行定勲監督「ナラタージュ」での有村架純の土下座に賛辞「ブサイク。それが素晴らしい」
2017年8月27日 19:42
進行役を務めた行定監督が、12年前に島本さんが20歳の頃に書いた小説と出合い、う余曲折を経て映画化を実現させた経緯を説明。「嵐」の松本潤と有村架純の主演で映画化を発表した際には、「いろんなプロデューサーがどんな顔をしたかな。ざまあみろと思った」と本音をぶちまけた。
島本さんは、「映画化はすごくしてほしかったけれど、ベストな形がいいので無理に決めなくていいと思っていた」という。実際に完成した映画を見て、「見終わった後、放心状態だった。ひとつひとつの場面が強烈に残って、前日までに見ていた映画をすべて忘れたくらい。日本の恋愛映画でこういうものができるんだと感動した」と絶賛した。
教師の葉山役には「マッチョな人はイヤ」と条件を出していたそうで、松本に対しては「原作以上に葉山先生な感じ。王道の恋愛映画でいい意味で収まっていない。定まりきらない表情がすごくて、ずっと残っていて消えない」とぞっこんの様子。行定監督も、「目力が強いので、40%にしてとお願いした。松潤が自分を封印して、個として立ってくれたので感慨深かった」と称えた。
有村が演じた泉は、小説にも映画にも土下座するシーンがあるが、島本さんは「あれは圧倒的に(泉と交際している坂口健太郎が演じた)小野くんがかわいそうで、礼儀としてこの2人はもうダメと思った時に浮かんできた。ヒロインが土下座する小説はほかにないと思う」と胸を張った。行定監督も、「生まれてくる感情がそのまま表に出てくるから、ブサイクだった。有村も、マグマのような怒りを抑えなくてはいけないからどうしようもなくなったと言っていた。それが素晴らしい」と満足げだ。
そして、「ラブストーリーは論評としては軽視されるけれど、役者の技量を克明に表す。今までいくつも恋愛映画を撮ってきたけれど、今のところ集大成になった気がしている」と絶対の自信を見せた行定監督。ラストシーンは映画オリジナルだが、島本さんは「原作通りだとちょっと重いかなと思っていたので、バランスを考えると良かった。小説との違いがすごく出ているし、映像で見るとインパクトが強くなる」と評していた。
「ナラタージュ」は、高校の教師と教え子が数年後に再会し、障壁がありながらも互いに思いを募らせていく許されぬ恋を描く。10月7日から全国で公開される。
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