アナザーラウンドのレビュー・感想・評価
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終始もやもやとした不安を覚えた
以前、神主と書道の先生との三人で焼鳥屋で酒を飲んだことがある。二人は長い付き合いらしく、殆ど口を利かない。ただ黙ってビールを飲み、焼鳥を食べ、日本酒を酌み交わす。当方はまだ若輩だったが、特に居心地が悪いわけではなかったので、自分から話題を切り出したりせず、一緒に黙って飲んでいた。
1時間半ほどもしただろうか。書道の先生が「ああ、酔うた」とボソっと言った。そしてまた同じようなペースで静かに飲みはじめたが、ほどなくして散会となった。このときの焼鳥と日本酒ほど美味しいと思ったことはない。若山牧水の「白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり」という歌が心に浮かんだ。
本作品は4人の高校教師が普段のパッとしない生活から脱するために少量の酒を飲む実験をするという話である。うまくいくこともあるが、酒に頼っていればいずれは破綻するのは目に見えている。そのアホさ加減を笑ってばかりもいられない。この作品には悪意にも似た不穏な思想が底流にある。
不穏な空気は音楽の教師が生徒に合唱させるシーンから感じはじめた。合唱するのがデンマーク礼賛の国家主義そのものの歌なのだ。加えて、酒を飲んだときの盛り上がり方が、日本で言えば大学生程度のノリである。コロナ禍の前までのハロウィンや大晦日やサッカーワールドカップのときの渋谷の夜みたいだ。あそこにいたのは二十歳そこそこの若者だけである。
いい大人が酒を飲んで騒いではいけない。騒ぐのは軍隊や体育会の若者に見られるように、全体主義、国家主義のノリがあるからである。国家主義の歌を歌わせる精神性と、酒を飲んでみんなで騒ぐ精神性は、根っこは同じである。本作品が高評価を受けているとすれば、デンマークはヨーロッパでも危険な国のひとつだと言えると思う。
本作品の飲み方と、冒頭に述べた神主と書道の先生の飲み方は対照的だ。若いときは酔っぱらえればいいと酒を飲む。本作品と同じである。しかし大人は違う。料理を食べるときには料理人に感謝し、そして素材を提供した農家や漁師に思いを馳せる。酒を飲むときには造り酒屋の努力に感謝し、酒米を育てた農家に感謝する。
想像力がなければ他人を思いやれない。思いやりがなければ残るのは憎悪だけだ。そして憎悪は戦争に繋がっていく。ケタケタと笑う観客がたくさんいたが、当方は終始もやもやとした不安を覚えながら鑑賞した。
デンマークの国民が想像力に乏しい国家主義者ばかりではないと信じたい。大多数は当方と同じように酒を愛し、酒を味わい、状況を愉しみながら飲んでいるに違いないと願う。酒はしづかに飲むべかりけり、なのだ。
とびっきりの祝杯を
酔うと脳が活性化するというぶっ飛んだ設定に惹かれて鑑賞。
教える立場としてのモチベーションが上がらない教師4人がお酒にハマっていく話をベースに映画は進行するのですが、1章では体験、2章では快感、3章では喪失と希望とテーマごとに分けているのに、何の違和感もなく物語が進んでいく見せ方がお見事だなと思いました。楽しいと辛いが入り混じって感情をメチャメチャにされちゃいました笑
最初の飲酒ではむしろ授業に支障をきたしてしまったのに、何度か飲んだり、飲む量をわずかに増やしたりすると、効果が発揮され授業を楽しいものにできたという感覚がきっかけとなり、血中アルコール濃度を少し上げていきます。そこからの授業はヒトラーを用いた授業で爆笑を掻っ攫ったり、生徒を煽ったり、超優しく接したりと、四者四様ですが、それぞれがうまくいきます。ここでは、お酒を飲むことにより、何気ない話が弾むような居酒屋の光景を映しているように思えました。
