劇場公開日 2021年9月3日

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アナザーラウンドのレビュー・感想・評価

全149件中、1~20件目を表示

3.5Whimsically Original

2023年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

This Danish soap comedy is a parody on the joys of drinking alcohol. It's not judgmental towards the necessary human habit but it encourages thinking about the reasons one drinks. Mads' lead role helps the indie film feel big. For Thomas Vinterberg, it's an honorable work in recovering from loss: his daughter passed prior to filming and its set in her school with her classmates as extras.

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Dan Knighton

4.0【第93回アカデミー賞・国際長編映画賞受賞作】血中アルコール濃度を常に0.05%に保つとどうなるのか?

2021年9月5日
PCから投稿

本作はデンマークの作品で、第93回のアカデミー賞において「国際長編映画賞」を受賞しています。しかも、アカデミー賞では監督賞にもノミネートされていました。
一見、評価の難しい作品ですが、実は緻密に伏線を仕掛けながら上手く回収し、シンプルな題材でも深い部分まで描けています。
本作のメインとなる題材は「飲酒」で、国により飲酒に関する法律や慣習が異なることも重要です。本作を見れば分かるように、実はデンマークでは高校生が平然とお酒を大量に飲んだりしているのです。
まずメインの登場人物は、高校教師と3人の同僚。
主人公は、歴史を教えるマーティン。仕事と家庭で上手くいかずに行き詰っています。
そんな時、心理学を教える同僚が、実在のノルウェー人哲学者が提唱していた【血中アルコール濃度を常に0.05%とするのが理想。するとリラックスでき、仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる】という理論を紹介するのです。
行き詰っていた生真面目な主人公がこっそり一人で実践したことにより、仲間4人でこの理論を「仮説」として「検証」することに。そしてキチンと論文としてまとめることにします。
その条件として、「ノーベル文学賞を受賞したヘミングウェイは毎日、夜8時まで飲んで執筆していた」という逸話を参考に、「夜8時以降と週末は飲酒禁止」というルールを設定。
当初は、テンションが変わることで授業などもマンネリから好転し上手くかみ合い出します。
ただ、そもそも「血中アルコール濃度を常に0.05%とする」とは、ワイン1,2杯分の量のアルコールを飲み続けないといけない、という設定です。
そして人間というのは、より上を目指そうという欲が出て、血中濃度0.05%を超えるとどうなるのかも試したくなっていきます。
そこで、さらに論文は次の段階へと進むのですが、どのような展開が待っているのか?
「飲酒と偉人」という面で偉人らの逸話が出てきたりと、興味深い話も出てきます。
ただ、私たちは「飲酒の怖さ」を知っているので、彼らの状況を客観的に観察することもでき、まさに❝人間とは❞という「人生讃歌」の映画として成立していることが分かるのです。
本作の特徴の一つに音楽の使い方が絶妙で上手い、というのもあり、特にラストへと向かう楽曲のチョイスは、監督から本作への捉え方のメッセージのようで、全てをまとめ上げるのに相応しいものとなっています。

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細野真宏

4.0ユニークな脚本と役者陣の名演に拍手

2021年9月3日
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極めてユニークな脚本であるが、どうユニークかというと一言では説明が難しい。真っ先に目がいくのはやはり中年教師4人が独自の「自由研究」に乗り出すくだり。その根幹にあるのは、生徒たちの若さみなぎる活力と、40代を超えて疲労感と悲壮感すら漂う男性教師たちとの対比だ。いつの間に自分はこんなに枯れた人間と化してしまったのか。どうすれば人生を楽しむ勇気が湧いてくるのか。そんな彼らが死神と契約するかのごとく媚薬を得て、束の間の活力を得るーーーー。キルケゴールをはじめとする金言や、ふと挟み込まれる楽曲の歌詞などがさりげなくテーマを補強しあっているところが素晴らしい。たとえどんな困難や悲しみが横たわろうとも、この世界は美しい。自分の弱さと向き合いながら、時にコミカル、時に神妙になって突き進んでいくミケルセンら主要キャストがあまりに魅力的だ。特に中年を過ぎた大人たちには無性に響くものがあるのではないだろうか。

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牛津厚信

5.0マッツ・ミケルセンの超絶演技が本作の説得力を増している。

2024年5月9日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

楽しい

ぱっとしない人生を送っている高校教師マーティンとその仲間たちが、ノルウェーの哲学者スコルドゥールが主張している「血中アルコール濃度を常に0.05%に保つとリラックスした状態で気持ちを大きく持てる。体中に力と勇気がみなぎってくる」という説を実証すべく、アルコールによって、仕事の効率と意欲が向上するか調べる実験をするというもの。要するに軽く酔っ払った状態で仕事をするというもの。やってみると、なかなかうまくいき、退屈な授業しかできなかったマーティンも、生徒たちを虜にするような教師に変身する。彼の仲間たちもそれぞれの職場でめざましい活躍をみせる。しかしやはりアルコールを飲み続けるという日常がそのまま続くわけもなく、徐々に依存症のようになり、社会生活にも支障が出てくる。

