Winnyのレビュー・感想・評価
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ウィンナーじゃないほう
東出君が不倫で人民裁判に…ではなく、著作権法違反幇助で刑事裁判にかけられる話。国内の法廷ものとしては珍しく裁判のようすを時間を使ってしっかり見せている。阿曽山大噴火が傍聴席にいたのがリアル(笑)。権力を敵に回す姿勢も個人的には好ましく、警察の意向に沿ったマスコミ報道や組織内での空気読みなど、日本のクソな部分に対する吉岡秀隆の告発にはグッときた(その後どうなったのか気になったけど)。
一審有罪で終わり?と思いきや、続きはCMの後で…という締め方もよかった。警察の言うなりにホイホイ陳述を書いちゃう常識のなさとか、実際の金子勇を見て、この人はホントにただのギークだというのが伝わった。
ただし、2000年代前半の話なのに警察車両がY31型セドリックとかディテールの時代考証が雑でちょっと残念だった。予算がないのだろうけど。せっかく東出君や三浦貴大が増量までしてがんばっていたのに(三浦は素かも)。
キャスティング良し!
自分はこの事件のリアルタイムの記憶がない。まずそのことがショックだった。愛媛県警の裏金事件も並行して描かれる。こちらの方は記憶にあるけど、巧みな並走エピソード。
モデル出身のカッコいいオーラを封印してオタクプログラマーに寄せた東出昌大、熱血弁護士・本当にこういう人いそうな三浦貴大、横山やすし似?のカミソリ弁護士・吹越満、、、その他役作りに好感!皆んなが使命感に燃えて撮影に臨んだのではと思わせる。
主人公・金子勇の部屋のセットのリアリズムが彼の短命をすでに予感させていて、終始哀しかった。
秋田弁護士の刑事事件弁護士としての勝利への極意も非常に参考になりました。
今日は奇しくも袴田さんの再審請求が確たるものになりましたが、組織を守るために一体全体どれくらいの人々の人生、どれくらいの質と量の国力の源が葬られたのだろう。
もっと面白くなりそうなのに
記憶に新しいWinnyを巡る裁判劇の映画化。
なんとなく事件の内容は知っていたけれど、本作で描かれた金子さんの想いやこの事件が無罪になったことの意義は初めて知り、エンドロールのご本人のメッセージには胸を打たれました。
東出さん演じる金子さんの再現度も素晴らしく、天才が巻き込まれた不運に対しても前向きに向き合う強さや純粋さ、プログラマーへの想いが伝わります。
テーマや俳優陣は素晴らしかったのですが、同時進行で描かれる警察の汚職事件との関連性の分かりにくさ、ぶつ切りに感じる演出など、映画作品としては不満も多く
、事実を伝えるだけでなくエンタメとしても楽しめるものにしてほしかったなと思いました。
もっと闇ありそう
お上の闇まだもっと深そうだと感じたのと、今後のネットやプログラミングの世界も絡めたら深みが出るような気がした
どちらかというと裁判ものに仕上げてたが、違う描き方も出来たかも
ドラマで丁寧に時間かけたらもっと面白くなりそうな素材には感じた
天才プログラマーのドキュメンタリータッチ作品
警察の横暴さで天才プログラマーの大事な刻を止めてしまったドキュメンタリー的映画。
無論、金子さん側の視点で作られているので、警察にも言い分はあるでしょうが、いやいや怖いの一言。
未来の開発者のために戦った金子さん初め弁護団に拍手。
鑑賞した側に問う作りも押し付けでないところも好感。
個人的には愛媛県警時間を減らして再審を見たかったかな?
出る杭が打たれても負けない時代となるために
金子勇氏が、裁判を通じて、未来のエンジニアが萎縮しないように戦った意思は、果たして次の時代に引き継がれているのか、考えさせられた。
AI競争、自動運転車、SNS・・・あらゆる産業がソフト化する中で、いずれの分野でも世界の覇権を握る技術を開発できなかった。それは、技術者だけに起因するものでなく、社会制度が複雑に絡み合って、解けなくなっているものだ。
弁護士、事業家、投資家・・・それぞれの力を合わせて、今までの時代に都合の悪かった商慣習を破壊しながら突き進むしかない。破壊的イノベーションを支持する投資家や事業家、そしてそれを応援する顧客や仕入先が増えていくことを願う。
はたして彼は英雄か?
