アナザーラウンドのレビュー・感想・評価
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アルコールで仕事の能率を上げるという無謀な実験に挑んだ教師達が辿り着く景色がグッとくるデンマーク産トラジコメディ
高校で世界史を教えているマーティンは授業がつまらなすぎると受験が迫っている生徒達と保護者がクレームを受けてボコ凹み。マーティンと同じようなモヤモヤを抱えた3人の同僚はノルウェーの哲学者スコルドゥールが提唱している「血中のアルコール濃度を0.05%に保つと想像力が向上し仕事の能率が上がる」という説を自分達で実践することに。そうするとたちまち生徒達との関係も改善しどんどん仕事が楽しくなってくるが、当然ながらその実験は次第にエスカレートしていって・・・。
冒頭でさりげなく触れられている高校生までが手軽に飲酒できるデンマークのお国柄にまずはビックリしましたが、アルコールの摂取によってどんどんハメを外していく様は万国共通のもの、その目も当てられない悲惨さは自分も星の数ほど見てきた光景ですが、この映画のすごいところはたいていの酔っぱらい映画が描いてきた結末とは全く次元の異なるものを提示していること。アンデルセン作詞の『デンマークに生まれて』がグサッと胸に突き刺さる、これには下戸の私もグッときました。
オサケ好きには感じるものが必ずある
飲酒を肯定してもいるし、否定してもいる。
もしくはどちらもしていない。
酒を飲む人間にしかわからない楽しみと、常につきまとう問題。
この2つを絶妙なバランスで描ききった、巧い1作。
酔いが覚めました。今日も飲むけど。
デンマーク愛
アカデミー賞の、授賞式でトマスビンターベア監督が話したスピーチがとても印象に残っており、公開されたら必ず観に行こうと決めていました。
公開期間にタイミングが合わなかったのですが、たまたま期間限定で上映されている映画館があったこともあり、無事スクリーンで見ることがでしました。
作品はドキュメンタリーのようなデンマークの日常を切り取った内容で、アクション系など刺激を求める方には物足りない所もあったのかなと思います。
しかし、平凡な教師を演じるマッツと、その教師仲間達の血中濃度を検証する実験は、見ているうちにどんどん惹き付けられるものがありました。
何気ない毎日の中で誰しもが抱える葛藤や悩み、その中で懸命に生きている人々。まさに人生とは、生きるとは?を考えさせられる作品でした。
リアルな日常を陰影効果を使いながら写し出している所や、登場人物の内面を表しているような音楽(ピアノ)の使い方が絶妙だと感じました。
そして、ラストのマッツのダンスにはこの作品に関わったすべての人とデンマークへの愛がとても感じられました。
母国を愛する力が一つの作品になり、明日への活力になる。当たり前だと思っていたことが制限され、新しい生活が求められる世の中だからこそ、何気ない日常へ目を向ける機会をもたらしてくれた、そんな映画だと実感しました。
ラストだけ最高だった(他はまあまあ面白い)
よく考えたらかなり笑えて、説得力のある映画だと思う。ザ・中年の危機といった感じの主人公が序盤で自己憐憫から涙を流すシーンが可笑しかったし、酔って顔面にケガして路上で寝て発見されるシーンも笑ってしまった。子どもでも飲酒するデンマーク社会を自嘲している印象も受けた。一方で、アルコール依存症の切実な描写もあり、ズドンと突き落とされたかと思うと、かっこ悪いけど大切な友達という存在に後押しされて、夫婦の危機を克服したり、若き心を解放してモダンジャズで踊り狂ったり…地味でしみったれた人間模様だけどなんとも普遍的な物語に思えた。
大人の男達の実験
体内の血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと仕事などの効率が良くなるという論文があると、友人の誕生日を祝う飲み会でその仲間内の一人が言い出し、仕事や家庭内でなかなかうまくいってなかった主人公が、活路を見出すためにそれに取り組むことを決意して物語は進んでいきました。