こうして書いてみるとばかばかしい映画に感じられるかもしれないが、最初に書いたように主演のマッツ・ミケルセンがものすごい演技を披露する。物語の前半で友だちの誕生祝いのシーンがあるのだが、物思いにふけりながら友だちとの会話に加わっていたミケルセンがワインを口にしたとたん、なにかが決壊したかのように涙を流すシーンで、一気に引き込まれていく。

誰がつけたのか、ミケルセンには「北欧の至宝」などというキャッチコピーがついている。安っぽいネーミングだと思っていたのだが、本作を観ていると、たしかに名優と呼ばれるのは間違いがないところだ。
「北欧の至宝」というキャッチコピーはやっぱり気に入らないが。

人生の幸福のためにアルコールを飲み続ける男たち。その試みは人生の悲哀を招くのだが、それでも彼らは失敗を受け入れ、人生を肯定しようとする。本作はあっけらかんとしたコメディでもないし、アルコール依存を訴えるような教育的な映画でもない。そこにはうだつのあがらない男たちがなんとかして喜びや楽しみを自分たちの手で作り出そうともがく姿がある。むりやりポジティブにまとめるようなこともしない。ここにあるのは普通の人々の普通の人生なのだ。そこが本作のすばらしいところだと思う。

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あふろざむらい

4.0まあ、無理だろうなとしか。

2024年5月5日
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鑑賞方法:VOD

よく言われる酒は飲んでも飲まれるなと言う内容ですが常時アルコールを一定量キープは無理だろうな、真似する人が出ないのを祈る。
マッツ・ミケルセンはかっこいい。

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はまぐりの短い感想文

1.0気持ちが全く分からない

2024年3月29日
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鑑賞方法:VOD

だめだと分かりつつも、論文を書くという言い訳を作り、酒を飲んでから教師として役割を果たすという映画。酒に逃げちゃうよね!分かるよ〜!みたいな映画です。飲兵衛じゃないから全く気持ちがわからない。ストーリーはわかりやすいです。

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奈緒

3.5☆☆☆★(前半〜中盤) ☆☆☆★★★(後半の30分) ♬ 飲まぬア...

2024年3月19日
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☆☆☆★(前半〜中盤)

☆☆☆★★★(後半の30分)

♬ 飲まぬアホ〜に飲むアホ〜!

同じアホなら飲まなきゃソンソン!

2021年10月9日 キネマ旬報シアター/スクリーン3

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松井の天井直撃ホームラン

4.5お酒との付き合い方指南

2024年2月3日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

日本ならきっと、自業自得さ、破滅がオチだろうが、
健全にうまく付き合えば能力全開の効能もあるのだから、
賢く付き合え、と言わんばかりの悲喜こもごも展開がよい。

むしろ日本も文部省認定か何かで、作品を高校生辺りで見せてはいかがだろうか。
思わされた。
過激な展開のない、ごく日常の風景の連続ならなおさらだろう。

しかしこうした作品に触れるたび、
日本の教育の、ある意味うわべのみでうすっぺらい部分が
全部とはもちろん言わないが、
目立つ気がして悔しい限り。

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N.river

2.5起承転結の結がない

2024年1月3日
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酔っ払いは人に迷惑をかけるだけのクズ
酔っ払いを美化しようと必死な映画
それだけ

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承太郎

3.0マッツのダンス

2023年12月31日
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鑑賞方法:VOD

幸せ

萌える

お酒は飲めないので
ちょっとその辺は理解できなかった

4人の友情が良かった。

それにしても、マッツ
格好良い

最後のダンスはさすがプロですね。

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seiyo

4.0イケオジ大乱闘

2023年11月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

マッツミケルセンが好きで、鑑賞。
ポスターに惹かれたけど、そんな色彩豊かな映像では無く、とにかく淡々とした色合いで進んでいく。
酒を飲むイケオジでしか得られない栄養があるし、あんな先生の授業を受けたい。

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ゆーにゃん

3.52023/10/16

2023年10月16日
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鑑賞方法:VOD

酒の良さと怖さと人生のどうしようもなさと素晴らしさよ。
毎晩飲んでる私にとっての教訓であり道標になる映画。

マッツミケルセンのダンスたまらん!イケおじ!