同時代にネットをやっていたけど、2chに始まる、チョイアングラ系の文化の軽いのりは、なんとなく合わなかった。
そんな中で、2chに端を発したWinnyが世の中で喧伝され、日本のインターネット空間をみるみる蔽っていった。ネットを普段使わない人達がどんどんWinnyを使うためにネットを始めているのをみていると、やはり違和感を感じざるを得なかった。
この映画では、47氏(金子勇氏)の一途な技術的な興味に駆られてWinnyを開発してしまった様子が描かれていた。技術屋の悲しい性とでも言うような描かれ方だった。映画としては面白かったし、雑に扱われている印象もなかった。その点では映画として面白かった。法廷論争の流れも興味深いものだった。
Winny事件のウィキペディアでも書かれているが当時の空気として、47氏(金子勇氏)の開発動機は面白半分的な意図があったと私は感じていた。だから、天才・英雄として祭り上げることは少し違和感がある。(映画では、決して煽っているように描かれていない)
ただ、彼が立派だったことは、最高裁まできちんと争い無罪を勝ち取ったこと。もしこれがなければ、将来の技術者に禍根を残す事になってしまっただろう。
久しぶりに、2000年頃のPC、WindowsXPかな?を見ることが出来た。随分と遠くまで来てしまった感が否めない。
この戦いが無ければもっと日本は落ちぶれていたかもしれない
Winnyの開発者が有罪となるならば今後、新たな開発を行う人が生まれなくなる。
だから無罪を勝ち取る。
そんな戦いがあったことすら知らなかった。この戦いが無ければ今の日本はもっともっと落ちぶれていたのではとも思った。
そんな裁判までの流れを余計な演出なく簡潔に、しかし入り込めるように表現された作品だった。
いつまでたっても旧態依然とした日本をまじまじと見せつけられる。
いま日本のポジションが低くなっていることを感じざるを得ない。そんな要因のひとつがこの作品を通じて理解することができた。
真摯で誠実な作風
しかし取調べの時の尋問誘導は酷すぎる。さらには裏金工作ですか。日本の警察も信頼できないなぁ。
ドラマチックな演出を控えて、社会派映画に徹した真摯で誠実な作りにとても好感が持てました(風俗嬢のシーンを除いてですが)。
東出昌大さん&三浦貴大さんの演技も良かったです。
魔女裁判とパンドラの箱
評価の難しい作品。映画として純粋に語るならば、似たようなIT訴訟もので「事実クオリティ&エンタメ感」を奮えるほど結実させている作品が海外にバカスカあったりするからね。そして主演。僕は元々好きだし、正直に言えば今でも好き。それでも嫌悪感が先に立つ人達は居るだろうし、理解する。でもね、良かったよ。「聖の青春」の時を思い出した。
エンドロールの為の贅沢な予告編。映画館で観ないなんて勿体ないです。いきましょう。そして、何かと「保守潔癖癖」の強い我々の意識を洗濯しましょう。
警察の悪いところ
2002年、データのやりとりが簡単にできるファイル共有ソフトWinnyを開発した金子勇は、インターネットの2ちゃんねるにソフトを公開した。公開後、シェアを伸ばし大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、社会問題となった。違法コピーした者たちが逮捕される中、開発者の金子も著作権法違反ほう助の容疑で2004年に逮捕された。金子の弁護を引き受けた弁護士・壇俊光は、金子と共に逮捕の不当性を裁判で主張したが、第一審では有罪判決を下されてしまった。そして、上告し、7年後最高裁で無罪を勝ち取った、という、事実に基づく話。
