細田守監督最新作「おおかみこどもの雨と雪」世界34の国と地域で配給決定
2012年6月18日 19:37

[映画.com ニュース] 「サマーウォーズ」の細田守監督が3年ぶりにメガホンをとる最新作「おおかみこどもの雨と雪」のジャパンプレミアが6月18日、都内で行われ、細田監督をはじめ、ヒロイン役の声優を務める宮崎あおいをはじめ、“おおかみおとこ”を演じる大沢たかおらが出席した。同日、世界34の国と地域での配給決定が発表され、細田監督は「非常に身近なところから題材を得た作品。これほどの規模は想定しておらず、驚いているが、この映画が観客の皆さんにとって“良き友だち”になれば」と喜びを語った。
細田監督の原案・脚本によるオリジナルストーリーで、“おおかみおとこ”と恋に落ちた大学生のヒロイン・花が、ふたりの間に生まれた“おおかみこども”の姉弟・雨と雪を女手ひとつで育て上げるという内容。現在、韓国、台湾、フランス、スペインなどで公開が決定しており、北米やイギリスとも交渉中。6月25日(現地時間)には仏パリでワールドプレミアが行われる予定で、細田監督と宮崎が現地入りする。
「お話をいただいたときから『完成品が早く見たい』と思える作品で、関わることができてとても光栄」(宮崎)、「以前から細田監督の大ファン。アフレコは役者全員がそろって、順撮りしたので、ふだんの演技とさほど変わらず逆に新鮮だった」(大沢)。ふたりの起用について、細田監督は「長い時間をかけたヒロインの成長を表現できるのは、あおいさんしかいないと思った。大沢さんは役柄同様、大きな器の持ち主で花や子どもたちを包んでくれた」と振り返った。
プレミア開催を前に、細田監督と奥田誠治エグゼクティブプロデューサーが会見を行い「こだわったのは“風”の表現。また2時間足らずで13年間を描くので、単なるダイジェストではなく、登場人物と気持ちを寄り添いながら、子育てや成長といった作品のテーマを絞り込んで描いた」(細田監督)。
本作製作にあたり、新スタジオ「スタジオ地図」を設立し「映画作りに伴う面倒な部分も含めて、自分たちで責任を持とうという心構え。苦労もあったが、我々のチャレンジにアニメ界の皆さんからさまざまな応援をいただいた。もし次回作を作るチャンスがあれば、スタジオとして継続させていきたい」と意気込みを語った。全国350スクリーンで公開される予定で、奥田エグゼクティブプロデューサーは「今、日本人に考えてほしい問題をエンタテインメントとして、ひとりでも多くの人たちに体験してもらうのが目的。それは全世界の人たちにも通じるはず」と熱弁していた。
舞台挨拶には“おおかみこども”の雪と雨を演じる大野百花と加部亜門、自我が芽生える10代になったふたりを演じる黒木華と西井幸人が出席。映画には声優として菅原文太、染谷将太、谷村美月、麻生久美子らが出演している。
「おおかみこどもの雨と雪」は7月21日から全国で公開。
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