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伊達巻子

4.0いいハナシだな〜!では全然ないのが良かった。

2023年9月9日
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鑑賞方法:VOD

いいハナシだな〜!では全然ないのが良かった。

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まるぼに

3.0アル中予備軍なので要注意

2023年8月23日
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鑑賞方法:VOD

ノルウェーってこんな感じ?笑
住みたいかもー

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mamagamasako2

4.0時を戻してくれる魔法、使い過ぎには注意

2023年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

デンマークの映画?見るのは初めてだったんですけど、かなりいい。私自身もお酒が大好きなので、見ているとお酒を飲みたくなるような作品だった。ただ、ヨーロッパの高校教師が主人公なだけあって、ヨーロッパの大学受験システムとかお酒観とかがよくわかっていなかったので、それらが頭にあらかじめ入っていればもっと楽しめたかな、という感じ。
この映画でずっと登場するのがアルコール、さえないおじさんたちに変化をもたらしてくれる。アルコールというのは、自分の置かれている状況を忘れさせてくれ、まるで若いころに戻してくれる魔法のようなものではないだろうか。時がたてばそれだけ昔が恋しくなるし、今という人生をを楽しめなくなることも多くなるだろう。そんなとき、人は昔のように戻してくれる魔法、アルコールに縋ってしまう。少量であればいいが、それに縋りすぎてしまうと、、、
見終わった後に、少しの哀愁と爽快感を残してくれる作品でした。とてもよかった!

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サンプルHD

4.0それでも

2023年7月24日
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鑑賞方法:VOD

酒を飲んでいる時は楽しい
呑みすぎると苦しい
人生の時間を失ってしまう
それでも楽しく飲もう

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すぅ

4.0飲みに行きたくなった

2023年7月23日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

公開当時劇場で鑑賞後にとても飲みに行きたい気分になったが、コロナ禍でお酒を提供していなかったので飲めなかった。ざんねん。

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うy

4.0趣のある映画

2023年7月19日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

難しい

割と高評価であらすじを見る限り「面白そう!」となっての視聴。大人になっても変わらない友情がたまらなく、それでいて「お酒を飲んで授業をしたら上手くいくか」を論文と実験の為に行動に起こす。という全体的なストーリーは好奇心が擽られる。

ただ、その論文の部分を主軸に最後まで構成されるストーリーかと思いきや最終的には「お酒との程よい付き合い方」的なものに落ち着く。落ち着くのだが、それまでの過程には"映画にしては地味で、それでいてありふれた人生"が濃密に、そして緻密に詰まっていると思う。

主人公の境遇はなんというか、父にそっくりなので「親父もこんな気持ちだったのかなぁ」なんて思いながら観ていた。淡々と流れる重苦しくも底抜けに明るいような、なんとも言えない雰囲気がたまらなくいい。

「お酒を少量飲んだら上手くいくか」というシンプルな題材の映画かと思いきや、一人の男の人生を覗き見るような、そんな不思議な感覚に襲われる。泣けるようなシーンがあるかと言われたらそうでもないし、強いメッセージ性があるか?と聞かれたら首を傾げる。名作か、というとそこまでではないんだけど、感想を簡潔にまとめるのであればやはり"趣きのある映画"になるのではないだろうか。

全体に流れる空気感はとてもよい。邦画はもちろんとして、ハリウッド映画にも出せない独特な空気感だと言える。

最後のシーンが全てだと思う。何かある訳では無い。それでもあのダンスに魅了されたことが、この映画の本質のように思える。

あの実験をする前は遠慮してか恥ずかしがってかダンスを踊らなかった主人公が踊れた理由、なんてのを考察することすら野暮に思えるような。あらゆる感情が乗せられたダンスを見て「考えるな!感じろ!」と突きつけられたような、そんな気がした。

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Cro

3.5自分も近かった

2023年7月19日
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鑑賞方法:映画館

大学生の頃、スコッチをなめながら課題をやっていたことを思い出しました。レポート用紙がベチョベチョになりながらも次々と考えがまとまっていき、いくらでも筆が進み過分とも思える評価もいただきました。 さすがに、社会人になってからは飲酒しながら仕事はしませんが。

さて、本作品ですが、適量の飲酒がもたらす好影響から飲酒量を増やしてどうなるかを試しながら、約束事を作りながらの観察記録的体裁は整えていますが、単にどんどんアル中化していくというお約束的な展開になっていきます。そういうところでは普遍的な人間の性質を正直に表現しています。そういう映画でした。
そうそう、デンマークの法律とか習俗がよく分からないのですが、高校年代でも飲酒可能なんですね。それから教師は結構カジュアルなんですけど結構規律高い印象を受けました。あ、規律高い教師は酒のんで授業はしないかw