そこから家族の関係も取り戻していくマーティンですが、更に更にとお酒の量を増やしてしまい、全員飲んだくれてしまいます。店で暴れ回り、小便を垂れ流したり、家族に怒鳴りつけたりと、一気にお酒の怖さを映しているように思えました。完全にアルコール依存症だなと思ってしまいました。役者の方も酔っ払いの映像などを見て真似されたようなのですが、もう酔いどれそのまんまだなと思い関心しました。
そこから依存症から立ち直っていく様子も映していきます。しかしその途中で、立ち直れず死んでしまう人もいる恐怖を同時進行で描いていきます。死を悟って海へと出て行くシーンは芸術的にも見えてしまったので、この映画とことん凄いなと思ってしまいました。
そして葬儀後、少しだけお酒を飲む残された3人、その外ではお酒の効果を活かした授業で伸びた生徒たちが浴びるように飲んでいて、そこに3人も突っ込んでいきます。「お酒は適度に、だけど美味しい」というのを体現するようにダンスを舞うマーティンは映像的にも映えて、観ている側も興奮してしまうような感情を覚えながら映画は静かに終わっていきます。
自分は普段お酒を飲まないのですが、この映画を見ているとあぁ〜美味しそうだなと思ってしまいました。人生に幸せを提供する、とても心に残る映画でした。デンマーク映画侮れん。
鑑賞日 9/4
鑑賞時間 18:40〜20:45
座席 G-8
マッツの魅力タップリプロモ映画
マッツミケルセンの出演作を一本も観たことなくて鑑賞。
ストイックでちょっとダメなとこもあるけど、家族や奥さん、友人たちを愛してて、押し付けがましくなく人の世話も焼けて頭が良くてダンスができて、要所要所でほろほろ涙シーンがあって、間接照明に照らされる表情が色っぽくて、酔っ払ってて艶っぽくて結局最後ハッピーエンドでカタルシス消化って、監督さん、マッツのこと好きすぎでしょ!?
マッツの魅力がこれでもかってPRされたプロモ映画と言って言い過ぎでない。
ええ、私もしっかりマッツにノックアウトですよ。これから出演作どんどん観るよ、そりゃ。
真面目な話をすると、もう少しアルコールの危うさやそれに伴う家族関係の不安定さをリアルに描いてくれていたほうが良かったなとは思うけど、まあマッツPR映画ですから。マッツが格好良くてこそ。
さーハンニバルから観ようかな(振り幅)
この作品の危うさに酔いしれ、そして呑まれる
笑っていられるのは今のうち。北欧の至宝マッツ・ミケルセンの素晴らしい演技と共に記憶される"酒は飲んでも飲まれるな"映画の極致。中毒・依存症と中年の危機に対する悲劇的ドラメディとして深い。笑っちゃうくらい皮肉で気まずくて居心地の悪い痛烈な一打が刺さってくる。展開的には「そりゃそうなるよね(トホホ)」みたいなことなのだけど、作品としてあまりに強度がありすぎて胸がつかえ引きずるような、自ら律さないといけない『フライト』。
画に惹きがある。『偽りなき者』監督主演コンビだけあって、(キッレキレだけど)カタルシスなきダンスシーンも見られる。とりあえず今この瞬間は上手くいってるからいいよね、みたいなリアルな人間の弱さ・脆さを暴き曝け出す。結局、人の反省ってそんなもの。観客に突きつけ、問いかけ、考えさせる終わり方。本当にこれでいいの?なんとも言えない後味・余韻、二日酔いのようになかなか消えないそいつに今は悩まされるばかり…。
なんか最近このアプリから干されてる?
マッツが演じる主人公マーティンが冴えない中年男性なのだが、本当に冴...