最初はなかなかいい結果が出ていたのですが、次第にアルコールの摂取量が増えていくと思わぬ方向に行ってしまい…
デンマークでは16歳からお酒が飲めるというのは知りませんでした。主人公の妻が劇中で言うように、デンマークの多くの人たちは呑兵衛が多いとのことで、客観的に見ている限りは適度に楽しむ分には楽しそうだなと思いました。
キルケゴールの言葉が引用されたりしてましたが、失敗した後にいかにそれに向き合って再び進んでいくのかがとても重要なんだなとこの映画を見ていて思いました。実験しつつ、失敗したらそれを振り返って学んで、新たに歩んでいく。
今までデンマークの映画はあまり見たことはありませんでしたが、国の慣習や文化、法律の制度の違いなど新しいことを学べてとても面白かったです。また、主人公の家の中や家の周囲の景色などが美しくて良いなぁと思いました。
デンマーク国歌って美しいんだね
昔取引先に訪問するのに緊張を解くためにビール一杯引っ掛けて行ったことがある。確かに会話はスムーズだったがそれほど盛り上がったわけでもなく、むしろ終わってからすごく疲れたことを覚えている。今思えば結構酒臭かったんじゃないかな、分解酵素の少ない日本人だし。
007の悪役が演じるコメディってどんなかなと思って観たけど、これはコメディではないな。仲間が犠牲になって決着するという中高年の鬱屈した悲劇であった。身につまされるわ…だがこのミケルセンさん、かなり奥の深い俳優だということが分かって収穫だった。さらにデンマークの国歌があんなに綺麗な曲とは。うーん北欧文化深淵なり。
ミケルセンがイケオジ過ぎます!
「血中アルコール濃度を一定に保つと仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる。」
中年の高校教師4人(とても仲良し!)がその仮説を検証するべく飲酒をする。
お酒飲みには身につまされる体験の数々。ちょっとでやめとけば良いのに、やめられずに失態。自分は隠れて飲んでるつもりが、周りにはバレバレだったり。
ほかの方のレビューにもあるとおり、高校生がはしゃいで飲むお酒と違って、楽しいだけではない、切ない中年のお酒。とても分かります。人生、結構、大変です。
要所で流れる音楽や合唱も胸に沁みました。
そういえば、昔、就職試験の面接試験前に、お酒飲んで行きたいなぁ、と思ったことを、思い出しました。
何を感じれば良かったのだろうか
冴えない高校教師のマーティンと3人の同僚は、血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事の効率が良くなり想像力が増すという理論を証明するため、実験をすることにした。朝から酒を飲み、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、生き生きとし、生徒たちとの関係も良好になり、良い方向に向かっていくと思われたが、実験が進むにつれて次第に飲酒に制御がきかなくなり・・・という話。
アルコール依存症になって死ぬ奴が居たり、嫁に逃げられたり、ラストのダンスもなんだかよくわからなかった。
ワイン醸造所にいたこともあるきりんです。
黄桃の桃缶を開けた。
ブリキの缶に沈む黄色いお月様。
今夜のお酒は、大好きなあの桃缶の甘いシラップに、氷と炭酸水とジンビームをステアしたもので。
お酒が入れば つらつらと、よもやま話はとめどなく、今宵のレビューの行く先は、さあさ楽しき一人語り♪
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さて、
【 ちょっとだけアルコールの力を借りたい 】
って願うこの映画なんですよ。
わかるなぁー。
すごくわかる。
僕は、
僕にぴったりのいいカウンセラーや精神科医に出会ってみたくて、過去いくつもの扉を叩いてみています。
でも、中々いないですね。相性の合うカウンセラーって。
人の生死。苦悩。臨終にがっつり四つに組み合う仕事を、かつてやっておりました。
緊張しいの僕。慎重で完璧主義で疲れやすいのです。
