき地インドシナとその思いは平行線を辿り、その地に自身のアイデンティティを見出すことができなかったかわりに、インドシナの申し子エティエンヌを傍らに、遥かな思いにふけるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第65回 アカデミー賞(1993年)

受賞

外国語映画賞  

ノミネート

主演女優賞 カトリーヌ・ドヌーブ

第50回 ゴールデングローブ賞(1993年)

受賞

最優秀外国語映画賞  
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映画レビュー

4.0急展開の連続で尺が足りてない

2025年4月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

フランス人とインドシナ人、古い風習にならって生きる人と新しい価値観の人、この4つの組み合わせで起こる対立と独立の物語であり、搾取する側とされる側の対立と独立の物語でもある。
ある意味で母と娘の対立でもあり、各所に次々とわき起こる対立は数え切れないほど。何かずっと誰かと誰かが争っているような状態だ。
それらの連続が本作の醍醐味であり、娯楽性を生む。激動の時代に翻弄されるキャラクターを見ているだけでも面白い。

米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞しているが、外国語作品が受け入れられるようになった現代アメリカなら作品賞もいけるかもなという作品。
過剰なほどドラマチックで壮大、内包されている歴史的な出来事もいい。

少々古い作品ながら中々面白く観たわけだが、しかしながら、割と大きな問題点がある。
何か変化があって、状況と心情を理解する間もなく次の変化が起こる。そんな急展開の連続で、2時間半以上ある作品にもかかわらず尺が足りてないのだ。
厳密には、理解はできているけれど、自分の中で咀嚼しきれていない感じだろうか。
観ながら分かっていくけれど、10分前のカミーユの気持ちは…なんて考えることになってしまうのだ。
カトリーヌ・ドヌーヴ演じる主人公が、誰かに昔話を語っているところから物語が始まる。一体誰に、なぜ、語っているのか、それは中々興味深い謎だが、そのことに気付きはしても考える余裕がない。
5時間くらい必要な内容だったなと思うと同時に、5時間あったらあったで退屈しそうでもある。

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つとみ

4.0ベトナムの風景美、風習

2025年3月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ストーリーとは別にまずベトナムの風景がとても美しかったし、葬儀結婚式などの光景、阿片小屋?芝居小屋などの、生々しかったり禍々しかったりするのも含めて興味深かった

植民地政策はどの時代でもどの国でもあるわけだがほんとに勘違いだよね、人の土地を何勝手に支配してるんだ、その土地の資源が欲しければお願いする立場でしょ、何様ってこういうの見る度に腹立つわ

カトリーヌ・ドヌーヴとカミーユ役の女性が全くタイプの違う美しさでした

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Sheeta

4.0服従が奴隷を作るんだ

2024年8月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

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映画イノッチ

3.0インドシナがインドとシナ、中国の間の国でインドシナかと単純に考えて...

2024年8月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

怖い

知的

インドシナがインドとシナ、中国の間の国でインドシナかと単純に考えてしまいますが、フランスがそのインドシナに植民し、当映画の中でカトリーヌドヌーヴが主演ですが、ゴム農園を拓いているフランス人の親父が若いベトナム人女性にマッサージされてましたが、その親父が背毛が生えて肥満体でしたが、フランスの自動車タイヤで有名なのがミシュランですが、日本で自動車タイヤで有名なのがブリヂストンですが、ブリヂストンが第一次世界大戦でドイツが敗けたが、その敗けて俘虜になって福岡にいたそのドイツ人からその自動車タイヤのゴムの製造方法を学んだそうで、そのドイツ人が俘虜なのにその地域で一等お金をおとしたそうで、以前がテレビタレントがブランド服を着てメディア出演してはいけないでしたが、今がテレビタレントがメディア出演して、その着る服飾やヘアデザイナーやその写真撮影者やメイクアップアーティストの名も出てますが、主従関係というのがありますが、何が主で何が従かと考えますが

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