マッツが演じる主人公マーティンが冴えない中年男性なのだが、本当に冴えないおっさんにしか見えないのがマッツの演技力の凄さを感じます。
飲酒を否定も肯定もしない作品なのが面白い。
有名なマッツのダンスシーンも、マーティンの性格を知ってから見ると胸熱です★
人生辛いので酔ってないとやってられない事もあるよね。(私はまったく飲めないけど)
酒はうまい
家族との関係、プライベート、仕事がイマイチ上手くいかない中年のおじさん達が常にアルコール血中濃度を0.05%に保てば人生うまく行くという仮説を検証するために酒を飲みまくる話。
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おじさん達が何かとごちゃごちゃ理由を並べ立てて酒を飲む方向へと持っていく様子が楽しい。最後の行ける所まで行ってみようっていう検証についてはもはや最初にやろうとしたことからかけ離れてて、論理が崩壊していて笑える。
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人生に疲れて悩んでいる時に飲むお酒、仲間と羽目を外すために飲む酒、自分の気分を紛らわすために飲む酒、友人とあーだこうだ言いながら飲む酒、祝いの場で飲む酒、色んな飲酒のシーンが出てくるけど、どのお酒もおいしいよね。
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私も酒飲み家系に生まれて酒飲みの肝臓を持っているのでお酒大好きアル中女なので、この映画の最中酒が飲みたくて飲みたくてたまらなくなる。コロナがなかったら絶対ワイン買って飲みながら見たのに!でも日本人は西洋の人に比べたら弱いから、あの肝臓がほしい。ウォッカとかストレートでいきたい。
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ただ、アルコール血中濃度の検証をするために仕事前や朝にキメる酒は、お酒を楽しんでいるのではなく完全にドラッグの使い方。もはや、日本人でモンスターとかレッドブルキメてる人とかもこれと変わらない気がするけど(笑)酒はプライベートで飲もうね。
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酒の危険性も提示しつつ、でもお酒を飲むのって最高だよね!って終わってくれるから良い。個人的に二日酔いの朝ある事が起きて起こされるシーンでの部屋の明るさが絶妙に不快な明るさでよかった。あの気持ちわかるよ。私はあの人が見ている光景と同じ光景を見たことがある(笑).
北欧だからこそ、染みるウォッカ
めまぐるしく変化する光の角度そして色彩
そこで暮らしていくために育まれた最善のルールから
ヒトはいつだって抜け出したい解放されたい
見慣れた英米仏伊の映画とは心情の調律具合が違う
説教臭くはしない絶妙な塩梅。
自身にも起こり得る物語だからこそ
説教臭くはしない絶妙な塩梅を評す。
老いも若きも抱える生き辛さを俎上に乗せ、
結果人の愚かさを丸ごと肯定し、
とにかく生きてゆこうと
優しく私の背を押す懐の深さ。
支持。
酔っ払いは嫌いだ
酒が苦手な自分は、酔っ払いは嫌いです。酔えない者にとって害悪のような存在。それでも、陽気な彼らを見ていると、相当笑える。まあスクリーン上の酒乱はこちらに害を加えることがないからね。
アルコールによる楽しさ惨めさ、そしてそれによる悲劇を存分に楽しませてくれる作品で、飲めない自分でも、なんか飲みたくなってしまうような、ヤバい映画で、非常に面白かったです。
ラストで快哉を叫ぶ!