「『ほんのちょっとお酒が入った感じで、心も体もリラックスできて、いくらか滑舌も良くなり、相手の欠点にも無理なく目を瞑れて、自他共に笑顔で和やかになれる前向きなお薬』なんて物はないんでしょうか?」とドクターにmedocineをリクエストしてみたこともあるのです。
注文が多すぎたでしょうか?いや、まだまだです。リクエストに更に付け加えてそのお薬の“アルコール濃度(効き目)”や“効能(味わい)”の希望も伝えます
「抗不安薬や抗うつ剤のような精神弛緩剤ではない物。頭脳明晰で、かつラッキーになれる、そんな上げ上げ気分をもたらしてくれる覚醒剤的なものを見繕ってよ」とマスター(医者)にカクテルを頼んでみたのですが
=これ、ミケルセンたちが試みたアルコール効果ですよね=
しかし、
あれこれ試してみてはダメ出しの連続。
結局「きりんさんご希望のそんなお薬はないんですよォ・・」との回答でした。
てか、どのドクターやカウンセラーも、 ご自身が苦難の最中におられるようで、まるで例外なく病人の面持ち。
なぜお金を払っているこちらが医者たちの悩みを聞いてあげる羽目になるのでしょうか。タメイキ。
「大丈夫ですか先生、ちょっと薬飲んで休んだほうがいいんじゃないですか」と何故僕が言わなくちゃならない?(笑)
結局望みの物(ブツ)は得られませんでした。
身を任せ切れないのは、カウンセリング学をかじった者の悲しき弊害であるかもしれません。
苦笑いでそれを報告すると「プロに金を払うより、友だちに話すほうが元気になれるんだよ~」と従兄妹(医者)のアドバイス。
これ、至極ご名答なのかもしれません。
ああ、なるほど、
◎本作映画「アナザーラウンド」は、ストーリーの主人公はお酒ではなく人間です。
お酒の味わいよりも「友だちの有難味を味わう」、まさにそのための映画でしたね。
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【友だち】
男たちの友情。この映画は大人のスタンド・バイ・ミー。
誕生会の席で、
“ミケルセンの異変”に気付いた同僚たちの、この付き合いの良さったら!これを親友と呼ばずして。
ストーリーが散漫にならずに堅実に進行するのは、ひとつの学校が物語の舞台となり、同じ職員室で声を掛け合う教師たちの、共有課題のエピソードだったから。
それぞれが専門とする哲学と、文学と、歴史と、音楽を、ごく自然に酒の席でも話題として交換し合えるし、
そこに心理学や精神医学も加わって、子供っぽいお遊びの実験を思い付くわけですよ、
「苦悩する自分たちを治験台にして『0.05%説』の有意性を確かめる実証実験をみんなで論文にまとめてみる」、
・・この前半のコミカルさが良いんですねー
チャーチルとヘミングウェイの酒の効用。
酒に溺れなかったヒトラーの件。
そしてエリツィンやらクリントンやら、
「各国首脳の飲んべえたち 御失態のアーカイブ映像」が挟まれていて、これは視聴覚教材としても秀逸!スクリーンに映る偉人たちの酩酊ぶりに館内からも笑いが。
「学校物」のうまい使い方。
前半はコミカルに。
後半はシニカルに。
しかし教師たちの悩みは教室の中だけにとどまっていた訳ではなくて、それぞれが会社を終えて退勤した後にも妻子との時間が苦しくて、実年世代相応の悩みに苛まれていた訳で。
それゆえ
“アルコール実験”は、教室では上々の出来であったにもかかわらず、実生活や家庭に於いては実験は大失敗。
中年男たちの惨劇も観せてもらいました。
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【デンマーク探訪】
コロナウイルスのおかげで移動自粛の時代。
もちろん海外渡航にも様々な制約があり、外国への旅行はほぼ不可能だったこの2年間でした。
モンゴル、ブータン、中国、チベット、モロッコ、イスラエル、ドイツと、これまでマイナーだった世界中の国から送られてきたフイルムで、映画で旅を味わう楽しさも知りました。
劇中で、
愛国歌「デンマークよ」と、「デンマーク国歌」が繰り返し歌われます。(愛国歌は高校の音楽室で。国歌はチビッ子たちのサッカー場と葬儀の式場で)。