この例に限らず、日本の裁判は誰のためにやっているのか疑問に思う事が多い。国民の為じゃなく政府、官僚、公務員のためなのか、って感じる人も多いのではないだろうか。
最高裁で無罪になったのは良いことだけど、そのため彼のような天才クリエーターが能力を発揮する機会を奪ったことの保証は何もない。何とも虚しい感じを受けた。
東出昌大はこういうオタオタした役が上手い。
吹越満はさすがだった。良かった。
木竜麻生が紅一点で存在感有って良かった。
吉岡秀隆が演じた警察官について、実際の人に興味が湧いて調べたら、定年まで警察に勤め出世の芽を摘まれ、あの後も苦労されたのがわかった。
赤信号、みんなで渡れば怖くない、なのかなぁ、警察の悪いところが多少でも改善されるきっかけになれば良いと思う。
近過去から眺める、今
めちゃくちゃリアルタイムなはずだが、Winny騒動のことはあまり記憶にない。ちょうど組んだばかりのバンドで日本全国を毎晩のようにライブして回っていた頃のことだからだろう。インターネットとは対局のフィジカルな現場に、自分はいた。2004年。この映画の中心人物であるWinny開発者・金子勇氏が逮捕された年。
作品は実名で描かれるその金子氏と、彼を擁護する弁護士・壇俊光の友情ギリギリ手前の関係、そして冤罪に近い形で彼を有罪にしようとする警察との攻防を中心に描く。
シチュエーションは警察署、弁護士事務所、裁判所など、古びた屋内が多く、全体をどんよりと暗い閉塞感が支配している。見方によっては、この抜けの悪さが、隆盛を誇ったはずのソフト産業がデータ交換に取って代わられる時代の沈痛さを反映しているようにも思える。
そんななか、主人公・金子が見つめるのは自由で明るい未来。彼が腐心するのは開かれた社会へ向けてのソフト開発であり、犯罪的なことではなく未来へのまっすぐな眼差しから来るのだということが強調される。
オタク的な没入タイプの性格だが、より良い世界を見つめるやさしいソフト開発の天才という難しい役をバッチリ演じ切った東出昌大は見事と言うしかない。
三浦貴大演じる、熱い正義感を抱える弁護士。彼の現実と理想との狭間での葛藤もエモーショナルでよかった。
脇を固める、渡辺いっけい、吉岡秀隆、吹越満、渋川清彦ら名優陣がドラマの説得力を裏付けた。
気を衒わず、オーセンティックな作りの中に、じんわりとした緊張感がみなぎる演出が施されている点にも好感が持てた。
事件から二十年近くが経ち、金子氏が夢見た自由なファイルの交換によって著作物がやり取りされる時代に、我々はいる。劇中触れられる『1984年』のディストピアではなく、望む情報をだれもが手に入れられる社会だ。
映画や音楽のサブスプリクション・サービスの原点のひとつはこのWinnyにもあるのかもしれない。そう思うと、この近過去をもう一度見つめ直す重要性にも気づく。
良かった
金子勇に興味があったので観ました
冒頭の47氏の投稿シーンは
なんか鳥肌立ちました
歴史に立ち会えたような感覚なんですかね笑笑
私はPCは好きだけどプログラミングはさっぱりなので、尊敬しております
友人に彼のような少年時代を過ごしていたのがいるので、笑ってしまった
開店と同時に電器屋のマイコンにプログラムして動作確認をするのが全く同じ
この映画は事実を忠実に再現していると伺ってます
本当であるなら、警察の変なプライドのために
才能ある、一般常識に欠ける人を騙して
日本の技術開発を遅らせた方が罪だったのでは?
Winnyの脆弱性の改良くらいさせた方が良かったんじゃなかろうか?