観る前はもっと深いメッセージがあると若干構えてたけど、観た後は下記のシンプルな感想。
●お酒は気分を上気させる
●みんなでお酒を飲みながら音楽聴いて踊るとサイコーに楽しい
●お酒有無に関わらず、大事な人とはちゃんと向き合いましょう
●お酒を飲み過ぎると時に人生を壊す
こんな当たり前の事を提示してくれる映画がこんな胸に刺さるのはコロナ禍だから。
ラストは歴史に残る美しいミケルセン伯父貴のダイブ!🇩🇰
【‰(パーミル)とキルケゴール】
思いがけず印象に残る作品に出会った。
対比を対比に止めず、スパイラル感を出して、考え続けることを促したような秀作だと思う。
‰とは、血中アルコール濃度を示すために映画で利用される千分率の単位で、字幕では%に置き換えられていたが、パーミルと読む。
日本では、線路や道路の勾配率を示す標識なんかで見ることはあるかもしれないが、普段はあまり見かけない単位だ。
血中アルコール濃度を5‰(パーミル)に維持することによって得られる解放感と効率性。
‰(パーミル)の単位でコントロールしないと、得られない幸福感なんてあるのか。
これは、デンマーク社会の抱えるジレンマのメタファーなのだ。
ところどころで歌われるデンマーク国歌。
デンマークは、高福祉国家だが、多くのシステムが一律で、さまざまな個性で成り立つ人々にとって、一体、それが幸福なのだろうかという疑問を提示しているのだ。
アルコール摂取が当初の維持目標を超えて増えることによって崩れていく自分自身と、人間関係。
高額な税金を納め、一律のシステムの恩恵を得られる社会で、唯一、緩めに放置されたアルコール。
社会は飴と鞭で成り立っているのではないはずだ。
内気な生徒が、口述試験でキルケゴールについてする回答。
「失敗した後、自分の不完全さを認めること。自分や他人を愛するために」
これは、アルコールに逃避することなく、自分に向き合うことの大切さを示した言葉でもある。
どんなに‰(パーミル)単位で管理しても、その時々で、自分に向き合えないと、自分も周りの人も幸福になり得ないのだ。
しかし、こうした対比を提示しつつも、この回答をスムーズに引き出すために必要だったアルコールという手段。
問題の所在は明らかでも、一様な解決策はないと言っているようだ。
それは、エンディングの若者と歌い踊る場面からも伺うことが出来る。
妻との携帯でのやり取りは希望でもある。
やはり、自分の不完全さと向き合うことが、最善の処方箋であるのだ。
以下余談。
中学の時、ある教科担当の教諭がアル中だと噂になった。
授業中、呼気が酒臭いことはなかったし、授業は面白くて、分かりやすかった。
ただ、用務員室に酒瓶を隠していたのは本当だったらしい。
高校に入学した時に、その先生の娘と同級生になった。
勉強も出来て、明るくて可愛い子で、僕の友人と高校時代から付き合ってて、大学を卒業した後、結婚した。
そして、先生は、定年退職後、酒気帯び運転で事故を起こしたと聞いた。
怪我人などなかったと聞いて、良かったと思っていたが、その後しばらくして、先生は、肝臓を悪くして亡くなってしまった。
孫の顔など見たかっただろうにと、もう少しお酒を控えることは出来なかったものかと考えたりもした。
デンマークという国
「偽りなき者」でタッグを組んだトマス・ビンターベア監督とマッツ・ミケルセンが
再タッグを組んでアカデミー国際長編映画賞を受賞した作品。
またあの苦しく辛い内容のものになるのかと否が応にも期待しちゃいました。
そういう意味では、見事に裏切られました。
一定量のお酒ですごく能力が上がることを証明することにのめり込むおじさん達の話。
このデンマークは何歳からでもお酒が飲める国らしく
そういう背景を知ると、この作品の意味がよく分かってきます。
酒に対する付き合い方次第で、人生を大きく変えることが出来て
良くも悪くも酒を中心に生活が進んでいっちゃいます。
酒の功罪は表裏一体。
ラストシーンがそれを印象的に表しているように感じました。
楽しくてよかった
酒を飲み続ける効果を実証するという映画。
デンマークの映画というのが珍しかった。
ダメ人間の話で、いい大人達が酒のせいで社会的信用を失ったものの、すっげえ楽しいからいいや、という映画だった。
ヘベレケおじ達とデンマークの文化を覗き見る
アルコール血中濃度を0.05%に保つとベストな状態らしいという実験をしてみるおじ4人の話だが
いやそもそもね、北欧の人ってメタクソ飲むのよ。日本人なら死んでるレベルの酒量をグイグイ行くのよ。
バイキングの国だからね、そうなんだけど
そして子どももね、飲むのよ。高校生は飲んでもいいのよ。
というね。結構面白かった映画でした。
はぁぁデンマークの学校てこんな感じなんだな、とか、デンマークの何気ない日常を知れたし、何よりマッツという人間国宝がベロンベロンになってるところを垂涎しながら観てましたわ。
あと関係無いんだけど、「スチュワーデス物語」ていう昔のドラマで主役の松本千秋が飲酒すると流暢な英語を喋りだすっていう下りを思い出すなどした。
世にも珍しいデンマーク映画+珍しい話題を扱った内容。
今年113本目(合計177本目)。