高校生たちのはっちゃけシーンのBGMも、デンマークのバンドのもの。
本作、デンマークでの
・夫婦&家庭問題、
・PTAの教育問題、
・ホルモンバランスも崩れ始めた壮年たちのメンタル、
そして
・飲酒。
故国「デンマーク」にフォーカスをして、郷土への愛を惜しみなく注いだ、この映画の制作陣の“ふるさとへの想い”が実によく伝わってきましたね。
キルケゴールの冒頭の名言
「青春とは? 夢である。愛とは? 夢のなかのものである」、
によって、過ぎ去った青春への憧憬と、若者へのいつくしみを語り、
そして自らの過ちの経験からの、回生への招きを人々に語りかけるキルケゴール。
⇒失敗したときに大切なのは「自分の不完全さを認めること」。そうすれば「他者と人生を愛することができる」、
― この金言が静かに提示され、
人生の揺らぎと喜怒哀楽、お酒のほろ酔いと覚醒が重ねて描写されていったのは、とても面白いプロットでした。
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【でも決して明るくはないエンディングですよね?】
プロットは面白かったのです。
けれども何かしら、体育教師トミーの(予測されていたけれど)残念な死に様や、妻からの復縁希望(=男に都合良すぎるメール?)にも酒がまとわりつくし、
あのラストのミケルセンのダンスにもあまり“解放感”が感じられない。どこかしら逃れられない死とか、離別とか、挫折への「不安からの逃避のための酒」を少し多めに感じさせるエンディングであったような。
そんな気がしました。
【喪服だ・・】
そしてここまで書いてきてハッと思い出したのは、
・そもそも体育教師トミーは、あの晩の誕生会でのミケルセンの涙を見て、親友ミケルセンの結婚の崩壊と離職を食い止めるために、あの「酒飲みゲーム」に参加したのであったということ。
・そしてトミーはゲームにはまり、アルコール依存症から抜け出せなくなり死亡したという結末。
・トミー最期の言葉は
「俺はお前らマーティンとアニカを愛している、きっと二人はやり直せる」だったこと・・
葬儀の帰り道、黒い喪服でジャズバレエを踊るミケルセンは、悔悟と、友人への限りない感謝を込めて、トミーの死んだ海に向かって踊るのだから。
やはりね、
北欧ならではの日照量不足ゆえなのでしょうか?
0.05%をあっけらかんと持続させるような能天気なハッピーエンドではなかったなーと思うのです。
季節性うつ病(※)や自殺者も少なくないあの国での、答えの無さ感は
苦いアブサンや、“酔い醒めの空虚感”も舌の上にザラっと残るような、鑑賞後の後引きでした。
(※ちなみに阪大病院では「(元気になりたいのならアルコールではなく)朝の光を浴びなさい」と言われました。「光療法」です)。
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【キルケゴール】
それらこれらを踏まえた上で、
最後に言ってみたいのは次のこと。
勇気をもって、いろいろな手段・ツールをもって(そこにはアルコールやmedocineの力を試してみることも含めてもよい)、人生の思いがけない新しい展開を掴むために、インスピレーション発見の可能性を探るために ❰冒険❱をしてみるのは無意味ではない、ということ。
酒が人を救うのではない、
❰冒険❱こそが人を救うのだということ。
♪
弱い人間の挫折や揺らぎを肯定しつつ、飽くなき前進を勧める実存主義者セーレン・キルケゴール。彼の思想のエッセンスが、この映画全編に香る。
逸品でした。
「人生は後ろ向きにしか理解できないが、前を向いてしか生きられない」。
「自己自身を選ぶための戦い、その獲得の行為を表す言葉、これが悔い改めである」。
Søren Aabye Kierkegaard
甘い桃のシラップに、ほろ苦いバーボンが旨いです。
きりんの独りがたり、お粗末様でした。
もっとライトなコメディ想像してた