革新者と権力は黎明期には対立するもんなんかなぁ
頭が硬いというか、なんというか
有罪になった後の無罪になるところまでが描かれてなかったのは主張が同じだから端折ったんですかね
そこも観たかったなぁ
エンドロールのインタビューでは
涙出ちゃいました
この後の残された時間を
知ってるからなんだろうけども
東出さんはこの役にハマってましたね
腹もぽってりしててなかなか良かった
出る杭は打たれる
実際の事件とのことだが、当時のことは知らない。
しかし、ソフトの開発者が不当に逮捕される。
映画内でのフォークの例えが分かりやすいが、技術者にとってこれほど恐怖なことはない。
とんでもない逸材の人生を犠牲にした罪はあまりにも大きいが、無罪のために戦ってくれたおかげで技術者は今自由に活躍できてるんだなぁと感慨深い。
愛媛県警の件はちょっと時間先過ぎかなぁ。
いくつか気になる点はあるものの、当時の状況を真摯に描いた姿勢に好感が持てる一作
2000年代初頭に社会問題にまで発展したファイル共有ソフト、「Winny」とその作者、金子勇氏に対する検察の捜査と公判の推移を描いた物語
。東出昌大扮する金子氏と三浦貴大扮する壇弁護士が物語の主軸となっているんだけど、そこに愛媛県警の仙波敏郎巡査長(吉岡秀隆)の挿話が、絡みそうでなかなか絡まないという微妙な形で差し挟まれてきます。
映像は小道具に至るまで、ノスタルジックさも残しつつ結構現代とも繋がっている、という過去感覚を絶妙なさじ加減で描いています。金子氏の家族も驚いたというほど役作りに励んだ東出昌大の、派手さはないが引き込まれる演技も良いけど、三浦貴大による壇弁護士の演技は、いかにも血気盛んかつ有能な若手弁護士らしい振る舞いで、非常に見事。特に金子氏に要所要所で振り回される時の困惑顔と絶妙な間は素晴らしいです。
雰囲気づくりを重視した映像の調子は全体的に調和がとれているんだけど、特に検察側の描写において、極端に照度を下げているのはやややり過ぎ感もありました。検察を「悪の組織」として強調したいんだろうけれども。
また金子氏はもちろん、多くの登場人物が実名で登場し、不祥事を起こした県警、府警もそのまま登場しているのに、報道機関名だけは架空の社名である点はやや違和感でした。このあたり、どういう意図や必然性があったのか、制作側の事情を知りたいところです。
法律事務所の若手に初歩的な質問をさせて、それにベテランが回答していく、という形でそれとなく当時のインターネット事情や著作権関係の法律知識を持ち合わせない観客に対して基礎情報を示す演出は親切ではあるんだけど、ちょっと若手の、特に女性職員の描き方が定型的で、制作側の認識の旧さを感じました。こうした描き方は現代に通じるように刷新して欲しいところでした。
いくつか気になる点はあったものの、派手な見せ場もないのに物語の推進力を維持する脚本と演出は見事だし、法廷劇としても見応えがある(というか率直に面白い)ので、十分に楽しめました。ただ「Winny」や「ファイル共有ソフト」、「2ちゃんねる」と言った当時のインターネット空間で鍵となる要素について全く前知識がないと、物語の導入部から理解が難しいと思うので、これらのキーワードを検索するなどしておくことをお勧めします。もっともWikiなどの包括的な情報源だと、物語の結末まで知ってしまう可能性が高いので、鑑賞の楽しみを取っておきたい人は、この点注意しましょう!
あくまで劇映画なれど真摯な作品かと─
正直、多少ドラマチックすぎるのではと思うところはあります。でも、そもそもの前提は・・・と強烈に思い起こさせてくれる、真摯で誠実な作品だと感じます。
そういえば、少し話題になっていたなぁこのニュース、なんてぐらいの記憶しかないのですが、こうして振り返ってみると、ドラマの内容云々など関係なく、この事件の前提自体が奇妙に思います。でも、当時はそんなことなど全く思わず、無料で・・・とか著作権侵害で・・・とかウイルスが・・・とか、Winny自体には全く関係のない事柄だけが目立っていたと思うわけで、だから争われている本質を全くつかめていなかったと、改めて思い知らされます。
じっくりと作品を見て違和感に気づく、というのではなく、もう少し見ただけでその理不尽さを見いだしたし、それ故にかなり見入りました。
全然関係のないと思われる事件などもうまい具合に絡ませた展開だったので、なおさら面白味を感じました。
事件のその後など知らなかったことも知ることができたし、見る価値をすごく感じた作品でした。
全223件中、121~140件目を表示