私も今年100本以上超えましたが、デンマーク映画は初めてです。ネットで探しても余りない類型みたいです。
日本では「アナザーラウンド」(もう一杯)というタイトルですが、表示されるタイトルは全然違います(英語の drink はゲルマン語系(ドイツ語系)ですが、それと関連性あり?調べてもわからず…)
また、北欧の国でヴァイキングの歴史もあるので、日本と違ってお酒に関する文化が違い(飲める年齢の下限が異なる等)、さらに「血中アルコール濃度を一定にするという実験を行うと何が起きるか」という、かなりレアなネタを扱った映画。
一見すると、そのような内容なので、「アルコールの飲みすぎはやめましょう」「飲酒運転はやめましょう」という趣旨にも読めますが(そのように読むことも可能)、おそらく多くの方が書かれている通り「家族愛」「アルコール依存で失うもの」というテーマがもっと上位のテーマにあるのではないか…と思います。
内容の展開自体は非常にわかりやすいし、展開も非常にわかりやすいので(ストーリーの区切りごとにチャプターごとに分かれる)何が何だかわからないという類型はないかな…という一方、現在、多くの都道府県で「飲食だけはOKだけどアルコールは(時間を問わず)映画館ではダメ」という扱いで、このご時世なので他の映画の公開スケジュール等勘案するとずらしようがなかったのだと思いますが、趣旨的に「(大人は)飲みながら」鑑賞するという趣旨も可能で(もっとも、映画館でアルコールを買うとものすごく高い…)、時期を逃しちゃったかなぁ…という印象です。
趣旨的に一見すると学術系映画にも見えますが、お話自体は架空のもの。とはいえ、実際にそう実験すれば同じようになるだろうということは想定可能な範囲です(人種によってお酒の強さ弱さは違うので、日本人が同じように真似をすると危険)。
採点ですが、「複合的に」下記が結構気になりました(混乱する要素がかなり多い)。
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(減点0.5/すべてまとめて)
・ 映画内では「現在の血中アルコール濃度」は、字幕ではなく映画内の画像として表示されます。これに字幕がつくのですが、数字なのだから同じだろうと思いきや、日本ではあまり見ない表記方法だったりします。
日本では「割合」を表すときには、よく「パーセント」を使いますが(百分率)、「千分率」を表す単位「パーミル」(‰)があり(日本では、使われるが範囲が限られる)、映画内ではこちらが使われています(字幕では%に変換されているため、10倍の差が生じる)。また、日本では小数点を表すときの単位は "." ですが、この映画を含め、カンマ "," を使う国もいくつかあります。
この説明が何もないため、一見すると「実質同じことを字幕に書いてどうするの?」と思いきや、実は単位系が違っているとか、油断すると理解に妨げが出ます。
また、舞台はデンマークです。日本では高校世界史では登場しますが、実質的に「カルマル同盟」「三十年戦争」「(大)北方戦争」くらいではないか…と思います。一方で主人公は学校の歴史の先生なので、話される内容がかなりマニアックです(何度か登場する思想家のキルケゴールって、日本の高校世界史に出てくるんでしょうか…?)。その割に、さらにデンマークのキリスト教文化を前提にする内容まで登場して結構、理解難易度は高めです。
さらに、この映画自体はPG12という扱いです(R15でもR18でもない)。日本ではアルコール飲料は「普通は」大人しか買えませんが、アルコールを含むお菓子はいくつかあります(よくある、リキュールを含むチョコ。法律的な縛りはないが、コンビニ等ではコンビニ判断で子供には売らないこともある。また、縛りとは別に「食べ過ぎると運転等に影響を及ぼすことがあります」等と書いてある)。
すると、血中アルコール濃度は、「体重」と「アルコール度数」、さらに「その服用頻度」で決まりますが(厳密には、少しずつ下がっていくので、服用後1時間後、等と時間を決めないと一意に確定しない)、こういうチョコレートは度数4%ほどなので、単純計算すると10本程度(消費税抜きで2000円程度)で一般的なビール1本分換算で、一応にもPG12扱いですが、子供が真似をすると危ないかな…というのは強く思いました(この点について注意書きは映画内で一切存在しない。子供がこの手のお菓子を買うことは日本では何ら禁止されていない)。
※ かつ「血中アルコール濃度」がテーマで、「個別具体的なアルコール飲料の度数」はまったく出てこないので、主人公たちが飲んでいるアルコール飲料の度数も不明です(前述した通り、デンマークはヴァイキング文化があるため、日本と異なる度数の飲料が普通に売られていると解釈することも合理的で、「日本でいうとどのくらいの話なのか」という点も出てこないので(かつ、それを調べると、医学部や看護学部の学生向けの勉強サイトばかり出てくる。どうも換算式がある模様)、「映画を見てみたっきり」だと、趣旨的に危険かなぁ…というのは強く思いました。
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すべては、ラストシーンに凝縮される!