意外とヘビーな内容だった。中年たちが我を忘れてキャッキャはしゃいだり自分の体がコントロールできなくて苦しんだり人と心が通じたり通じなかったり、終始共感できる描写。でもいろいろ総括すると、お酒はほどほどにねって映画。
思わぬ佳作
あまり期待せずに鑑賞した結果が、あっ!面白い!の典型的な作品。
発想とシナリオが秀逸で、ラストシーンを含む映像も素敵で、とても後味が美味しい。人の生き様を、良くも悪くもきちんと描いていて、だけど人生は捨てたもんじゃない的な魅せ方、好きです。
(ダンス上手いとカッコいいなー)
映画に影響されて真似をしてみる人や
酒飲み実験の斬新な映画。
大体は想像がつくが面白い。
家族やら友人やら教え子を描く。
良い点
・血中アルコールの数値を表示
・おねしょを正当化
・えぐくても格好のよい終盤
悪い点
・学生の分からないがあざとい
その他点
・メガネ君はレアなのか
この映画を噛み締めて、今日も一日頑張りたい
この映画を見て予定調和で退屈と言っている人もいるみたいだけど、あと1日だけこの映画のことを考えたりスタッフロール最後のアイダへ思いを向けてもらいたい。
映画を見て1日経った今でもあのスタッフロールラストの言葉に涙がでそうになる。もっともっと長い人生を経てアイダに感じてもらいたかったことが、この映画には詰まってるんだろうな。
人生が辛くなったとき、この映画を肴にお酒を一杯飲みながら「もう1日頑張ろう」と思える気がする。
いつかきっとこの映画に感謝することになる。私にとってはそんな映画でした。
男がつるむとろくなこ…
泥酔は人種も場所も選ばない。
盆暮れ正月はもちろん、祭りだお祝いだ暑気払いだなんだかんだとかこつけて飲む。たしなむ程度で終わらないなんてほとんどの人が経験するだろう。
私も今となってはほとんど飲まないが、どれだけ醜態をさらしたかわからない。
宗教的に禁止されている国の人々でさえ、他国で羽目を外す姿はお馴染みだ。
この作品でも男がつるんで、実験なんてかこつけて飲みまくる。
ノリノリでいい思いをしたからこそますます加速する様子に、おざなりにしていた人生の課題が絡んでくる。
清々しいポスターの写真とは裏腹に現実を突きつけられるのは予想外だった。
そんな事描いておきながら、酔っ払いにつける薬はないと言わんばかりの晴々としたラスト。
妙にビールが飲みたくなってしまった。
ダンスで三割増し
飲酒をそこまで意識したことがなかったので、
なかなか興味深かったです。
でもねぇ…
人生いろいろあるけどねぇ…
アルコールに頼っちゃったらねぇ…
ということで、
なんだか憎めない、このオジサンたちを
「ありゃまぁ」って思いながら、見守っている気分でした。
奥さんたちに感情移入しちゃったかな。
とりあえず、
マッツ・ミケルセンのラストのダンスに
見惚れてしまったということで、それだけで、
三割増しぐらいの高得点です。
しかし、お酒はほどほどに。
♪涙には 幾つもの 思い出がある
鑑賞中、何故か吉幾三の「酒よ」が頭の中をリフレイン。予告編や作品冒頭見てるとへべれけハッピー物語と思いきや、まさかの切ない切ない人間讃歌。
お酒って好きですよ。仲良しと呑んでバカ話してるの楽しいし。メチャクチャしたいときも、やなこと忘れたいときも酒達は良い仕事してくれます。
マジな話、お酒ちょっと入ってると饒舌なプレゼンできた記憶あります(笑)作品内の説には心当たりありますねー。
けど、お酒ってなんにも解決してくれないし、結構失敗の元になることもあるんです。さすがに飲まれちゃうと良いことありません。けど、生きてれば逃げたいこと沢山、なんとかしたいこと沢山。うまくいくなら、手を出してみたい!光明が見えたら更に追求したい!藁にもすがりたいんだもん。
それだけ、人間は弱いんですよね。
お酒を切り口に人生の悲哀を見事に描いている本作は見事でした。人間としての弱さ、人間関係の難しさ、愛情の切なさ。その物語に説得力をつける演者さんたちの見事な演技。マッツ・ミケルセンは見事でした。ほんとに吉幾三ですよ、酒よ、ですよ。
けど、やっぱお酒は笑顔が合います。人生も高らかに笑えるものでありたいですね、お酒の力を借りずに。
秀作です。
全190件中、81~100件目を表示