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zem_movie_review

3.5迷い

2023年7月17日
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(コロナきっかけでお酒をやめたが)かつてはお酒を飲み、お酒を飲んでいるときここのレビューを書くこともあった。

飲むと気持ちが大きくなるのでそれは文にもあらわれた。
酔っているとたいがい文がなれなれしくなった。

酔いによって希望的観測が増長し読者をもっているような書き方をする。オーディエンスを想定したインフルエンサーのようになる。

また“泣き”もあらわれた。
日本映画のお涙頂戴演出を嘲笑するにもかかわらず酔いながらレビューを書いていると読み手を泣かそうとする感傷が入る。とりわけ感涙した映画を飲んで書いたりするとべたべたになり、やたら共感をもとめる。酔っているとき、他者・世界は迎合な博愛主義者だった。

それらは書いているときはたいそう気分がよかった。
酔っているんだからあたりまえだが。
だがあとになって読み返すとべたべただったりなれなれしかったりで最悪の気分になった。

飲んで書くとそうなることを学習していったので、次第に酔い状態のときでもある程度律した文を書けるようにはなった。

が、酔っているときには悪魔のささやきが聞こえる。
悪魔のささやきはこんなことやあんなことを書いてしまおうとかツイートしてしまおう──とか言ってくる。

酔いながらものすごいこと言っちゃうぞみたいな気分でツイッターへの投稿文を練った。
酔っている間、練りまくって結局投稿はしない。したところで見る者は数人だが。

まっとうな大人は酔ってやったことがそれなりになることを知っている。
酔いながら執筆したり創作したりする小説家や芸術家もいるのだろうが一般には酔ってやったことはそれなりになる。

ニュースでは酔った人が誰かを傷つけておきながら記憶にないと供述しているのが毎日報じられている。

お酒がなぜだめかというと人様に迷惑をかけるから。
そうならない人もいるがそうなる人がけっこういるから。

誰にも迷惑をかけないならシぬまで飲んでもいいがそこらへんにシんでいたら家族とか後処理する人に迷惑をかけるだろう。
概して飲むと周囲に迷惑をかけ、悲劇がおこる。律することができないならやめとけ──ということになる。

酔いがひきおこした自他のばかを見てきた。お酒なんか飲まないにこしたことはない。

──

前提の認識としてデンマーク人(デンマーク人だけでなく白人や黒人)は日本人よりお酒が強い。
日本人の体質とアルコールの関係性はネットに概説が転がっている。モンゴロイドは白人や黒人にくらべてアセトアルデヒトを分解する酵素が不活性なのでお酒が弱い──そうだ。おそらく日本人ならこの実験は顔面が紅潮してしまうので無理ということになるだろう。
それにデンマークでは16歳から飲める──とのこと。映画の冒頭からして高校生のbeer mileからはじまる。

もとはThomas Vinterberg自身が戯曲として書いたもので、それを実娘のIda(アイダorイーダ)が気に入って映画化を切望していたという。Idaはミケルセンの娘役を演じる予定だった。ところが2019年Idaは交通事故で命をおとしてしまう。
Vinterbergは本作を彼女に捧げ、映画の大部分を彼女の学校で彼女のクラスメートと一緒に撮影したそうだ。
戯曲は酒が変えた世界の歴史を考察する話だったが悲劇があったことで酒によって人生を見つめ直す話に変えたという。

──

4人の中年男が血中アルコール濃度が微量あれば人は創造的でリラックスする──という精神科医の理論にもとづいて各々じぶんの身体で実験をおこなう。

最初からひやひやしかしない。

偽りなき者のVinterbergは当初おそらくもっと拒絶的でニヒルなものを書いたのだろう──と思うが前述した悲劇によって映画の結論が賛歌っぽくなっている。
いったん固辞された妻から幸先のいいメールが届きマーティン(ミケルセン)は高揚感たっぷりに踊りくるって幕引きする。

が、不安も残す。アノロフスキーのレスラーとおなじ終わり方だった。大ジャンプしてそのままシんだかもしれない。w。

個人的にはあいまいな結論だった。酒を飲み飲まれることで立場が崩壊していくことと中年離婚危機と中年応援歌などの要素が渾然一体化している。

酔って踊るのがミケルセンだったから一定の絵に成り得たが酩酊は美化できるものではない。
一級の演出だったがどう結論するか迷った気配になんとなく(娘を失った)Vinterbergの悲しさがあらわれていた気がする。

──

飲みたくなる映画でむしろそっちが困った。

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津次郎