ラストシーンが美しい!
寂しいエンディングにもできたとは思うが、この映画はハッピーエンドを選んだ。
マッツ・ミケルセンは、元々ダンサーだったらしく、身のこなしも軽やかだ。
こんな時代だからこそ、このエンディングは輝いて見える。
“血中アルコール濃度0.05%“は荒唐無稽な理論だが、それを真面目にやろうとするオヤジどもは、アホ揃いで、ただの役立たずだ。
しかし、血中アルコール濃度を上げていくにつれ、人格崩壊していく様を、なんとも絶妙に演技してみせる俳優陣の演技力は、なかなかの見ものと言える。
冒頭からラストに向け、少しずつ、少しずつ、しかも静かに、ボルテージは上がり続け、ラストで、そのボルテージが凝縮される。
ぜひ、劇場でご覧いただきたい。
一言で言うと酔いを検証したような映画
血中アルコール濃度を0.05%に保つと活動的で仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる
と言う学者の話を教師仲間で検証する物語
最初は少ない量でうまく言ってたにも関わらず
徐々に濃度をあげていき破綻していく
酔っぱらった姿とか滑稽で面白いのは
客観的に観れてるからで当事者は生活に支障をきたしていく
これだけ酒に酔うと言うことを素直に掘り下げた作品はなかったかなと思った
ほろ酔いから酩酊、泥酔まで予想通りに事は進んでいった感じ
最後のマッツの飲み踊るシーンはなかなかだし
酒に酔っていい感じの時も悪酔いの時もひたすら酔うと言うことを掘り下げて
いっぱい引っ掛けたくなったが種類販売してなかったね
平常な日々にこの映画を観て酒飲んでグダグダしてたい、そんな映画だった
酔っ払い天国で、人生の立て直し計画
デンマークのお国柄って、こんな感じだったの?
16歳からお酒が飲めて、どこもかしこも酔っ払いだらけ。暴れる人もいるから、飲み屋さんは大変だなあ。
でも、ほ〜んと、お酒が美味しそうなんですぅ。みんなバイキング感モリモリで、豪快に心底美味しそうに飲んでるの♫、
一般的に人生折り返しを過ぎると、結婚してようが独身だろうが綻びやマンネリを感じて、このままの生活で良いのか思い迷う人も多い。勿論仕事も友人関係も。
そんな時の、お酒飲んでの血中濃度実験は、勿論上手くいかないのは重々わかっている。それがいつ破綻するか、どんな制裁が待っているのか、臨場感を持ってハラハラさせられる。で、それからが本題。
悲しい出来事も受け止めながら、待っていても幸せはこない、自分の考えや行動を変えることで、今そこにあるささやかな幸せに気づいていくのだと悟る。
何かを求めて、諦めたり、気づいたり、感謝したりしながら、よい塩梅で人生を重ねていく…。
早速、今日も宅飲みしました。血中アルコール濃度は0.05超えてないと思います!
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